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真昼の月 http://mond.fliegen.chu.jp/

教師率、裏社会率、オヤジ率、ストーカー率少々多め 短編もあります!

BL/MLの小説・イラスト・マンガを趣味で書いております。下克上やオヤジ受け、年の差カップルが大好物ですので、そのうち増えていきます(笑)スーツとか眼鏡属性も高いです。

イヌ吉
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2013/04/17

1件〜100件

  • コメントありがとうございます!

    皆様、コメントありがとうございます。お返事が遅くなっておりまして、大変申し訳ありません💦💦💦今少しずつお返事しておりますので、直近のコメントについてはもう少々お待ち下さい💦&#

  • 家族の肖像 81(完)

    「ちょ!!やめてよ、大成!!」「こら!そんな事ばっかり言ってちゃ、いつまでも出発出来ないだろ!」 大雅が無理矢理間に入って大成から奏を引き離すと、大成はまだプープー言っているが、それでもようやく諦めたようだ。 「まったく&hell

  • 家族の肖像 80+お知らせ

      ◇◇◇ ◇◇◇   年に半分はイタリアに、と言われても、半年ずっとイタリアにいるわけではなく、行ったり来たりを繰り返すことになる。大雅は基本、日本にいたいと言っているが、それだとかなりちょくちょく日本とヨーロッパを往

  • 家族の肖像 79

    「父さん!分かってるんですか!?相手は男で、モデルなんてやってるような奴なんですよ!?つまみ食いされて、飽きたら捨てられるに決まってるじゃないですか!」「うるさいな。私の可愛い奏君は、そんなポイ捨てされるような人間じゃないんだよ」 

  • 家族の肖像 78

     もちろん、大雅はすぐに賛成した。奏も寧音にそう言われれば、そうなのかもしれないと最後には頷いた。そうしていつまでも頷かない大成を三人がかりで説得する羽目になったのだ。 大成にとっては、奏はお父さんと言うより、お母さんなのかもしれない。そう

  • 家族の肖像 77

      ◇◇◇ ◇◇◇  「社長、あの、俺、テレワーク勤務に戻してもらう事って出来ますか?」  月曜日の午後。オフィスには社長の他に、報告に来ていた優吾の姿もあった。どのタイミングで言うべきかと散々悩んでいた奏だが

  • 家族の肖像 76

      ◇◇◇ ◇◇◇   朝起きた時、奏は一瞬自分の置かれた状況が分からなかった。 広いベッドの上に一人で眠る奏の体には甘い歓びの名残が残っている。だが、その余韻を感じる間もなく昨日の母親の襲来を思い出し、思わず体に怖気(

  • 家族の肖像 75

     じんわりと、体があの日の熱を思い出していく。まだ少し、体を繋ぐ事に、自分がどうなってしまうか分からないという怖さがある。でもそれを、愛しい人を身のうちに感じられるという甘い期待が上回った。  大雅の指が、そっと奏の奥深くにしまい

  • 家族の肖像 74

    「奏さん、ずっと、あんたとこうしたかった。ギリシアの事が俺の夢じゃなかったって、確かめたかったんだ」「ごめんね、大雅君」「いや、俺の方こそごめん。あんな事があったんだから、奏さんが何も考えられなくなるのは当然だ」  大雅の唇が、そ

  • 家族の肖像 73

    「それが、寧音のお母さんだった……?」 「そう。すぐに電話は救急隊員に代わって、病院に来てくれって言われて……。病院に行ったら、姉さんは集中治療室で、俺に寧音を頼むって言って

  • 家族の肖像 72

      ◇◇◇ ◇◇◇   それからどれだけの時間が経ったのか。 寧音は大成と二人で自分達の部屋に戻り、奏は彼を心配した大雅の部屋で、大雅に向かい合っていた。 「俺はね、音楽一家のあの家の中で、ずっとひとりぽっちだ

  • 家族の肖像 71

     その日、律は大学の練習室で、遅くまで教授の指導を受けていた。ショパンコンクールで主席を取った律には、多くの仕事の依頼が来ていた。その日も次のコンサートに向けて練習をしていたのだ。 帰りが遅くなる事を心配したセインは、律を大学まで迎えに行く

  • 家族の肖像 70

     その当時の事を思い出し、奏が口を閉ざすと、寧音が震える唇を震わせた。「じゃあ、やっぱり私は……」  だが、すぐに奏は首を振った。 「聞いて。最初はね、俺も何が本当の事なのか分からなくて、少し

  • 家族の肖像 69

      ◇◇◇ ◇◇◇   部屋の中はしんと静まりかえっている。誰も、一言も声を発することができなかった。寧音の顔色は痛々しいほど真っ青で、そんな寧音を大成がそっと抱きしめる。 「寧音」「わたし…&h

  • 家族の肖像 68

    「チャチな名声を振りかざすのが大好きなお母様に教えて差し上げますよ。名声や権威というのはね、こういう風に利用するものです。さぁ、どうしますか?あなたが俺の愛しい家族である奏と寧音に今後二度と近づかないと誓うなら、クレールへの口利きを考えてや

  • 家族の肖像 67

    「つまりあなた達は、娘が犯罪被害に遭ったという話が世間に出れば潰される程度の音楽家であると、自覚しているわけですね?だからこそ、そんな小さな傷を揉み消そうと必死でいらっしゃる。ああ、そうそう。自分の娘を見殺しにしても全く良心の痛まないような

  • 家族の肖像 66

    「やめろ!あなたはそうやって、姉さんの話を一度も聞かなかったくせに!」「何を聞けというの!?こんな事が世間に知られたらどうなると思ってるの!?私達の音楽家としても名声が、お前なんかの為に地に落ちることになるのよ!律を殺しただけじゃ飽き足らず

  • 家族の肖像 65

     しばらくすると、玄関のチャイムが鳴った。大雅が玄関を開けると、確かに先日の女────高橋美弥子がそこに立っていた。 「どうぞお入り下さい」「……ずいぶんちゃんとした所に住んでいるのね。驚いたわ」&nb

  • 家族の肖像 64

    「ただいま〜、パパ」「ご飯作ってくれるんだって?」「いっつもお父さんにばっかり作ってもらってるから、休みの日ぐらいは俺達が頑張りますよ!」  三つもあるエコバックから食材を取り出しながら、二人は楽しそうに今日の報告をした。 もちろ

  • 家族の肖像 63

      ◇◇◇ ◇◇◇   今日は朝から寧音と大成が出かけていて、この広いマンションの中に、奏と大河は二人きりだった。  ギリシアで二人は互いの気持ちを確かめ合ったけれど、帰りの件で奏の様子がすっかり変わってしまっ

  • 家族の肖像 62

      ◇◇◇ ◇◇◇   優吾と別れてから、大成は優吾のアドバイス通りに、寧音を動物園に誘った。 「……動物園より、科学博物館の方が良いわ」「お姫様のおっしゃる通りに」  大

  • 家族の肖像 61

      ◇◇◇ ◇◇◇   寧音が「パパに内緒で会いたい」と連絡を取ると、優吾はすぐに時間を作ってくれた。キャンプの時には気まずい雰囲気になってしまったが、寧音を我が子のように思っている優吾にとっては、「寧音とケンカするのな

  • 家族の肖像 60

      ◇◇◇ ◇◇◇   とりあえず、四人はアッパークラス用のラウンジに入ることにした。LOKIはミラノの空港では、当然VIP待遇だ。LOKIの姿を見たスタッフが、ラウンジの奥にあるエグゼクティブルームに四人を案内した。&

  • 家族の肖像 59

    皆様、昨日もお知らせしたとおり、本日からは少し展開が変わり、少々ハードな内容が出てきます。ネタバレになるといけないのであまり詳しい事はかけないのですが、地雷にされている方もいると思われます。もし明るいお話のままハッピーエンドを迎えるのがお好

  • 家族の肖像 58

    「分かってるのよ。ちゃんと分かってる。パパがお兄さんを好きになることだって、ずっと前から分かってたの。だって、パパはお兄さんと一緒にいる時だけ、どうしたら良いのか分からないって顔をしてたもの。私のことを見てなきゃいけない。私のことを一番に考

  • 家族の肖像 57

     大雅は奏の手の上に自分の手を重ねて寧音を見つめた。真摯な瞳だった。反射的に何か言い返そうとしたが……寧音は、その言葉をすぐに飲み込んだ。その代わりに口から出て来たのは、ひどく切ない涙声だった。 「&h

  • 家族の肖像 56

      ◇◇◇ ◇◇◇  「パ、パパっ!?」 レストランに入り、奏の顔を見るなり、寧音がおかしな顔をして小さく叫んだ。 「ん?おはよう、寧音。よく眠れた?」「ええ、おかげさまでぐっすり…&hellip

  • 家族の肖像 55

     奏はなんとか体勢を整えると、できるだけ自然に見えるように体を起こし、大雅に向かってぺこりと頭を下げた。 「……取り乱してごめん。その、昨日は、ここまで運んでくれたんだよな?重かったろう?」「いや、全然

  • 家族の肖像 54

      ◇◇◇ ◇◇◇ 電子音が鳴っている。シンプルなベルの音。ああ、目覚まし時計が鳴ってる。早く起きて、朝ご飯を作らなくちゃ。ああ、でも目が開かない。早く起きなくちゃ。寧音が遅刻したら大変だ。寧音…、ねね…&hel

  • 家族の肖像 53

    「愛してる、奏。今まで、一人で頑張ってきたんだな。でも、今日からは俺が一緒だ。あんたはもう一人じゃない。あんたの荷物は俺も背負うよ。俺のことも、あんたが支えてくれるんだろう?そうやって、俺達はこれから、二人で生きていくんだ」「あ&helli

  • 家族の肖像 52

    「だから、俺、こういうことしたことなくて……だからその、何をどうして良いのかも分からないし、こういう時のマナーとか礼儀とかも知らないし、とても君を歓ばせてあげることなんてできないと思うんだ。あの、ほんと、こんな年

  • 家族の肖像 51

    「ああ、夢みたいだ。奏が俺の腕の中にいる」  いつ服を脱がされたのか、覚えていなかった。自分の貧弱な体が大雅の目に映っていると思うと、恥ずかしくて死にそうになる。 「……見るな」「どうして?

  • 家族の肖像 50

      ◇◇◇ ◇◇◇   その後は、どうやってホテルまで帰ってきたのか、よく覚えていない。ふわふわと、雲の上を歩いているような気持ちがした。帰りの船の中でも大雅は奏を抱きしめたままだったが、うなだれる奏の腰を支えて歩いてい

  • 家族の肖像 49

     ゆっくりと、大雅が奏の下唇を啄む。 「奏……ああ、夢みたいだ。俺、あんたにキスしてるんだな……」 小さく呟くなり、大雅の舌が奏の唇を割って、そっと中に入ってきた。 

  • 家族の肖像 48

    「俺は、どこにでもいるおじさんで、君の周りには若くて美しくて、君にふさわしい人がたくさんいる。俺は……ただの、君のファンで……。そんな俺が君に愛されるなんてあり得ないし、そんなのはいっ

  • 家族の肖像 47

     博物館を出てから、二人はまた並んで歩いた。アポロンとアルテミスが生まれたとされる“聖なる湖”に辿り着いた時、大雅の手は奏の手をそっと握りしめていた。奏はビクリと肩を震わせて、大雅を振り返った。 「頼む。振

  • 家族の肖像 46

     寧音の手は小さくて、頬に触れられても、空気のように軽かった。自分が守るべき手だ。そう思えば、その手は余計に小さかった。 小さくてほっそりとした、寧音の手。奏は、その手しか知らない。  もっと小さい頃には、誰かがこうしてくれただろ

  • 家族の肖像 45

     確かに、あのキャンプの時の優吾は少しおかしかった。あんな風に、私生活に横やりを入れられた事も初めてだ。でも優吾からしてみれば、LOKIという有名モデルを前にして、自分が舞い上がっているように見えたのだろう。今まで誰にも告られた事もなければ

  • 家族の肖像 44

    「えっと……あんまりゆっくりしてると、帰りのフェリーに間に合わなくなるから……」「ああ、そうか。ちっ。せっかく良い雰囲気だったのに」  心底残念そうに言う大雅に、奏はもう一度

  • 家族の肖像 43

    「そこで見ててくれ。写真撮っても動画撮っても大丈夫だから!」「本当に良いのか?俺、本当に撮っちゃうぞ?」  慌ててスマホを構えると、大雅はニコッと笑い、一度下を見て、それからクッと顔を上げた。 「!」  それは

  • 家族の肖像 42

      ◇◇◇ ◇◇◇   デロス島でフェリーを降りると、そこはまさに遺跡の宝庫だった。 他の観光客達も景色を眺めたり、写真を撮ったりするのに夢中で、こちらを気にする人はいないようだ。 「すごいタイルだな」「デュオ

  • 家族の肖像 41

     大雅はやたらと反対しまくっているが、元より奏には興味のない場所だ。 そもそも奏は男に興味がある訳ではないし、女性のヌードはこんな太陽キラッキラのビーチで見る物でもないと思っている。仮に奏がゲイだったとしても、目の前に完璧な肉体と美貌を備え

  • 家族の肖像 40

      ◇◇◇ ◇◇◇   翌日は、打って変わって朝から大忙しだった。何しろ一週間も休みを取ったというのに、もう明日にはこの島を発たないといけないのだ。 「パパ、私達は猫の写真を撮りに行ってくるから、パパ達は二人で

  • 家族の肖像 39

      ◇◇◇ ◇◇◇   式が終わると、外に出て何枚も写真を撮った。青い屋根と真っ白い壁が幾重にも並ぶ美しい島の町並み。青い空と青い海をバックにキスをしたり、抱き合ったり、手を握ったりする二人の写真を、大雅も奏も競うように

  • 家族の肖像 38

      ◇◇◇ ◇◇◇  その日は朝から一点の曇りのない青空だった。エーゲ海に浮かぶ白い宝石、ミコノス島。白い漆喰で塗られた美しいホテルで、寧音は純白のドレスを身にまとっていた。 「寧音、綺麗だよ」 奏が微笑むと、寧音は目に

  • 家族の肖像 37

      ◇◇◇ ◇◇◇   月曜日に会社に行くと、社長にちょいちょいと手招きをされた。 「奏君、こないだはうちの息子がなんか迷惑掛けた?」「いえ……」 急にそんなことを言われて、奏は返答

  • 家族の肖像 36

    「お前は…っ!そうやって、自分は関係ないって思ってるのかもしれないけど、お前がそうやって鈍感だから俺がいつまでも心配するんじゃないか!」「お前に心配してもらわなくても結構だよ。さぁ、この話はお終い!せっかく作った飯がまずくなる

  • 家族の肖像 35

    「寧音が俺の幸せだよ。俺は寧音がいればじゅうぶん幸せなんだ」「でも…っ!」  大切な、大切な一人娘。この子が本当の娘じゃないなんて、そんなことある訳がない。だって、ずっと自分が育ててきたんだ。夏の暑い日も、冬の寒い日

  • 家族の肖像 34

    「だいたい、寧音ちゃんはお前に、早く結婚して、本当の子供を持ってもらいたいって、いつも言ってるだろ?お前だってそれは知ってるよな?」「そ…」  そんなこと分かってる。そう言おうとしたその時。 「優吾ちゃん」

  • 家族の肖像 33

    「……お前さ、困ってることとか……あるんじゃねぇの?」「困ってること?」  前にも優吾はそう言っていた。自分はそんなに困った顔をしているのだろうか。 「ああ。ほら、

  • 家族の肖像 32

    「ん…奏?」  寝ぼけているのか、低く掠れた声が耳元を掠めて、奏はゾクリとした。うぅう、イケメンは声までイケメンだ。奏より六つも年下だというのに、この色気には、自分はいくつになっても辿り着けないだろう。「トワレがどう

  • 家族の肖像 31

      ◇◇◇ ◇◇◇   朝目が覚めると、横臥して眠っていた自分の後ろに、ぴったりと寄り添うように大雅が眠っていた。大雅の頭が奏の肩にはまり込み、長い脚がスプーンを重ねたように、自分の脚にくっついている。 「あぁ

  • 家族の肖像 30

    「たった二人の兄弟だろう?君が大成君の為に頑張れたように、大成君も君の為に頑張ってきたんだ。大成君に聞いてごらん。きっと大成君も、君に恩返しがしたいって言うよ?」「そんなこと……っ!」  叫ぶなり、大雅

  • 家族の肖像 29

    「ランウェイだけじゃ、正直食っていかれないんだよ。パルファムや下着の仕事が来ると結構金になってね。あいつが中学に上がった辺りで、そういう仕事も段々入ってくるようになった。俺の名前も結構売れてきて。CMなんかにも出られるようになって。で、すぐ

  • 家族の肖像 28

    「大成に言われたよ。兄さん、苛められてるの?って。俺は良いから、兄さんは逃げてって。そんなことできない。そう言ったけど、大成はああいうとき、本当に頑固なんだ。自分はあいつらにわざと甘えて媚び売ってやるから大丈夫。でも兄さんは、このままでいた

  • 家族の肖像 27

      ◇◇◇  ◇◇◇  大雅と大成は七つ違いの兄弟だ。物心付いたときから両親の仲は不仲で、母親は自分達にあまり関心がないようだった。そんな母親に見せつけるように、父親は自分達を大切にしてくれていた……よ

  • 家族の肖像 26

      ◇◇◇  ◇◇◇   バンガローとは名ばかりの山小屋の中で、奏はぽっかりと目を醒ました。小屋の中には小さな卓袱台が一つあるばかりで、皆銀マットの上でシュラフに入り、酒臭い寝息を立てている。 「あ〜、今何時だ

  • 家族の肖像 25

    「だって、こんな時でもなきゃなかなか恩返しもできないでしょ?」  きっと、ちーちゃんズは本当の親に良い距離感で育てられてきたから、そんな風に思えるのだ。愛されるのは当たり前。親が常に傍にいて、子供の面倒を見るのは当たり前。&nbs

  • 家族の肖像 24

    「兄さんが八月にプレタのショーでヨーロッパに行くんです。そのままミラノで落ち合ってギリシアに飛べば、兄のヨーロッパまでの渡航費が浮きます」  どっちみちギリシアには日本からの直行便がないため、ヨーロッパ経由かドバイ、もしくはトルコ

  • 家族の肖像 23

      ◇◇◇ ◇◇◇   豚汁と焼きそば、それからBBQという定番メニューは、定番なだけにみんなのハートと胃袋を掴む。もっとコジャレたメニューにしようかという意見も出たのだが、娘達が「これが良い!」と主張したこともあり、ま

  • 家族の肖像 22

    「寧音ちゃんが大学行ってから、なかなか時間が取れなくなってね。夏休みとかでも実習入ってたりするしさ。まぁ、千鶴も今年から社会人だから、これからもなかなか機会はないかなぁ」「え?千草ちゃんは?」「千草は1年留学してたから、まだ大学生。大学終わ

  • 家族の肖像 21

    「なぁ、あの怪しい兄さんはなんなんだよ。お前、あの男と同居するとか言ってたのか?」  焚き火台で柴に火をつけていた優吾が、順調に火が薪に燃え移ったのを確認すると、すぐ隣でグリル台に炭を熾している奏に耳打ちした。大成は水場に水を汲み

  • 家族の肖像 20

      ◇◇◇ ◇◇◇「パパ〜、焚き火台に薪積み終わったよ〜!焚き火熾してくれたら豚汁作るから!」「あ、そっちは俺達がやるから、寧音ちゃんはちーちゃんズと遊んできな!」「はぁい!ありがとう、優吾ちゃん!」 お日様がキラキラと差し込む湖畔のキャン

  • 家族の肖像 19

     縋るような思いでばあちゃんの消えていった先を見守っていると、とん、と背中に何かが当たった。「奏」「っ!」 そうだ。大雅がいるんだった……。「えっと……。と、とりあえず、荷物、詰めちゃ

  • 家族の肖像 18

    「寧音のお婿さんの、お兄さんなんだ。その……」「初めまして。六条大雅です。お騒がせしてすいません」「いいえ、ご丁寧にどうも」 ばあちゃんはそれでもまだ心配そうな顔をして、大雅と奏を見比べた。「今、奏さんに、この機

  • 家族の肖像 17

    「でも、ほら、俺、ゲイだからさ。娘婿の兄貴がゲイでも気にしないかもしれないけど、一緒に暮らすとなると、話は別だろ?」「は?いや、別に君が誰と付き合っても俺は気にしないし、そんなことで同居を嫌がってると思われるのは、ちょっといやなんだけど&h

  • 家族の肖像 16

    「あの、そういう話、無理にしなくて良いんだぞ?こないだのことは、俺も大人げなかったし、もう気にしてないから」「え?俺が言いたかったら話しただけだし。荷物、適当に詰めちゃって良い?」「あ、うん。ありがとう。あ、俺の荷物は別によけておいてくれる

  • 家族の肖像 15

     でも、そろそろ向き合うときなのかもしれない。 寧音が一人前になって結婚するのだ。自分だって、ちゃんと姉と向き合わなければ。  奏は、姉の写真を手に取った。自分よりもずっと若い姉は、写真の中で幸せそうに微笑み、幼い寧音を抱きしめて

  • 家族の肖像 14

      ◇◇◇  ◇◇◇   取り敢えず、奏は自分たちの部屋の荷物をまとめることにした。どのみち、近日中の立ち退きをお願いされているのだ。どこに住むことになっても、荷物はまとめておかなければならない。  この部屋は

  • 家族の肖像 13

     大成が先頭に立って部屋の中を案内してくれるので、どうせならと色々覗かせて貰った。奏の真横はちゃっかり大雅がキープしている。 寧音と大成の新居だというフロアだけで3LDKだ。大雅の部屋は、これと同じタイプの物だという。どんだけ広いんだよ。リ

  • 家族の肖像 12

    「……その見本市には、奏さんは一人で行くの?」「いや、社長も含めて三、四人で。俺は児童書担当で、他にもジャンルによって担当が違うから、手分けして回るんだ」「その優吾さんって人も行くのか?」「優吾は国内の営業だから

  • 家族の肖像 11

    「お兄さんは、年の半分くらい海外なんですよね?」 奏の焦りにまるで気づいていないかのように、寧音が笑顔で大雅に話を向ける。  ……この美貌を前にしても、寧音の笑顔には緊張感がない。きっと寧音は、もう大雅

  • 家族の肖像 10

      ◇◇◇ ◇◇◇   とにかく一度新居を見に来てくれと、寧音と大成に強引に連れ出されたのは、次の日曜だった。優吾からは同居するつもりがないならバシッと断れとは言われているが、大事な娘夫婦の新居を見ておきたい気持ちもある

  • 家族の肖像 9

    「なぁ、奏。お前だって少しは考えてるんだろう?彼女とか、婚活とかさ。大学辞めてから子育て一筋で、今までそんな余裕なかったのかもしれないけど、これからは一人になるんだしさ」「それが、あんまりそういう気持ちもないんだよね」  メンチカ

  • 家族の肖像 8

      ◇◇◇ ◇◇◇   昼休み。食事を取りに外に出ようとしたら、ちょうど外回りから帰ってきた優吾に呼び止められ、一緒に食事を取ることになった。 出版社が立ち並ぶ神保町の大通りに面した社屋から、ほんの少し歩いたところにある

  • 家族の肖像 7

     話してみたらどうだ。寧音だけではなく、大成のことまで自分の子供のように包み込むあの包容力。大成が屈託無く『お父さん』と呼び、心の底から彼を父として慕っている様子に、驚きを隠せなかった。  日本では全く活動していないLOKIを知っ

  • 家族の肖像 6

      ◇◇◇ ◇◇◇   顔合わせからの帰り道。大雅は久しぶりに運転する愛車の感触を楽しんでいた。 「兄さん、なんか機嫌良いね。お父さんのこと、気に入った?」「お父さんって、お前……。

  • 家族の肖像 5

    「パパ、パパ?ちょっとパパ、大丈夫?」「あ、うん。えっと……」  何度か声を掛けられていたらしい。強く腕を引っ張られて、ようやく奏は現実に戻ってきた。 「とにかく、一度部屋を見に来て欲しいの」

  • 家族の肖像 4

     そう、目の前に座っているのは、ヨーロッパの街中に飾られたポスターや雑誌、CMなどでもよくお目にかかる、世界的なトップモデルだ。今はイタリアのメゾン・オートクチュールの専属モデルとして活躍している。日本ではあまり目にすることはないが、ヨーロ

  • 家族の肖像 3

      ◇◇◇ ◇◇◇   三日後、二人から指定されたのは、奏が入ったこともないようなゴージャスなイタリアンレストランだった。店の外観を見ただけでも、奏の財布が震え出す。入り口から中を見ると、お客さんもスタイリッシュな紳士淑

  • 家族の肖像 2

    「え?でもお父さん、ゲイですよ?えっと、同性愛者。知ってます?」「知ってるよ。俺、子供の頃ベルリンやパリに住んでたから、そんなに珍しくもなかったし」  十五歳までヨーロッパの大都市で暮らしていた奏は、男性同士で手を繋いで歩くカップ

  • 家族の肖像 1

    「お父さん、会って欲しい人がいるの」  娘の寧音(ねね)にそう言われたとき、高橋 奏(かなで)の頭は疑問符でいっぱいになった。 会って欲しい人、というのは、普通結婚相手を紹介したいときに言う台詞だろう。  娘の寧音───

  • 新年のご挨拶&新連載のお知らせ

     明けましておめでとうございます!! 皆様、本当に本当にお久しぶりでございます。昨年も、なかなか大変な年となりましたが、皆様にはお元気でいらっしゃいましたでしょうか。 昨年の年始のご挨拶で、「コロナで職場が自粛

  • 開設8周年、ありがとうございました!!

      皆様、お久しぶりでございます。イヌ吉でございます。 あんまりにも久しぶりの投稿で、もうどうしようかと思ったのですが……やっぱり皆様にご挨拶したくてこうして記事を立ち上げております

  • 猫の手屋さん(開設8周年御礼小説)

    皆様、いつも「真昼の月」に遊びに来てくださり、ありがとうございます。 blog開設記念のお話なのですが、本当ならうちのblogで皆様に応援してもらっている設楽君とか衛さんのお話を書こうと思っていたのですが、今回は全く違う人たちのお

  • 実は1年寝かしてしまっていたのですが(滝汗)

    皆様、いつも「真昼の月」に遊びに来て下さり、ありがとうございます!! えと、まず誤らないといけないのですが、実は昨年、7周年記念のお祝いを「夢見月夜曲」の日高千湖様から、いただいていたのです!!皆様にすぐにお目にかけようと思ってい

  • 明けましておめでとうございます!!

      皆様、明けましておめでとうございます!! 昨年中は大変な年となりましたが、皆様にはお変わりないでしょうか。 私は職場が色々ピンチで(自粛対象だったものですから💦)途中からWワークを

  • 8月1日22時。11(完)(結晶シリーズ)

     この話になると、由希子はどうにも感情的になってしまって話ができなくなる。言っている事は分かるし、武義も少し前まではそういう気持ちだった。異性の由希子より、むしろ同性である武義の方が嫌悪感は強かったかもしれない。 …&hell

  • 8月1日22時。10(結晶シリーズ)

     でも肝心の智一の態度が!! もうお前は犬が!先生に構ってもらいたい犬か!!キャンキャンと足下に纏わり付いて「構って構ってご主人様コマンドはまだですか!?どんなコマンドにも即座に対応致します!だって私はあなたの可愛い愛犬ですから!!」と言わ

  • 8月1日22時。9(結晶シリーズ)

     そう。土曜日。いきなり智一は電話で呼び出されて出かけていった。こんな毎日毎日思い詰めた顔で勉強ばかりしていたのに、急に呼び出してくるなんて。「どうせ大竹先生でしょ!?こんな時期に智くん呼び出すなんて……!」「で

  • 8月1日22時。8(結晶シリーズ)

     研究者達にとって、ここから先の人生は伸るか反るかの大修羅場の連続だ。その重圧に潰されて、消えていった奴らも多い。だが、設楽は大丈夫だ。あの飼い主がいる限り。 以前一度だけ、公用で大学に来ていた奴を見たことがある。設楽はしっぽが振り切れるの

  • 8月1日22時。7(結晶シリーズ)

     ……ゴメン、設楽。別にお前が国試に落ちるとか全く思ってないけど、でもこのセンシティブな時期に、そういう話はお前の耳には入れたくねぇわ……。 なんて大竹が考えているとも知らず、設楽は大

  • 8月1日22時。6(結晶シリーズ)

     慎也はああ言ってくれるけど、本当かな……。慎也がやってるのは大学受験だから、やっぱり薬剤師の国試は専門外じゃん?いや、でも試験の傾向とかって、出題者の心理とか傾向とかがあって、そういうのは分かるもんなのかな&h

  • 8月1日22時。5(結晶シリーズ)

      ◇◇◇ ◇◇◇ 目が醒めると、もうお日様はずいぶん高い所にいるようだった。「あ……あれ?俺……?」 ぽっかりと目を開ける。ベッドの上には設楽一人が横たわっていた。体中がまだ幸せな疼

  • 8月1日22時。4(R15)(結晶シリーズ)

    (R15)です。このblogは18歳未満の方は読んでいらっしゃらないはずですが、苦手な方が間違えて読まないように、一応たたみます。大丈夫おっけーどんとこい!という方だけ「続きを読む」を押すか、もしくは下にスクロールしてお読み下さい。----

  • 8月1日22時。3(結晶シリーズ)

    「どうしたの、智くん?」「いや、よく分からないんだけど、とにかくちょっと出かけてくる!!」「え?出かけるってこんな時間から?」「いや、ごめん、ちょっと俺もよく説明できないんだけど、とにかく行ってくるから!!」「智くん!?ちょっと!!」 母親

  • 8月1日22時。2(結晶シリーズ)

    『慎也:五秒後に電話かける』「え!?慎也!?五秒後!?電話!?電話!??!?わ、わ、ありがとう!?」 時計を見ると夜の十時。確かにそろそろ一休みしても良いような時間だ。膝の上に両手を置いて、ドキドキしながら着信を待つ。五秒しかないはずなのに

  • コメントありがとうございます!

    皆様、コメントありがとうございます。お返事はコメントをいただいた順に書いております。先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。&nb

  • 開設7周年、ありがとうございました!!

      皆様、「真昼の月」に今年も遊びに来てくださり、ありがとうございます!!亀の歩みのようなblogですが、皆様に忘れられずに遊んでいただけて、イヌ吉は本当に果報者です!! お礼の画像は、おいしく栄次さんを転がし

  • 8月1日22時。(結晶シリーズ)

     夜中に机に向かっていると、大竹に会いたくなる。 過去問のページをめくる時。消しゴムを取ろうとした時。深呼吸をした時。飲み物に手を伸ばした時。 ふっと流れ込んでくるように、大竹を思い出してしまう。 大竹の笑顔とか、匂いとか、低い笑い声とか。

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