帰りの便は10時20分、ということは8時すぎに羽田、ということは7時に出なければならない。「送っていくよ」と言っていた子供たちも7時と聞いて黙ってしまった。空港定額タクシーは予約しにくいので、着いてすぐから探し始める。果たして2週間先だというのに、どこも「予約がいっぱいで承れません」。連休は終わったのに、ウィークデイの早朝からみんなどこへ出かけて行く?電話予約ができる某タクシー会社も「いっぱいです」と...
27日~28日に行われたアンケート調査の結果、62%が3回目のロックダウンに賛成。オランダの暴動や、フランス人気質を考えるとまことに意外な結果、と思いきや、内訳を見ると:57%が「友達をうちに呼ぶこと禁止」に反対64%が「生活必需品以外の商店閉店」に反対60%が「学校閉鎖」という言葉は聞きたくもない54%が「レストラン&カフェ閉店延長」に反対唯一64%が賛成しているのは「他の地方への移動禁止」「こりゃ殆どアラカル...
日曜新聞/ジュルナル・デュ・ディマンシュの一面、「Reconfinement imminent /隔離間近」カステックス首相はマスクをしたほうがいい・・・ハッとさせる見出しの割りには決定的なことは書かれていないんだけど、ワクチン研究インスティテュートの所長の見開きのインタビューがあり、「ウィルスの伝播は、より伝染力の強い変種(複数)の出現を助ける。それらの感染スピードにわたしたちは追いつけない。でもクラスターを食い止め、テス...
「悪いニュース」は首相が発表、「すごく悪いニュース」はマクロン大統領
イギリス産の変種コロナは伝染力が+50%と言われ、目下フランスでは一日に200~300人が罹っている。これはコロナ感染者全体のの1~2%に当たる。伝染力だけではなく「死亡率も30%高い」と発表したのはジョンソン英首相。この数字は「まだ確認されていない」とフランスは慎重。ジョンソン首相はトランプ同様、コロナを軽視してマスクもつけなかったから「あんたに言われたくない」というのもあるだろう。とにかく医療関係者たち...
「きさま!」「ぶっ殺すぞ」「バカヤロー!」・・・アニメ『進撃の巨人』にハマっている娘の新ボキャブラリーだ。「でも日本語の罵り文句は『バカヤロー』と『くそ』で、あまり種類がないね」そう言われてみるとそうかも。フランス語は“バカ”だけでも、crétin, con, imbécile, bête, abruti….と50くらい言い方がある。Andouille/アンドュイユもそのひとつ。“子牛の胃腸の細きれを詰めたソーセージ”で-個人的には聞いただけで食欲を失...
翌日の日本語の準備をしていたわたしは時計を見て飛び上がった。17時半。あと30分の猶予。コートを着てマフラーをぐるぐる巻きにし走り出ると、ばったり友達に出会う。「散歩してるんだ」「わたしは郵便局とモノプリ」「あと25分、急げ!」大通りに出たら、今まで見たことがない光景:みんな走っている!-と言ったらオーバーで、ゆっくり歩いているおじいさんおばあさんもいるけど-“残すところ後何分”という緊張で張り詰めている...
10年カードをどのようにゲットしたかと言うと、息子が生まれたときに“自発的に”くれたのだ。その前は弁護士に頼んで申請していたのにウンでもスンでもなく、毎年並んで更新していた。そしたら出産直後で許可証どこじゃないときに向こうからやってきた。「フランス人の子供の母親」だからと。フランスは属地権/droit de sol と血族権/droit de sang があって、フランスで生まれた外国人親の子供は、属地権からフランス国籍になる。...
間もなく切れることに気づいた。1月23日。パスポートの時は「この写真、やけに若い」と思ったら、もう切れていたので、事前に気づいただけでもマシだ。すぐに警視庁のサイトを見たら、コロナのせいできっちりアポイントを取らないといけないことになっている。確か10年前は、番号札を取って、大きな待合室で待ったような・・・あれは20年前?10年前のときは、間際で写真が小さすぎるか大きすぎると言われ、外に撮りに出るハメになっ...
2020年、コンフィヌマンや夜間外出禁止で一番被害を被ったのがレストラン(-32.9%)。次がオモチャ&レジャー(-29.5%)までは驚くに当たらないけど。3位につけるのは靴業界-27.5%!なるほど、自宅勤務で外に出ないから靴が要らないのね。その代わり伸びているのが部屋履きで、靴メーカーは部屋履きラインに力を入れているとか。17世紀にシャラント県で生まれたのでCharentaises/シャランテーズと呼ばれるフェルトの部屋履...
「なんて街だ!」が、久しぶりにパリに来た義弟ジャン=ルイの第一声。彼は南西フランス、フィジャックでシャンブル・ドットを経営していて、パリは3年ぶり。「あっちこっち一通になってて大回りさせられる。自転車専用通路が車線より広い。大バカ市長が!」“大バカ市長”とはアンヌ・イダルゴで、彼女の『パリから車締め出し作戦』の結果だ。つまり作戦は成功している、と言えるんだけど、車線が狭いから渋滞は前よりひどい。つま...
一瞬誰かと思ったマリーヌ・ルペン。ほとんど“可愛い”と言っていい。photo:challengeマスクなしの顔を見てなるほど。両端の下がった口元と薄い唇が“感じ悪く”しているのね。photo:le Parisienブリジット・マクロンはどうだろう?モロッコ人アーティスト作のマスクだとか。無地しか着ない彼女のイメージと違う。photo:femmeactuelle.frやっぱり”マスク顔”のほうが若々しいような・・・photo:europe1.frそういえば、外で「こんにちは」...
届かないのは宅配便だけじゃない。12月15日に日本の友人に出した小包、クリスマスの後にそろそろ着いているかと「追跡」を見てたまげた:「あなたの郵便物をお預かりしました」で止まっている。つまりあの郵便局にまだいるってこと。航空便は午後5時にトラックが来て、郊外の集配所に運ばれ、翌日にはロワシー空港につく。photo:le Parisien12月の郵便局はすごく混んでいた。わたしの小包がどこかでこぼれ落ちた?局の片隅に忘れ...
大晦日の夜、「夜間外出禁止が守られているか」「不法パーティが行われていないか」見張るため、10万人(!)の警官&憲兵が全国に散りばめられた。パリには9000人。内務相ジェラール・ダルマナンのお達しは「寛容度ゼロで取り締まれ」。毎年、人で埋め尽くされるシャンゼリゼ大通りは警官しかいない。にもかかわらず、レンヌ近くのモト倉庫で、レイヴパーティが堂々と行われていた。集まった人は2500人。隣国からはるばるやってき...
と聞くのが好きだ。日本語の生徒さんマリエットにSkypeで聞いたら、彼女はしばし考え込んで(この質問をするとしばし考える人が多い)「本とセーター」リタイアした未亡人の彼女はヴィレットのタワー13階にひとり暮らし、25階に住む息子さん家族とクリスマスを祝った。「息子さんには何をあげました?」「息子さんにジャケットをあげました」(何度か言ったけど自分の息子に“さん”をつける)「息子さんは奥さんから何をもらいまし...
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帰りの便は10時20分、ということは8時すぎに羽田、ということは7時に出なければならない。「送っていくよ」と言っていた子供たちも7時と聞いて黙ってしまった。空港定額タクシーは予約しにくいので、着いてすぐから探し始める。果たして2週間先だというのに、どこも「予約がいっぱいで承れません」。連休は終わったのに、ウィークデイの早朝からみんなどこへ出かけて行く?電話予約ができる某タクシー会社も「いっぱいです」と...
けっこう頻繁に日本に来ているのは、ホームに入った母を見舞うためだ。彼女の雑用を片付けたり、買い物したり。その合間に子供たちに会い、打ち合わせが少し。実家の整理も続けなければいけないけど、これは8割方終わったところで止まっている。母は、最近のことは何度も聞くけど、しっかり会話ができるし、ユーモアもある。去年夫が会いに来たときは「まぁいいオジイサンになったわね!」97歳の母に「いいオジイサン」と言われた...
新百合ヶ丘は思ったより時間がかかり(移動にはいつも思ったより時間がかかる)息子とシェアハウスに着いたのは夜8時半すぎ。大きなキッチンで、娘と彼が鶏のグリルとズッキーニとポテトの準備に奮闘している。サロンには、料理を作ってひとりで食べている人、パソコンに向かっている人がポツポツ。そのうちテーブルのひとつでポーカーが始まり、仕事帰りの人も着いてにぎやかになった。顔ぶれはナイジェリア人、台湾人、ヴェトナ...
飛行機の座席は、最前列(前部はファースト&ビジネスなので区切りの最前列)を予約してあった。隣はお父さんと2歳くらいの子供。泣き続けたら眠れない…と心配になったけど、とても大人しく、大奮闘のお父さんの方が騒がしいくらい。彼はおむつ、タオルケット、食糧など荷物が多いので座席前のスペースが広い最前列を予約していた。ところがこの席は、TV画面やテーブルがひじ掛けに組み込まれているため倒せない。つまりひじ掛けを...
娘が日本に発って(正確には、一緒に行って置いてきて)から4か月。先日、やっと彼女が残していった衣類を片付けた。洗濯した浴衣を畳んでいたら、どこからともなくタマが現れて、浴衣の上にゴロリと横になる。洗剤の匂いしかしないのに、どうしてわかったの?浴衣の柄を見分けるはずもないし…おまえは天才猫か?娘の不在を一番悲しんでいるのは間違いなくタマ、彼女の”べべ”。(勢いわたしはおばぁちゃん)メッセンジャーで話す...
朝市の商店主たちは重労働だ。午前3時に起き、冷蔵室の商品をトラックに積み、市場に着くのが5時。それから出店を設置して商品を並べ値段をつけ終わると7時。早起きのお客がやってくる…とクリストフから聞いた。商品数が多い八百屋のエルザおばさんは午前3時出発と言っていた。店じまいは午後2時ごろ。残った商品をトラックに積み、帰って冷蔵室に入れると午後4時を過ぎている。2か所の市場で週に2回ずつ、それを17歳の時...
朝市の“クリストフのお店”でチーズを買うようになったのは、娘がお腹にいたときだから27年前 。当時はクリストフと奥さんと、品のいい中年のおばさんの3人で店を仕切っていた。クリストフが夏のバカンスを取る40日間は、他のチーズ屋に行くけど、それ以外は浮気をせず、毎週日曜日、顔を合わせていれば仲良くもなる。「息子さんはコンテ、娘さんは固めのロカマドゥール、あなたはあまり熟成していないロブロション、ご主人は・・・・...
娘カップルはボルダリングにはまり、週2回壁をよじ登っている。だんだん難易度の高い壁に挑戦していて、先週、娘は難易度“中”の壁の頂上まで上ったところで、「足が滑って一気に落ちた!」と聞いて母は一瞬青くなる。「どのくらいの高さの壁?!」「わたしの身長の3倍以上」というから5mくらいか。もちろん地上にはマットレスが敷いてあるので「かすり傷だけ」。でも「落ちている間に、これまでの人生が早回しで見えた」そうい...
というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...
邦訳が再版になり、出版社に招待された作家のシドニー。行こうか、行くまいか、ギリギリまで迷い、遅れて空港に着くと、出発が3時間遅れていて飛行機に乗れてしまう。関空では編集者、溝口が待っていた。お話はシドニー(イザベル・ユペール)と溝口(伊原剛志)の、なんとも非現実的な雰囲気の6日間。第一、シドニーが招待された理由も現実味がない。訳書が再版になる度、著者を招待していたら日本の出版社は全部倒産してしまう...
1940年代後半、イタリアの田舎町。戦後の物資不足で人々の生活は貧しいけど、新しい民主主義への希望が感じられる。夫と3人の子供、寝たきりの義父と暮らすダリア。家事の合間に縫物や傘修理の内職に走り回り、ちょっと気に入らないことがあると暴力を振るう夫に耐えている。長女のマルセラはそんな母を見るのが、自分の将来を見るようで辛い。「どうして逃げ出さないの!」「逃げるって・・・どこへ行けって言うの?」そこへ突然、...
茶色くて2-3㎜で、外で見れば可愛いと思えるけど、それが群れをなしてうちの中にいると可愛くない。台所の壁際をせかせかと歩き、流しまで上ってきている。食べ物は全部隠し、猫がいるから殺虫剤は危いよね、と思いつつモノプリに見に行ったら、アリ&ゴキブリ専用で「子供、動物にも安心」という殺虫剤を見つけた。しかしあまり効果なし。数時間で戻って来る。ゴキブリは小動物より頑丈だから、アリとゴキブリを一緒くたにしてい...
コレージュ3学級(14~15歳)のフランス語の授業でロンサールの詩を勉強している。若い先生、ジュリアンは「Astéisme」という手法を「誰かを褒める時、非難のように聞こえる表現を用いること」と説明し、生徒たちの“ピンと来ない”という表情を見て、例を挙げる。「例えば『レスリー、その新しいヘアスタイル、素敵だね』という代わりに『レスリー、何そのヘアスタイル!』…」先生が言い終わらないうちにクラスは騒然となった。「...
人工妊娠中絶の権利が憲法に加えられた式典で、TF1のジャーナリストに聞かれたマクロン大統領。「間違った情報やでっちあげのシナリオが横行し、信じる人がいること。それが当事者、家族を深く傷つけること」持って回った言い方に、「それはブリジット・マクロンが男性だという噂のことですか?」「もちろんそうです」マクロンは答え、「これ以上話したくない」と苦々しく。この噂を知らなかったわたしは(読者の方に教えていただ...
娘カップルが新百合ヶ丘のシェアハウスに入居して2か月。部屋は狭いけどバス&トイレつき、キッチンやサロンの共有スペースは広くてきれい。サロンで会ったイギリス人の女性は「何でも聞いて」と親切そうだった。数週間経って聞いてみたら、「住人がアホばっか」「!?」娘曰く、英、米、豪、仏・・・つまり白人たちが、アフリカ系の住人に差別的発言&態度をするのだと。「それも精神年齢を疑っちゃうような、あからさまな差別」と...
片頭痛防止対策のひとつで、月に1回オステオパシー (骨矯正術)に通っている。うなじの左側が凝って-先生曰く“ブロック”されていて-それが片頭痛の一因になっているらしい。カイロプラクティックのように骨をポキポキせず-しても1回くらいー両手を頭や首筋に当ててじっとしている。だけなのに、よく効いてここ数か月大きな片頭痛になっていない。こういうのをマジックハンドと呼ぶのでは。なにしろ先生はオペラ座ダンサーた...
猫たちがソファを気に入ったのはいいけど、気に入りすぎて彼らの場所になってしまった。メリディアンヌ(méridienne)と呼ばれる長椅子で雑誌を読むのが夢だったけど、いつ行っても先客がいる。近寄るとキッと睨まれるので、「はいはい、お邪魔はしません」元祖メリディアンヌ。人間が寝そべり、猫は床、が正しかった。Edouard Manet 1862何がそんなに気持ちいいかというと、生地でしょうね。前のズタズタソファは皮でひんやりし...
相続をめぐる家族紛争が週刊誌をにぎわしていて、渦中の人、アヌーシュカ・ドロンがラジオで話していた。アラン・ドロンにはアントニー(59歳。母親はナタリー・ドロン)、アヌーシュカとアラン=ファビアン(33歳と30歳。母親はロザリー・ファン ブレーメン)の3人の子供がいる。この3人が、ドロンの近年の“伴侶”ヒロミさんを追い出した。追い出すまでは団結していた3人が仲間割れ。ドロンが遺産を圧倒的に多くアヌーシュカに...
Habitat倒産の被害者になり、その後どうなったかというと、弁護士2人が債権者代理になったことがネットで告知され、その人物に領収書や必要事項を記入した用紙を送った。「ほとんど望みはない」と夫。会社が倒産した場合、法定財産管理人が任命され、その人がまず自分の報酬を確保する。次に未払いの税金、社員の給料、契約会社の請求書が払われ、お客は最後だから。だからと言って、見ただけで気が滅入るこのソファ・・・・最近は猫...
最近ひんぱんに耳にする名前、ラファエル・クナール。金曜日のセザール賞授賞式では『最も期待される男優賞』『最優秀男優賞』、監督として『最優秀短編ドキュメンタリー賞』の3つにノミネートされ、『最も期待される・・・』を獲得した。射るような眼差し。笑うと優しくなる。©Capture d'écran canal+ 受賞のきっかけ映画『どう猛な犬』は、南仏の田舎町で仕事もしないでたむろしている若者たちのお話し。アントワーヌ(ラファエル...
なぜ、マクロンはシャツを2枚着ているのか?ストライプのピンクに合わせてピンクのシャツだから、色的にはマッチしているけど、なぜ重ね着?キャッチの「マクロンはよく働くのでシャツが2枚買える」は面白くなく、納得もできない。「それにジーンズの形が悪い」と娘。でもブリジット・マクロンの服装のほうにダメ出しが多かった。「いくら脚が自慢でも、この歳で膝を出しちゃダメ」とわたし。「この歳でキラキラのバスケットシュ...
ゴールデンウィーク最後の日、東京-ヘルシンキのJALに乗った。なぜ経由便かというと-値段もあるけど-JALの直行便は朝9時、ということは遅くとも7時に羽田到着、ということは5時半出発、ということは4時半起き。つまり最後の日は全く使えず、前夜は殆ど眠れない。ヘルシンキ経由は夜11時で、最後の日が丸々使える。飛行機は空いていて、真ん中4席に娘と2人。折り重なりながら横になれた。娘は、寝息を立てているのに、機内...
Mode offに服を持って行ったとき。店員さんが仕分けをする間待ち、名前を呼ばれてカウンターに行ったら、殆どの服がひとつのボックスにまとめられ、セーターが2枚、別のボックスに入っていた。この2枚は買い取れないのね、と思ったら、実は逆だった。“殆どの服”の中にはソニア・リキエルの夏物(30数年前のだけど)もあったので、「これもダメなんですか?」と聞いたら、「流行りじゃないんで」わたしはソニアだけ拾い出し、200...
娘が着いてから毎日片づけじゃ可哀そうだから、日帰りで何処かに行こう。夫とは山(箱根)に行ったから海?最後の週末、わたしたちは江の島へ出かけた。田園都市線の中央林間で待ち合わせた息子は、短パンにプリントシャツ、水着、バスタオル持参で、コート姿の女2人を「ナニ、その恰好!」笑ったが、現実は寒くて、わたしたちが正解だった。江の島の駅を出ると、目の前が海。思ったより人が多い。カラスもたくさんいて、鷹に似た...
毎日2回は通る道に小さい神社、桜神宮がある。その隣は幼稚園。人が忙しく行き来する駅前通りで、その一画だけ時間の流れ方が違う。ある日、ピンクの花がたくさん咲いているのを見て、初めて入ってみた。ピンクの花は、実は細い短冊で、その木は“縁むすびの木”。こんな小さい神社に、こんなに多くの人が願い事(読まなかったけど)をするんだと感心。桜にちなんだピンクの“花帯”も、近眼のわたしが花と見間違うくらい美しい。それ...
夫が発ち、入れ替わりに娘が着いてからは、前回の続きで実家の整理をする。男2人はあまり頼りにならないからだ。夫はちょこっと手伝っては昼寝をし、息子は、まぁ仕事があるから仕方ないけど、時間は限られている。「2時間で帰ってくるから、ここの押し入れと本棚をお願いよ」と男2人に言い置いて、帰ってくると全然進んでいない。「ナニしてたの!?」「いろいろ議論することがあって」と息子。「そう、なかなか面白かった」と...
去年の7月、送ってきてくれた友人が羽田の閑散を見て「日本も終わりだ」とつぶやいたのを思い出す。たしかにSF映画みたいだった。10か月後、夫を送りに来た出発ホールは人が溢れ、ほぼ全部閉まっていたお店も7割方開いている。3年間、待ちかねた外国人が復活祭休暇にやってきて、連休前に帰るところ?セキュリティチェックに入る人たちの長蛇の列。JALのスタッフが「Face Expressをすると早く行けますよ」搭乗券とパスポートを...
夫は正味8日間の滞在で、10数年ぶりで会う友人たちと食事をしたり、箱根にも行ったのであっという間に過ぎ、発つ日になった。彼の飛行機は夜11時なので、最後の一日、息子と過ごそう、と駅に向かって歩いていたら、「補聴器を忘れた!」「わたしが取ってくるから(そのほうが早い)ゆっくり(つまり通常のスピードで)歩いてて。パスポートは持った?」「パスポート?」「買い物したら免税のとき要るでしょ」夫はコートのポケット...
今回、田園都市線沿線にAirbnbを探したけど、夫と2人、喧嘩せずに過ごせる広さのが見つからない。日本の国境が開き、桜の季節(『桜=4月』と思っている外国人が多い)、それに円安も手伝って外国人が押し寄せているからか。結局、ワンルームを2つ借りることになった。ある朝、わたしの部屋で一緒に朝ご飯を食べ、「支度してくるから」、と夫は自分の部屋に帰った。30分後、ドアのベルを鳴らしたけど返事がない。シャワー中?...
「水の音」の朝ご飯は、夕ご飯に負けず美味しかった。鯵の一夜干しは、温められるようにコンロが用意されていて、玉ねぎとジャガイモのお味噌汁は鍋ごと来る。お重の中には、卵焼き、ミニ昆布巻き、鰯の甘辛煮、鱈子炒り…こんな風に一口ずつ、色んなものが味わえる日本の食事に感激する。朝食には順応性がない夫が、「コーヒー、ハム、フロマージュ・ブラン!」と騒ぐかと思ったら、喜んで全部食べていた。その後、「モトを取らな...
「水の音」という小涌谷のホテルには、大浴場2つと貸し切れる露天風呂がいくつかあった。各階に作務衣が各サイズ用意され、部屋にはバスタオルと小さいタオル、足袋ソックスが入った温泉用の籠。夫は小さいタオルを取り出し「何に使うの?」「これで身体を洗ったり、浴場に入るとき、なんとなく前を隠すのに使うんだ」と息子。「何を隠す?」「・・・・」「ほかの人がしているようにすればいいの」とわたし。ところがちょうど食事時の...
ホテルに荷物を置いたのは13時過ぎ。「この辺でお昼を食べられるとこありますか?」と聞くと、「すぐ近くにフランス料理のレストランがあります」。ここまで来てフレンチを食べたくないけど、お腹が空いてえり好みは言ってられない。お店の名前はROI(王様)、お客さんは誰もいない。お昼のメニューは:ハンバーグ、メンチカツ、ポークソテー、シーフードグラタン。どれもスープとサラダつき。日本で(本場の)味を、とわたしはハ...
わたしは東京で諸々用事があるけど、久しぶりに日本に来る夫のために、1泊でどこかへ出かけよう。「山がいい」と言われ、思いつくのは箱根。近いし、山だし…何よりわたしには思い出のある場所。その昔、おばあちゃんが「二束三文で」土地を買い、「もしかしたら温泉が出るかも」と庭のあちこちを掘り返したけど、何も出なかった。温泉を諦め、茅葺の山小屋のような家を建て、わたしたちは毎年夏休みをそこで過ごした。当時は小涌...
年金改革反対のスト&デモが頻度を増し、週一になっている。日本に発つ日に当たりませんように、とお祈りまでしたのに、13日、12回目のストにぶつかってしまった。RATP(パリ交通公団)は「ほぼ正常」とニュースで言っているけど、RERをよく使う友人が「ニュースはトラブルを過小評価する、スーツケース持って混んだB線に乗るのは避けた方がいい」前日、デモのコースが発表された:オペラからバスティーユ。デモ隊が終着点に着くの...
年金改革でエマニュエル・マクロン支持が落下し、野党連合NUPESは、チンピラのようなヤジや暴言で国会を混乱させ評判を落とした。それを傍観し、時々まともな発言(「マクロンは象牙の塔に篭り、国民の声を聞かない」「49.3の連発は民主主義の危機」…)をしていたマリーヌ・ルペンが一気に点数を稼いだ。先週のアンケートで「1週間後に大統領選を行えば」第一回投票でルペンは31%獲得。与党のエドゥアール・フィリップ28%、急進...
一昔前のフランスで、子供の名前はカレンダーに記されている聖人名、歴史的に知られている人の名前に限られていた。それが“自由化”されたのが1993年1月。その後に生まれた子供にはテス、ケヴィン、オセアンヌ(océan/大洋のギリシャ語)…など外国名が出てきて、それでもまだ常識的だったのが、最近、戸籍責任者が仰天するトンデモナイ名前が続出:Nutella(ニュテラ:仏版ピーナツバター)Fraise(フレーズ:イチゴ)Anomalie (...
「エイプリルフールの冗談かと思いました」とニュースキャスター。社会福祉&連帯閣外相マルレーヌ・シアパが4月8日発売の『プレイボーイ』に、女性の権利について長いインタビューを載せ、表紙に(服を着て)登場する。2017~2022年(マクロン大統領1期目)に、男女平等&差別廃止担当閣外相、次いで市民権担当大臣と若くして重要ポストに就いた。でも一見、政界より芸能界のほうが似合いそうな雰囲気の40歳。photo:causeurエ...
誰もいない田舎の夜道を走るタクシー。乗っているのは母と娘と犬、行き先は古い館を改造したホテルだ。レセプションの女性は不愛想で、母娘の予約を見つけるのに手間取り、ホテルはガラガラなのに希望の部屋は空いていないという。ジュリーが交渉している間、母親は何も言わず隅の椅子で待っている。なんとか希望の部屋をゲットしたジュリー、「ママ、この部屋、覚えてる?」「天井の壁紙を覚えているわ」母は若い頃、このホテルに...
木曜の9回目の年金改革反対スト&デモは参加者が108万人、抗議の声も激しくなった。出発点のバスティーユ数時間後、終着点のオペラでは過激極左派も加わった。photo:BMFTV2日前の火曜日、年金改革案は可決されたものの、僅か9票差。政府に同調するはずの右派レピュブリカンの一部が寝返って不信任案に票を入れ、スレスレの可決。反対派を強気にさせた。翌日水曜、沈黙していたマクロン大統領がやっとTVニュースに現れた。大統領...
金曜日以来「49.3(キャラント・ヌフ・トロワ)」「モーション・ドゥ・ソンシュール/不信任決議案」という言葉が、耳にタコができるほど繰り返される。ラジオをつけっぱなしにしているからタコができるんだけど。49.3、憲法49条3項とは、政府が、審議中の法案を国民議会の投票なしで可決できる。つまり強行採決。モーション・・・・は強行採決をひっくり返すことができる野党の手段。国民の3分の2が反対している年金改革法案を「投...