歯車
昨日の朝、新聞を読んでいると視野欠損がはじまり新聞の文字が読めなくなった。またまた2年ぶりに芥川龍之介の「歯車」が出現した。この現象は中学生のときにはじめて体験した。その時も新聞を読んでいる時に気づき、文字が読めないと大騒ぎしたのち割れるような頭痛で半日寝込んだ。その後、長く生きていると発生パターンが見えてきて、だいたい2年ピッチで、初夏の朝に出現する。まったく厄介なもので今回はカロナールを飲んで様子を見た。 僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云ふのは絶えずまはつてゐる半透明の歯車だつた。僕はかう云ふ経験を前にも何度か持ち合せてゐた。歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野…
2025/05/15 11:24