「山田健一の世界～ねこの国の不思議な猫～」ねこの国には、「ネコ皇帝」という名前の不思議な猫が存在する。ネコ皇帝は、絶大なる力(パワー)を秘めている猫である。ネコ皇帝がその気になれば、3日間で地球を7回破壊できるほど強大な力を持っている。また、ネコ皇帝は、その強大な力で時空をねじ曲げたり、潰したりすることも出来る。ネコ皇帝の力は、あまりに強大なので、日頃は、そのエネルギーをセーブしないと生活ができない。蓄積されたエネルギーの影響で、「おいは、こげな身体になっとるったい。」とつぶやく。「これは太っとるわけじゃなかとよ。エネルギーが充満しとるったい。」ネコ皇帝の目には、人間には見えないものが見えており、多くのことを正確に理解している。「おいは、何でも知っとるったい。」この神秘的な猫は、自信たっぷりにそう話す。ネ...その38山田健一の世界〜ねこの国の不思議な猫〜
「融合」健一の在命中、博士と健一は、手紙でよくやりとりをしていた。兄への手紙の中で、健一はいつも空想(と現実が混在している)の話を書いていた。それらは、「ねこのじかん」や「ネコ皇帝」や「ねこの国」の話であった。健一は、それらが実在していることを前提に話を進める。それらは、健一の頭の中だけにある空想の世界なのか、健一だけに見えている実在する世界なのか、この時の博士には判断できなかった。おそらく、弟の空想世界なのだろうと、博士は考えていた。時々、弟が何を書いているのか兄には理解ができなかった。弟にしか見えていない空想世界は、日に日に現実世界との乖離が進んでいるようだった。しかし、何度も弟の手紙を読んでいるうちに、現実世界から乖離した弟の空想世界は、次第に博士の精神を飲み込んでいき、博士にとっても、ねこのじかん...その39融合
