その41 この不公平で不平等で不均衡な世界で、時には弱者、時には強者になる我等
「この不公平で不平等で不均衡な世界で、時には弱者、時には強者になる我等」堤君は負けを知らない。何をやっても誰にも負けない。おのずと堤君は全てにおいて一番になる。テストはいつも満点だし、例えば野球で打席に立てば、全打席ホームランを打つ。空振りをしない。堤君がバットを振る時、それはホームランを打つ時である。人生には負ける経験も必要だという話はあるが、堤君には負けは必要ない。一点の曇りもなく負けない。堤君は自分の経験や成長のために勝ち負けにこだわっている訳ではない。堤君個人にとって勝ち負けには本質的な意味はない。勝とうが負けようが、どうでもいい。それでも、堤君は一番にこだわる理由がある。この世界は、不公平で、不平等で、不均衡だ。他者が存在すれば、もれなく強者と弱者が現れる。弱い者の存亡は、強い者の裁量に委ねられ...その41この不公平で不平等で不均衡な世界で、時には弱者、時には強者になる我等
2024/08/24 19:07