「鶯のさやけし歌」鶯のさやけし歌は明け方の森に響き渡り顕界と幽界に光が照りとおる樹下に座し仙骨から息を吐く木漏れ日がやわらかく私を撫でるのだ仲春の風は清らかに甘く私の幽体に棲むイノチたちに安楽を与えているそれがこの春彼岸の数日であったいま この夜明け前私は自室のソファーに体を預け傍らの線香の香りの中で呼吸を深めてこの春彼岸の記憶に酔いしれているなんとも甘美な安楽よ心の第三隔壁をすり抜け神我を直撃す...
詩人・木村浩欣の2013年8月からのブログです。 日本文化・東洋思想・神秘思想を基盤に、和歌・俳句・写真詩の創作をして、「祈りの詩文芸」に取り組んでいます。皆々的との楽しい交流を希望しおります。合掌・感謝・詩人・木村浩欣。
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「鶯のさやけし歌」鶯のさやけし歌は明け方の森に響き渡り顕界と幽界に光が照りとおる樹下に座し仙骨から息を吐く木漏れ日がやわらかく私を撫でるのだ仲春の風は清らかに甘く私の幽体に棲むイノチたちに安楽を与えているそれがこの春彼岸の数日であったいま この夜明け前私は自室のソファーに体を預け傍らの線香の香りの中で呼吸を深めてこの春彼岸の記憶に酔いしれているなんとも甘美な安楽よ心の第三隔壁をすり抜け神我を直撃す...
「紅椿の幻」 神が来し海上の道岬椿 ( 本井 英 )和歌三首 ちはやぶる神代は地上に在りしかな 紅椿落つ鎌倉の寺 旭日の空をじーっと眺めいる この一刻に久遠おもいて 春の森に鶯啼きて輝ける 座せば無尽の過去と未来よ俳句七句 浄智寺の椿の赤に海を見る 紅椿吾が心源に落ちたるか 藪椿ことばに生きる一花あり 街ゆかば花を数えて弥生かな 春の夜の花のかほりは幻ぞ 鎌倉の路地裏に立ち...
「風と遊ぶ白木蓮」 白木蓮の散るべく風のさからえる ( 中村 汀女 )和歌三首 精霊の乗りて遊びし白木蓮 ひとひらゆれて風の光れる 春彼岸朝焼けの野に座したれば アマテラスの歌天地に満ちたり 人の世に哀し嬉しと吾も酔う 祈りに開く春の花にも俳句七句 白木蓮は男神か路地灯す やわらかき風と遊びて白木蓮 そのかほり宇宙にとけて白木蓮 やわらかき春風に立ち君おもう 森の歌しず...
「春霖と雪柳」豚肉とシメジを炒めてツユの素とゴマダレで食べる今朝は春霖君にも食べさせて「おいしい」って笑わせたいけれど君はここにはいない開けた窓から雨の香りと音が滑り込むシトシト ピチャピチャ自動車の水しぶきの音雨粒の香りうっかりそれは甘いのだと言いたくなるがその直感を今朝の私は疑ってみる耳をすませて頭も心も空っぽにしてこの今朝の春霖に向き合う雨上がりには ミミズが出るかな雪柳は濡れるかな河津桜は...
「初桜のひとひら」 初さくら誰へともなく夜の言葉 ( 岡本 眸 )和歌三首 神いずこ人の問いたる河岸に 彼岸桜のひとひらの散る 春の空青を濃くして光たる 河津桜のひらく朝かな 春彼岸いのちのひかりを祈りなば 死の無き国の滲みいずるか俳句七句 陽の降りし河津桜と春の空 初さくら全てよろしと呟ける 蒼天のゆくへを知るか初さくら 春彼岸かぞえきれない星の下 春昼や茅葺屋根の苔...
「形無き妙なる音楽」三月の東の朝の空には雲が踊るまっさらな蒼天は昇りゆく旭日に色彩を変じてゆき踊り続ける雲達はあるいは渦を結びあるいは千切れゆき日の出の輝きに燃え上がってゆく野辺に座しそれを眺める私は自分の感情の風通りの良さを発見して驚いていた鹿の角の先端を百会にあてがい仙骨から細く深く息を吐く鹿の角の先端を百会にあてがい光明真言を唱える万生の念弦は大気に滲みこの旭日の光線に歓喜している陽光の歓喜...
「春灯と黒き道」 春眠や大き国よりかへりきし ( 森 澄雄 )和歌三首 円覚寺の門前の池にひとひらの 梅の散りたる朝の静けさ 風やわしさねさし相模の朝空に 雲は舞いたり神代は明日かと 白き梅ちりそむる朝あゆみけり 出発も終焉も彼方にありしか俳句七句 春灯や黒き道こそ終わりけれ 観梅や空の海にも光りたり 春情や去りし友あり来たりし友あり 春の夢ねてもさめても色遊ぶ 春時雨...
「白梅の白の理由」 竜天に登るわたしは靴を履く ( 鍵和田 秞子 )和歌三首 春彼岸あさひ拝みて吾も座す 仰ぎし空の色のうつろい ちはやぶる春告草に宿る神 その音楽の始まりに立つ たらちねの母の御霊におろがみて 懺悔文となえる春の朝かな俳句七句 啓蟄や落葉の香りて肚に満つ 春分に鳥のとよみて光満つ 仰ぎなば雲も舞いたり春彼岸 満天の夜空を知れり梅夜月 白梅の白の理由は人...
「早春の謎の音楽」早春の森の梢をホオジロがゆらすそこ声は歌なのか 呼びかけなのか私は歩みを止めて彼の姿を追う梢のゆれる音ホオジロの啼く声私の足音この音楽は何処から来たのか私の胸に響く勾玉がシュルシュルと空間を呑み込むこの二月の朝陽は鋭い音もなく鋭く照り通る二月の陽ざしそれを柔らかさに変換しているのは土の匂いであり梢の呼吸でありホオジロの喜びなのだ音のゆらぎの後先を空っぽの耳が探すのだが私の心は そ...
「梅の枝の目白」 白梅や父に未完の日暮れあり ( 櫂 未知子 )和歌三首 彩雲の風に光りて春来たり 赤子笑みする街の真昼に 浄刹に父母の御心問いし夜に 北極星の真白く光れる 梅が枝を目白ゆらせば春の空 歌に満ちたる常世ありしか俳句七句 二月には梅に遊びし目白かな 梅の枝を目白ゆらせば風笑う 梅林に目白のはらから歌こぼる 風光る人法の世も透き通り 天法の降りて楽しや山笑う 彩...
「チガウという」私はチガウと言うチガウ チガウ ソウジャナイ と何がチガウのか何でもいいのさ何が何であれそれはチガウのだこの世が欲する正しさがチガウと 私は云っている私たちが呼吸する大気は何だ私たちが踏みしめる大地は何だ私たちの空想は何だ誰が真実を知っているのか自分だけが真実を知っているのか神か 仏か 先祖か 宇宙か彼らなら真実を知っているのか私はチガウと云うこの蒼天の輝きは 一体なんだ私の心耳に...
「浄刹にても梅咲くか」 夭折も天寿も梅の花の中 ( 有泉 七種 )和歌三首 色しらぬ白梅ひらく相模の野 鳥の歌にもミロク世ありしか 風ゆるみ春告草の白ひかる 蒼天あおぐ白き輝き 佐保姫の舞のはじまる野をゆけば ホオジロ歩く軽やかさかな俳句七句 神に問う浄刹にても梅咲くか 光降る春告草の仰ぐ空 樹下に座し目蓋とじても風光る 春陰に眼光するどき忠魂碑 生死と云う恐ろしき語と春の...
「紅梅かほる」 カントより妻が難解冴え返る ( 坪内 稔典 )和歌三首 紅梅を黄泉の娘にささげたい 泪も涸れた朝の月かな 蒼氓もこの立春に天仰ぐ 地上浄土は我らが開くと 梅の香をたどりて彷徨う枯野には 幽かに舞ひたる詩の神あり俳句七句 立春やモヒカン少年はしり出す 冴え返る海に朝陽の光る道 明け方の海に背を向け春の月 梅月夜第一義なる祈り事す 紅梅の夜明けに咲きて音も無し ...
「パイライトの見えざる火花」パイライトの金色の玉は見えざる火花を撒き散らし白金の五鈷杵は現界と幽界の七層の壁を貫いてほの白く灯る正月の藤沢の街遊行寺の境内カタチなき一者の流出は石段の内部に満ち溢れ満ち溢れ満ち溢れ万生の眠りの内側からこの世界を支え続けている阿弥陀如来の歓喜の掌よ正しき幸福と叫ばれる真白き欺瞞と歪真の心眼は陰から陰へと動いてゆくデジタルからデジタルへ人間の感情は情報の狂乱にやつれ朝露...
「枯野の初時雨」 待つ春や氷にまじるちりあくた ( 智 月 )和歌三首 冬の野に梅の芽いまだかたけれど この日この時おしみて歩む 彼の人も美に灯の心持つ 明日の浄土は我らが開くと 春隣り死の無き国に顔むけて 枯草を踏む今日の一歩か俳句七句 一月や未だ色無き天もあり 老猫と吾が心琴に冬深し 街路樹の歌を聴いては春を待つ 冬晴れの鎌倉駅の中国人 初時雨きのうを忘れ降りしきる ...
「冬椿のしずく」 山の雨やみ冬椿濃かりけり ( 柴田 白葉女 )和歌三首 遊行寺に天女の彫刻みつけては その見下ろせる街の後先 詩の神冬天の雲ながしては 猫も蟻も花もゆれたり 出発の朝の泪のありしこと 忘れる峠の汗のきらめき俳句七句 冬靄の森の深さにひそむもの 寒月や瞑目しても蜜の色 雨粒をキラとのせたり冬椿 寒椿のぬれて光れる路地の裏 冬椿のしずくに映る宇宙かな 古暦...
「盲なる巨大客船」不可解な熱気を帯びた見えざる嵐がこの冬枯れの野辺に音を滲ませる遠くの列車のリズムにも似て人の人の人の言語中枢に真っ黒いモノリスが置かれてゆく信用で食べてる銀行家たちはハラハラしながらポーカーゲームを続けているそれを眺めるこの河原乞食もまたこの明滅を繰り返す気象予報に夢中なのだ常なる事なきこの天地に未だ見たことのない朝焼けのその空には白鷺が一羽川上へ飛んで行くだろうか明日か 来月か...
「寒林の白き息」 寒晴れや浮上しそうなガスタンク ( 小檜山 繁子 )和歌三首 自意識と云う小さき船が川岸に 長く眠りて春を待ちいる 勾玉の光れる音を胸に秘め 泪のあとの空の輝き ぬばたまの夜のひずみに垣間見る 古き森にも鳥声の満ち俳句七句 あらたまの風もやさしき枯木立 正月の夜のしじまの浅き夢 霜ひかる泪と笑いのそのハザマ 寒晴れや空っぽの眼が空を見る 黒き夢みな暖め...
「新年の謎」 新年の謎のかたちに自在鉤 ( 平井 照敏 )和歌三首 年立つや明日の謎を数えては 影なき昨日の息を吐ききる 真夜中のコンビニにタバコを買いたれば 艶本みつめる少年のあり 新年の街に太鼓がコダマする 神を忘れた人々の群れ俳句七句 カタチなき風に真向い玉の年 正月の街ぶるぶると太古の音 寒暁や九羽の白鷺北へ飛ぶ 吾は立つ黙して光る霜の朝 勾玉を胸に音聴く枯野かな ...
~謹賀新年~ (2025)☆令和七年皇紀2685年西暦2025年元旦国歌 ~「君が代」~君が代は千代に八千代に さざれ石の巌となりて苔のむすまで☆皆々様新年 明けましてあめでとうございます。この新年を寿ぎ皆々様のさらなる御健勝と御多幸を誠心を込めて御祈念申し上げます。☆☆☆☆☆☆和歌三首☆ちはやぶる すめらみくにのいやさかにみたまのふゆを かがふらせませ☆しずかなる あおひとくさのかげひなたみたまのふゆを ...
皆々様へ、旧年中は誠に多くの方々に多大なご教導を賜りましたことに、心より御礼感謝を申し上げます。ネット空間に於きましても、現実空間に於きましても、実に多くの方々の励ましと知恵と、情報と、心的宝物を、頂きながら、私自身もこのブログを中心にして、「祈りの詩文芸」に励むことが出来ました。心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。詳細は省きますが、旧年中に私の近しい親族に不幸がありましたので、本年...