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  • ドレミの歌

    ベッドに寝転びながらハイサイドライトから溢れる陽光をぼんやり眺めていた。溢れた陽光は反対側の壁に四角形の陽だまりを作っていて、まるで何も記録されていないテープを純白のスクリーンに映写機で再生しているように見えた。室内を満たす優しい光のなか、その光の塊を眺めながら、僕はこの先のことを考えていた。不安定な未来のこと。不確かな将来のこと。目標はなくただこうやって惰性で生きる日々。そんな日々の積み重ねの先...

  • 双子座

    午前5時、鳥も眠っているようなまだ暗い時間帯。燃えるゴミを抱え外に出た。両手にゴミ袋を持ちながら静まり返る住宅街を集積所のある南に向かって歩く。静かな足音を立てながら、あらゆる罪を優しく覆い隠したような、穏やかな暗闇に包まれた住宅街を歩く。11月も半ばに差し掛かると凛とした空気が体に痛い。白い息を吐きながら、なんとはなしに空を眺めた。南東の方角にオリオン座、おおいぬ座、こいぬ座が作る冬の大三角形がく...

  • 朝日のあたる家

    ラジオからアニマルズの「ザ・ハウス・オブ・ザ・ライジングサン」が流れていた。1日の始まりに胃が重くなる憂鬱さを感じながら、ベッドの上で僕は気怠く伸びをして、昨晩飲みかけのビールに口をつけた。まるでラッパを忘れた間抜けなラッパ隊のように居心地の悪い味がした。苦味が舌に残り、その苦味を消すためにさらにもう一口飲む。気の抜けた生ぬるいビールを飲みながら、僕は出勤前の朝の時間を努めて儀式的に振る舞う。熱い...

  • スバル360

    スバル360のハンドルを握り右に切った。ギアをセカンドからサードにシフトしてアクセルを踏み込む。小気味の良いエンジン音を立てスバル360は加速していく。バックミラー越しにセリカが見える。セリカとの距離を一定に保ったまま、アクセスを少し緩めた。透き通った青空と気持ちの良い秋風を感じながら、僕はスバル360を走らせていた。空高い秋の日の正午少し前、ちょうど過ごしやすい陽気と、晴天の空、なにより絶好のドライブ日...

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