記憶
その部屋には古い木製の椅子がぽつんと置かれていた。簡素な装飾が施された実用を重視したような椅子だった。落ち着いた色合いとしっかりとした造りが重厚さを漂わせている。その部屋には椅子以外は何も無かった。その椅子が部屋の真ん中に一脚だけ置かれていた。部屋の窓からは優しい光が差し込み、椅子に光の帯を掛けている。静寂の空間の中に、光の帯を受けた椅子が一脚だけ置いてある。いつかの一瞬を境に空間ごと固定され、時...
2024/10/25 20:09
2024年10月 (1件〜100件)
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