…今まで女人禁制だった男子校…余裕ねっ!! 10月の後期から赴任することが決まって、アンはそれまでにJSコーポレーション側が用意してくれた資料を頭に叩き込む。
ノマカプのオリジナルとAPH(ヘタリア)のギルアサ、アンアサの二次創作BL小説のサイトです。
5年間ほどPixivで書き続けていた小説を移行しつつ、毎日1P分くらいの更新を続けています。 ゆえに…記事の数だけは多いです(*゜―゜)b 今現在1000記事以上っ!
…今まで女人禁制だった男子校…余裕ねっ!! 10月の後期から赴任することが決まって、アンはそれまでにJSコーポレーション側が用意してくれた資料を頭に叩き込む。
寮生はプリンセスがお好き10章10_四畳半一間から3LDKへ
私立シャマシューク学園は広大な敷地に立つ名門校だ。 そう、広大な敷地。 このせいで通うのにはなかなか不便な学校でもある。 なので小等部まではたいていは親が自家用機で送り、中等部と高等部は全寮制だ。
そんな風に香水一色で始まった朝だったが、何か違う…とモブースが気づいたのは授業が始まってすぐくらいの時だった。
うちの寮長カイザーは世界で一番カッコいいし、うちの副寮長プリンセスは世界で一番可愛い。 それは東から日が昇り西に沈むくらい当たり前のことである。
寮生はプリンセスがお好き10章7_怒れるギルベルトと突如現実に引き戻るルーク
「お前、そんな無責任ならもう寮長をやめろっ!」 鬼軍曹と恐れられている銀狼寮の寮長ギルベルトの強い怒りを感じさせる声と言葉にそれまで不自然とも思えるほどの笑顔があふれていた辺り一帯の空気が凍り付いた。
「…おい、ルークを知らないか?」 高等部の校舎に戻ったギルベルトは銀竜の寮長であるルークを見なかったか、まずは同学年の自分の教室の自寮生達に尋ねる。 すると寮生達はなんだか意味ありげに顔を見合わせた。
あれだけ警戒していたのにあっけないほど平和な時間が過ぎ、いつものようにランチボックスを持ってプリンセスを迎えに中等部に向かうギルベルト。 授業終了が5分ほど長引いてしまったので、アーサーがお腹を空かせているかもしれないと思えば自然と足も早まっていく。
今日は自寮のプリンセスが特に可愛い。 もちろん我らがプリンセスはいついかなる時も世界で一番可愛いが、今日は特別だ。 なにしろ1週間ぶりの登校である。 毎日続けているギルベルトのプリンセスのお手入れにも力が入るというものだ。
寮生はプリンセスがお好き10章3_強火担、スーパー寮長を救う
ぜひプリンセスに献上したい物があるので直接会って話をしたいというモブースの要望で、ギルベルトは自分の方が彼の部屋に出向く。
寮長ギルベルトは目に見えて不機嫌だった。 プリンセスは今ここには居ない。 だからそんな素の感情を表に出せるのだ。 居たら内心機嫌が悪かろうと絶対にそんな素振りを見せる彼ではない。
──マイクっ、ボブっ、届いたぞっ!! モブースが通うシャマシューク学園は二期制なので、前期と後期の間に秋休みと言う少しばかり長い休みがある。
結局…浜田はその後自首をして、全てを自白した。 動機は痴情のもつれ。 浜田は天野に手を出したものの、別の生徒が気になりだして天野に別れを切り出したが、別れるなら関係を学校側にばらすと脅されて殺そうと思ったらしい。 別れ話をいったん撤回して謝って、実は宮川に誘惑されたと嘘をつき、天...
「君たちは一体……」 縛られて床に正座をさせられた状態で呆然とする浜田に、宇髄は 「まあ、話そうぜ、先生」 と、自分のベッドに腰をかけた。
──義勇、話はちょっと後でな。来たようだ… 錆兎の周りの空気が変わる。 いつものことながら錆兎に関してだけは空気が読める義勇はその一言で即黙って錆兎の視線の先を追った。 錆兎はすでにそちらに神経を集中させて動画を撮っている。 こうして犯人が作業を終えるまで1時間。 帰っていくその...
──これから既成事実を作るぞ! ……… ……… ………好きな子からそう言われた時のDKの正しい反応は?
(…義勇、寒くないか?大丈夫か?) (…別に大丈夫だ。) (…こうしてれば暖かいか…?)
(夜中にこっそりなんて、ホント怪しい奴みたいだよね…) (仕方ないだろう。見つからないようにやらなければならないし) (…こんなもんでいいか?) (…ああ、そんなもんか…) (植木鉢…もってきたよ) (よし、それに土少し入れてくれ) (あとは…朝を待って、外出許可取るだけだな…)
「ねえ…なんで俺まで巻き込まれてるのかな?」 カオスな空気とカオスな組合せに食堂中から注がれる視線に耐え切れず、寒いこの季節誰も使っていないテラスに陣取る4人。 そこで寒さにガタガタ震えながら村田が言うと、義勇と自分の隣の視線が鋭くなる。
「でも…義勇になにもなくて本当に良かった…」 と、そのあとホッとしたように漏らした言葉に、宇髄は改めて錆兎を観察した。
「…で?なんで義勇があんたの部屋からあんなん状態で出てきたんだ?」 部屋に入るなり眉間に縦皺でそう言う錆兎に、宇髄は隠すことでもないので 「あ~、なんだかお前に見限られたって泣きながら部屋来たから、そのまま話聞いてやってたんだけど?」 と答える。
もう日もだいぶ明けて、そろそろ皆起きる時間になりそうだ。 呆然とドアの前で立ちすくんでいると、早起き組第一弾なのだろうか、少し離れたドアが開く音がする。
あ~やらかした…と頭を抱えてしゃがみこんでも事態は変わらない。 錆兎はしばらくしゃがみこんだままどっぷり落ち込んでいたが、やがて重い腰をあげて、部屋を出た。
「よし。じゃ、そういうことで、何が聞きてえんだ?」 なんでも好き勝手させてくれるようでいて、自分的一線は絶対に譲らない、宇髄はそういう男のようだ。
「……あのな…一緒に転校してきた奴…俺のために転校してきてる」 自分も誰かに言いたかったのだと思う。
「んで?泣きたいだけなら泣いてても良いし、話したきゃ聞いてやるぜ?」 錆兎の部屋を飛び出して、気づけば宇髄の表札を探していた。 幸い極々近く、義勇の部屋の隣の隣の隣だった宇髄の部屋のドアを恐る恐る叩いてみる。 そこでカチャリとドアを開いて顔を出した宇髄は驚いた様子で、それでも黙っ...
「ほら、飲めよ。」 コトリと目の前に置かれるマグ。 鼻の頭と目を真っ赤にしながら、義勇はそれを手に取った。
「あ、ぎゆ…」 昼休みがそろそろ終わるので教室に戻ると、ちょうど義勇も戻るところだったらしい。 声をかけて駆け寄ろうとした錆兎はピタリと足を止めた。
事件の当日は学年ごとに固まって、食堂で打ち上げをする予定だった。 1年は2クラスだが、A組もB組も入り混じっての打ち上げだ。
村田は錆兎が思ったよりも空気を大切にする人間だったようだ。 食堂の片隅の席ならいいかと思っていた錆兎だったが、思い切り込み入った話をすることになるので村田は食堂でテイクアウトのおにぎりを買って、錆兎にも同様にするよう指示したうえで空き教室に連れて行く。
そうして解いているうちにいつのまにか昼休みに。 「お前さ…一体何解いてるの? これ何?俺ちんぷんかんぷんなんだけど…」 頭上から村田の呆れた声が降ってくる。
「この問題は…、冨岡、解いてみろ」 科学の時間、教師に言われて立ち上がった義勇は白墨を手に硬直する。 さすが進学校。 問題が難しすぎて全くわからない。
――毒物が混入されていたのは、被害者の紙コップ…物理的に毒が混入できた可能性があるのは、ジュースと氷と紙コップか…。 緑茶のマグを片手に分厚い資料に目を通しつつ、そうつぶやく錆兎とそれに見惚れる義勇。 ああ、カッコいいな。 まるでドラマに出てくるイケメン刑事みたいだ…などと思いな...
──お前は脳内変換が激しすぎだ… なんだか止まらなくなって泣いて泣いて泣いて…泣き疲れるまでずっと胸を貸してくれて、あまつさえなだめるように背をさすっていてくれた錆兎に泣いていた理由を聞かれて正直に答えると、再度のため息と共に降ってきたのはそんな言葉だった。
「…あ……さびと…なんで……」 結局納得しようとしまいとさして役にたちそうな能力などないので拒否権などあるはずもなく、指令の通りに私立月陽学園に転入した義勇。
「やっと学校に慣れたところなんだ…転校は…勘弁してもらえないだろうか…」 立派な執務室に呼び出されて、思い切り困ったような…悲しそうな…そんな顔をする男子高校生……。
第1章_プロローグ
そうして駆け付けてみれば失血死しかけている天元と号泣している善逸。
そんなある意味少し不穏で和やかな日常は本当に絶妙なバランスで成り立っている。 それはある日のことだった。 当たり前に出動を命じられて、錆兎がいつものように車の助手席のドアを開けて義勇を乗せた後、自分が運転席に座る。
今日も元気に任務待ちである。 ただしいつもと違うのは義勇の服。
青い大地の果てにあるものsbg_第100章_欲と癒しの医療本部
──君が噂の義勇ちゃんね。俺は村田。医療本部長なんだ。よろしくね。 実ににこやかで友好的。 そして警戒心を起こさせない彼は威厳が足りないと言われ続けているのだが医療部としては最適なんじゃないだろうか…と錆兎は思う。
「疲れたな…」 錆兎は部屋へ戻ろうとしたが、あまりの眠気に誘われる様に人気のない談話室に吸い込まれる様に入ると、そのまま窓際の椅子に腰をかけた。
青い大地の果てにあるものsbg_第98章_いつのまにかもらわれることに?
──…宇随さん…もう痛くない? 夜…任務の帰りに泣き寝入った善逸が起きて来ての第一声がそれだ。 臆病でヘタレなくせに、自分より遥かに色々強い宇髄のことを気にかけるとか、馬鹿か?こいつは…と思いながらも、それがなんだか心地いい。
ああ、良い人生だった…と清々しく閉じるはずだった宇髄の人生の幕は、強引に開けられるどころか引きちぎられたらしい。
いいもん…というのは本当だと宇髄は思っている。 普通は滅多にみられないジャスティスの第三段階。 宇髄のそれはしかし、今まで何度か問題なく使っていた。
青い大地の果てにあるものsbg_第95章_イレギュラーな温かさ
3つ目のイレギュラーで死を覚悟しつつ色々と最期の計画を建て始めた宇髄。 とりあえずしのぶに指示したほうのイヴィルは弱い方の個体だったので偶然ではあるが我ながらいい判断だったと安堵した。
青い大地の果てにあるものsbg_第94章_宇髄天元と死について
善逸がパニックを起こしていた頃、宇髄はというと非常に淡々と状況分析をしていた。 (…これ、結構まずくね?) と気づいたのは詠唱を終えてジュエルを第二段階に変形させて前方に向かって駆け出した時だった。
青い大地の果てにあるものsbg_第93章_3つ目のイレギュラー
全ての巡り合わせが悪かったと言って良いと思う。
青い大地の果てにあるものsbg_第92章_戦略的撤退について
「敵は前方300から半径約15mの範囲に雑魚豹35、イヴィル1。 俺の範囲攻撃着弾でゴーで。 善逸としのぶは左側のイヴィルに向かえ。 左側のイヴィルが片付いたら次は右。 それが終わったら全員で残った雑魚の後片付けだ」 「ん~、でもそれだと全部敵が宇髄さんのほうくるんじゃ?」 「俺...
青い大地の果てにあるものsbg_第91章_イレギュラーに揺れる現場
──嘘~~!!! と叫んだのは善逸だけではない。 それまで気丈に頑張る宣言をしていたしのぶもであった。 ──こ、これ、どうしましょう?? ──逃げるに決まってるじゃんっ!! 慌てる二人。 そこに唯一冷静な宇髄が言う。 「これ…潰しとかないと基地に向かう奴じゃね? 最悪あっちの移動...
そうして初めての組み合わせの3人で現場。 真剣な顔のしのぶと青ざめた善逸を背に宇髄が飄々とした様子で車を転がしていた。
夕食後、錆兎達と分かれて食堂を出て当たり前に宇髄の部屋に帰宅後、特別仕様の畳の部屋で炬燵にはいって寛ぐ宇髄のために日本茶をいれる善逸。 急須と湯呑の乗った盆を置いた時にはすでに炬燵の上には食堂からお持ち帰りした和菓子が用意してあった。
青い大地の果てにあるものsbg_第88章_左?右?気になる視線
──錆兎様は絶対に左よねっ。天元様は…善逸君とだったら左っぽいけど、錆兎様とだったら右? ──え~っ?私、相手が変わるのは解釈違いなんだけどぉ~! ──私、左はね、変わってもOKだけど、右はいやかなぁ。 ──う~ん…同じくではあるんだけど、善逸君の左が錆兎君とかは想像できないかな...
青い大地の果てにあるものsbg_第87章_極東壊滅後のジャスティス達
義勇の面倒をみる…カナエに続いて百舞子にもそう約束してしまった錆兎。 まあ面倒をみるのはいい。 自分の忙しさに義勇を付き合わせてしまうことにはなるが、その分、ふつうなら使えない第三段階の羅刹を常時使えるので任務はサクサク進むし、まるで新妻のように楽し気に家事に勤しむ義勇も可愛いし...
──それで?結局財布になれとかじゃないのか?ないならどうしろと言うんだ? と、錆兎はそこでふと話題が逸れていることに気づいて話を戻した。 ──ああ、それなんですけどね、そういうことなら財布も欲しいけどそれよりも… と、百舞子も本題に入ることに異論はないらしく、話を戻す。
青い大地の果てにあるものsbg_第85章_モブ子と錆兎の迷走会話
え?脱ぐ?! とりあえず脱ぐってなんだっ?!! 正直錆兎はこんな仕事をやっていて、急なことにも無茶ぶりにも不本意ながら慣れてしまっているが、それでもいきなりなそのわけのわからない要求にぽか~んと固まった。
青い大地の果てにあるものsbg_第84章_凡人百舞子との邂逅
──あ~…モブ子さんですか…… 義勇を蜜璃に預けたあと、アポを取ろうと思ってブレイン部に連絡を入れれば、応対に出た職員はモブ子のことはしのぶに聞いてくれと言われた。
とりあえず…義勇が起きる前にとかけた電話の向こうでは、宇髄に ──甘やかさねえでも良いから。俺らは色々慣れるしかねえってのを誰よりわかってる。 と断言された。
青い大地の果てにあるものsbg_第82章_失くしたものと得たものと
いつでも夜が明ければ朝が来るものである。 それは旧家の跡取りとして生まれ、甘えることも許されず一人がんじがらめに育っていたかと思えば、世界の平和を守れといきなり遠い外国に放り出された錆兎にとっても、数少ない変わらぬ未来だ。
早々に切り上げたのはカナエの時間を気遣ってということもあるが、もう一つには義勇のフォローのためでもある。
──すごいわっ!義勇君との相性もばっちりねっ! フリーダムへの報告は本部長の不死川が一緒だったのでやっておいてくれると言うことで、錆兎は義勇を伴ってブレイン本部に行くと、蔦子が満面の笑みで迎えてくれる。 出発前の空気を消し去るようにやや過剰にはしゃぐ部員達。
青い大地の果てにあるものsbg_第79章_新ジャスティス最強
「悪い。一発そっちにやったな」 苦笑いを浮かべる錆兎の言葉に義勇はフルフルと首を横にふり、不死川は 「そんなときのために俺がついてきたんだろうがァ。気にすんな」 と笑う。
「飛鳥改っ」 巨大カマキリの群れに向かいながら錆兎は左右に手にした刀を交差させたあと、一気に両腕を広げた。 すると二本の刀の間から赤く燃え上がる鳳凰が現れてかまきりを一気に焼き払う。
青い大地の果てにあるものsbg_第77章_それぞれの戦闘開始
そうしてそれぞれに色々な思いを抱えて現場に到着。 こうなればもう些末な思いは振り切って、出来る出来ないも考えず、やらねばならぬと自分に強く強いるのみである。
こうして不死川と義勇を伴って3人で出動することになった錆兎。 正直あまり楽な任務とは言えないが、事情もわかっていて気心も知れている友人の不死川が居てくれるのは非常に心強かった。
──不死川君っ!! 不死川の言葉をカナエが青ざめて遮った。
それは食事がほぼ終わって義勇が煎れてくれた煎茶をすすっていた時だった。 和やかな時間を楽しんでいると、いきなり鳴り響くサイレン。
それからしばらくまた鍛錬をしたが、これもいつもと同じように任務が発生した時に疲れを残さないように早めに切り上げることにする。
青い大地の果てにあるものsbg_第72章_ジャスティス最強と義勇
「なあ、義勇…」 「ん~?」 「なんでこの体勢なんだ?」 「あ~…せっかくお集まり頂いてるお姉さま達に対するサービス?」
青い大地の果てにあるものsbg_第71章_最強が同時にイケメンだった件について
カナエに自信満々に、これが本部ジャスティス最強の男!と見せられた画像はイケメンだった。 身も蓋もない言い方だが他に言いようがない。 だってとんでもなく正しく正統派としか言いようがないイケメン。 義勇や宇髄のようにど可愛いとか綺麗とか中性な雰囲気ではなく、強いて言うならヒーローとか...
青い大地の果てにあるものsbg_第70章_乙女ジャーナル編集部
モブ子が本部へ来てからまず訪ねたのが蔦子の親友だと言うブレイン本部長の胡蝶カナエだ。 さらさらの黒髪ロングで蔦子と同じ清楚の美女。 これ…類友?美女は美女を呼ぶ?? と、久々に超ド級の美女との新しい出会いに、極東支部を出る前に蔦子と話してさすがに内心沈みがちだったモブ子もテンショ...
──蔦子さん、義勇君、行っちゃいますね…。寂しいですね、お互い。 蔦子に写真を申し込んで蔦子から義勇君の専属カメラマンとして抜擢されて以来、モブ子は自分で言うのもなんだが蔦子の一番気の置けない相手になっていたと思う。
青い大地の果てにあるものsbg_第68章_こんな可愛い子が女の子のはずがない
こうして紹介された蔦子の年の離れた弟の義勇はもうそれはそれは愛らしい少年だった。 実はヒーラー系ジャスティスだというが、もうそんなことは関係ない。 可愛いっ!モブ子の中では可愛い事こそが正義である。
青い大地の果てにあるものsbg_第67章_モブ子と蔦子医療部長
凡人(なみびと)百舞子(もぶこ)は極東ブレインの中堅部員だ。 この中堅という文字は自分にとてもよく似合っているとモブ子は思う。 良くも悪くも特出したところのない本当に中くらいの人間。 鬼殺隊に入ったのだって実家が代々鬼殺隊のブレインに所属していたからだ。
青い大地の果てにあるものsbg_第66章_実弥と錆兎の初合同任務
「まあ俺も実はいつのまにか…というか、気づいたら第三段階までいってたクチなんで、どうすればとかはわからん。 とりあえず…当座はいつもよりも少し厳しい状況で鍛えて鍛えて鍛えるしかないんじゃないか?」 と、最後に錆兎が自分の時のことを語ると、善逸が小さく(…でたよ、脳筋理論が…)と零...
──真菰さん、クリームなしのあんこマシマシですよね? ──うんっ!ありがと~っ!さすがしのぶちゃんっ!! しのぶは本当に卒がない。 周りの好みを細かいところまで記憶している。
そうして3人が離れていくのを確認しつつ、錆兎が ──…で、この4人以外にはオフレコの話ってことだな? と確認をとると、真菰は頷いた。
「もういいじゃない、いざとなったら錆兎が義勇ちゃんの恋人って事にしておけばっ。 それでまだ本部に慣れてない極東組はそれぞれフォロー役がつくでしょ? 錆兎が居れば極東ブレイン支部長みたいな輩も出てこないし、天元君はそういう輩は自分で追い払えるだろうから、むしろ人間関係でのごたごたは...
青い大地の果てにあるものsbg_第62章_目覚めにはキスをして
朝…身を起こそうとして、善逸は身動きできない事に気づく。 宇髄が自分を抱き枕のように抱えて寝ているからだ。
──俺はぜんっぜん嫌じゃねえけど錆兎は嫌かもしれねえから他には言うなよ? 宇髄の口から出たのはまずそういう言葉だった。 そしてそれまでは淡々と…あるいは楽し気にすら見えたその表情が、その言葉を口にした時に少し悲しそうに見えたのは善逸の気のせいではないだろう。
ジャスティスの…というか鬼殺隊の面々のほとんどは現在の極東支部のある小さな島国、過去に日本と呼ばれていた国の血が入っているらしい。 もちろん善逸もそうなのだが正直遠い先祖がそちらの出身だったのでは?くらいな感じで、生活習慣その他はもう本部のある大きな大陸の中心のもので、そちらの文...
青い大地の果てにあるものsbg_第59章_鬼殺隊女性陣の秘かな楽しみ
「綺麗な顔だなぁ…」 朝、善逸は自分を抱き枕のように抱え込んでいる宇髄の寝顔を見上げて呟く。
道場の端っこで小声で深刻な話をしていた二人は、そこで入り口のあたりにいつのまにか人ごみができているのに気づいて顔を見合わせ苦笑した。 「こんな時間でも沸いて出るんだな」 感心したように言う錆兎に善逸は笑いながらうなづく。
──え?なんで宇髄さんまで棒術の訓練なんてしてんの? 夕食後も炭治郎に引っ張られて仕方なしに少しだけ運動器具で筋トレをすませたあとこっそりと訓練室を抜け出した善逸は、ふと通りかかった道場で一人で棒を振る宇髄の姿を目にして靴を脱いで板の間にあがった。
青い大地の果てにあるものsbg_第56章_ブレイン本部長が語る今後について
「おかえりなさい、3人とも。無事で何より」 カナエはいつもの笑顔で錆兎から報告書を受け取って言う。 「姉さん、宇髄さんの攻撃、本当にすごかったわ」 真っ先にしのぶが姉妹の気楽さで勢い込んで言うが、カナエはしのぶを軽く制して報告書に目を通し、 「まあ、大方は報告書でわかったけど…ち...
青い大地の果てにあるものsbg_第55章_帰路に語る役割の可不可
車が発進すると、 「でも宇髄さんの攻撃すごかったです。 善逸さんも火力では敵いませんよね、たぶん。 あんなにたくさんの敵がホントに一瞬でしたから」 と、しのぶが待ちかねたように口火を切る。
「…そろそろだな。この辺で車降りるぞ」 錆兎が車を止めてドアを開ける。 「天元…感知できるか?」 全員出ると、錆兎は宇髄に聞いた。
「久々の少人数での錆兎兄さんと一緒の戦闘…楽しみですっ」 車の中で浮かれるしのぶにため息まじりの錆兎。
3人がブレイン本部に着いた時には、全員がすでに待機中だった。 それを 「お疲れ様。これで全員集合ね」 とカナエが二人をいつもの笑顔で迎える。
そうして炭治郎に引っ張られて廊下に出た先では ──じゃ、俺は仕事戻るわ と不死川が錆兎に手を振ってフリーダム本部にもどって行くところだった。 ──ああ、じゃあまたなっ! とそれに手を振る錆兎。
──………このままじゃダメだっ!俺も鍛えないとっ!! ふわふわの衣装を着た二人の笑顔でほんわりとした空気が漂う食堂の片隅で、炭治郎は拳を握り締めて言った。 その唐突な発言に隣で食後のお茶をすすっていた善逸は ──え?なに?今の状況にそんなこと感じる何かがある?? と首をかしげる。...
──錆兎さん、すっごく素敵っ!義勇君のピンチに颯爽と駆け付けてくれるなんてきゅん!としちゃうわねっ! 錆兎が去っていく姿を見送りながら、蜜璃がはしゃぐ。 それには義勇もおおいに頷いてしまった。
まるで波が退くように退いていく一同を唖然と見送る義勇。 ──さびと…すごいね… と言えば、蜜璃が隣でうんうんと頷いた。 きょろんと揃って小首をかしげる様子はなんだか愛らしくて、周りは遠巻きながらもほわわ~と見惚れているし、錆兎もなんだか小さく笑みが漏れてしまう。
「ここ!良いかな?!」 「おい!割り込むなよ!俺が先っ!」 「うるせえっ!あっち行けよ、この席は俺のもんだっ!!」 あっという間に蜜璃と義勇の周りの席の争奪戦が始まった。
「おい…あれ見ろよ!あれ!」 「蜜璃ちゃんと…もう一人は?すっごい可愛い子じゃん」 「蜜璃ちゃんも今日はなんだか可愛いなぁ…二人揃うと10倍可愛い!」 二人が例によって手をつないで食堂に入っていくと、その場に一斉にざわめきが広がる。
青い大地の果てにあるものsbg_第45章_お姉ちゃんが語るお兄ちゃんの気持ち
──じゃ、これで解決…かな?もう行って良い?私も帰ったばっかでちょっと休みたいんだけど… と、不死川を見送って真菰が大あくびをする。
──最初のだけは大前提がアレだからおいておいて…その後は双方悪いよ 揉め事になる膿は全部出してしまおうと真菰ちゃんの話は続く。
青い大地の果てにあるものsbg_第43章_真菰ちゃんパンチの威力
──なあに?またなんか行違ってる?とりあえず喧嘩両成敗で両方に拳骨落とした方がいい? 素早さとフットワークの軽さでは定評のある古参組だが、今回は真菰の方が早かったようだ。 しかし辿り着くなり笑顔で鱗滝式脳筋解決法を提示する。 うわぁ~…と一気に苦笑いが広がる部内。
青い大地の果てにあるものsbg_第42章_ブレイン本部にて長子と末子の争い
そして二人はそのままブレイン本部へと足を向ける。 「ただいま~」 蜜璃は受付の女性から書類を受け取り、そのままその場で必要事項を記入し終わると、再度義勇の手を取って自分達に向かってカメラを向ける本部長の方へ向かった。
青い大地の果てにあるものsbg_第41章_フリーダム本部で売る喧嘩
「おおおーーーー??!!!」 蜜璃と義勇がピンクとブルーという色違いの可愛らしいワンピースに身を包んで、仲良く手をつなぎながら帰還報告にフリーダム本部に入ると、黒一色の制服に身を包んだフリーダムの部員がいっせいに歓声をあげて立ち上がった。
青い大地の果てにあるものsbg_第40章_熊からShopを守る方法
こうして楽しくお茶をしながら4人で洋服談義。 ──お姉さん、スタイルめっちゃいいよね。 ──うんうん。スリム系が似合う服もあるけど、やっぱり凹凸あると可愛いの多いよね。 ──わかる!胸下切り替えのデザインとかは胸ないとなんか違う。 ──あ~、お兄さん、そういう時はパッドいれんの、...
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私立シャマシューク学園は広大な敷地に立つ名門校だ。 そう、広大な敷地。 このせいで通うのにはなかなか不便な学校でもある。 なので小等部まではたいていは親が自家用機で送り、中等部と高等部は全寮制だ。
そんな風に香水一色で始まった朝だったが、何か違う…とモブースが気づいたのは授業が始まってすぐくらいの時だった。
うちの寮長カイザーは世界で一番カッコいいし、うちの副寮長プリンセスは世界で一番可愛い。 それは東から日が昇り西に沈むくらい当たり前のことである。
「お前、そんな無責任ならもう寮長をやめろっ!」 鬼軍曹と恐れられている銀狼寮の寮長ギルベルトの強い怒りを感じさせる声と言葉にそれまで不自然とも思えるほどの笑顔があふれていた辺り一帯の空気が凍り付いた。
「…おい、ルークを知らないか?」 高等部の校舎に戻ったギルベルトは銀竜の寮長であるルークを見なかったか、まずは同学年の自分の教室の自寮生達に尋ねる。 すると寮生達はなんだか意味ありげに顔を見合わせた。
あれだけ警戒していたのにあっけないほど平和な時間が過ぎ、いつものようにランチボックスを持ってプリンセスを迎えに中等部に向かうギルベルト。 授業終了が5分ほど長引いてしまったので、アーサーがお腹を空かせているかもしれないと思えば自然と足も早まっていく。
今日は自寮のプリンセスが特に可愛い。 もちろん我らがプリンセスはいついかなる時も世界で一番可愛いが、今日は特別だ。 なにしろ1週間ぶりの登校である。 毎日続けているギルベルトのプリンセスのお手入れにも力が入るというものだ。
ぜひプリンセスに献上したい物があるので直接会って話をしたいというモブースの要望で、ギルベルトは自分の方が彼の部屋に出向く。
寮長ギルベルトは目に見えて不機嫌だった。 プリンセスは今ここには居ない。 だからそんな素の感情を表に出せるのだ。 居たら内心機嫌が悪かろうと絶対にそんな素振りを見せる彼ではない。
──マイクっ、ボブっ、届いたぞっ!! モブースが通うシャマシューク学園は二期制なので、前期と後期の間に秋休みと言う少しばかり長い休みがある。
結局…浜田はその後自首をして、全てを自白した。 動機は痴情のもつれ。 浜田は天野に手を出したものの、別の生徒が気になりだして天野に別れを切り出したが、別れるなら関係を学校側にばらすと脅されて殺そうと思ったらしい。 別れ話をいったん撤回して謝って、実は宮川に誘惑されたと嘘をつき、天...
「君たちは一体……」 縛られて床に正座をさせられた状態で呆然とする浜田に、宇髄は 「まあ、話そうぜ、先生」 と、自分のベッドに腰をかけた。
──義勇、話はちょっと後でな。来たようだ… 錆兎の周りの空気が変わる。 いつものことながら錆兎に関してだけは空気が読める義勇はその一言で即黙って錆兎の視線の先を追った。 錆兎はすでにそちらに神経を集中させて動画を撮っている。 こうして犯人が作業を終えるまで1時間。 帰っていくその...
──これから既成事実を作るぞ! ……… ……… ………好きな子からそう言われた時のDKの正しい反応は?
(…義勇、寒くないか?大丈夫か?) (…別に大丈夫だ。) (…こうしてれば暖かいか…?)
(夜中にこっそりなんて、ホント怪しい奴みたいだよね…) (仕方ないだろう。見つからないようにやらなければならないし) (…こんなもんでいいか?) (…ああ、そんなもんか…) (植木鉢…もってきたよ) (よし、それに土少し入れてくれ) (あとは…朝を待って、外出許可取るだけだな…)
「ねえ…なんで俺まで巻き込まれてるのかな?」 カオスな空気とカオスな組合せに食堂中から注がれる視線に耐え切れず、寒いこの季節誰も使っていないテラスに陣取る4人。 そこで寒さにガタガタ震えながら村田が言うと、義勇と自分の隣の視線が鋭くなる。
「でも…義勇になにもなくて本当に良かった…」 と、そのあとホッとしたように漏らした言葉に、宇髄は改めて錆兎を観察した。
「…で?なんで義勇があんたの部屋からあんなん状態で出てきたんだ?」 部屋に入るなり眉間に縦皺でそう言う錆兎に、宇髄は隠すことでもないので 「あ~、なんだかお前に見限られたって泣きながら部屋来たから、そのまま話聞いてやってたんだけど?」 と答える。
柱合会議後の産屋敷邸の一室。 そこには【柱】全員が悠々囲めるくらいの、大きな円卓がある。 普段、時間に寄ってはそこで食事が出たりするのだが、今日は午後からということで、目の前に並ぶのは菓子とお茶。
言葉が足りなくて誤解されやすいのが冨岡義勇だとしたら、言葉選びで誤解されるのが不死川実弥だ。
宇髄が言った通り、部屋を出るまで2分。 石庭についてきちんと並ぶまで3分。 5分前には全員膝をついてお館様をお待ちしている。 さすが【柱】。 見事なまでの切り替えの速さだ。 こうして全員が揃って5分後に、左右に瓜二つの娘たちを従えて、お館様こと産屋敷耀哉が奥から姿を現した。
あまりに幸せな当たり前の日常に、まるで夢の中にいるように心がふわふわする。 柱合会議を行う産屋敷の館の門を通り過ぎてもなお、全く現実感が湧いてこない。 しかし、そんな義勇の幸せにはすぐ影がさすことになる。
朝…そろそろ町に人がちらほらと姿を現す頃…錆兎は義勇の手をしっかり握って町外れの屋敷を目指していた。 【影柱】となった5年前。 館を用意してもらえると聞いて、多少不便でも良い。特に立派でなくても良い。 ただ、大勢人が住める大きな屋敷が欲しいと希望して用意してもらった家だ。 理由は...
そして眠れぬ夜が明けて迎えた翌朝のことである。 「え?知られたらいけないの? 良いんじゃないかなぁ…。 ほら、強い子ならたくさんいるってわかったほうが、皆安心しない?」 恐ろしいことに…早朝に会ったお館様は、不始末を土下座する錆兎とそれに付き合って同じく土下座してくれる義勇と煉獄...
そして眠れぬ夜が明けて迎えた翌朝のことである。 「え?知られたらいけないの? 良いんじゃないかなぁ…。 ほら、強い子ならたくさんいるってわかったほうが、皆安心しない?」 恐ろしいことに…早朝に会ったお館様は、不始末を土下座する錆兎とそれに付き合って同じく土下座してくれる義勇と煉獄...
その夜は義勇が不安がるので昔のようにくっついて布団に横たわりながら、ひたすら話をした。
その後すぐに、煉獄の方から念の為に…と、お館様に錆兎のことを問い合わせると、なんと身元を保証する返答が返ってきただけではなく、翌朝時間をとって頂けるとのことだった。 それにはさすがに皆驚いたが、考えてみればその日の午後に柱合会議があるため、それに間に合うよう報告を聞いた上で相談し...
炎は前方の氷像を一気に蹴散らし、上弦まで寸でのところまで伸びたが、さすがに鬼の方もそれをぼ~っと見ているわけではなく、ふわりと建物のぎりぎりに大きな氷像を出現させて、その手に乗ることで炎を避けた。 が、その氷像も技のあとにまだ残る熱で溶け、鬼はストンと地面に着地する。
夏だと言うのに寒気がした。 街に入って半刻ほど過ぎた頃、ゾッとするような空気を感じて錆兎は後ろに付き従う真菰に小声で警告する。 (…真菰……これは…やばいかも知れない……) (…だね……) と、意思確認をしながら、2人の視線は人目を避けるように屋根伝いに進む自分達の斜め前方、1人...
空が紅く燃えている。 本当に綺麗な夕焼けだ。 町中で見ても十分綺麗だが、狭霧山で見た夕焼けはもっと綺麗だった…と、錆兎は幼く幸せな日々を思い出す。
ということで、最初にフォロワーさんの会話で鬼滅に興味を持って、二次創作でキャラを知って錆義がいいなと思い、そこから原作を読んで錆兎の出番の少なさに涙しつつ、それを妄想で乗り切ろうと思ってこうなりました。 義勇モンペの錆兎と、ぼ~っとした義勇。 それを半分呆れつつも生暖かい目で見守...
そして翌日に義勇が目を覚ました時…当たり前に錆兎の姿は影も形もなかった。 あれは…自分の願望た見せた夢だったのだろうか…
義勇がそんな決意したその時の少しあと…
そうしてその3日後のことである。 無事と言うにはあまりにもひどい傷を義勇に負わせた状態で、最終選抜が終わった。
──錆兎…起きてるか? ちょうど元兄弟子の”影”が去った直後、錆兎の部屋のふすまが静かに開いた。
さて、ここで出てきたあと二人の人物、義勇と鱗滝、そして鬼殺隊や現在の状況について、いくらかの説明をさせてもらわねばならないだろう。
狭霧山と呼ばれる山がある。 そこには修行を続ける少年の姿。 その少年炭治郎は、師匠から鬼殺隊…と呼ばれる、その名の通り鬼を滅するための隊に入隊するための最終選抜を受ける許可を得るため、日々大きな岩に向かっている。
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