──え?な、なにっ?!! いきなり聞こえて来た悲鳴の声は高くて、しかし声変わり前の少年のそれとは明らかに違う。 つまり、この学園にいるたった一人の女性、新任の女性教師のものと思われる。
ノマカプのオリジナルとAPH(ヘタリア)のギルアサ、アンアサの二次創作BL小説のサイトです。
5年間ほどPixivで書き続けていた小説を移行しつつ、毎日1P分くらいの更新を続けています。 ゆえに…記事の数だけは多いです(*゜―゜)b 今現在1000記事以上っ!
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──え?な、なにっ?!! いきなり聞こえて来た悲鳴の声は高くて、しかし声変わり前の少年のそれとは明らかに違う。 つまり、この学園にいるたった一人の女性、新任の女性教師のものと思われる。
その夜、アーサーはモブ三銃士の一人のマイクと共にルートの部屋で過ごしていた。 いつもなら当然自室にいる時間だが、今日はギルベルトが金竜のプリンセスに助力を頼まれて金竜を混乱に陥れている金竜の寮長ロディの征伐に行っているので、一人は危ないとギルベルトからルートに預けられているのである。
たとえ逆ハーどころか攻略対象者全員に逃げられようと、このままでは終われないっ! 絶対に…絶対に一矢は報いるっ!!
ほとんどホラーだった。 綺麗で可愛く優し気なだけに、余計にこの状況での満面の笑みが恐ろしい。 怯えるアンを前にフェリシアーノはしばらくニコニコしていたが、 ──話すこと…ないみたいだね? と言うと、華奢な手で銀の呼び鈴をチリンチリンと鳴らした。 それで開いたドアから入ってきた人物...
「お待たせ。 ごめんね、ギルベルト兄ちゃんとの約束でアーサーは部外者に会わせられないから、お話はよければ俺が聞くよ?」 待たされたのはほんの5分ほどだったが、ギルベルトが金竜から戻ってくるまでという時間が区切られているアンにとっては非常に長く感じた時間。 しかもそれだけ待たされて...
アン・マクレガーは正直後悔していた。 教職員宿舎から銀狼寮までは遠い。 もちろん道は伸びているのだから迷子になることはないのだが、それでも暗い道を一人で移動するのはやや怖い。
悔しいがその時の金虎の寮長は実に凛々しくカッコよかった。 金色の虎の刺繍のマントをたなびかせ、剣を掲げて寮生達に号令を下している姿はギルベルトの目から見ても本当にカッコいい。
そんな風に一瞬ギルベルトが考え込んだのを勘違いしたのか、 「馬鹿が~! 俺が孤立したかとでも思ったかっ!! 操られるだけ操られた挙句にシャルルのガキに寝返った馬鹿どもと違って俺は組織に買われているからなっ! ピンチになればちゃんと援軍が来るんだよっ!!」 と急に元気になったロディ...
──申し訳ありませんっ!いかなる処罰も受け入れますっ!! それはなかなか壮観だった。
おそらくシャマシュークの他の寮長や高等部生達が見たら感動のあまり目を潤ませるであろうこの光景は、そのスピリットを根底から否定したロディには不快なものとしか映らなかった様である。 口の端を歪めて嫌な笑みを浮かべてシャルルを見た。
──おや、うちのを連れ帰ってくれたのか、軍曹。 慌てた寮生とは対照的に、少し経って出てきたロディは随分と落ち着いていて、にこやかに言う。
ユーシスがそんな風に暗躍している頃、ギルベルトは寮生達を率いて金竜寮へと向かっていた。 ギルベルトの次に戦力があるであろうバッシュとルートは銀竜の寮生全員と寮長のルークとプリンセスのフェリ、そして金狼の寮長の香とプリンセスとは名ばかりの怪力アルと共に自寮のプリンセスの護衛に残し、...
アンが自分の携帯を取り出すと、ユーシスは ──これ、借りていいかな?直接話したい。 と上から手を伸ばしてそれを取り上げた。
──こんな遅くにごめんなさい… 動揺している様子をより鮮明にするため、上着も着ずにエントランスまで出てきたアン。 さすがに肌寒いがそれもか弱さを強調するためだ。 自分で自分を両腕で抱きしめるようにすれば、紳士なユーシスはきっと ──大丈夫だよ。それより寒いだろう?これを着て? と...
『銀狼寮には手を出すな』といきなり言われた理由は、傭兵派遣や警備を担っている業界一の大企業ツヴィングリ社の社長であるバッシュ・ツヴィングリが銀狼寮の寮生として在籍していて、すでにアンがJSコーポレーションの意志で動いていることを察知されているから、ということである。
打倒、銀狼寮プリンセス!! …を当面の目標にすることを決意したアン。 明日からは本格的に落とすターゲットをギルベルトに絞って、彼と一緒にあの女…もとい、あの女に似た銀狼寮のプリンセスを追い詰めて行こう。 なんならすべてが寮対抗のこの学園でライバルにあたる他の寮のプリンセスをやっぱ...
…ふふ~ん、明日こそは彼の笑顔は私のもの~♪ シャマシューク学園の教職員宿舎の一室で、アン・マクレガーは鼻歌を歌いながらドレッサーを前に髪を梳かしている。
ギルベルトが寮内の大広間についた時には、すでに寮生達は皆、前回の寮対抗戦略大会…通称プリンセス戦争時に着用していた銀狼寮のトレーニングウェアを着用の上、モブ三銃士の一人のマイクの指示で運び込まれたソレ用の防具を身に着けた状態でカイザーを待っていた。
「おぉっ?!すげえっ!!」 立派な刺繍のマントを手に驚くギルベルトにアーサーはフフッと嬉しそうに笑う。 「誰かがプリンセス戦争で金虎のカイザーが金の虎の刺繍のマント着てたって言ってたから…うちも着たらカッコいいかなと思って、こっそり刺繍してたんだ」 と言うプリンセスは最高に可愛い...
──あ~、仕方ねえっ!三銃士、誰かお姫さんとルッツを呼んで来てくれ。 結局ギルベルトは決断せざるを得なかった。 少なくとも知らなければもう少し放置できたものでも、こうして知ってしまえば学園の伝統と誇りを踏みにじろうとする輩を放置するのは、ギルベルトの心情うんぬんは置いておいても寮...
炭治郎の諸々が終わったことで村田は次の記憶に残る難関に取り組むことにする。 下弦の操る列車の任務。 それは下弦を倒したあといきなり出くわした上弦の参と戦って煉獄が戦死した任務だ。
炭治郎が引きずり出されて開かれる臨時の柱合会議。 その場でお館様からの事情説明と共に鱗滝元水柱の、禰豆子が人を喰ったなら自分と村田が腹を切って詫びるという手紙が読み上げられる。
あの日から1週間ほど経った頃、村田は宇髄と共に那田蜘蛛山の任務の助勢に向かうことになった。
義勇の言葉の真意の方はわかった。 それが発展した場合の錆兎の対応もわかった。
──俺と錆兎の関係?う~ん…少なくとも将来を固く誓いあった仲ではあるな。 隊士生活も始まって水柱邸に住み始めた炭治郎にどうしてもと頼まれて義勇を館に招待。 炭治郎はその時に直接例の質問をして、義勇にそう答えられて玉砕したらしい。
──義勇さんて綺麗な方ですねっ!! 炭治郎が最終選別を超えて無事隊士になり初任務に就くのに狭霧山から街に降りてきた。 通常は新米隊士達は任務の時以外は藤の家と呼ばれる協力者の宿に泊まりながら日々を過ごすのだが、鬼である禰豆子付きの炭治郎にはそれも難しいだろうと、村田は彼を水柱屋敷...
村田が連れてきた少年少女を預かってもらうということなので、当然錆兎にはいよろしくというわけにはいかない。 そこで、元水柱の鱗滝左近次の元には村田も同行することになった。
アンボイナのシェアを独占してから数か月。 ミナモト商会は猛スピードでマカッサル、スラバヤのシェアも独占。 もちろんその間にはクーンの側もこちらが独占している街に攻撃を仕掛けたりもしてきたが、それを見越しての防壁強化だ。
「ムラタ、アスワングってなんだ?」 その日、いつもよりはやや早い時間に帰船した錆兎の第一声がそれだった。
あれからアンボイナに寄港。 この街のシェアはほぼほぼクーンの物だったが、そこは計略はお家芸のようなものでお手の物のマリアが街に部下を潜ませて秘やかに…そして実に見事にクーンの悪評を流して、度を超えた不信感にクーンとの契約を打ち切ったシェアを買収。 着々とシェアの独占を完了させるま...
──それで…引き受けてきてしまったわけね…… 船に戻って例によって船長室で報告会。 そこで小箱を見せつつ、クーンについての話をすると、マリアは片手を額にあてて、はぁ~…と、小さく息を吐き出した。
「…ってぇことで、対等になったとこで、まあ本題なんだが…」 握手の手を離したところで、ペレイラはもう一度、錆兎に座を勧めて、自身もソファに座りなおした。 こちら側に本題があったように、ペレイラの側にも会見を受け入れるだけの理由、本題があったらしい。
こうして馬車が停まった先、ペレイラ商会の本拠であるマラッカの商館。 とうとう、来てしまった…と、再度緊張するムラタに ──大丈夫。責任者は俺で、すべての責は俺が負う。お前は何も気にしなくていい。 と、錆兎が笑顔で言ってくれる。
バナナ、スイカ、スターフルーツ、マンゴー、グァバ、パパイヤ、パイナップル、ジャックフルーツ、ポメロゥ、ドクゥ、マンゴスチン。 初めて降り立つマラッカの街の市場はとても賑やかで、そこでは驚くほどの種類のカットフルーツが所狭しと並んでいる。
──あ~…それ檮杌じゃないかしら。よく生きて帰って来たわね。 ──ひっ…マジ?!いや、でもさ、あれって伝説上の生き物じゃないの?!
──う~ん…まあ、俺は信じる。 ──ええぇっ?!信じちゃうのっ?!!
──…あなたがいなければ俺は何もできませんでした。ありがとうございます… しばらくして禰豆子を家に置いて炭治郎が穴掘りを手伝いに来た。
──最初にね…一刻も早く弟君を楽にしてあげたほうがいい。 そう、鬼のこととか鬼殺隊のこととか今後のこととか話すことはたくさんあるが、まずは可哀そうな子どもを苦痛から解放してやるのが先だと村田は思う。
村田を早く自宅で休ませてあげたい…そんな炭治郎の優しい気持ちがアダになった気がする。
寒い…。 前世では義勇はこんな寒い中を竈門家を目指して山を登ったんだなぁ…と村田は低地とは段違いに違う標高の高い山の寒さに震えながら漠然と思った。