厄介なのが着物だ。高齢化で着物を手放す人が多く市場に出回りすぎていて、誰も買ってくれない。それに家族が着ていた思い出のある着物だ。友人にもらってもらうのが一番いい。ということで、娘やわたしが着たいもの、友人にあげるもの、の仕分けをした。わたしたちが着る、と言っても着付けから習わなければ。似合うかどうか顔に当ててみれば早いけど、たたむのに一苦労するから見て決める。それからMode Offに持って行く衣類(着...
まだ続くのか、もうたくさんだ、と言われそうだが、もう少しだけおつき合いください。期待したアキュポンの効果は4時間後に切れた。「もう一度救急医を呼ぼうか?」と夫。ムムム…確かに注射は効いたけど4時間後にまた始まることを考えるとウンザリだ。そこへ会社の人が「Hôpital Lariboisière(ラリボアジエール病院)のUrgence Céphalées(頭部救急)に行くといい」。そんなこと言われても・・・何しろまだ吐き気がしていて、タク...
以前は、SOSメディサンに電話すると生身の人間が返事をしてくれたけど、コロナから手続きがややこしくなった。画面に個人情報を入力して初めて電話ができる。しばらく「そのままでお待ちください」が流れてやっと出てきた人間に、名前、生年月日、住所(全部入力したのに)病状を伝えると「担当者に代わります」。2人目に同じことを聞かれ、繰り返し、ドアコードまで聞くから「おお、来てくれるのか?」と期待するが、「担当医に...
しばらく鳴りを潜めていた片頭痛の発作が土曜日の朝始まった。すぐに処方された薬(スマトリプタン+消炎剤)を飲んだら2時間くらいで治まった、と喜ぶのは早く、午後になってまたズーン!ズーン!…今度は薬が効かない。ウンウン言いながらひたすら鎮まるのを待つしかない。同じく片頭痛持ちの(つまり理解がある)娘は泊りがけで友達の別荘に出かけている。夫がいるにはいるけど、看病に向いていない人なのだ。95㎏の体重でドシ...
夫の実家があるシャンパーニュ地方の村は人口200人。パン屋もカフェもなく(でも教会はある)郵便番号と相手の名前だけで手紙が届く。そこで毎年11月の日曜日、村の“古顔”を集めて昼食会があり、義父は常連だった。今年は夫とわたしにも招待状が来たのだ。夫はしょっちゅう田舎に行くけど、殆ど行かないわたしまで“古顔”扱いしてくれるとは(年齢のせいか?)。これは行かないわけにはいかない、と言ったら夫がびっくり。冬の田舎...
日本から来る友達から「美味しいフレンチレストランを選んで」と頼まれ、ハタと考えてみれば、また行きたくなるフレンチに最近出会っていない。マレの「JAJA/ジャジャ」は美味しいことは美味しいけど、コロナ以後、量を減らし値段を上げた(どっちかにしろ)。それに騒々しいので怒鳴り合わないと話ができない。家の近くにある「H/アッシュ」はミシュランひとつ星を取り気になるお店だけど、コース95€~、料理に合うワインを組ませ...
11月1日、Cité Internationale de la Langue Française/フランス語国際都市がオープン。フランス語とフランス語圏のカルチャーの博物館で、場所はパリから北へ85㎞、エーヌ県のヴィレール・コトレ城。1539年、国王フランソワ1世が『ヴィレール=コトレ勅令』に署名し、ラテン語に代わってフランス語を公用語に定めたという象徴的な場所だ。マクロン大統領が特に力を入れたそうで、高校時代、フランス語教師(ブリジット)と恋に...
フランソワと高校生の息子エミールは渋滞に閉じ込められていた。父はイライラとタバコを吸い、息子はポテトチップスをボリボリ食べ、「友達とやることがあったのに…」「やることってバカなゲームだろ。今日は2人で行くって約束したじゃないか」ムッとしたエミールは突然車から降りて歩きだす。オイ、待て!と追いかける父。その時、渋滞の中にいた救急車が異様に揺れ動いて、ドアから飛び出してきたのは羽が生えた人間。大きな羽...
「ブログリーダー」を活用して、たかこさんをフォローしませんか?
厄介なのが着物だ。高齢化で着物を手放す人が多く市場に出回りすぎていて、誰も買ってくれない。それに家族が着ていた思い出のある着物だ。友人にもらってもらうのが一番いい。ということで、娘やわたしが着たいもの、友人にあげるもの、の仕分けをした。わたしたちが着る、と言っても着付けから習わなければ。似合うかどうか顔に当ててみれば早いけど、たたむのに一苦労するから見て決める。それからMode Offに持って行く衣類(着...
借りているAirbnbの窓に、毎朝溢れるような朝日。日本の冬は素晴らしい。それだけで元気が出る…と言っても、現実はそんなに元気ではないけど。母は目に見えて弱ってきた。「食べられるうちは大丈夫」と介護士さんが言われるけど、食欲はほとんどないみたい。にゅうめんを少し持って行くと食べてくれる。「でも栄養はないわねぇ」と自分で言いながら。実家の片付けも再開。夏は暑すぎるのと、お腹を空かせた蚊の大群に取り囲まれ、...
うちの猫は、蛇口から水を飲む。珍しいことではないみたいだ。そのほうがフレッシュで美味しいに決まっている。細く水を出すと、ピンクの舌で器用に飲む。うちに帰ると2匹揃って水を待ちかねている。難は水を止めるのを忘れること。特に夫は毎回忘れる。もったいないので、娘が水飲み器を買ったら、最初のうちは珍しがって飲んでいたけど、定着しなかった。蛇口から飲むくせに、水は怖いのでお風呂にお湯を入れていると逃げ出す。...
ネヴェンカ(Nevenka、この読み方でいいでしょうか?)は25歳の若さでポンフェラーダ市(スペイン)の市会議員に選ばれる。市民から支持される市長イスマエル・アルヴァレスは、ネヴェンカをいきなり予算担当につける。その結果、市長の傍らにはいつもネヴェンカの姿。この抜擢に、古株はあきれ、ネヴェンカは舞い上がり「何でもしますから」と市長の信頼に応えようとする。でもこの贔屓には理由があった。市長が気に入ったのはネ...
5~6月はアリが大発生した。アリは1匹で歩いていると可愛くないこともないけど、何十匹が行列してうちの中を行進していると、これはなんとかしなければ。image: Qivio猫がいるので殺虫剤は使えない。重曹+チョウジが効くと教わって、アリの通り道に重曹をふりかけ、間隔を開けてチョウジを置いてみた。うちに来る人が「ナニコレ!?」という顔をするたびに「コカインじゃありません」。この方法は、効果はあったけどアリのネッ...
歩きたがらない夫を歩かせるのは至難のワザ。歩いて7分のスーパーに行くのに、10分バスを待つ、という人だ。最近PTから「毎日最低30分歩かないと、今に歩けなくなる」と言われ、わたしが「もう一緒に旅行できない」と脅したので、少し気を付けるようになった。「ちょっと歩いてくる」と出かけるのはいいけど、あっという間に帰ってくる。ニンジンをぶら下げないと30分以上歩かない。生徒さんのひとりから、オテル・ドゥ・ラ・マリ...
ブルックリンのクラブでストリッパー&エスコートガールをするアノーラは、ロシアのオリガルヒの息子ザハロフと出会う。高校生に見えるザハロフは両親の豪華なアパートにひとりで暮らし、親の金で遊んでいる。「君を1週間独占したらいくら?1万ドル?」「1万5千ドル!」親の金を湯水のように使っている放蕩息子と玉の輿を夢見るストリッパーは気が合った。“1週間の独占”から「結婚しちゃえばわたしをずっと独占できるよ」「し...
エルザ夫妻市場の最終日には、お孫さんまで家族全員、昔の店員さんもやってきて、賑やかな「さよなら」になった。その時、エルザから、「10月に大昼食会をするから必ず来てね。車はある?」わたしは運転できないし、夫はパリの駐車場が高すぎるので、古い車は田舎に置いてある。エルザ夫妻はオルリー空港の近くに住んでいるので、空港まで電車で行ってタクシー?「空港を右に曲がって、すぐを左に曲がったとこよ。すごく簡単」オル...
25年間通った朝市の八百屋さん、エルザおばさんが72歳で定年退職したのは今年の7月。退職後のエルザ夫妻、素敵なツーショット「死ぬまでやめない」と言っていたので「えっ?!」と思ったけど、「アレ(とご主人を指さし)がもう無理って言うから」過酷な職業だから、逆に「よく70過ぎまでがんばった」と言うべき。夜中の12時に起きて(!)冷蔵室の野菜果物をトラックに積み込む。定番の商品だけで50種類以上あり、そこに季節もの...
眼科で視力検査。「文字列が8つありますけど」「・・・・4つしかありません」視力は変わっていなかったけど、ダブルに見えるのは乱視のせいではなく、「両目が一緒に機能していないからです」個別に見ているから像が2つ見える、ということ。理由は(前にも書いたけど)10年くらい前に遡る。老眼が出てきたせいで(おかげで?)近眼が是正され、近くはコンタクトなしで見れるようになった。当時の眼医者さんが、「片目だけコンタクト...
情けない言い訳をする被告たちに対し、ジゼル・ペリコの勇気ある凛とした態度にはひたすら感心。彼女は最初「恥をさらすのはいやだから法廷に出ない」と言っていたが、「恥をさらすのは被害者ではなく加害者だということを世間に伝えるべき」と考えを変えて出廷。photo: TF1 info被告側の弁護士の「あなたは本当に意識がなかったのか?」「快感があったのではないか?」のようなひどい質問にもめげず、「なぜ被害者が口をつぐむの...
目下裁判が行われているマザン強姦事件。左が被害者ジゼル・ペリコ主犯の夫ドミニック・ペリコの携帯&パソコンから83人が“参加”したのがわかり(つまり2回やった男がいる)、そのうち身元が割り出された51人が逮捕、拘置された。51人のプロフィルをニュースでは「hommes ordinaires/ふつうの男性」と言うけど、こんなことをした男性を「ふつう」と呼ばないでほしい。年齢は27~73歳(犯行当時22~67歳)。全員がペリコ夫妻と同じ...
裁判が始まり、その様子が毎日ニュースになるマザン強姦事件(マザンはプロヴァンスの地名)。ドミニック・ペリコ(↓)が、10年に渡って妻に強い抗不安薬を飲ませ、ネットで募った志願者に強姦させていた、という信じがたい事件だ。image: 7sur7.be発覚したのは2020年9月。スーパーで女性客のスカートの中を盗み撮りしていたドミニック・ペリコ(当時67歳)が警備員に捕まった。携帯には何人もの女性客が撮られていた。警察はパソ...
生徒さんA(60歳男性)がNetflixでかかっている『テラスハウス軽井沢』を観ていて、よくその話をする。「面白い」「わかりやすい」「会話の勉強になる」というので、観てみたら(そう、今頃!)確かに面白い。周囲に聞いたら(当然、みんな既に観ていて)「軽井沢が一番面白い」でも、これで“会話の勉強”をしないほうがいい。60歳の彼が「めっちゃよかった」「ムズい」「エグい」を連発したら滑稽なだけでしょ。フランス語でも同...
「実は男ともやったことがあるんだ」「えっ、どうして今まで言わなかったの?」「フラれると思ったから」「バカね!・・・・女より嫉妬しないかも。でもわたしから離れないで」「絶対離さない」(エイズの怖さや知識がまだ浸透していなかった頃の会話)深夜のディスコから歩いて帰るエマとサミーは幸せで、未来は輝いていた。間もなく生まれてくる息子のため、サミーはアパルトマンの改装を始める。同じ建物で仕事をする写真家のシリル...
舞台はメキシコ。有能な弁護士リタは今日も被告に勝訴をもたらした:妻を殺した暴力夫に無罪判決。勝ったのにリタは全然うれしくない。最近は、正義のためではなく犯罪者をシロにするための弁護ばかりだ。うんざりしてトイレに入ったリタに、新しい仕事を提案する謎めいた電話。待ち合わせ場所に行ったリタは頭から袋をかぶせられバンでどこかへ連れていかれた。目隠しを取ると、目の前に有名な麻薬カルテルのボスが座っている。「...
歩行器を押しながらいつもロビーを歩き回っているおばあさん。小柄でウェーブした白髪、お伽話に出てくるおばあさんのように可愛く、背中は曲がっているけどスタスタとよく歩く。わたしが受け付けで「来訪者」の記入をしていたらやってきて、受付の女性に「主人はいつ帰ってきますか?」「病院に行っていてあさって帰ってきますよ」そうですか、と立ち去ったかと思うとすぐ戻ってきて「主人はいつ帰って来るんですか?」翌日も同じ...
いつも借りているワンルームは駅まで徒歩15分。緑が多い住宅街で、パリでは聞けなくなった蝉の声が聞こえる。午前中に駅に向かって歩き出すと太陽が背中に照り付ける(つまり背後が東?)。駅から母のいるホームはさらに15分。これを2週間、毎日やっていたら首と腕がかなり焼けた。土方焼け。パリは日照時間が少なく、ヴィタミンD不足の人が多い。骨粗鬆症の初期で、お医者に「一日10分陽に当たりなさい」と、日本女性なら真っ青...
一方母は、わたしが発つ前に腰の激痛でホームから病院に運ばれた。圧迫骨折が疑われたけど、母はレントゲンも検査も拒否し「薬だけ欲しい」。母の頑固さにお医者さんも負け、鎮痛剤をもらって帰ってきた。名前すら知らなかった「圧迫骨折」とは、骨が脆くなった老人や閉経後の女性に、少しの衝撃で起こる背骨の骨折。ドスンと座っただけで折れるとか。レントゲンだけでも撮ればよかったのに、と言ったけど、圧迫骨折とわかっても手...
数日後、田園都市線→南武線→小田急線と乗り継いで、駅で待っていた娘とさらにバスに乗り、新百合ヶ丘総合病院へ行く。駅と病院を往復しているバスは1時間に2本しかない。病院は丘の上にあるので「歩いて行くと暑くて死ぬ」そうだ。5分で新しい明るい病院に着き、まずリハビリの理学療法士に会った。30台前半の優しい雰囲気の先生で、骨折周辺の固まった筋肉をもみほぐし、まだ上げられない腕を少しずつ上げたり(「イテテッ」と...
2つの戦争のせいか、インフレのせいか、世の中、沈滞ムードでクリスマス気分にならない。17日の日曜日に、次の日曜がイヴであることに気づき真っ青になった。ツリーさえ買っていない!娘と待ち合わせして(ひとりでは運べないので)セーヌ河岸の花屋へ行った。恐ろしく寒い晩、着ぶくれして花屋に着くと、2日前通ったときはたくさんあったツリーが少ししか残っていない。残っているのは1m以下の小さいやつばかり。迷っていると...
通っているラテンダンスの学校には週1回(1時間)~4回(4時間)まで各コースと、A volonté(無制限)があり、〈自分のやりたいダンス、相性のいい先生、都合のいい時間〉で選べることになっている。外見はちょっとダサいけど、いい先生が揃っている「無制限」は月170€もするのに、このコースを取っている人がかなりいる、という事実に気がついた。夕方6時から夜10時まで、お腹が空けばサンドイッチを買い、学校に住み着いて...
神社を境内を掃除する箒の音で目が覚める。布団を畳む。歯を磨く(朝ごはん、食べない!)道具を満載したワゴン車で都心に行き、公衆トイレを次々と清掃する。昼は公園のベンチでサンドイッチを食べ、木々の写真を撮る。仕事が終わると銭湯に行き、地下街の店(毎晩同じ)で食事。帰れば眠くなるまで本を読む…毎日判で押したような生活をしている平山。誰もやりたがらない仕事。娯楽と呼べるものがほとんどない、慎ましい生活。孤...
片頭痛の要因を減らしなさい、と言われて、わたしの場合はまず、〇コーヒーを減らす:毎日5~6杯飲んでいたエスプレッソを半分に減らし、目下実行中。〇お酒を減らす:わたしのことをお酒好きと思っている友人が多いけど、実は歳と共に酒量は著しく減っている(でも酒好きのレッテルは変わっていない)。この2週間ワインを飲んでいない。しかしこれからクリスマス、年末、新年と誘惑の季節が待っている。〇枕を変える:片頭痛対...
ヘアサロンで隣の男性客と美容さんの話を聞くともなく聞いていた。ずっとNYに住んでいたという美容師さんに、男性客が「パリとどっちがいいですか?」。「うーん…どっちも短所、長所があって比べられないけど、医療はだんぜんフランスがいい」確かに!医師不足は問題だけど、それでもフランスの医療は優れていると、今回身に染みて思った。救急医は来てくれたし、3日目、途方に暮れて、かかりつけのお医者さんにメッセージを送る...
まだ続くのか、もうたくさんだ、と言われそうだが、もう少しだけおつき合いください。期待したアキュポンの効果は4時間後に切れた。「もう一度救急医を呼ぼうか?」と夫。ムムム…確かに注射は効いたけど4時間後にまた始まることを考えるとウンザリだ。そこへ会社の人が「Hôpital Lariboisière(ラリボアジエール病院)のUrgence Céphalées(頭部救急)に行くといい」。そんなこと言われても・・・何しろまだ吐き気がしていて、タク...
以前は、SOSメディサンに電話すると生身の人間が返事をしてくれたけど、コロナから手続きがややこしくなった。画面に個人情報を入力して初めて電話ができる。しばらく「そのままでお待ちください」が流れてやっと出てきた人間に、名前、生年月日、住所(全部入力したのに)病状を伝えると「担当者に代わります」。2人目に同じことを聞かれ、繰り返し、ドアコードまで聞くから「おお、来てくれるのか?」と期待するが、「担当医に...
しばらく鳴りを潜めていた片頭痛の発作が土曜日の朝始まった。すぐに処方された薬(スマトリプタン+消炎剤)を飲んだら2時間くらいで治まった、と喜ぶのは早く、午後になってまたズーン!ズーン!…今度は薬が効かない。ウンウン言いながらひたすら鎮まるのを待つしかない。同じく片頭痛持ちの(つまり理解がある)娘は泊りがけで友達の別荘に出かけている。夫がいるにはいるけど、看病に向いていない人なのだ。95㎏の体重でドシ...
夫の実家があるシャンパーニュ地方の村は人口200人。パン屋もカフェもなく(でも教会はある)郵便番号と相手の名前だけで手紙が届く。そこで毎年11月の日曜日、村の“古顔”を集めて昼食会があり、義父は常連だった。今年は夫とわたしにも招待状が来たのだ。夫はしょっちゅう田舎に行くけど、殆ど行かないわたしまで“古顔”扱いしてくれるとは(年齢のせいか?)。これは行かないわけにはいかない、と言ったら夫がびっくり。冬の田舎...
日本から来る友達から「美味しいフレンチレストランを選んで」と頼まれ、ハタと考えてみれば、また行きたくなるフレンチに最近出会っていない。マレの「JAJA/ジャジャ」は美味しいことは美味しいけど、コロナ以後、量を減らし値段を上げた(どっちかにしろ)。それに騒々しいので怒鳴り合わないと話ができない。家の近くにある「H/アッシュ」はミシュランひとつ星を取り気になるお店だけど、コース95€~、料理に合うワインを組ませ...
11月1日、Cité Internationale de la Langue Française/フランス語国際都市がオープン。フランス語とフランス語圏のカルチャーの博物館で、場所はパリから北へ85㎞、エーヌ県のヴィレール・コトレ城。1539年、国王フランソワ1世が『ヴィレール=コトレ勅令』に署名し、ラテン語に代わってフランス語を公用語に定めたという象徴的な場所だ。マクロン大統領が特に力を入れたそうで、高校時代、フランス語教師(ブリジット)と恋に...
フランソワと高校生の息子エミールは渋滞に閉じ込められていた。父はイライラとタバコを吸い、息子はポテトチップスをボリボリ食べ、「友達とやることがあったのに…」「やることってバカなゲームだろ。今日は2人で行くって約束したじゃないか」ムッとしたエミールは突然車から降りて歩きだす。オイ、待て!と追いかける父。その時、渋滞の中にいた救急車が異様に揺れ動いて、ドアから飛び出してきたのは羽が生えた人間。大きな羽...
ずっと会っていなかった友人と日本レストランでご飯を食べた。「最後に会ったの、コロナの前だっけ?」「いや、いくらなんでも…2021年?」コロナ前・コロナ後が戦前・戦後のようなマーカーになっているのは何処も同じ。2人とも鮭の照り焼きを選び、最後に残った甘辛ソースに、彼はご飯をぶち込んだ。残ったソースをパンで拭って食べるフランス人がよくやること。気持ちはわかるが、日本人はうちではやるけど、外ではあまりしない...
先週からフランス各地の空港に爆弾予告が相次いでいて、「その数は70件近い。予告はメールで届き、殆どはスイスの同じアドレスから送られている」と運輸相。なぜスイスかと言うと、EU(欧州連合)に加盟していないので、EUの処罰が課せられないから。なるほど。運輸相曰く、犯人は「悪い冗談が好きの大バカと、あくどい愉快犯」その度に機動隊が駆け付け、人々はパニックになり飛行機が遅れ、それを見て喜んでいるんだから全く大バ...
文学少女ヴァネッサが作家ガブリエル・マツネフに初めて会ったのは、母親が“文学友達”を夕食に招いたときだ。リベルタンとして知られる彼の淫乱な話を、お客たちは面白がって聞いている。でも50歳のマツネフの視線は、執拗に13歳のヴァネッサを追っていた。間もなくヴァネッサはマツネフから手紙を受け取るようになる。「あの晩から、あなたのことが頭から離れない」「あなたのような人に出会ったのは初めてだ」詩的な言葉で綴られ...
「その晩、お酒を飲んだの?どのくらい?」「今年、何人の男子とつき合ったの?10人以下?以上?」「そのうち何人と寝たの?」・・・・警察の尋問のように畳みかけるアンヌの前で、若い女の子は震えている。アンヌは警察官ではなく有能な弁護士。これから弁護する、強姦された女子に質問しているのだ。家に帰れば、打って変わった優しい表情。アンヌは夫と2人の娘と大きな家に暮らしている。絵に描いたような幸せ?そこへ、夫の前妻と...
「鼻、咳、悪寒…」最後まで言わないうちに、薬屋のオジサンは「COVIDかもしれない!」「症状がぴったりです」となぜか嬉しそうに言う。「鼻・咳・悪寒」が症状の病気は他にもあると思うけど。「テストをしますか?」夫は心不全、高血圧、高齢、肥満…と悪条件が揃っているからうつすとマズい。「はい、するする」と言ったら、「え?症状は昨日から?じゃテストするのは早すぎる」3日後に来いと言われた。家族はみんな罹っていて(...
1位はアントワーヌ・デュポン。ラグビーW杯フランス代表チームの主将。9月21日、対ナミビア戦で顔面骨折した(痛そう…)。翌日トゥールーズの病院に運ばれ口腔専門の外科医が手術し、顔にプレートを入れて補強。フランスチームの運命を担う選手だから、最優先で手術が行われ、経過はよく「準々決勝には出られるかもしれない」(なんて乱暴な…)サッカーは観るけど、ラグビーはルールがわからないし興味もない私でさえ、アントワ...
のは銀行の扱いだ。まず普通預金口座しか持てない。さらにネットバンキングができない。海外にいるからこそ必要なのに。日本にいないで振り込みをするときには誰かに頼まなければならないし、誰かが振り込んでくれても確認ができない。「届きました?」と聞かれても「さぁ…多分」その上、帰国中に、日本の企業なり個人に振り込みをするときは「外国向け送金」扱いになる。その操作は、わたしの銀行の場合、窓口ではなくブースに入...
それは免税!去年の12月、娘と帰国したときは、2人で念願の資生堂の化粧品を買い(娘のほうがたくさん買った。必要なのはワタシなのに)免税カウンターでパスポートを見せ、免税額でお昼ご飯が食べられた。ところが今年4月に免税制度が変わりパスポートだけではダメ。「日本国籍を有する非居住者」は戸籍の附票か在留証明(2年以上)が必要になった。なぜ?在留証明を日本大使館に申請するには、日本のパスポート、フランスの滞...