マリみてシリーズ短編集のなかでも、とくに好きなのが、この「インライブラリー」。もともとオリキャラ中心の外伝話が好きでないので短編集は再読しないほうですが。この巻だけは何回か読み返した覚えがあります。図書館で働いた経験があるので、本がテーマというのが、これまたツボに。何回か読んでいてわりとエピソード覚えていたのに、レビューがまだだったのが自分では意外でした。今回の前書きは「本に生まれたからには、その子たちは、誰かに読まれることを待ち続けている」──この出だしからしてメルヘン要素漂う。マリみてはかなり現実的なお話なのですけども、著者の今野緒雪先生はそもそもデビュー作からしてファンタジー畑ご出身。その想像力がいかんなく発揮された一冊です。時期は学園祭のあと、そう「特別ではないただの一日」直後。薔薇の館でうたた寝...小説『マリア様がみてる─イン・ライブラリー─』