「王家に捧ぐ歌」もうひとりの主役:アムネリス×有沙瞳さん
表現力豊か&美麗なアムネリス:有沙瞳さん 有沙瞳さんにとって、もしかすると「真骨頂」とも言えるお役だったのではないでしょうか。エジプトの王ファラオの娘「アムネリス」。 その佇まい、美しさ、圧倒的な歌声、情感豊かなお芝居すべてが有沙瞳という娘役にぴったりとはまっていました。 「それはファラオの娘だから」 アムネリスは、言わずと知れたファラオの娘であり、のちにエジプトの女王となる大きな大きなお役。「王家に捧ぐ歌」はトップスターである礼真琴さん演じるラダメスの視点で描かれた壮大なストーリーですが、視点を変えると「アムネリスが葛藤を乗り越え、真のファラオとなる瞬間までの物語」でもあると思うのです。 美も富も名声も、そして愛さえもすべてが思うがままに、自然に自分のものになると思い込んでしまうほど稀有な運命のもとに生まれたアムネリス。 それはすべて「ファラオの娘だから」。 ある意味、権力を思うままに操り傲慢ともとられかねない立場にありながら、有沙アムネリスには、それだけではない聡明さと人間的な温かみが感じられました。 ラダメスがアイーダに惹かれていると気づいていながら「ラダメスへの愛」をぶつけるところ、ラダメスに「戦いをいつまで続けていくのか」と問われるところなどのお芝居が印象的。 あぁ、きっとアムネリス自身もアイーダと同様に心の底で戦いを憎み、平和を求めているんだな…と感じさせる丁寧なお芝居が流石でした。 そして、キャストのなかでひと際美しく華やかなお衣装の着こなしも素晴らしかった!小柄な体格であのアムネリスの大きなお衣装に着られてしまうのでは…という心配など無用でした! とりわけ、天女のような羽衣をひるがえすお衣装が美しかった~(*^^*)メイクも大きな瞳を際立たせる、跳ね上げたアイラインがとってもお似合い。すっと通った鼻筋がアムネリスの堀の深さ、美しさを演出してとても高貴な雰囲気が漂っていました。 王女からひとりの女性、そしてファラオへ… ソロパートの歌唱も本当にお見事で、もう主役級の存在感! 歌の説得力、お芝居の説得力、そして王女としての風格と大人の魅力を備えた美しさ。すべてが揃ったアムネリスは絶品でした。 今回の「王家に捧ぐ歌」では、アムネリスが主役だと言っても過言ではないほど、その存在感に惹きこまれたし彼女の目線でこのストーリーを追っているように感じる瞬間もあったほど。 ラダメス役の礼真琴さんの左隣(本来なら男役
2022/06/23 18:37