『海賊船』岡本綺堂 感想
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 元は徳川の御家人でおり、明治維新ののちに英国公使館で日本語書記を務めていた父親のもとで岡本綺堂(1872-1939)は生まれました。士族らしく彼は漢文や漢詩を習う一方で、父親と同じように英国公使館で働く叔父より幼い頃から英語を学びました。また、父親の人脈や歌舞伎に関心のある母親の影響で在学中より観劇に多く足を運び、彼もまた強い興味を抱くようになっていきます。父に連れられて新富座の興行を観た折に楽屋へ向かうと、十二代目守田勘弥に引き合わされます。「團菊左」の時代を牽引した座頭で、当時の界隈で最も重要な一人でした。また、当時の花形である九代目市川…
2024/06/08 07:03