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どんな国でも、独り占めする人間は嫌われるし、生きてゆけない。とりわけ、苛酷な乾燥地帯で生きてゆくためには、人は分かち合って食べることを教えられる。 砂漠の国、モーリタニアの友人が言っていた。 「見知らぬ旅人が宿を求めてきたら、寝るところと食べ物を7日提供する。名前は尋ねないし、どこから来てどこへ行くのかも問わない。7日経っても名乗らない時には、初めて遠慮がちに「あなたは誰か?」とそっと訊きます。そのように教えられてきた」 モーリタニアで食事は大皿で出されることが多い。こうした食事の出し方であれば、突然の客人の来訪にも困らない。みんなが少しずつ食べる量を減らせば、客人も食べることが出来る。 モー…