増えてきた刺繍糸、木製の洗濯ばさみに巻いて番号を付け、母から受け継いだ漆の膳に乗せている。本来は和室で正座して食事をいただく時に使うお膳なのだけれど、和室のないマンション暮らし、かといって母が大切にしていたものを譲ったり処分したりする気持ちにはなれず、結局、私の手芸用に転用してい...
実家を出て独立して以来、ずっとマンション暮らしで、庭のある家に暮らしたことがない。今更一戸建てを買うほど裕福ではないからかなわぬ夢だが、もし庭があったなら、植えたいのは金木犀だ。 今朝、ベランダに出たら、この秋初めての金木犀が香った。夕方ランニングに出た時も、あちこちに金木犀の香...
旅先での朝ごはんは、大抵滞在宿のもの、という人が多いと思う。国内の温泉宿だと、焼き魚からお漬物まで品数が多く結構手の込んだ和食が並ぶし、地元の食材、郷土の料理、なんかも入っていて楽しめる。でも国外だと、個人的にはコンチネンタルかアメリカンか、という国に行くことが多いから、あまりバ...
昨日は朝から、市民ランナー歴の長い夫に付き合ってもらって、川沿い往復約19キロを走った。来月初出走のハーフマラソンの練習。初心者だし、タイムなんか気にしても仕方ないので、とにかくできるだけ楽に走れる、というか、辛くならないペースを維持して走った。 結果として、キロ約6分半前後。ま...
料理は昔から好きだったけれど、お菓子を作るようになったのは、子どもが生まれてから。ママ友たちがとてもおいしい素敵なお菓子を作るのを見て、息子のために私も作ってあげたい、という気になった。その最初が、型抜きクッキーだった。 ママ友にレシピをもらって焼いた、小麦粉、バター、卵、お砂糖...
かれこれ20年以上使っていたキッチンタイマーが、ついに壊れた。オレンジ色の砂時計型のデジタルタイマーで、土鍋炊飯やパスタを茹でる時など、ほぼ毎日のように使ってきたから、本当にお疲れさま、の寿命だったと思う。 で、作業を引き継いでくれる新しいものをあちこちで探し続けて数か月。どれも...
肉好きだった私が、最近野菜好きになっている。 牛のメタンガスとか工業型の畜産業による森林破壊とか、環境問題にも配慮できる、というのはもちろん「後付け」で、要は歳とともに、嗜好がさっぱり目になってきた、というのが正直なところ。健康への影響はもちろん考えているけれど、これも数十年前は...
週末が近づくと仕事がはかどる。 気持ちの問題だけれど、明日は土曜だと思うと作業の速度が上がるのかもしれない。面倒でデスク横に積んであった手続きの類も、サクサク済ませた。 ヨガに通っている友人2人が、ちょうど仕事が終わる頃にお茶しにくるというので、朝からさつまいものタルトを焼いた。...
毎日のルーティンの一つに、「手書き」がある。とにかく紙に文章を書く。 いろんなことをパソコンでやるようになったこの数十年で、手書きは明らかに減った。でも、ずっと書かないでいるとどんどん字が下手になる。書道をやっていたわけではないから、元々きれいな字ではなかったが、それでも何となく...
ネトフリで観るのは主に映画だ。ドラマを見始めると何回も見ないと話が終わらないし、ものによっては何シーズンもそれが続くのが困りもの。昔のテレビのように、週に1回、次回は翌週を待たねばならないならともかく、見ようと思えば”一気見”が何時間でもできるとなると、自制がきかなくなって疲れる...
夫は約10日間の出張中。コロナ禍で動けなかった約2年の憂さ晴らしをするように、私も夫も、出張仕事にはいそいそと手を上げて出かけている。 考えてみれば、動けなかった2年間より、今の方が感染者数ははるかに多い。それでもワクチン接種ができて、出入国の検疫も緩和されている。6月に私が出張...
たまにはいつもと違う雰囲気で、と夫が「チャミスル」を買ってきた。そのうち夕食に韓国風のものを作ってね、と暗に言っている。 だいたい、今夜は何食べたい?と聞くと、夫の答えは「ワインが飲みたいなあ」とか、「週末にちょっといい日本酒買ってあるよ」という類のもの。質問にダイレクトに答えて...
エリザベス女王のニュースで朝が始まった。 ゴルバチョフや稲盛さんの訃報を受けて、20世紀のモザイクがひとかけらずつ消灯していっているような、と、先月末の ここ に書いたけれど、その波はまだ続いているようだ。 1926年生まれの女王。年表を見るとその年、日本では若槻内閣ができ、川端...
パヴェ(Pavé)という名前のチーズはいろいろあるけれど、これはなかなか珍しい。 一つ約800g。ティムット・ペッパーというネパールの香辛料が入っているのだけれど、これがなんとグレープフルーツのような香り。スライスしたチーズを口に入れると、柑橘の香りが広がる。 作り手のおススメの...
今朝はワンプレートの朝ごはん。近所のランニングコースを6キロ朝ラン。ウォーキングしている女友だちと3人で、週一の定例朝会。帰宅して仕事。 24時間、1,440分、86,400秒。 地球の自転で決まる1日の長さは、厳密に言えば必ずしも24時間ではないから、「うるう秒」の調整というの...
今日は夫がお弁当を持って出勤する日。 豚カツ、厚揚げの生姜味噌炒め、マカロニサラダと出し巻き。前日が日曜だと、常備菜作りの余裕もあって楽だ。 イタリア語の教科書に、Le banche del Tempo,「時間銀行」の話が掲載されていた。"ore al posto di dena...
10月に、人生初のハーフマラソンに参加する。昨日は、市民マラソンに何回も参加している夫が付き合ってくれて、とりあえず川沿いを18キロ。多少曇っていたし、真夏に比べれば気温も下がっていたけれど、やっぱりバテた。 近所のランニングコースを規則的に走り始めたのは、コロナ禍が始まってから...
佐藤賢一氏の 「テンプル騎士団」読了。 12世紀、十字軍の頃から聖地巡礼者の保護を担った修道士たち。その後の騎士団の栄枯盛衰も面白いけれど、キリスト教の西方、イスラム教の東方という世界の捉え方、一国の王より上に立つローマ教皇との関係、まだ宗教が人々の生活のすみずみまで支配していた...
実家に置いてあるアルバムを久しぶりに開いたら、だいぶ劣化していて驚いた。 一番古い、私が赤ちゃんの頃のものは、写真の四隅にフォトコーナーをはめ、スクラップブックに貼るタイプ。それが幼稚園の頃から、粘着タイプの台紙に保護フィルムをかけるタイプに変わっている。前者は写真がそのまま空気...
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増えてきた刺繍糸、木製の洗濯ばさみに巻いて番号を付け、母から受け継いだ漆の膳に乗せている。本来は和室で正座して食事をいただく時に使うお膳なのだけれど、和室のないマンション暮らし、かといって母が大切にしていたものを譲ったり処分したりする気持ちにはなれず、結局、私の手芸用に転用してい...
母のお下がりのミシンはかなりの年代物。カバーもなくなっていたから、綿の一枚布にミシン柄の刺繍を施してカバーにしてみた。子どもがお絵描きしたような、ほっこりしたラインのデザインと文字。もともとはニードルブック用のデザインだったのをお借りした。 今、このミシンは息子のかつての勉強机...
作図も簡単でシンプルな図柄で、刺し子のお布巾作り2枚。 ポッドキャストを聴きながらチクチク。分銅つなぎは義妹が気に入ってくれて、お持ち帰り。タッセルをつけた十字柄はキッチンに置いているフライヤーのカバーになった。
前回書いたコーヒーテーブルのクロスと、丸七宝のお布巾がようやく出来上がった。どちらもなかなか時間のかかる代物だった。 連続模様をクロスの両側に施す“距離の長さ”や、一色での刺繍にちょっと飽きて、途中で刺し子のお布巾作りを何枚か挟んだからでもあるけれど、それにしても長かった。 この...
亡くなった母が若い頃から使っていた籐製のコーヒーテーブル。機能的には全く問題ないのだけれど、やはり天板がかなり古くなっている。ニスを塗り直せばいいのだが、なかなか手をつけられず。ならばとりあえずクロスを作ってかけてみようと、作業を始めている。両端に縦に刺繍を入れる計画を立て、片側...
コーヒーテーブル用のクロスを刺繍で製作中。ちょっと大きな仕事になっていて、途中で気分転換に刺し子を。いくつあっても無駄にならないお布巾。今回は二重鳥襷、二重籠目、霞つなぎの3枚。 見ただけではよくわからなかったけれど、霞つなぎは案外作図でじっくり考えさせられた。シンプルなようで規...
刺繍で何かを作っていると、次は刺し子にしたくなる。その波が繰り返しやってくる。 紺色の端切れがあったので、丸形のマットを刺繍で。次は刺し子のコースター。一度ダルマの細糸で作ったものの、図柄がとても繊細できれいに仕上がらず、さらに細い家庭糸で再挑戦したもの。ここまで細かい柄で5ミリ...
生地や糸の色合い、模様とのバランスなど、作ってみないと分からないことも多い素人の私にとって、コースターのような小物はとても良いサンプラー。家族や友人からの”注文”もちらほらあるので、あちこちの図案をお借りしながらコースター三昧。 真ん中のタッセルをつけたものは、マグカップとビスケ...
誰もが知っている手芸屋さんはもちろん、散歩がてら見つけた小さなお店に立ち寄るのは楽しい。ピカソ美術館を見た帰り道、春めいた空気が気持ちよくてブラブラ遠回りをしていたら、表通りからちょっと奥まったところに素敵な手芸屋さんを見つけた。以前カルナヴァレ美術館に来た時は、目と鼻の先なのに...
所要でアムステルダムに来ている。かなり寒いけれど、日の入り時刻が東京より1時間近く遅いから、なんだか春の到来を実感。運河を渡る冷たい風にめげずに、テラス席でビールを飲んでいる人々の気持ちが少し分かるような気がする。 読書量が減るので、今年から趣味の”針仕事”にかまける時間を若干自...
キッチンの水切り用お布巾。 刺し子を始めてから、洗ったお皿やコップをのせる水切りは毎回洗濯できる晒になっている。消耗品なので、時々更新。今回は子持ち七宝を二色で刺してみた。作図が簡単な伝統柄で気が楽。
小さいコースターはあっという間に刺し終わるから、サンプラー代わりに二種類。今回は糸や生地の色で冒険せずに、大人しく紺と白で。 花刺しの類は、案外一目一目の長さが揃わない下手さ加減がしっかり分かってしまう。目下「花格子」で丸型のコースターを作りながら、いつもより慎重に一目の長さを揃...
お急須のマットに、色も柄も和なものをと紺色の糸で方眼刺し。 様々な色の糸を使うのは作業中は楽しいけれど、出来上がったものを見ると、個人的にはやはり紺や白という伝統的な色合いがシンプルで好みかもしれない。「作りたい」という気持ちで選ぶと多彩になるし、「もしお店に並んでいたら買うだろ...
本やネットで様々な色合いの作品を見ながら、まずは緑系で刺し始め、同系色にしようか悩みつつも、春っぽい色が楽しそう、と2色目を桜色に。でもやっぱり同系色か一色の方が、重ね枡の面白さが際立って良かったような…。 本当に刺し子糸の色選びは難しい。刺繍ならだいたい想像通りに出来上がるけれ...
去年の夏に、旅行用の洗面用具を入れる袋を作った。紺とクリーム色の二色の生地に刺繍をして結構気に入ってはいたのだけれど、実はもう少し大きめがよかったので、大きさを変えて今度は刺し子で作ってみることにした。 生地は同じ紺とクリーム色。柿の花のバリエーションを表裏異なるグラデーションの...
旅先で夜、腕時計やアクセサリーをはずすと、大抵はベッド脇の小さなテーブルに置くのだけれど、スマホの充電や寝る前に読む本、水のボトルなども置くから、ちょっとテーブルが混雑する。時計やアクセサリーを入れておける小さなポーチがあればバッグに入れておけるかも、と作ってみた。 刺し子の糸入...
お布巾2枚。角亀甲と一目干網。 前者はとても気に入った伝統柄だけれど、お布巾の間を通した縦糸が結構目立つかも、なので次回は糸や生地の色を考えようかと。 後者は1センチ方眼で作図したところ、想像以上に糸目が大きく、お布巾として使うと引っかけてしまいそうなので、くぐり刺しした糸を四つ...
この1年くらい、亡くなった母のものを整理している。世代もあるだろうけれど、とにかくお裁縫は得意だったから糸や端切れがたくさんあって、私でも使えそうなものはそのまま持ち帰っている。その中に、昭和初期に子ども時代を過ごした母の(おそらくは)襦袢の端切れがあった。すでに母が再利用してい...
とても素敵な刺し子のお布巾を作っていらっしゃる方のインスタで、やってみたいなあ、と思っていたあじさいのバリエーション。方眼を引いて色合いなど真似させていただきながらトライ。詳細その通りかどうか不明だけれど、だいたい似たような感じに出来上がった。 花びらは基本的にくぐり刺しだけれど...
…とは言っても、マイバック持参の時代。中に入れたのはレジ袋ではなく、会計後に袋詰めする時、生鮮品などを入れる薄手のビニール袋たち。以前、キッチンで生ごみをまとめていたレジ袋は今はこの薄手のビニール袋になっている。シンクの下で紙袋に入れてまとめていたけれど、なんとなく味気ないので...
ほぼ同時期に刺繍を始めた友だちと、箱根の温泉へ。 もちろんニードルブックと作業中の刺繍の一式を携え。ふだんは疲れて肩こりにならないよう、糸を変える度に”糸替え運動”と称して立ち上がりストレッチしたりしているが、ここならそのまま部屋のテラスにある露天にチャポン。刺繍、温泉、刺繍、ビ...
刺繍を始めてから、まずは基本的なステッチを学ぼうと購入した、ステッチノート作成のための本。指示通りの生地と糸を買い、チャコペーパーで図案を写して刺し始めたのが3月頃。大き目に裁断した生地1枚を4等分。その生地3枚を折り重ねて全部で12ページの布ノートが出来上がる。初心者だから、こ...
刺繍に時間を割くようになって、針や鋏を気軽に持ち歩けるニードルブックがほしくなった。せっかくだから自分で作って刺繍したら楽しいかも、とフェルトを買い込み、素人なりにデザインを考えた。刺繍というより、多色のフェルトを刺繍糸で縫い付けた感じ。学んだばかりのステッチをこれでもか、と使っ...
そもそもお裁縫の類があまり好きではなかったから、亡くなった母のミシンを受け継いだとはいえ、我ながら予想外だったのは刺繍を始めたこと。始めたら楽しくなってしまって、一つ作り終えると、今度は何を作ろうかな、と次を考える自分にびっくりしている。人間やってみないと自分が何が好きかというこ...
本屋さんで衝動買いの最新作。彼の著書は何冊も日本語で読んでいるから、読みやすいとはいえ、フランス語だと若干頭の筋トレ状態。でも期待を裏切らない面白さ。 私たち(人間)と他のもの(動物)、生きることの意味、そして無知・不知の倫理へ、という3部構成。人間と他の動物を隔てるものは何かと...
刺繍の本を探しに本屋さんに行った。 私が始めた刺繍は、いわゆる日本でフランス刺繍と呼ばれているもので、Traditionnelle(伝統刺繍)という名前。ところが、フランスではこの分野は point de croix, いわゆるクロス刺繍に押されている。大きな書店の手芸の棚で、刺...
コーヒーがないと厳しい。朝食後から仕事中、昼食後、もしかするとおやつの時もコーヒーを飲む。だから出張先のホテルの部屋で仕事、という時がちょっと問題だった。 湯沸かしポットがあって部屋にインスタントコーヒーが備えてあれば、とりあえずはなんとかなるものの、好みの味というわけではないし...
刺繍を始めた。 手先が器用というわけでもないし、今まで裁縫の類はボタン付けくらいが関の山。針仕事はむしろ苦手な分野だというのが自己評価。五十の手習い、という言葉をナイーブに信じないとできないことだが、信じたわけだ。(実年齢は諺よりさらに上だけど) きっかけは母のミシンを受け継いだ...
近所にあった芦屋の食パン専門店が撤退してしまった。ちょっとお高めだったが、家族に好評だったし、私もたまに食パンを食べるならこれ、と決めて買っていたから、かなりがっかり。ネット注文もあるけれどもちろん送料がかかる。他の専門店の食パンもいろいろ試してみたけれど、なかなか及ばずでいった...
毎年恒例、家族でのスキー旅。 北海度で以前、夫がガラすきのゲレンデが気持ち良かったのか、スピード違反レベルで滑走して転倒、怪我をした教訓で、歳を考えて無理をしない、イメージに身体能力は追いつかない、「できる」と思う一歩手前でやめる、というのが半ばスキー場での”家訓”になっていたが...
2024年が明けた。 いつも通り、晴れ渡る日本のお正月。年末から例年通り、何日かに分けて作ったおせち料理を春慶の銘々重に詰めた。お重も屠蘇器もお節のレシピも、すべて母から受け継いだもの。”洋風おせち”のレシピをのぞいてみたこともあるけれど、お正月くらいは伝統的な料理を伝統的な器で...