ヘヤピンマッチ計算で必要な知識が、伝搬定数γの虚数部:位相定数βです。 一方、実部のαは減衰定数と呼ばれ、線路のロスを表しますが、通常の給電線の場合には、α≒0と見なします。しかし、位相定数βは無視できません。伝搬する電波の波長に関係して、伝送線路の位置によって、その位相状態が刻々と変わっていくからです。 前回のアンテナ本の流れから、この伝搬定数について、アマ…
Mobile Whip Antenna(40)HFC-721改造モデル(3) 7MHz帯:周波数特性
今回は、HFC-721改造モデルに対する7MHz帯における周波数特性です。コイルQ:250まで高めたことにより、低SWR帯域幅が狭くなることが弱点となっています。これから判りますように波長に比べて短いエレメントのアンテナでは、コイルのQを上げて動作利得を追求するとその運用できる帯域がどんどん狭くなっていきます。1.43m長のエレメントだとコイルQ:250はオーバースペックで、メーカー製のQ:10…
(特別編)電磁気学(18)電磁誘導(5)相互誘導(3)二つのコイルに同時に電流が流れている場合
今回は、HFC-721のように二つのコイルに電流が流れた場合の相互の誘導起電力についてです。 (本論) 二つの回路に同時に電流が流れている場合、回路1の全磁束鎖交数N1は、I1によって生じるN11とI2によって生じるN12との和になりますから、 N1=N11+N12 =L1 I1+M I2 ....(5.34) 同様に回路2については、 N2=N22+N21 =L2 I2+M I1 ....(5.35) したがっ…
HDAアンテナ実績:初の14MHzと3.5MHz交信:昨日のALL-JA交信にて
昨日、たまたま7MHzでJA3XPO/3(京都府内)との交信が、ALL-JAコンテスト内(CW)だったので、その後、コンテスト参加局との交信を続けてしまいました。その後、14MHzにQSYしたところ、全国的に開け始めたところだったので、初めて、HDAアンテナの14MHz実力を試すことができました。 これに気を良くして、夜間の最終時間には、3.5MHz(CW)でも参加したところ、HDAアンテナでも、以前の自宅設…
Mobile Whip Antenna(39)HFC-721改造モデル(2) 21MHz帯:基本性能
昨日、土曜日の午後1時~午後3時までの7MHz・SSBで、大阪万博記念局8K3EXPOが運用しておりました。今回は傍受だけです。前半は、体験運用とのことで、アマチュア資格を持たない方とのオペレーター変更するため、1局あたりの効率はよくありませんでしたが、その様子を全国的に周知できたことは、大変貴重な交信だったと思います。 ※熟練オペレーターよりも素人さ…
Mobile Whip Antenna(38)HFC-721改造モデル(1) 7MHz基本特性
今回のHFC-721アンテナに係る記事は、この改造モデルの各特性で最後とします。 先日から、HDAアンテナ比較として、全長約2.0mのステンレスエレメントの基部に7MHz単独のベースローディングとした、巻き数の少ないコイルに変更しました。まだ、特性は測定していませんが、少なくともHFC-721よりは、SWR帯域が広くなっているようには思います。 (本論) 1. アンテナ定義 各コイ…
この件はモービルアンテナの前置きで記入しようと考えたのですが、モービルアンテナで交信できたと勘違いされる場合もあるのでは?と考えて別記事としました。ただ、交信のきっかけは、モービルアンテナの改造ネタからの別のモービルアンテナでの実験からだったのは明記します。 (本論) 1. 日時 2025年4月24日 午後3時40分頃 2. 交信相手 大阪万博記念局 8K3EXPO 大阪…
(特別編)電磁気学(17)電磁誘導(4)相互誘導(2)結合係数k
隣接するコイル間に発生する相互誘導の理論の続きです。変圧トランスにおける一次側と二次側の間やアンテナコイルにおけるアンテナ側コイルと同調用コイル間との結合が、今回の理論に該当します。 (本論) N21=M21 I1 ....(5.27) N12=M12 I2 ....(5.28) 式(5.27)、(5.28)によりますと 「二つの回路の間の相互インダクタンスは一方の回路に1Aの定常電流を流したとき、他…
Mobile Whip Antenna(37)改造検討プロトモデル(0):計算一覧表からの設計値を適用したMMANAモデル化
以前に計算したコイルQ:250に対する基部のL形マッチング回路を使わないときの7MHzと21MHzの基本性能表データをそのままMMANAモデル(いわゆる"たたき台”)とした場合の観察です。 (本論) 1. 一覧表にあるQ:250にある各計算値の抜粋
Mobile Whip Antenna(36)エレメント基部L形マッチング回路変更理由
前回、当初(HFC-721モデルと同じ)C直列形でイメージ図を描いていたのですが、実際にMMANA計算をすると7MHz側で問題が発覚しました。そのため、C並列形に公開途中で変更しています。これについての補足説明です。 (本論) 1. C直列形マッチング回路の場合 MMANAのオプションにあるLCマッチング回路での計算は、次のとおりでした。
Mobile Whip Antenna(35)HFC-721改造モデルVer7の概要
今回からHFC-721とは別に、そのコイル形状を改造することで、その利得をどこまでアップできるかの試行モデルです。但し、現実的なモデルとするため、コイルのQは250程度としています。これだとサンプル写真のような、コイル径が大きく、かつ、巻き線間隔をとることにより、コイルのQを高くする方法です。 1. 回路概要
(特別編)電磁気学(16)電磁誘導(3)相互誘導(1)ノイマンの公式による相互インダクタンスの求め方
今回の特別編の主テーマが、”相互誘導”です。これによって、コイル単独動作以上のインダクタンスを得て、HFC-721方式の先端エレメント共用方式の場合には7MHzの延長コイルや21MHzバイパス経路における7MHz信号の阻止が単独動作に比べると小型のコイルで実現可能になっているのだろうと推察しています。 (本論)
Mobile Whip Antenna(34)HFC-721の実モデル化(4) 21MHz帯:周波数特性&帯域幅の各数値比較
最後は21MHzの周波数特性です。こちらもモービルホイップ側に21MHzの独立したマッチング回路がありません。そのため、今回はSWR<1.5以内に収めることができませんでした。実際のHFC-721アンテナでは、SWR≒1.0がきっちりと確認できます。ですから、7MHzのマッチング条件を少し外して、21MHzとの折り合いできる値としているのかもしれません。下記の比較例だとSWR<1.5は比較不可としました。た…
Mobile Whip Antenna(33))HFC-721の実モデル化(3) 21MHz帯:基本性能
21MHzの基本性能です。7MHzと違い、モービルアンテナエレメント側には、このバンド単独の調整箇所がありません。ですから、7MHzで調整後は、全て無調整により得られたままの性能となっています。しかし、絶対利得Ga:3dBi以上が得られていますから、垂直アンテナとしての動作は合格点となっています。 (本論) 1. アンテナ定義 7MHzと同様に著作権の関係で省略します。 2. アン…
(特別編)電磁気学(15)電磁誘導(2)ソレノイドの自己誘導と自己インダクタンス
自己インダクタンスには、空芯のコイル(ソレノイド)と鉄心等のコア材を用いた場合とがありますが、ここでは、モービルアンテナの延長コイルとしての代表となるソレノイドでの関係が、主な説明になります。通常、コイルの自己インダクタンスと言えば、このような空芯コイルを基本に考えます。 (本論) ある回路に流れる定常電流Iがつくる磁界の大きさHは、”ビオ・サバールの法則”によりますとIに比例します。また…
Mobile Whip Antenna(32)HFC-721の実モデル化(2) 7MHz帯:周波数特性:SWR帯域幅による評価
今回は、HFC-721の実モデルに対する7MHz帯における周波数特性です。特に帯域幅が計算表どおり(=実測値とも合致)に取れているか?が評価基準となっています。 (本論) 1 インピーダンスZ(RとjX別)
Mobile Whip Antenna(31)HFC-721の実モデル化(1) 設計用計算一覧表(全体)と7MHz帯:基本性能
このHFC-721アンテナのMMANA実モデル化は、今回最初に示す”設計用計算一覧表”から決定しました。そして、その性能を探ります。 なお、実物のアンテナのコイルやコンデンサーの値を測定して、それを使っているわけではありません。ですから、メーカー数値とは必ずしも一致しません。ただ、各部の寸法は、どうしてもメーカー数値によく似た値となってしまいます。 よって、HFC-721の定…
Mobile Whip Antenna(30)DuoBand(7/21MHz)のための計算結果一覧表(2)SWR(<1.5,<2.0)帯域幅と利得の関係性
今回は、設計指標とするパラメータがQ値であることを明示しました。前回表と今回表は一体です。前回表もQ値による変化を計算したものです。 今回、コイル群(とその回路全体)のQの値によって、計算結果がどう変化するかを見ています。帯域幅の単位はKHz、相対利得は単位dBdで、自由空間でのDPとの利得差を示します。ですから、付近の地面反射には影響されません。純粋にQとSWRや利得との…
Mobile Whip Antenna(29)DuoBand(7/21MHz)のための計算結果一覧表(1)アンテナ設計に必要なパラメータ
今回は、あるパラメータを変更するとMMANA計算により求めたアンテナ性能はどうなったか?を一覧表として掲載します。左欄には、その可変項目はあるのですが、今回は未だ伏せておくことにしました。 しかし、このパラメータがわからないとアンテナ設計、特に利得と低SWRが得られる周波数帯域幅は決定できません。それから、アンテナ設計をしたことがある方ならこのパラメータが何であるかを…
メーカー製アンテナのMMANAモデル化において、今回初めて登場した”相互誘導”に関する電磁気学での分析です。仮説が正しいかをこちらで検証したいと考えて、久しぶりに「電磁気学本」を引っ張り出してきました。 学生向けの電磁気学という視点だとあまり重点としていないのかもしれませんが、昔の無線技術においては、結構重視されていたように思います。例えば、IFT(中間周波数トランス)…
Mobile Whip Antenna(28)DuoBand(7/21MHz)Ver5.0 rev.33(4) 21MHz帯:周波数特性
最後に21MHzの周波数特性を採り上げます。残念ながら、モービルホイップ側に21MHzの独立したマッチング回路がありません。ですから、だいたいのところまでは、アンテナ全体で調整できますが、きっちりと50+j0Ωに合わすことはできません。そこで、前回説明したようにラジアル側での長さ微調整を行って、SWR<1.5領域を確保しています。 (本論) 1 インピーダンスZ(RとjX別)
Mobile Whip Antenna(27)DuoBand(7/21MHz)Ver5.0 rev.33(3) 21MHz帯基本&設計の肝部分解説
21MHzの基本性能です。このバンドの主たる延長コイルは、一番先頭位置にあるL2(w2c)です。ただ、少しインダクタンスは多めとします。なぜなら、21MHzバイパス回路X1にある7MHzトラップは、21MHzでは短縮コンデンサーとして動作するからです。 また、それとは別の条件として、X1トラップは、任意のL/C比を取ることはできません。それは、7MHzの利得低下割合と21MHzでの給電インピーダンス…
Mobile Whip Antenna(26)DuoBand(7/21MHz)Ver5.0 rev.33 (2) 7MHz帯:周波数特性
今回の周波数特性の立役者は、根元回路にあるL3とTC1によるL型マッチング回路です。ただし、メーカー製HFC-721回路と同様にするには、条件が付加されます。それは、TC1が給電点から見て、先に位置して直列挿入されます。次に、その出力端からアースに向けて、L3が並列動作するためには、マッチングを取らない場合の(裸の)給電点インピーダンスZが、50Ω(絶対値)よりも高くなっている必要があ…
Mobile Whip Antenna(25)DuoBand(7/21MHz)Ver5.0 rev.33(1) 7MHz帯:基本性能
このHFC-721アンテナに忠実な形のMMANAモデル化は、かなり困難を極めました。その途中における失敗モデルは今回紹介しきれません。ですから、その模索の過程だけを概略で説明します。 まず、当初予想図のようなコンデンサーCだけの回路で、HFC-721の予想モデルを忠実に再現しようとすると7MHzでの相対利得が-12dBd~-25dBdとなり、給電点インピーダンスも2Ω+j70Ω~90Ωと極端に低くなっ…
(補足)電磁気学(13)マクスウェルの電磁方程式(5)∇×Eと∇×∇×Eの計算詳細
前回は記事量から、途中計算を省略しましたが、ここで、その部分を補足しておきます。今後、伝送路やアンテナにおける”平面波”の計算で必ず登場する計算でもあります。 (本論) 1. ∇×E E=iEx+jEy+kEz ※ i,j
(復習)電磁気学(13)マクスウェルの電磁方程式(5)周期関数における電磁方程式
マクスウェルの電磁方程式を実際に取り扱う場合は、電磁界が周期的に時間変化をする場合がほとんどです。また、電磁界が正弦波交流的(sinωt、cosωt)に時間変化するとして、解析しても一般性は失いません。なぜなら、非正弦波(方形波、三角波など)のときは、(基本波に高調波を足す)正弦波の和として取り扱いすればよいからです。したがって、電磁界E,Hの中に角周波数ωと時間t、…
(復習)電磁気学(11)マクスウェルの電磁方程式(4)電磁方程式と電磁気学:「ガウスの定理」等の導出
電気と磁気のいろいろな性質は、すべてマクスウェル方程式の中に含まれています。そして、この方程式を基とした応用においては、アンテナ、電波伝搬、立体回路といった電波に関する諸理論が成り立っているのです。当ブログでは、アマチュア無線で馴染みのあるアンテナに絞り、電磁気学を見てきましたが、今回は、一般的に習う電気と磁気に関する性質を、マクスウェル方程式(電磁方程式)から算…
Mobile Whip Antenna DuoBand(7/21MHz)Ver3.1 rev.20:(4) 21MHz帯周波数特性と(L3,TC1)有無のSWR帯域比較
Ver3.1の最後は順21MHzの周波数特性です。最後の項目として、(L3,TC1)マッチング回路有無によるSWR周波数特性で比較しました。 (本論) 1 インピーダンスZ(RとjX別)
Mobile Whip Antenna(23)DuoBand(7/21MHz)Ver3.0 rev.20: (3) 21MHz帯 基本特性
今回は21MHzでの基本特性を扱います。根元に挿入しているマッチング機構(L3とTC;トリマーコンデンサー)を加えても、何とか元のVer3.0に近い特性を得ることができています。ただ、逆を言えば、苦労するほどには、この効果がわかりません。通常だと50Ωに給電点インピーダンスを調整するためにあるのですが、挿入すると逆に50Ωからかけ離れたインピーダンスとなるため、かなり、苦労した部分で…
(復習)電磁気学(11)マクスウェルの電磁方程式(3) 磁気と磁流源のある場合の電磁方程式
過去の当ブログ上の電磁気学では省略していた箇所です。今回は磁気での”一般論”の扱いなので取り扱うこととしました。といっても、電磁気学を習ったかたなら、理解していただいているように、磁気においては、最小単位は、N極とS極が必ず対となって生じる現象です。ですから、今回取り上げる”(単)磁荷”は仮想的なもので、現実には現れることは無いとE-B派にとって避けてとおりたい部分です…
Mobile Whip Antenna(22)DuoBand(7/21MHz)Ver3.0 rev.20:(2) 7MHz帯周波数特性
今回は順番を入れ替えて、7MHzでの周波数特性を先に公開します。周波数特性における低SWR帯域幅とその周波数帯で利得を稼ぐことが、短いアンテナにおいては、重要な目標です。いかに利得をDPの5mHでの同条件での動作に近づけることが難しいかを思い知らされます。これから見ますとλ/2長のDPは、とても高性能アンテナです。 (本論) 1 インピーダンスZ(RとjX別)
Mobile Whip Antenna(21)DuoBand(7/21MHz)Ver3.1 rev.20 L3&トリマーC機能あり(1) 7MHz:基本特性
前回のHFC-721の根元にある給電インピーダンス補正と思われるL3コイルを活かした場合のモデルが、今回のVer3.1/revision20です。前回のVer3.0でも最初に説明しましたが、このL3の動作は、単純なものではありません。どうしても周波数変化に対する給電インピーダンスの変化が急激となる周波数点(不連続分断点)が発生するのです。メーカーでは、この現象をどのようにして制御しているのかが、一…
リビング・オーディオ改善:SPインシュレータ(3)天然木角材(大)+金属インシュレータ
今回の内容は、リビングオーディオ改善の続編です。約一月前の記事での (ベクトル解析復習)ベクトルの回転(2)ベクトルの回転の定義 https://jo3krp2.seesaa.net/article/511032686.html 冒頭部分で公開を約束していた、 >オーディオ関係でリビングのスピーカーの設置形態が、~略~ 最終形で完成できました。~略~ 試作品でも十分効果がありま…
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ヘヤピンマッチ計算で必要な知識が、伝搬定数γの虚数部:位相定数βです。 一方、実部のαは減衰定数と呼ばれ、線路のロスを表しますが、通常の給電線の場合には、α≒0と見なします。しかし、位相定数βは無視できません。伝搬する電波の波長に関係して、伝送線路の位置によって、その位相状態が刻々と変わっていくからです。 前回のアンテナ本の流れから、この伝搬定数について、アマ…
今回の50MHzシリーズ記事の最終モデルとしたいヘヤピンマッチモデルは、アンテナ設計は既に完了しているのですが、その裏付け理論記事のほうが全然間に合いません。 その時間稼ぎとして、初めに実施したFDラジエータの改善試行モデルを公開します。そして、今回は見出しにあるように最初に設計したFDオリジナルモデルと比較すると約1dB近くもGaが低下しました。今回この原因を追究すること…
前回は、MMANAのスタブマッチに必要な(ショート)スタブの特性インピーダンスZoを求める結果式を示しました。 Zo=276log10(d/a) [Ω] ....(5.81) Zo;求めたいスタブの特性インピーダンス d;2線間の距離 a;電線の口径(半径) この式があれば、簡単にスタブの特性インピーダンスZoを計算できることはご理解いただけたと思います。 ただ、この式を導出してくると…
利得とF/B追及したラジエータ直結アンテナの特質は、今回の周波数特性に顕著に現れています。 それらについては、個々のデータで分析していきます。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
ヘヤピンマッチに使うU字形の金具(ショートスタブまたは単にスタブ)の設計に必要な事前知識についての講座です。50MHzなら適当 に給電部に電線をU字に装着すれば、マッチングできると思えますが、力業での試行錯誤で求めるのは大変です。 一方、MMANAの「表示(V)」メニューにある「オプション(V)」をクリックすれば、次のような「スタブマッチ」タブを開けば、 ヘヤピンマッチの…
前回のモデルの全てのエレメント対象に50.0~51.0MHz範囲内でGaとF/Bを追求しています。そのうちのBestモデルの1つで、これが最良ということではありません。同様なモデルは、MMANAを使えば、いくらでも設計できます。 今回の目標は、50.0~51.0MHz全般におけるGaとF/B性能の維持に加えて、中心周波数50.5MHz付近をより重視する設計です。このため、各エレメント長とエレメント間隔の全てを…
今回は、放射器と第一導波器位置によるSWR特性のみを改善した状態での周波数特性です。これだとインピーダンスZ(R+jX)特性とSWR特性で見ると全く問題ありません。 しかし、一方で八木アンテナとしての性能(Ga,F/B)及びパターンでの周波数変化を見ますと50.750MHz~51.000MHz(以上) 周波数帯に特性が偏る傾向があるのです。これは、元の8ELE6MW.MAAのデータの癖というか、そういう…
今回からは、HF帯のマルチバンド八木で昔用いられた「直接給電-direct coupling」方式を掲げます。 50MHzにおいては、ラジエータがブームから電気的に浮いた状態とさらにラジエータを左右エレメントに分割・絶縁して、その中点にDPと同様に給電する方式となるので、給電箇所の絶縁と分割支持のための高周波性能に優れた樹脂部品が余計に増えることから、メーカー製のように部品コストにシビ…
前回は説明漏れとなりましたが、)「γC-match」若しくは、「γ・C-match」と言うマッチング形式名称はありません。前回勝手に命名しているものです。ただ、誰でも思いつく回路なので、同様な回路は既に使っておられるメーカーや個人がいるかもしれません。 ただ、今回の設計だと詰めがあまいのか?利得面において、γマッチとの差が1.0dBもありました。この利得差がこの形式に対する最終評…
今回は、今まで発表していない(個人的に見た記憶が無いだけで、既に発表済かもしれません。)新しいマッチング構造の紹介です。このマッチング方式の売りは、ロッドはωマッチに相当する短い固定長を選択できます。γマッチ用コンデンサーC1及びCマッチ用コンデンサーC2は、ほぼ同じ容量を使い、(Tマッチの時のCの容量に近い。)γマッチ単独の場合…
前回の問題点(2)については、コンデンサーC2を工夫して、例えば、16pF程度の固定コンデンサーと直列接続にして、16pF(最大容量30pF)可変コンデンサーとすれば、C2の調整もそれほどクリチカルにならないのかもしれません。これについては、最終の評価で書きました。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
γ(ガンマ)マッチの改良方式であるω(オメガ)マッチについて【参考】として検討します。というのは、50MHzでは、γマッチに対する優位性は薄れてしまうことから、個人的に50MHzでならωマッチよりもγマッチを推奨する立場だからです。 その理由は、 (1)ωマッチの特長であるロッド長がγの0.5~0.7倍と短くて固定長となることは、50MHzではメリットとは言えない。HF帯(特にローバン…
γマッチとほぼ同じ方法であるT-match方式との性能比較をしますと中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.71(T:19.02)dBiと+0.69dB増、F/B:23.19(FD:23.26)dBと-0.07dB減(ほぼ同等)となっています。一方、ラジエータ長を見るとγ:1.46m(T:1.56m)長とγマッチのほうが、10㎝も短くなっています。ですから、FDとT-matchとの比較の場合のようにラジエータ長が利得やF/Bを決定づけるとは言え…
今回から50Ω同軸ケーブルにて直接給電できるマッチング回路について考えます。その代表例は、γ(ガンマ)マッチング方式です。個人的には、50MHzで活躍した給電方式です。今から50年以上前にマスプロ電工製4エレメント八木に実装されていました。当時は、可変コンデンサーは小型バリコンでした。ですから、調整はとても簡単に行えました。また、主ビームの偏りは意識することはありませんでした…
T-match方式では、FD方式に比べると中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.02(FD:18.45)dBiと+0.57dB増、F/B:23.26(FD:23.88)dBと-0.62dB減と一長一短となっています。しかし、これはマッチング方式の違いというよりもラジエータ自体の全長の問題となっています。FD方式だと誘導リアクタンスを小さくするため、ラジエータ全長を短くする必要がありました。その一方、T-match方式だとラジエー…
今回から、前回述べたFDラジエータからの変形となるT-match方式について検証します。T, γ(ガンマ),ω(オメガ)のいずれもラジエータエレメントに並行に沿う、短いロッドにより、エレメント中央位置からオフセットした位置に給電する方法に分類される方法です。この方法についての動作原理の理解を得ることが難しいようで、ネットで公開している情報は、玉石混合的(正しい記述と誤った解釈と…
FDラジエータと1:4バラン方式を使ったアンテナの周波数特性について、MMANAで分析してみます。 (本論) 1. マッチング前の給電点インピーダンスZ(RとjX別) 2. 50.5MHzにてマ…
今回からは、MMANAモデルから改良したオリジナルモデルで、Radiator(放射器)をFD(フォールデッド)タイプにする方法です。これと同等な方法は、ナガラ電子のモデルで使用しているT形マッチングです。この場合は、フォールデッドロッドとラジエータエレメントとの太さ比でもって、FD給電と同等な給電点インピーダンスとなるように持ち上げています。ですから、同軸ケーブルを使ったUバランでの…
シングル放射器(DP)の8エレ八木における周波数特性です。 9. Z(R&jX)特性 (1)マッチング回路なし 51MHz以上となるとRとjX変化が大…
今はこちらが当ブログのメインテーマです。残るラプラシアンを導出すれば、これで球座標について完了します。 (本論) 一般形の直交曲線座標のラプラシアン表示 電磁気学(28)ベクトル解析の直交曲線座標(8)ラプラシアン(∇^2V) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515700277.html ▽^2V =(1/h1 h2 h3)[(∂/∂u1){(h2 h3/h1)}{(∂V/∂u1)} …
下記写真は、別の角度から見た給電部(ステー線用金具)の拡大部です。 写真にあるクレモナ・ロープは既に撤去済みです。左斜め方向にあるTVアンテナ用…
一般的なTVアンテナ用ステー線の引き留め部分をサンプル写真にて紹介します。 (モデル住宅における参考例) 他の個人宅の現物写真を勝手に撮影して利用する…
次の写真は自宅の屋根の中央天頂部にあるUHF-TVの設置状況です。 アンテナ自体が支持ポールの低い位置となったのは、当初は、HF用アンテナ電線を支えるFRP…
この冊子にある「設計=施工へのワンポイント・アドバイス」記事を参考としています。 (冊子表紙のリンク) https://www.amazon.com/%E5%88%A5%E5%86%8ACQ-ham-radio-7%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A/dp/B08QTLNZ79 (本論) この記事の主旨は、当時はVHFのTVアンテナのステー線をLongWire(以下、LW)の…
新築時に用意した地面内の電線束=地表ラジアル線アースは、そのまま放置していました。今回これを使える機会を実現できるかもしれません。 というのは、来月当初予定で自宅2階部を一部リフォームすることになりました。その際に外壁に沿って一部足場が組まれることから、日頃手が届かない部分(屋根の片隅)にある(代用)アンテナ線からの引き込み電線を固定できるような準備をしたいと思…
これは、過去の大規模アンテナ設備に使用したことから分ったのですが、DIY店でも調達できる部品でも、プロご用達の専門店を利用すると例え1個だけの部品、今回は、ワイヤクリップ1個だけでの入手の場合で紹介します。
最後に別宅の予備システムで実装していた例を紹介して、この完了とします。こちらは、主に3.5/3.8MHz垂直八木アンテナを使用するために用意したコモンフィルタ群です。また、同時に14-28MHzのミニマルチ会社のトライバンダー八木アンテナにも適用していました。いずれも既に撤去済です。フィルタ自体も破棄しました。 (別宅の予備システム側にある室内壁面)
依頼のあったCMD1.8Ⅱ-MTの完成時の写真とこれとは別ですが、同じタイプを私自身もタワーアンテナ用として使っていました。この長期使用経過の様子を紹介しています。 9 コモンフィルタ CMD1.8Ⅱ-MTの完成写真 ①M型端子のコネクタ部分
前回お知らせしたように幅広い周波数帯域でコモンモード電流の減衰を確保できるか?が、このフィルタの性能を表していることの説明です。下限は1.8MHzに対応するのと同時に上限は50MHz以上まで十分に減衰できているかがフィルタ性能勝負の分かれ目です。 6 ネットアナ利用 CMD1.8Ⅱ 特性グラフ図
コモンモードフィルタの性能は、そのインダクタンスの大きさで決まるといっても間違いではありません。ただ、インダクタンスで生じるリアクタンスの周波数特性にも注意する必要は欠かせません。その部分は次回に紹介します。今回は、インダクタンス測定の方法を紹介しています。 5 性能判定測定法 完成したコモンフィルタの良否について判定する検査方法です。 最も確かな方法…
今回加工時の写真はありません。また、内部構造を写した写真も1枚も無いのです。さらに使用していた現物も別宅無線局設備の廃棄と同時に全て処分しました。なので公開しようとしてもできません。そして、自分自身も作り方を忘れています。残っているのは、大学ノートに記録した各寸法を記載した数字と簡単な説明だけが全てです。 3 VUキャップの加工 VUパイプ両端の防水処理とし…
今回はVUパイプ等への穴あけ時に利用する治具の紹介です。 2 パイプ穴あけ時固定治具 この治具は、NSNスペシャル・アンテナ記事を当時の月刊ファイブナイン誌に掲載の際、配布用アンテナ部品を作成するため準備したものです。 ドリルによる穴あけをパイプのような丸い表面に穴をあけようとするとパイプが回転してしまい、ドリルの刃先がすべってしまうことがあります。このよ…
「コモンモード実験室」関係の記事は当ブログ記事として全てを全てを再現したつもりだったのですが、今回の部分は漏れていたようです。 (記事概要) 前回までのレポート(当ブログでは「コモンモード実験室」の以下の記事案内に該当)とは、違う視点で、このテーマを考えていました。 【ブログ記事案内】 過去のHP記事再現(144)コモンモード実…
前回紹介したようにリビングのシステムで384KHzアップサンプリングと内部処理32Bit深度を採用したところ、ロック系の音楽では、力強さが削がれた感覚を持っています。しかしながら、楽器の音色の余韻は、とても甘く響きわたるようになっています。これを意図した理由ではありませんが、こちらでも心地よく聴ける音質であると言えるかもしれません。 (試聴音源) ホテル・カリフォルニア Eagles 2003年05月14日 ht…
2Fにあるメイン・システムに比べるとまだ改善の余地があると思い、本日からアップサンプリング周波数を192KHz→384KHz(PCM×8)の最大設定まで引き上げました。 USBケーブル長が、約5mと長いものを使用しているので、その間の伝送波形の乱れを心配したのですが、今のところ、誤動作や音切れは発生していません。 肝心の音調は、オーディオ再生プレーヤN-70Aでの384KHz出力とは違っています。どちらかというと音の迫…
1999年12月号CQハムラジオ誌に掲載された記事からの最後の紹介です。 当時、使用していた無線機は、FT-1011(50W)でした。 今のようなDSPによるノイズリダクションや狭帯域の低周波バンドパスフィルタはありません。したがって、ノイズ軽減の方策としてはIFフィルタを250Hz帯域とするか、自作の外付けの低周波フィルタを付加するか程度の対策しかありませんでした。
TS-520関連記事の後半です。実際にこのTS-520を使用していた時期は1990年あたりまでです。その後は、TS-850やFT-1011に切り替わりました。VFOがアナログでしたから、1KHz単位で周波数が正確に読み取れないのは、実用とはならない時代となったからです。
1999年12月号CQ誌に掲載されたケンウッド社無線機(当時はトリオ社)TS-520の受信部改造記事です。 当時の機器のミクサー部分は、MOS-FETによるシングルタイプのミクサーが主流で強力な受信信号があるとミクサー段の突き抜け信号や混変調があたりまえでした。これを軽減するため受信機のトップへアッテネータを挿入するものです。 同時に、RF段素子の交換とIFゲインの調整を紹介しています。素子の変更による不要なゲ…
結論を言えば、IC-7400のCI-Vのボーレート設定が最高19200BPSまでなので、USBをREMOTE接続から独立させてもそれ以上の高速接続できるという意味はありませんでした。しかし、他の機種では、役立つ場合もあるかもしれませんので、USB独立でHamRadioDeluxeVer5.24.0.38(Free最終)を使えるようにすることを検証しています。 また、質問者からのメール返答にあった「HRD側でDTRにチェックを入れる…
昨日、朝メールで標記のトラブルの相談があり、久しぶりに無線機IC-7300とHRDとの接続を試したところ、私の環境でもHRDとの接続が出来なくなっていました。以下は、その顛末です。 (本論) 1.当初の接続結果