昨年4月に書いた、たぶん軽めのものを。ハッピーエンド あごに髭を生やした男は問う。「なあ、役聞いたか?」 それに、白髪混じりの髪の、小太りの男は頷いた。「おう。なんでも、俺らは盗賊役して、王子様に成敗されなけりゃならないらしいな」「ったくよぅ。いっつも俺らみたいな中年は、なんでこうも悪役やらにゃあいけねえんだよ」二人とも、大きなため息をしながら、ガクッと肩を落とした。「まあ、次はもっといい役だとい...
最近、心に刺さった言葉が 「ほとんどの人は、そこまで深く考えてない」 自閉症、脳性麻痺、統合失調症な三兄妹の、とある話。日々のこと、小説の話など。
精神障害者ですが、小さな本屋の店員になりました。兄は発達障害者です。
つくづく、戦争によるひとへのダメージとは深いものがある。 令和4年の5月末。 世界が「戦争犯罪」という言葉に様々な反応をしているなかの、とある話。 北海道の海の、とある位置にて。 観光船が沈む事件が起きた。 その「とある位置」には、過去の戦争にて命を落としたたくさんの魂が眠っている。 その当時は、戦争目下ということもあり骨を拾ってくれるなんてこともなく。 家族には、紙一枚の知らせで、それは「終...
39. 障害年金の申請の際の「病歴・就労状況申立書」について
障害年金とは、国民年金法、厚生年金保険法等に基づき、疾病又は負傷によって、所定の障害の状態になった者に対して支給される公的年金の総称となります。 基礎年金で1〜2級 厚生年金では、1〜3級。 これは、障害者手帳とはまた別の制度ではありますが、こちらのほうが審査は厳しいものになります。 私本人は、精神障害者手帳では3級です。 そのため、障害年金の申請をしても、獲れるのかは多少「賭け」にも近いものがあり...
とてもとても、お久しぶりです。少し前に、27歳の誕生日をむかえました。今年は、初っ端からいろいろな手続き(の準備)をしました。「障害年金」元々精神障害者手帳は3級を持っているのてすが、今回は障害年金の申請をしました。本当は昨年の終わりに、診断書はいただいたのですが、なんだかんだと提出は遅れに遅れ、3月に……。 その際には、数人から「え、まだ申請してないの!?」と、驚かれるのも当たり前ですよね😓 一番苦労...
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昨年4月に書いた、たぶん軽めのものを。ハッピーエンド あごに髭を生やした男は問う。「なあ、役聞いたか?」 それに、白髪混じりの髪の、小太りの男は頷いた。「おう。なんでも、俺らは盗賊役して、王子様に成敗されなけりゃならないらしいな」「ったくよぅ。いっつも俺らみたいな中年は、なんでこうも悪役やらにゃあいけねえんだよ」二人とも、大きなため息をしながら、ガクッと肩を落とした。「まあ、次はもっといい役だとい...
こんにちは。今日は、私の誕生日だったりします。朝、母に祝われることから始まり。スマホ越しにも、色んな方にお声をかけていただきました。同じ日生まれの幼なじみ。学生時代の友人。学生の頃、当時よく通っていたパンケーキ屋さんの店長。本屋のお仲間。本屋の前にいた施設からの友人たち。とあるオープンチャットでの方々。ありがたい限りです。これらの祝いの彩りは全て、これまでの私が、「私」として培ってきたことの内部。...
愛があれば何でもできる?「君への愛で、どこまででも走れるよ!」 瞳を輝かせ、その婚約者は高らかに言い放つものだから。 私は言ってみた。「あら、ならあちらの山まで、やって見せて?」 婚約者は、そんなことを言われるとは思っていなかったようだ。「いやー、ちょっと、その……」 そして、まるで今、思い出したかのように言う。「ああ、そうだ! 今日はこれから用事があるのだったよ! 君との時間が大切で、すっかり忘れ...
アプリで、「書く習慣」というのがありまして。一日一個のお題で、気分で書いてます。そのなかで、自分で気に入ってる話や、評価が高かったお話を、ちょこちょこ乗せてみようかと思います。沈む夕日 一人、海に向かう。 夕日が、そろそろ沈む頃だ。 カモメか? なにかが鳴いている。 妻は、海が好きだった。 私も妻の元へいこう。 それしか考えず、歩いて、歩いて。 ちょうど半分海に飲まれたあたり。「──パパ!!」 溺れ...
ちょっと雑談も。うちの近所には、私が小さい頃からずーっと、絶えることなく。 犬が多いんですよ。私は動物大好きなので、よく通ってました。いろんな子がいました。人が好きな子、前の主人に虐待されて、人間不審になってる子(保護犬とも言う)。単純に人見知りな子、あまり人が寄り付かないような、一見すると怖く感じる子(私はまったく怖くはなかった)。そんななかで。すんごいご近所に、数年前に柴犬がやってきました。女の子...
ひとの心は難しい。 よく、思うだろう。「自分よりも大変なひとはいる」 そう思うことで、自分の「つらい」を、「そんなもんじゃない、自分はまだまだだ」だとかと、感情に無理やり言い聞かせ、蓋をする。そうすることで、心に応急措置という名の「鎖」をしている。 けれど、鎖はいずれ錆びるものだし、応急措置は、その場しのぎでしかない。どちらにも限界がある。その限界が、ひとの心と体を髄まで蝕み、果てには壊してしま...
彼を知ったのは、小学生の年少の頃。 わりと、一発ですぐ彼が兄たちと似たものを持ってる――なにかしらの障がいがあると気づいたのは、私がよく兄たちやそのお友達のことも見ていたからもあると思う。 彼は、とにかく落ち着きがなくて、よく忘れ物をして。勉強も運動も苦手。 よく、周りからは「またお前か」「こんな簡単な問題も解けないのかよ」「へんな走り方だな!」 いつも、そんなようなことを同級生から言われていた。...
私が小学生の頃、初めて彼女と関わった。 先に言っておくと。 私は典型的な「いじめられっこ」だった。主に男子から。 だから、からかう言葉や虐げるようなセリフは、何千何万と聞いてきた。「キモい、ブス、うざい、菌、害、死ね」といった言葉だ。 本題はそこではない。「彼女」も、似たようなことを言われていた。あえて私と違う点を言うなら。 ――たぶん、とても人望がなかった。「あの子、全然あいさつしないよね」「車...
よくひとは、「障害」の害を嫌い、「障がい」とあえて表記することがある。 理由なんて、簡単なこと。「害=悪」のような、悪いイメージを抱きがちだから。 けれど調べてみると、大元は「害」ではなく「碍」であった。 元々、「障碍」と「障害」は、明治以降の一般社会でほぼ同じ意味で使われていた。 しかし戦後の当用漢字表やその後の常用漢字表に「害」の字のみが入るなどして、「障碍」という表記は少なくなっていったと...
私には、かつて悩んだ問題があった。「接客で大切なこととはなんだろう」 とある、小さな本屋が、私の仕事場だ。 といってもあまりお客は来ない。それもあり、店員は接客に慣れている人ばかりでもない。 本屋と同じ系列で、ほかにも店がある。 ある日、そちらを仕事場としている友人が、本屋の店長に、こんなことを訪ねていた。「接客の際の言葉使いについて」 例えば。「こちらでよろしいでしょうか」「ごゆっくりご覧くだ...
この世界では、たくさんのカタチの「情」がある。 ――戦争とは、全ての感情を踏みにじる最たるものだ。 ふと思う。何故、人間同士でのいざこざは、戦争に発展するのか。 「戦争は科学を発展させる」 「戦争なんて名ではない、もはや殺戮だ」 それは、決して相容れない言い分となるのだろう。 それこそ、ドラマや映画、小説などの、「架空の世界」では、闘うことをカッコいいとされるのは、よくあるパターンだ。 しかしそれは...
世の中というのは、間違ったことだらけだ。そして、それを「間違いだ」と主張することで、袋叩きにされることもある。 ここで一つ、問いかけたい。 世の中にいる「障がい者」は、みな善人なのか? ここから、私のこれまでの経験を少々。 私には、家族に障がい者がいる。それも生まれつきにだ。 なのでよく、「特別支援学校」という、主に何かしらの障がいを持つ児童が通っている学校を知っている。子どもの頃には、よく混じ...
私は、福祉施設の本屋に行ってます。じつはもう、一年以上は経っていますね。更にじつはなんですが、本屋の仕事の一つのなかに「ラジオで本を紹介する」ということもしています。 といっても、地元のローカルラジオ番組のなかの十数分くらいの時間なのですが。ちなみに、これまでは「月夢」(つきゆめ)というペンネームで紹介していました。今月(18日15:20分頃は「はるか、ブレーメン」という本を紹介します。そのなかで語るかもし...
エッセイですね。前作「思うこと、感じたこと。」より年齢が少し大人になっているので、区切りとしようと思うとともに。 もっと上手く言葉を紡げるように、という気持ちを持って。1. 想いを形にする意味 ずっと、ずっと前に。【人というのは矛盾する生き物だ】と、私は言葉を紡いだ。それも、はじめはペンをとり。 そこから考えると、今はかなり楽に書いたものの修正が利くようになった。これも科学の発展というものか。 そん...
私は、これまで何度も見てきた。 『障がいを持つひとに、優しくしようと思いました。 困っていたら、助けてあげたいと思います。 身体の不自由があるのに、こんなに頑張ってて、すごい! 障がいを持つ子のきょうだいは、きっととても優しい子に育つ。 障がい児のおかげで、うちは楽しく明るい家庭になった。 この子がいると、笑いが絶えない。』 あちらこちらで、何度も耳にした言葉たち。良くも悪くも、たくさん聞いた。...
こんにちは。スマホのアプリって、時々いきなり使えなくなる事がありますよね。ちょっと困った事に。スマホになった頃からずっと使い続けていたメモのアプリが、なぜだか使えなくなってしまったのですよ😅で、代わりのアプリを色々探していたら。「書く習慣-毎日一つのお題 思い浮かんだことを書いてみて」というアプリがありまして。要は、お題に沿って文章を書く、というものですね。短くても長くても良くて。ジャンルも問わず(...
武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方(宮田律さん)を読んで 彼──中村哲医師──は、今は亡き方。暗殺されたのだ。彼は常日ごろから、武器では戦争は終わらないこと。本当に大切なのは、「衣・食・住」の、特に水だと、主張する。 きれいな水が出ないから、ケガも治らず悪化させる。雑菌だらけの水を飲めば、体の内側から病に侵される。 例えば。食べ物を買うお金がないから、スリをする。これは言い換えれば、...
私には、次男のような愛嬌も無ければ、長男のように数字に強い訳でもない。「自分には何もない」それをずっと、思って生きてきた。でも、一つならあった。「言葉」ちょっとした出来事があって。日用品、そして私から、謝罪と日頃の感謝の手紙を書いて、ご近所さんに渡して数日。「手紙読んだよー。ありがとうね」そう言って、おじさんがあんなに笑ってる顔を、なんだか久しぶりに見たな。そういえば、と。わりと私、ここ近年でちょ...
まだ人を殺していません 小林由香さん 義兄「南雲勝矢」が、人を殺したとして逮捕された。「葉月翔子」は姉夫婦の息子である「良世」とともに生活することになる。 そこから、子を育てることに不安を持つ翔子と、殺人鬼の息子となった良世との、言葉に表わせないような日々が始まるのだった──。 この本は、単純な「殺人犯の息子の話」ではないと感じたのは、読み始めてすぐでした。 というのも、預かる側の翔子は、娘を交通事...
ご無沙汰です。昨年は、個人的にいろんな事がありました。これまでは、「就労移行支援B型」の作業所にほぼ1年、通所していました。そのなかで、別の作業所に興味はないのかという話になり「そういえば、本屋に行った人がいたらしい」と聞いてみたら。なんとびっくり、私でも行ける施設がちゃんとあるのですよ!見学、お試しの期間を経て。昨年の12月から、正式にとある本屋の店員になりました。今のところ、主にしているのは、本の...
こんにちは。スマホのアプリって、時々いきなり使えなくなる事がありますよね。ちょっと困った事に。スマホになった頃からずっと使い続けていたメモのアプリが、なぜだか使えなくなってしまったのですよ😅で、代わりのアプリを色々探していたら。「書く習慣-毎日一つのお題 思い浮かんだことを書いてみて」というアプリがありまして。要は、お題に沿って文章を書く、というものですね。短くても長くても良くて。ジャンルも問わず(...
武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方(宮田律さん)を読んで 彼──中村哲医師──は、今は亡き方。暗殺されたのだ。彼は常日ごろから、武器では戦争は終わらないこと。本当に大切なのは、「衣・食・住」の、特に水だと、主張する。 きれいな水が出ないから、ケガも治らず悪化させる。雑菌だらけの水を飲めば、体の内側から病に侵される。 例えば。食べ物を買うお金がないから、スリをする。これは言い換えれば、...
私には、次男のような愛嬌も無ければ、長男のように数字に強い訳でもない。「自分には何もない」それをずっと、思って生きてきた。でも、一つならあった。「言葉」ちょっとした出来事があって。日用品、そして私から、謝罪と日頃の感謝の手紙を書いて、ご近所さんに渡して数日。「手紙読んだよー。ありがとうね」そう言って、おじさんがあんなに笑ってる顔を、なんだか久しぶりに見たな。そういえば、と。わりと私、ここ近年でちょ...
まだ人を殺していません 小林由香さん 義兄「南雲勝矢」が、人を殺したとして逮捕された。「葉月翔子」は姉夫婦の息子である「良世」とともに生活することになる。 そこから、子を育てることに不安を持つ翔子と、殺人鬼の息子となった良世との、言葉に表わせないような日々が始まるのだった──。 この本は、単純な「殺人犯の息子の話」ではないと感じたのは、読み始めてすぐでした。 というのも、預かる側の翔子は、娘を交通事...
ご無沙汰です。昨年は、個人的にいろんな事がありました。これまでは、「就労移行支援B型」の作業所にほぼ1年、通所していました。そのなかで、別の作業所に興味はないのかという話になり「そういえば、本屋に行った人がいたらしい」と聞いてみたら。なんとびっくり、私でも行ける施設がちゃんとあるのですよ!見学、お試しの期間を経て。昨年の12月から、正式にとある本屋の店員になりました。今のところ、主にしているのは、本の...