煙が目にしみる

煙が目にしみる

某年某月某日 ドウロ川に沿ってTuaからSL蒸気機関車での旅をしたことがあります。その帰路に出会った数年前のできごとです。SLの汽笛はピョーピョーと鳴りなんだかやけに哀調を帯びて、旅の終わりを告げていました。車内は指定席ではないので、途中の2度の停車駅でわたしたちは車輌を変えてみました。最後は向かい合った座席が4つしかない小さな車輌でした。乗客はわたしたちとわたしたちの席の向こう座席の老人だけです。ふと...

2022/05/16 17:15