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2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は池上永一「レキオス」。 2000年発表作品。 レキオス (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon 池上永一は沖縄・石垣島出身の作家さん。 沖縄の伝承に基づく豊かな物語に特色がある方かと。 本作「レキオス」の舞台は西暦2000年の沖縄本島。 米軍から返還された荒地に巨大な魔法陣が出現することにより物語の幕は開けます。 主人公となるのは白人と日本人のハーフの母と黒人米国軍人の父との間に生まれた女子高生・デニス。 ポルトガル語で「琉球人」を意味する「レキオス」。 その真の意味・…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は池上永一「シャングリ・ラ」。 2005年発表作品。 シャングリ・ラ 上 (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon シャングリ・ラ 下 (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon 池上永一は1970年生まれで自分と同世代の作家さん。 沖縄・石垣島出身で沖縄の風土に根ざしたぶっ飛んだ物語を生み出してます。 琉球王朝を題材にした大傑作「テンペスト」でご存知の方も多いかと。 本作「シャングリ・ラ」は沖縄ではなく、近未来の東京が舞台となっています。 加速する地球…
「テンペスト」 池上 永一 ☆4.5 十九世紀、第二尚氏 琉球王国末期の沖縄を舞台にした歴史小説。歴史小説となるとちょっと難しそう、あんまり興味がないなどと思ってしまう人も多いと思うが、ストーリーやキャラクターがめちゃくちゃ魅力的だし、書かれたのが2008年で現代の分かりやすい言葉使いで書かれているので、ライトノベルのような感覚で気軽に読めるはず。 当時の時代背景や文化についても丁寧に解説されているので、予備知識ももちろん不用だ。 主人公真鶴は士族の娘として生まれるが、とある事情により男として琉球王朝の官僚になるための試験を受けることになる。官僚になった真鶴は性別を偽って
「ヒストリア」 池上 永一(著者) たまたま「宝島」と同じ年代の物語で驚いたが、続けて読んだことで時代背景の理解がしやすかった。 戦後、沖縄からの南米移民達がどのような想いでどのような生活をしていたのかを知るのにとてもいい作品だったが、それ以上に自分にとって今後の人生の生き方を考えさせられるという要素の方が大きかった。 主人公の煉は、何度も全てを失うような悲惨な目にあうが、絶対にあきらめずに再起をはかり、それまで以上の成功を収めてきた。 彼女はマブイを落としているので、最初は自分の生存のみを考えて他人を利用して生きていくが、苦しい想いを重ねていく中で「仁」を大切にする