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咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~ https://sashadokusho.hatenablog.com

「咲紗の、目指せ!日本一の読書家」から移行しました。 大好きな本とチワワとコーヒーに囲まれた日々を送っていきたいと思います。 読んだ本の紹介、感想などを書いていきますのでよろしくお願いします。

咲紗
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2021/03/27

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  • 幻色江戸ごよみ 宮部みゆき 新潮文庫

    1月から12月まで、12カ月を12編の、少し不思議なお話が書かれています。 どのお話も文句なく面白いです。 人情物から、少し切ないお話から、様々です。 第2話「紅の花」 これはひどすぎます。 真面目に生きている主人公がかわいそうすぎます。 病弱な奥さんはどうなってしまうのか。 結局、侍にとって町民の命などどうでもいいということでしょうか。 第4話「器量のぞみ」 これはユーモアたっぷり。 器量の悪い人が、反対に良く見えてしまうようになってしまったお話。 さて、それがもとに戻った時どうなるか・・・・ 最後はちょっとほっとする、いいお話です。 第5話「庄助の夜着」、第8話「小袖の手」、第11話「侘助…

  • リベルタスの寓話 島田荘司 講談社文庫

    御手洗潔シリーズです。 グロい! とにかくグロい! 人間の内臓全部出して、そこに別のもの突っ込むんですよ~(>_<) それで人形を作るんだって。 よくこんなことできるな。 グロいという前知識なしで読んだから、いきなり出てきて「ぐぇ~・・・」という感じになりました。 でもそこをぐっと我慢して読み進めると、ムチャクチャ面白いのです。 前編と後編に分かれた話の間に、別のお話が来るという、ちょっと変わった形式でした。 どちらの話も、御手洗は外国の大学に行っていて、それぞれ電話で解決を導いています。 すごいぞ、御手洗。 正に、こういうのを安楽椅子探偵というのでしょうか。別に座っていたわけではないですが。…

  • 陰陽師 生成り姫 夢枕獏 文春文庫

    大好きな陰陽師シリーズ、初の長編です。 読んでいて、なんか読んだことあるなぁ、と思ったら、短編「鉄輪(かなわ)」を長編にしたものでした。 たしかにこの「鉄輪」はすごいインパクトのあるお話でした。 よく覚えていました。 特に、冒頭の丑の刻参りのシーンがすさまじいのです。 夜中に山中の寺を目指す女の姿は鬼気迫るものがあり、いかに恨みが強いかよくわかります。 源博雅は、月明かりの美しい晩に橋の元で笛を吹いていると、牛車にのった女が現れ、その笛に聞きほれます。 なんどか会ううちに、その女は博雅の笛に合わせて、琵琶を弾き始めます。 美しい共演に、博雅は心を奪われます。 そしてそこで初めて姫の顔を見ます。…

  • 本所深川ふしぎ草子 宮部みゆき 新潮文庫

    大好きな宮部みゆきの時代もので短編集です。 江戸の本所七不思議を題材にした、7つの物語です。 ここに出て来る岡っ引きの茂七親分は、「ぼんくら」シリーズの平四郎の先輩として、名前だけ出て来る人です。 政五郎はこの人の部下です。 平四郎が尊敬し、頼りにするだけあって、なかなかの推理力と機転の利く人で、そして人情家です。 七つの話も、人情味あふれるお話が多いです。 一案考えさせられたのは、最初のお話「片葉の芦」。 真に困っている人、貧しい人を助けるとはどういうことか? ただ、その場で何かを恵んでやるか、それともその人が独り立ちできるようにしてやるか。 本当の優しさ、その人のためになる情けのかけ方とは…

  • 八月の銀の雪 伊予原新 新潮社

    これも今年度本屋大賞ノミネート作品で、6位だった作品です。 それぞれに悩みを抱える人々が、ある出会いと、科学によって、小さな一歩を踏み出す短編集です。 心温まるいいお話ばかりでした。 You Tuber のマサキBooks さんは、自身と似た境遇の表題作が好きだそうです。 これは地球の内部のお話です。 就活に失敗ばかりしている大学生が、コンビニのベトナム人店員と出会います。 コンビニでは失敗ばかりしている彼女は実は大学院生で、地球の内部の研究をしています。 なんと、地球の内部には、鉄の結晶が雪のように降っているのだそうです。 なんだかものすごく幻想的ですね。 凄いのは、どうしてそういうことがわ…

  • 劇場 又吉直樹 新潮文庫

    う~ん・・・・ちょっと・・・・これは・・・・ 主人公の男がクズ過ぎるんですけど!!! こういう男、一番嫌いなタイプだなぁ・・・・ 演劇の脚本を書いている主人公と、その才能を信じて支える、天使のような女の子、沙希。 もちろん脚本は不評で、全然食べていくことができません。 なにぶん、この主人公の性格が悪いので、脚本もはっきり言ってよくない。 どうしようもないクズなのです。 まあ、読んでいて、まずこの脚本の芝居を見たいとは思わないですねぇ。 変わっているというかなんというか・・・ ああ、これでは一生だめだな、という感じです。 独りよがりで、人の心を打たないのです。 それにくらべて、この沙希ちゃんの、…

  • 最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ 椹野道流

    前回ですっかり、お兄さんの一憲のファンになってしまいましたが、今回でますます大ファンになってしまいました! 一憲さんステキ! 何ていい人!! 今回は、お兄さんの高校時代の親友が、刑事になっていて、偶然「ばんめし屋」の隣の警視庁に勤務していて、お兄さんと再会します。 しかし、なぜか彼、涼彦には、海里、夏神、ロイドにしか見えないマフラーが巻き付いていたのでした。 マフラーの幽霊?いぶかる海里は、その謎を探っていきます。 探るうちに、お兄さんの高校時代の様子もわかってきます。 なんと、お兄さんは高校時代サッカー部で、Jリーグのサテライトチームにスカウトされていたとか。 家族のため、海里のためにそれを…

  • 御伽草子 太宰治 青空文庫

    カチカチ山 瘤取り 浦島さん 舌切雀 カチカチ山 カチカチ山を太宰が解釈したらこうなるんだな、という感じです。 カチカチ山はかなり残酷な話ですが、タヌキがおばあさんを殺してその肉をおじいさんに食べさせるという、子供に読ませていいのか、思うくらい凄いです。 まあ、おじいさんがタヌキをタヌキ汁にしようとするのが発端なのだけど。 私が考えていることと、太宰が考えていることが一致していたのでうれしくなりました。 太宰はウサギを16歳の美しい処女、タヌキは37歳(ウサギには17歳とうそを言っている)の図々しい、醜男として、ユーモアたっぷりに書いています。 読んでいて何度も吹き出しました。 タヌキはどこへ…

  • とある魔術の禁書目録④ 鎌池和馬 電撃文庫

    このシリーズ、4巻まで読みましたが、1~4まで、舞台が同じ夏休み期間内と知って驚きました。 要は、話から話までの間がほんの数日という設定なのです。 しらべてみたら、このシリーズ50巻以上ありますが、全部そんな感じで、話の最後までもほんの3~4カ月くらいの間の出来事らしいです。 1~4でも、当麻は最後必ず入院するので、すでにもう4回入院し、かなり瀕死な目に合うし、腕まで切られてつなげたってのに、すぐ退院して元気はつらつ、今回は海まで行っています。 どんだけ長い夏休みなんでしょうか。 あと、当麻は元気だねぇ。 そして今回当麻の両親が出てきますが、割といいとこのおぼっちゃんなことが判明し、お母さんは…

  • ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀② 塩野七生 新潮社

    さて、続きです。 トライアヌスの後に皇帝となったハドリアヌスは、思いがけず皇帝となったトライアヌスと違って、皇帝になる野望を持っていました。 この人も良く頑張った人で、あの広大なローマ帝国を、隅から隅まで視察の旅で大半を過ごしたのです。 もちろん見るだけじゃなく、改善策を講じながらの旅でした。 だってローマ帝国ったって、当時もうほぼヨーロッパ大陸全部に、アフリカ、イギリスとものすごいなんてもんじゃない帝国の大きさだったから、全部回るなんて、そりゃ一生分かかったでしょう。 国のために本当に頑張ったハドリアヌスですが、なんだかいつも側に美少年を侍らせていたらしいです。 しかしその美少年、だんだん大…

  • ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀① 塩野七生 新潮社

    ドミティアヌスが死んだ後、皇帝になったネルヴァは、最初から高齢だったため、1年半で死んでしまいました。 よって特に何をする暇もなかったのですが、悪いこともせず、この人から5賢帝の時代に入ります。 次のトライアヌスは、初めての属州出身の皇帝となりました。 そのせいか、青年期のことはほとんどわかっていません。 父親が軍隊にいたため自分も軍隊に入り、活躍しました。 そして「名誉あるコース」を進み、ネルヴァの養子になり、皇帝となりました。 この人の時代は比較的平和でよい時代であり、皇帝としての人望も厚く人気がありましたが、そうなるとかえって人間は記録に残さなくなるようで、このトライアヌスに関しては、あ…

  • ライオンのおやつ 小川糸 ポプラ社

    素晴らしいお話でした。 もしかしたら、今年読んだ中で1番かもしれません。 本の後半は、もう号泣で、涙が止まりませんでした。 2020年度本屋大賞第2位だったとのこと、1位でもおかしくないくらい素晴らしい作品です。 まだ33歳という若さで、ガンのため余命いくばくもない雫は、瀬戸内のレモン島というところにある、海とレモン畑に囲まれたホスピス「ライオンの家」にやってきます。 そこにはマドンナと呼ばれる経営者の女性と、食事担当のシマさんと舞さんの姉妹、様々なボランティアのセラピーの人たちがいました。 窓からレモン畑と海の見える居心地のいい部屋で、雫は残りの人生を過ごし始めます。 雫が「ライオンの家」で…

  • 百寺巡礼 第三巻 京都Ⅰ② 五木寛之 講談社文庫

    さて、続きです。 第二十六番 東本願寺 第二十七番 西本願寺 第二十八番 浄瑠璃寺 第二十九番 南禅寺 第三十番 清水寺 第二十六番 東本願寺 親鸞は、旅をしながら布教し、死んでも石碑は簡素なものでした。 それを六角の廟堂を建てて移したのが、本願寺の元となる大谷廟堂です。 親鸞の教える「他力本願」とは、「わがはからいにあらず」つまり「なるようにしかならない」、さらに「しかし、おのずと必ずなるべきようになるのだ」とこころのなかでうなずきます。 すると不思議な安心感がどこからともなく訪れてきます。 決して「他人任せ」「無責任」ということではありません。 第二十七番 西本願寺 大きな勢力を持つように…

  • 百寺巡礼 第三巻 京都Ⅰ① 五木寛之 講談社文庫

    大好きなエッセイ、第三弾。今回は私にはなじみの深い京都です。 相変わらずダンディで素敵な五木先生のお写真に見とれながら読みました。 第二十一番 金閣寺 第二十二番 銀閣寺 第二十三番 神護寺 第二十四番 東寺 第二十五番 真如堂 第二十一番 金閣寺 金閣寺な通称で、本当は「鹿苑寺(ろくおんじ)」だそうです。 美しく金箔をはった建物に、手前に広がる池が、鏡のようにその姿を映しています。 権力と欲の塊のような足利義満が建て、当時はもっと贅沢な建物がたくさんあったそうです。 当時、京は飢饉で人が大勢死んだというのに・・・・ しかし義満が死んだあと、その息子が、金閣とごく一部を残してみんな壊してしまっ…

  • 日本国記 百田尚樹 幻冬舎

    日本の通史です。 通史なので、一時代ずつ、さっと要点のみですが、半分以上が江戸時代から近現代で占められています。 やはり、残っている資料とかの差でしょうか。 古代になるとどうしても資料が少なく、推測でしかないので致し方ない面もありますが、もしかしたらいろいろと違っていることもあるかもしれないなぁ。 聖徳太子は、実はいなかったのでは、という説も出てきてます。 あの有名な肖像画は、どうやら別人らしいですね。 この本を読んで知りましたが、豊臣秀吉は手の指が6本ある、多指症候群というものだったそうです。 そんなことが、彼が様々に知恵を凝らしてのし上がり、ついには天下を取るまでになった所以なのでしょうか…

  • ☆ブレイクタイム☆ ~咲紗のひとりごと~ 併読ってしていますか?

    久々の、咲紗(サーシャ)のブレイクタイムです。 皆様、読書ライフを満喫していらっしゃいますでしょうか? さて、早速ですが、皆さんは本を読むとき、併読ってしますか? それとも一冊読み切るまで他の本は読みませんか? 併読とは、2冊以上の本を同時進行で読むことです。 厳密には「並読」が正しいようなのですが、あまり使われている言葉ではないようですね。 併読のほうが良く使われているようなので、このブログでもこの漢字で記載させて頂きます。 さて、咲紗がどうしているかといいますと 実は、併読は、できればしたくない派なのです。 だって、一冊に集中しないと、何冊もいっぺんに読むとなんだか頭がこんがらがって、わけ…

  • 日の名残り カズオ・イシグロ 早川書房

    2017年ノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロさんの作品。 映画にもなりましたね。アンソニー・ホプキンズが、イメージぴったりです。 カズオ・イシグロは、5歳の時、長崎からロンドンへ渡り、ナイトの称号まで受けた方です。 いくら5歳からロンドンに住んでいるといっても、日本人であるこの人が、どうしてここまで、イギリス人の心が書けるのでしょうか? 生粋のイギリス人が書いたみたいです。 日本には執事という文化がありません。 主人公スティーブンスは、父親も一流の執事であり、父親を深く尊敬しています。 正に執事一家。 執事というものは、この本を読んでわかったことですが、まず休暇らしきものがないですね。…

  • 写楽 閉じた国の幻(上)(下) 島田荘司 新潮文庫

    島田荘司先生の作品の中では、あまり上位に入ってこない作品だけど、読んでみて、確かに御手洗潔シリーズとは全然違いました。 六本木のビルの回転ドアに息子が挟まれて死んでしまった、歌麿研究者の佐藤。 これは実際にあった事件をもとにしているようです。 彼はその痛ましい事故の前に、だれが描いたかわからない、江戸時代の一枚の不思議な絵と出会っていました。 そして、身も心も傷ついてボロボロになりながらも、その絵を含め、様々ないきさつから、写楽とは誰だったのか、という問題に直面することになります。 息子の事故を通じて知り合った、片桐教授や、出版社の常世田、様々な専門家の人たちなど、いろいろな協力者と共に、佐藤…

  • お文の影 宮部みゆき 角川文庫

    大好きな宮部みゆきの時代もの短編集です。 今回はちょっと今までと違って、人気シリーズのキャラクラ―が出て来るスピンオフみたいな作品がありました。 私はみんな知っているので面白いですが、知らない人でも全く影響なく読めます。 「坊主の壺」は、これ、まさしく今のコロナの話じゃないかー! 病名はコロリ。コロナとコロリでそっくりです。 どんどん病が広がり、良く手を洗い、消毒し、生ものは食べない・・・など、まるで今のこの惨状を予言しているかのようなお話でした。 「お文の影」は、「ぼんくら」シリーズの、私の好きな、かっこいい政五郎親分とおでこちゃんのお話です。 大人の都合で振り回され、虐待されて、耳まで切ら…

  • 最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ 椹野道流 角川文庫

    シリーズ3作目です。 今回は、海里のお兄さんの婚約者、奈津がやってきます。 もちろん、幽霊ではありません。 なんと獣医さんだとか。とてもいい人なのです。 まー、お兄さん、堅物だと思っていたのに。 しっかり婚約しちゃって、しかも彼女と一緒にパンケーキのお店にまで行ったとは! 私びっくり、海里もびっくり。 今回は、海里とお兄さんの仲を何とか近づけようと奈津ががんばるのだけれど、お話は2人は少し歩み寄りを見せますが、実際はなかなか難しいですね。 家族の仲がこじれると、修復は他人よりも厄介なものです。 それに私は、海里とお兄さん、どっちの気持ちもわかるなー。 今は親になったから、お兄さんよりかな。 わ…

  • やめてみた 本当に必要なものが見えてくる、暮らし方・考え方 わたなべぽん 幻冬舎

    作者の方が、日常生活の中で「やめてみた」ものに関するエッセイです。 「やめてみる」ことで、生活を見直し、よりシンプルにすることで、美しい生き方、暮らし方を追求しています。 なかなか面白いし、参考になるものもありました。 共感できたのは、ゴミ箱。 そう、ついつい、ごみを捨てに行くのが面倒なので、あっちこっちに置いちゃうんですよね。 で、数ばっかり増える。多すぎるのです。 ゴミ箱をぐっと減らすことで、かえって家の中がきれいになるのは確かにそうかもしれません。 そして、キッチンマット。 これも確かに、かえって汚くなっているような気がします。 我が家の場合、犬たちの毛もつきますしね。 メイクも、なるほ…

  • 妖怪アパートの幽雅な日常③ 香月日輪 講談社文庫

    なんか今まで以上に、ものすごく短く感じました。 面白くて、あっという間に読んでしまったからですね。 今回は、夕士の学校の事件(?)がメインなので、あまりアパートの住民の活躍はありませんでしたが。 でも、一つ目巨人の又十郎さん登場。 そして、圧倒的な存在感があるのは、やはりお料理上手な、るり子さん! もう彼女は最高ですね。 彼女は、又十郎さんが持ってきたイノシシ一頭までも料理してしまいます!!! いや、どうやってさばく・・・・? それから、コロッケ飯、おいしそ~♪ あと、前の日に出たウニを、お弁当にする夕士が、どれだけうらやましいんでしょうか! だめだ、このシリーズ読んでると、お腹がすく。 今回…

  • 詩的私的ジャック 森博嗣 講談社文庫

    このS&Mシリーズ、ファンの方には申し訳ないけれど、私的には読むのが若干辛くなってきたかも。 私、犀川があまり好きではない、ということに気づきました。 なんかこの人、あんまり人間味を感じられないんだよな~。 あまりにも頭が良すぎて、理系人間すぎて。 あと、ちょっと萌絵も苦手かも。 いや、かわいいんですけどね~。 この人、部外者のくせに捜査現場を見せてもらったり、情報を警察から教えてもらうまで駄々をこねるなど、ちょっと設定としてあり得ません。 そこがこのシリーズの特徴なのだという意見もありますが。 このシリーズで私が好きなのは、あのオシャレな表紙なんですよね。 白っぽくて、理系っぽくて、センスが…

  • 津軽 太宰治 青空文庫

    いや、もう・・・まいった。 古い文学全集は、字が小さいのは我慢できても、字の薄いのだけは我慢できません。 印刷技術が悪かったのでしょうか。 もう見えなくて、全然読めません。 ついにkindleの、青空文庫に切り替えて読むことにしました。 旧仮名遣いですが、十分読めました。 さて、こちらの作品は、一見エッセイのように思えますが、フィクションも含まれているらしいので小説とされているそうです。 昭和19年春に、太宰が生まれ故郷、津軽を見て回った時のことを書いています。 私もいつか、こんな風に、生まれ故郷を歩いてみたいです。 昭和19年というと、戦争真っただ中ですが、津軽の方ではまだそこまで深刻ではな…

  • 人間失格 太宰治 河出書房 日本文学全集34より

    この辺りで、古典作品にチャレンジしていこうと思います。 我が家に古くからある、日本文学全集を制覇していきたいです。 さて、太宰治の代表作であり、あまりにも有名なこの作品。 内容は知っていましたが、きちんと読むのは実は初めてでした。 ピース又吉の愛読書で、月に一度は読むということでも知られていますね。 彼ほどこの作品を愛し、考察している人もいないでしょう。 私も読んでみて、いや、こんなに面白いとは知りませんでした。 主人公、葉蔵は、「人というものがわからない」と常に思っており、いつの間にか人前で道化を演じることで、自分を守ろうとします。 なぜ、この主人公、葉蔵は、こんなにも人を恐れ、人生を恐れ、…

  • かまいたち 宮部みゆき 新潮文庫

    やっぱり面白いな~。宮部みゆきの時代ものは。 ただ、今回、ブックオフですごく古い版の本を買ってしまったら、字がちっちゃくて読むのがつらかった~。 ああ、ついに老眼かしら・・・ 古い版のものって、なんであんなに字がちっちゃいんでしょうね。 昔はあれが普通だったってことなんですよね。 買うときあまり古いのはちょっと考えものですね。全然見えないんですから。 これからはちゃんとよく見て買おう、と決意しました。 それにしても、一昔前の人は、歳をとってもあんなちっちゃい文字を平気で読んでいたということなのですね。 すごいなぁ。昔の人は偉かった。 今回は、私の大好きな短編集です。 まず表題作「かまいたち」 …

  • 図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)(上)(下) 高田大介 講談社文庫

    「図書館の魔女」の続編です。 戦争は回避されましたが、政権が変わって混乱したニザマと、その周辺の、混乱し荒れ果てた港町が舞台です。 欲もここまで荒れたものだと思うくらいの荒れようで、正に荒廃という言葉がぴったりとなってしまったニザマ。 そして、正に題名の通り、山で暮らす鳥飼のエゴンと、彼のカラス、ハァウが届ける伝言が、物語の大きなカギとなっています。 ニザマの姫君、ユシャッバと、それを守る近衛兵たち、彼らを道案内する剛力と、港で彼らを助ける「ねずみ」たち・・・ 命がけの逃避行の中で、彼らは信頼を築き、強いきずなで結ばれていきます。 だまし、裏切り、平気で殺したり盗んだりする連中の中で、彼らのそ…

  • スリム美人の生活習慣を真似したら1年間で30キロ痩せました わたなべぽん KADOKAwA

    ダイエット中の咲紗にとって、これはバイブルですね。 もう何度読み返したかわからないくらい読みました。 運動や食事療法を進めるダイエット本よりも参考になりました。 マンガなので、とっても読みやすいし、あっという間に読めてしまいます。 全然難しいことを言っていないし、だれにでも簡単に実行できることばかりです。 便座を破壊してしまったことからダイエットを決意した作者が、そのやり方を模索してたどり着いたのが、スリムな美人の生活習慣を真似すれば同じようになれるのでは、ということでした。 そこで徹底的に、スリム美人と自分とを比較して考えます。 スリムな人と自分は、どこがどう違うのか、自分の理想の姿とはどん…

  • 線は、僕を描く 砥上裕將 講談社

    2020年本屋大賞ノミネート作品です。 両親を突然の事故で失い、深い孤独の中にいる大学生、青山は、ふとしたことから水墨画の大家、篠田湖山に出会い、その弟子になります。 湖山には千瑛(ちあき)という青山と同年代の孫がいて、やはり水墨画をやっていて、その実力はかなりのもの。 青山を内弟子にした祖父にびっくりした千瑛は、青山と来年の湖山賞をかけて勝負を挑みます。 一方、何が何だかわからないまま内弟子になった青山は、だんだんと水墨画に魅せられ、その世界にのめりこんでいきます。 やがて学んでいくにつれ、水墨画にかかわる人々との交流や様々なことが、孤独な彼の心を癒していき・・・・・ という物語です。 この…

  • ローマ人の物語 Ⅷ 危機と克服② 塩野七生 新潮社

    さて、続きです。 急逝したティトゥスの後を継いだ弟のドミティアヌスは、まさかこんなに早く兄が死ぬとは思っていなかったようです。 そして周りもまた思っていなかったので、あまり皇帝になる準備をしていなかったようですが、それでもがんばりました。 しかしこの人、死後「記録抹殺刑」なるものを受けています。 塩野先生は、このドミちゃんに対して、いたって同情的に書いていらっしゃるので、本を読む限りでは、そこまで重い刑を与えなくとも思うのですが、実際はどうだったのか・・・・。 しかし彼は、ライン川防衛の「リメス・ゲルマニクス」をつくり、これはその後の皇帝たちも、メンテナンスを繰り返し重宝しています。 功績もあ…

  • ローマ人の物語 Ⅷ 危機と克服① 塩野七生 新潮社

    ネロが死んだあと、アウグストゥスの血を引く者が皇帝となる時代は終わりました。 しかしここから、混迷の時代が始まります 。 結局、思いもかけず皇帝になった人間は、良き政治を行うことよりも、自分の立場に溺れることが先のようです。 ネロの後、皇帝になったガルバは、上流貴族の出身ではありましたが、しょせん皇帝の器ではありませんでした。 結局わずか半年にも満たず、ガルバは殺されます。 ガルバを殺して皇帝となったオト―は、ネロの友人でしたが、なんとそのネロに奥さんであったポッペアを取られたという過去がありました。 彼も皇帝の座を狙うヴィテリウスとの戦いで敗れ、わずか3か月、何もしないまま終わりました。 そ…

  • おまけのこ 畑中恵 新潮文庫

    若だんなシリーズ第4弾。 相変わらず・・・いや、ますます体の弱いのがひどくなった一太郎。 そして相変わらず、佐助と仁吉の献身的な介護・・・いや、面倒を見てもらって何とか日々を過ごしています。 今回もとっても面白いです。 同じ妖達からも、仏ですらも受け入れられない性質に生まれついた「狐者異(こわい)」 関わると、なぜか面倒を呼んでしまうため、疎まれてしまうのです。 彼は永遠に受け入れられることなく、この世をさまよいます。 優しい一太郎は、佐助たちの忠告も聞かず、彼を受け入れようとしますが、そんなちょっとした同情では彼の孤独と闇を救うことは出来ません。 また、前回出てきた厚化粧のおひなが、厚化粧を…

  • 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 島田荘司 講談社文庫

    改訂版が2016年だけれど、実際にはもっと前の作品です。 御手洗潔シリーズは、やっぱり期待を裏切りませんねぇ。 これも、猛烈に面白いのです。 ピサの斜塔のように斜めに建てられた館で起こる殺人事件。 雪は降っていますが、別に孤立してはいません。 いわゆる変わり者の大富豪が建てた館に招待客が集まってきます。 そこで起こる残酷な連続殺人・・・。 良くある設定なのですが、島田先生が書くと一味も二味も、いや三味くらい違ってきますからすごい。 このシリーズは、トリックが凝りに凝っているのが特徴ですが、今回もあきれるほどものすごいトリック。 そもそもこの館がなぜ斜めに建てられているのか、全てはここから始まっ…

  • 鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々 中西モトオ 双葉社 kindle

    あまりにも表紙がきれいなので、つい買ってしまいました。 WEB小説だったものを、本にしたものだそうです。 思っていたより、壮絶な物語でした。 鬼と戦う物語なので、一見「鬼滅の刃」っぽいのですが、読んでみると全然違います。 甚太には妹の鈴音がいますが、彼女の右目は赤い。 目が赤いのは鬼である証。 妹と共に流れ着いた葛野の地で、幼馴染の白雪と、その父親、元治と4人で幸せに暮らしていましたが、運命はやがて甚太を辛い立場に立たせます。 成長した甚太は、鬼を切る巫女守りとして、里の巫女「いつきひめ」となった白雪を守ることとなります。 しかしそれに反して、妹鈴音は一向に成長せず、子供のままです。 甚太と白…

  • 僧正殺人事件 ヴァン・ダイン 鈴木幸夫訳 グーテンベルク21

    正に古典ミステリ。 kindleになったのが2003年ですが、実際は1929年の作品です。 作品中のヴァン・ダインが「私」という語り手として登場するのですが、面白いくらいに存在感がなしです。 まれ~に、主人公のファイロ・ヴァンスが「ねぇ、ヴァン」と話しかけたりはするのですが、本人一言もしゃべらず、ほかの人間もだれ一人話しかけず。 ちょっとそこが面白いですね。 「僧正」というからてっきり、神父が殺されるのかと思いましたが、ビショップのことで、これはチェスの駒のことだそうです。 チェスがたくさん出てきますが、チェスなんて全くわからなくても読めますので大丈夫です。 外人ってチェスが好きですね。日本で…

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