ついに6月ですね!今日は、ちょっと難しめかもなお話を。善悪 世の中、それが「善悪」のどちらかなんて分からないことばっかりだ。例えば「励まし」 ある頃までは、「勝つことこそ正義」、とか「負けるな」、「上(前)を向け」なんて考えのもとに、歌でもなんでも、いわば「強い」ものが良いというのが多かった。 それが悪いわけではない。決して。今は、「負けてもいいんだ」、「無理に前を向くことない」、「急がなくていい」...
最近、心に刺さった言葉が 「ほとんどの人は、そこまで深く考えてない」 自閉症、脳性麻痺、統合失調症な三兄妹の、とある話。日々のこと、小説の話など。
精神障害者ですが、小さな本屋の店員になりました。兄は発達障害者です。
お久しぶりです。少し前から、ノンフィクション入り小説「拝啓、音無家は今日も。」を書き始めました。前々から、ふとコメントや、自分で思ったことで。「発達障がい者本人でも、親目線でもなく、その兄弟姉妹から見た、おうちの話」あんまり、ブログ、コラムとかのインターネットとか。あとは新聞、テレビ等。とにかく、メディアが発するのは「本人か、親か」くらいしか、障がい者の実態とかを見る機会がないなあ、と。で。このブ...
次男、悠也は幼い頃は。「バナナは何色?」 と聞かれても。大抵、正解の答えにはならなかった。 だから、旭以上に「これは黄色」とか、「この形はさんかく」、「目はどこ? 口はどこ?」 そんな練習をしに、病院へ通い続けた。 その中でも、一番の難関が「歩くこと」だった。 悠也は、生まれた時には「超」のつく未熟児だった。 医師からは「彼は一生、歩くことはないでしょう」 それは、どん底に突き落とされたようなも...
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真陽がまだ産まれていなかった頃。 旭と悠也は、あまりテレビアニメや子ども向け番組に、興味を持っていなかった。 それが。 真陽が生まれ、そういうものを見るようになってから、だんだん変わっていったとか。 今では、真陽などよりずっと熱心に見ている。不思議なものだ。 旭と悠也は、いわゆる「年子」だ。 二人と真陽では、歳が片手の指の数ほどは離れている。 「妹」という存在は、両親やその周りが思う以上に、二...
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ついに6月ですね!今日は、ちょっと難しめかもなお話を。善悪 世の中、それが「善悪」のどちらかなんて分からないことばっかりだ。例えば「励まし」 ある頃までは、「勝つことこそ正義」、とか「負けるな」、「上(前)を向け」なんて考えのもとに、歌でもなんでも、いわば「強い」ものが良いというのが多かった。 それが悪いわけではない。決して。今は、「負けてもいいんだ」、「無理に前を向くことない」、「急がなくていい」...
昨年4月に書いた、たぶん軽めのものを。ハッピーエンド あごに髭を生やした男は問う。「なあ、役聞いたか?」 それに、白髪混じりの髪の、小太りの男は頷いた。「おう。なんでも、俺らは盗賊役して、王子様に成敗されなけりゃならないらしいな」「ったくよぅ。いっつも俺らみたいな中年は、なんでこうも悪役やらにゃあいけねえんだよ」二人とも、大きなため息をしながら、ガクッと肩を落とした。「まあ、次はもっといい役だとい...
こんにちは。今日は、私の誕生日だったりします。朝、母に祝われることから始まり。スマホ越しにも、色んな方にお声をかけていただきました。同じ日生まれの幼なじみ。学生時代の友人。学生の頃、当時よく通っていたパンケーキ屋さんの店長。本屋のお仲間。本屋の前にいた施設からの友人たち。とあるオープンチャットでの方々。ありがたい限りです。これらの祝いの彩りは全て、これまでの私が、「私」として培ってきたことの内部。...
愛があれば何でもできる?「君への愛で、どこまででも走れるよ!」 瞳を輝かせ、その婚約者は高らかに言い放つものだから。 私は言ってみた。「あら、ならあちらの山まで、やって見せて?」 婚約者は、そんなことを言われるとは思っていなかったようだ。「いやー、ちょっと、その……」 そして、まるで今、思い出したかのように言う。「ああ、そうだ! 今日はこれから用事があるのだったよ! 君との時間が大切で、すっかり忘れ...
アプリで、「書く習慣」というのがありまして。一日一個のお題で、気分で書いてます。そのなかで、自分で気に入ってる話や、評価が高かったお話を、ちょこちょこ乗せてみようかと思います。沈む夕日 一人、海に向かう。 夕日が、そろそろ沈む頃だ。 カモメか? なにかが鳴いている。 妻は、海が好きだった。 私も妻の元へいこう。 それしか考えず、歩いて、歩いて。 ちょうど半分海に飲まれたあたり。「──パパ!!」 溺れ...
ちょっと雑談も。うちの近所には、私が小さい頃からずーっと、絶えることなく。 犬が多いんですよ。私は動物大好きなので、よく通ってました。いろんな子がいました。人が好きな子、前の主人に虐待されて、人間不審になってる子(保護犬とも言う)。単純に人見知りな子、あまり人が寄り付かないような、一見すると怖く感じる子(私はまったく怖くはなかった)。そんななかで。すんごいご近所に、数年前に柴犬がやってきました。女の子...
ひとの心は難しい。 よく、思うだろう。「自分よりも大変なひとはいる」 そう思うことで、自分の「つらい」を、「そんなもんじゃない、自分はまだまだだ」だとかと、感情に無理やり言い聞かせ、蓋をする。そうすることで、心に応急措置という名の「鎖」をしている。 けれど、鎖はいずれ錆びるものだし、応急措置は、その場しのぎでしかない。どちらにも限界がある。その限界が、ひとの心と体を髄まで蝕み、果てには壊してしま...
彼を知ったのは、小学生の年少の頃。 わりと、一発ですぐ彼が兄たちと似たものを持ってる――なにかしらの障がいがあると気づいたのは、私がよく兄たちやそのお友達のことも見ていたからもあると思う。 彼は、とにかく落ち着きがなくて、よく忘れ物をして。勉強も運動も苦手。 よく、周りからは「またお前か」「こんな簡単な問題も解けないのかよ」「へんな走り方だな!」 いつも、そんなようなことを同級生から言われていた。...
私が小学生の頃、初めて彼女と関わった。 先に言っておくと。 私は典型的な「いじめられっこ」だった。主に男子から。 だから、からかう言葉や虐げるようなセリフは、何千何万と聞いてきた。「キモい、ブス、うざい、菌、害、死ね」といった言葉だ。 本題はそこではない。「彼女」も、似たようなことを言われていた。あえて私と違う点を言うなら。 ――たぶん、とても人望がなかった。「あの子、全然あいさつしないよね」「車...
よくひとは、「障害」の害を嫌い、「障がい」とあえて表記することがある。 理由なんて、簡単なこと。「害=悪」のような、悪いイメージを抱きがちだから。 けれど調べてみると、大元は「害」ではなく「碍」であった。 元々、「障碍」と「障害」は、明治以降の一般社会でほぼ同じ意味で使われていた。 しかし戦後の当用漢字表やその後の常用漢字表に「害」の字のみが入るなどして、「障碍」という表記は少なくなっていったと...
私には、かつて悩んだ問題があった。「接客で大切なこととはなんだろう」 とある、小さな本屋が、私の仕事場だ。 といってもあまりお客は来ない。それもあり、店員は接客に慣れている人ばかりでもない。 本屋と同じ系列で、ほかにも店がある。 ある日、そちらを仕事場としている友人が、本屋の店長に、こんなことを訪ねていた。「接客の際の言葉使いについて」 例えば。「こちらでよろしいでしょうか」「ごゆっくりご覧くだ...
この世界では、たくさんのカタチの「情」がある。 ――戦争とは、全ての感情を踏みにじる最たるものだ。 ふと思う。何故、人間同士でのいざこざは、戦争に発展するのか。 「戦争は科学を発展させる」 「戦争なんて名ではない、もはや殺戮だ」 それは、決して相容れない言い分となるのだろう。 それこそ、ドラマや映画、小説などの、「架空の世界」では、闘うことをカッコいいとされるのは、よくあるパターンだ。 しかしそれは...
世の中というのは、間違ったことだらけだ。そして、それを「間違いだ」と主張することで、袋叩きにされることもある。 ここで一つ、問いかけたい。 世の中にいる「障がい者」は、みな善人なのか? ここから、私のこれまでの経験を少々。 私には、家族に障がい者がいる。それも生まれつきにだ。 なのでよく、「特別支援学校」という、主に何かしらの障がいを持つ児童が通っている学校を知っている。子どもの頃には、よく混じ...
私は、福祉施設の本屋に行ってます。じつはもう、一年以上は経っていますね。更にじつはなんですが、本屋の仕事の一つのなかに「ラジオで本を紹介する」ということもしています。 といっても、地元のローカルラジオ番組のなかの十数分くらいの時間なのですが。ちなみに、これまでは「月夢」(つきゆめ)というペンネームで紹介していました。今月(18日15:20分頃は「はるか、ブレーメン」という本を紹介します。そのなかで語るかもし...
エッセイですね。前作「思うこと、感じたこと。」より年齢が少し大人になっているので、区切りとしようと思うとともに。 もっと上手く言葉を紡げるように、という気持ちを持って。1. 想いを形にする意味 ずっと、ずっと前に。【人というのは矛盾する生き物だ】と、私は言葉を紡いだ。それも、はじめはペンをとり。 そこから考えると、今はかなり楽に書いたものの修正が利くようになった。これも科学の発展というものか。 そん...
私は、これまで何度も見てきた。 『障がいを持つひとに、優しくしようと思いました。 困っていたら、助けてあげたいと思います。 身体の不自由があるのに、こんなに頑張ってて、すごい! 障がいを持つ子のきょうだいは、きっととても優しい子に育つ。 障がい児のおかげで、うちは楽しく明るい家庭になった。 この子がいると、笑いが絶えない。』 あちらこちらで、何度も耳にした言葉たち。良くも悪くも、たくさん聞いた。...
こんにちは。スマホのアプリって、時々いきなり使えなくなる事がありますよね。ちょっと困った事に。スマホになった頃からずっと使い続けていたメモのアプリが、なぜだか使えなくなってしまったのですよ😅で、代わりのアプリを色々探していたら。「書く習慣-毎日一つのお題 思い浮かんだことを書いてみて」というアプリがありまして。要は、お題に沿って文章を書く、というものですね。短くても長くても良くて。ジャンルも問わず(...
武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方(宮田律さん)を読んで 彼──中村哲医師──は、今は亡き方。暗殺されたのだ。彼は常日ごろから、武器では戦争は終わらないこと。本当に大切なのは、「衣・食・住」の、特に水だと、主張する。 きれいな水が出ないから、ケガも治らず悪化させる。雑菌だらけの水を飲めば、体の内側から病に侵される。 例えば。食べ物を買うお金がないから、スリをする。これは言い換えれば、...
私には、次男のような愛嬌も無ければ、長男のように数字に強い訳でもない。「自分には何もない」それをずっと、思って生きてきた。でも、一つならあった。「言葉」ちょっとした出来事があって。日用品、そして私から、謝罪と日頃の感謝の手紙を書いて、ご近所さんに渡して数日。「手紙読んだよー。ありがとうね」そう言って、おじさんがあんなに笑ってる顔を、なんだか久しぶりに見たな。そういえば、と。わりと私、ここ近年でちょ...
まだ人を殺していません 小林由香さん 義兄「南雲勝矢」が、人を殺したとして逮捕された。「葉月翔子」は姉夫婦の息子である「良世」とともに生活することになる。 そこから、子を育てることに不安を持つ翔子と、殺人鬼の息子となった良世との、言葉に表わせないような日々が始まるのだった──。 この本は、単純な「殺人犯の息子の話」ではないと感じたのは、読み始めてすぐでした。 というのも、預かる側の翔子は、娘を交通事...
こんにちは。スマホのアプリって、時々いきなり使えなくなる事がありますよね。ちょっと困った事に。スマホになった頃からずっと使い続けていたメモのアプリが、なぜだか使えなくなってしまったのですよ😅で、代わりのアプリを色々探していたら。「書く習慣-毎日一つのお題 思い浮かんだことを書いてみて」というアプリがありまして。要は、お題に沿って文章を書く、というものですね。短くても長くても良くて。ジャンルも問わず(...
武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方(宮田律さん)を読んで 彼──中村哲医師──は、今は亡き方。暗殺されたのだ。彼は常日ごろから、武器では戦争は終わらないこと。本当に大切なのは、「衣・食・住」の、特に水だと、主張する。 きれいな水が出ないから、ケガも治らず悪化させる。雑菌だらけの水を飲めば、体の内側から病に侵される。 例えば。食べ物を買うお金がないから、スリをする。これは言い換えれば、...
私には、次男のような愛嬌も無ければ、長男のように数字に強い訳でもない。「自分には何もない」それをずっと、思って生きてきた。でも、一つならあった。「言葉」ちょっとした出来事があって。日用品、そして私から、謝罪と日頃の感謝の手紙を書いて、ご近所さんに渡して数日。「手紙読んだよー。ありがとうね」そう言って、おじさんがあんなに笑ってる顔を、なんだか久しぶりに見たな。そういえば、と。わりと私、ここ近年でちょ...
まだ人を殺していません 小林由香さん 義兄「南雲勝矢」が、人を殺したとして逮捕された。「葉月翔子」は姉夫婦の息子である「良世」とともに生活することになる。 そこから、子を育てることに不安を持つ翔子と、殺人鬼の息子となった良世との、言葉に表わせないような日々が始まるのだった──。 この本は、単純な「殺人犯の息子の話」ではないと感じたのは、読み始めてすぐでした。 というのも、預かる側の翔子は、娘を交通事...
ご無沙汰です。昨年は、個人的にいろんな事がありました。これまでは、「就労移行支援B型」の作業所にほぼ1年、通所していました。そのなかで、別の作業所に興味はないのかという話になり「そういえば、本屋に行った人がいたらしい」と聞いてみたら。なんとびっくり、私でも行ける施設がちゃんとあるのですよ!見学、お試しの期間を経て。昨年の12月から、正式にとある本屋の店員になりました。今のところ、主にしているのは、本の...