【読書】京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』
【あらすじ&ひとりごと】 今回は、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズ第8弾『陰摩羅鬼の瑕』(おんもらきのきず) この作品も1000頁を超える大長編。読んでも読んでも頁が減らない、登場人物の会話や独白が続き、1000頁を超えたところで漸く物語の真相が見え始めてきます。 もちろん独特の文体と心理描写、そして妖怪をモチーフにしたミステリは緻密で、単なるミステリ作品とは言えない作品でした。 さらにここでも「長い語り」は冗長ではなく、京極作品らしい奥行きと重厚さをつくり上げていますね。 白樺湖畔にそびえる洋館「鳥の城」の主「伯爵」こと、由良昻允(ゆらこういん)。 幼い頃からこの館に飾られた数百羽の剥製の鳥た…
2025/05/31 12:00