メインカテゴリーを選択しなおす
愛情だけは人一倍、だが生活能力は壊滅的。ダメ人間が猫を進化させる、主従関係逆転の痛快ホームコメディ。「デキる猫は今日も憂鬱」
あれは私がまだ小学校に入って間もない頃、夏の夜の出来事だった。なにやら縁側の網戸の方からガリガリとこすれるような物音がした。私は音がする方に近寄ってみた。そこには爪で網戸をガリガリとひっかく猫がいたのである。白くてとてもやせ細った猫だった。首輪はしていない、迷い猫のようだ。かわいそうに思えたことと、もしかしたらお腹を空かせているかもしれないと思い、ご飯に魚の煮凝りをかけて混ぜて与えてみた。すぐさま...