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物怖じせず気軽にねだる井上に、私は内心驚いた。 遊びに「連れてって、連れてって。」車に「乗せて乗せて。」 甘えるのに慣れている。 自分を甘えさせてくれる相手をすぐ見分ける。 嗅覚というやつだろうか…。 私は、幼少時から物をねだっても買い与えられなかったり、望みを叶えられなかったので、あきらめる癖が付いてる。 欲しいものを我慢して成長した。
自分が言った事に責任持たずに、最後は家族のせいにする。 お金を出さない家族が悪いかのような言い訳。 井上理恵個人との約束のはずが、最後は井上の家族全体と向き合わされてる様な嫌な気分にさせられた。 どんなに時間がたってもこれに納得できない。 井上はズルズルと問題を先延ばしにするだけだった。 言ってる事とやってる事が全く違った。 蓋を開けてみたら
私は井上がどんな性格なのか見極める事ができなかった。 「おねだり」に便乗し、「軽口」に同調し流されてしまう。 (その場の空気に合わせたい気持ちが強く。) その結果、身の丈に合わない自動車運転免許の取得に奔走する。 仮免の時期、丹羽は不穏な態度を見せ始める。 気が変わったのだ。 井上は会えば必ず『夏の旅行だけが楽しみ…
6月、井上が全く準備してなかった現実と直面する。 会えば必ず『夏の旅行だけが楽しみ。』『旅行へ早く行きたい。』と乗り気だった。信じたし安心していた。間際になってくると『費用が足りなかったらバイトする。』と言い出すが、それも信じた。私は井上の言葉を常に信じた。 * * * * * * * * * 私が電子オルガンの先…
井上理恵には手紙を出したら、避けるようになってそれっきり。 丹羽登紀子は私に運転練習を勧めてきた。 丹羽の父親所有の車を借りて、郊外の人の少ない場所を走る事になった。 これが更なる大きな失敗を招く。 元々、北海道の様な広い車通りのほとんどない道を走るのなら大丈夫だろうという考えでいた。そこを走る予定で免許を取得した。 丹羽一人だけでは運転大変だから、それを補助する目的で。 まず北…
二人とも家族というバックボーン、経済力を持った家族込でしか私と関わろうとしない。 親の車を貸してやればいいだろう。それで気が済むだろう。 そんな安易な発想だ。 彼女たちにとっては痛くもかゆくもない。 元々、北海道の様な車通りのほとんど無い広い道を走るのなら大丈夫だろうという考えでいた。そこを走る予定で免許を取得し…
電車とバスを乗り継いで教習所へ通った日々。仮免を取る時期が雪の降る季節にかかった。凍えながらバス停で待った。思い返すと涙が出てきた。悔しさは通じない。 * * * * * * * * * 井上はズルズルと問題を先延ばしにするだけだったのだ。 言ってる事とやってる事が全く違い。 蓋を開けてみたら全部が実行されてない。 方向転換をす…
丹羽登紀子のお父さんは普通の会社員で、お母さんは看護師だと言っていた。 共働き家庭だ。 そして兄と弟がいる。 お兄さんはすでに社会人で働いている。 働き手が複数いるから、その家の女の子は家事手伝いをする。 時には家族を駅へ送り迎えをし、家事をしていれば誰にも文句を言われない。 自分が得た収入で大きな買い物をした事は無い。目標金額のお金を貯めた事が無い。家族におねだりと甘えるのが当…
知り合って5か月で1年後の約束をしたのが間違いだった。 まさか貯金ができない人だなんて夢にも思わない。 夏の発表会が終わり「旅行に行きたい。」と言い出したのは井上理恵だった。 能登半島へ井上と丹羽登紀子と3人で2泊3日の旅をした。 夏の急な旅。 その後、ゆっくり計画を立て、もっと大きな旅行をしたいという気持ちになった。 一年後の夏にそうしようという話で盛り上がった。 私は海がい…