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こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 現役の作家のなかにも熱狂的なファンの少なくない、鬼才、久生十蘭の精粋を、おもに戦後に発表された短篇から厳選。世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した「母子像」、幻想性豊かな「黄泉から」、戦争の記憶が鮮明な「蝶の絵」「復活祭」など、巧緻な構成と密度の高さが鮮烈な印象を残す全15篇。 異端作家として名を残す久生十蘭(1902-1957)は北海道の函館で生まれました。母は船問屋(商船取引の積荷管理や船主との契約取次など)を営む家の次女で、父はその番頭頭でしたが、幼少期の殆どを母方の祖父の元で養育されました。荒くれた素行の悪さが目立つ学生で、函館中学…