化学プラントでは重要設備は複数台でカバーすることが戦略的に重要です。コスト削減のために1台設置で済ませようとしがちですが、長期的な運転では不利です。低負荷運転やトラブル対応など安定した運転をするためには、複数台化させましょう。
化学プラントの設備・運転を分かりやすく解説。国立の機電系大学院卒業→化学会社のプラントエンジニア15年以上。機械設計中心、海外勤務、製造管理経験あり。
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身近なはずの”湿度”の基本を化学工場の機電系エンジニア向けに解説 水蒸気圧・絶対湿度/相対湿度
湿度(humidity)について解説します。天気予報でなじみがありますが、どういう意味なのかということ意外と知らないと思います。熱中症の問題でも湿度が付いて回りますし、工場でも湿度と格闘している人もいると思います。湿度は実は化学工学の調湿と
化学工場の工事現場で”熱中症”を防ぐためにオーナー側が配慮すべきこと 環境/休憩/雰囲気
熱中症(heatstroke)について化学プラントの工事現場で配慮すべきことをまとめます。今でこそ熱中症に対して問題視する会社は多いですが、10年も前にはまだこの意識が少なかった会社も多いでしょう。弊社もそんな感じでした。化学プラントで熱中
バッチ系化学工場設備を”TBM”と”CBM”のどちらにするか決めるときに考えたいこと
TBMとCBMの使い分けについて私なりの考え方を紹介します。化学プラントのような設備産業と言われる設備では、設備のメンテナンスはとても大事です。メンテナンス方法としてTBM・CBM・BMという3つの指標を使い分けますが、この中でもTBMとC
化学工場の”シールポット”の構造と設計上の注意点を解説 大気圧貯槽・危険物屋外タンク・材質
シールポット(Seal pot)について解説します。シールポットは化学プラントでよく使う安全装置です。構造も機能もシンプルなはずですが、意外と考えることがあります。内圧維持目的のシールポット(Seal pot)シールポットの目的はタンクの内
“ガラスライニング”と”フッ素樹脂ライニング”の比較と化学工場での使い方を解説 配管・装置
グラスライニング(glass lining)とフッ素樹脂ライニングは化学プラントの高耐食性材料として多用します。ところでこの2つをちゃんと使い分けしていますか?どちらでも大丈夫、という使い方をしていることが多いでしょう。この2つの材料で選択
“SS400″と”SUS304″ 炭素鋼とステンレス鋼の化学工場での使い分けの考え方について解説
SS400とSUS304の材質(material)を化学プラントでどう使い分けるか解説します。耐食性があるかどうかで使い分けるのだから、簡単でしょ?そう思われるかもしれませんが、実は使い分けはいくつもあります。鉄とステンレスという身近な材質
“インナーフィンチューブ”と冷凍機の熱交換器チューブとしての特徴 銅管/凝縮器/蒸発器
インナーフィンチューブ(inner fin tube)について解説します。インナーフィンチューブは冷凍機で登場するチューブです。割と目立たないかもしれませんが、実はとても重要な要素です。インナーフィンチューブ(inner fin tube)
それでも”日本製”が必要ですか? 化学工場の設備メンテナンスや安定運転を考えたベンダー選定
日本の化学プラントの設備は日本製(made in Japan)が多いと思います。日本製に信頼を置きすぎて、海外の工場でも日本製を輸出しようとする会社も多いことでしょう。そして痛い目を見た会社も多いことでしょう。やっぱり日本で日本のベンダーか
槽型反応器の”伝熱計算”を解説 濃硫酸を希硫酸に希釈する場合を例に 希釈熱・物質バランス
槽型反応器内での伝熱計算(heat transfer)を解説します。硫酸希釈を例に紹介します。割と一般的な工程で、システムとして販売されていたりします。以下の硫酸を得る工程を考えましょう。硫酸濃度5%硫酸液量5m3温度30℃使用する原料、冷
“熱量”の公式Q=mcΔtを使った設備設計をプレート式熱交換器を例に解説 質量流量・比熱・温度差
熱交換器(heat exchanger)の熱設計を熱量の公式Q=mcΔtに基づいて解説します。熱の基礎知識として義務教育でも学ぶ内容です。大量の熱を扱い化学プラントでは熱に関する設計は、競争力を左右する重要な要素です。熱の基本公式としての熱
【保全エンジニア向け】”冷凍機”の自動制御・監視の概要本 冷媒の温度圧力/冷凍負荷・冷却負荷との関係
冷凍機(refrigerator)の自動制御関係をまとめます。第一種冷凍機械等の学習をするときには無味乾燥的に記憶しないといけませんが、時代の変化もあって実務との乖離がしやすい内容です。工場の保全担当者として冷凍機のトラブルを経験するとき、
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化学プラントでは重要設備は複数台でカバーすることが戦略的に重要です。コスト削減のために1台設置で済ませようとしがちですが、長期的な運転では不利です。低負荷運転やトラブル対応など安定した運転をするためには、複数台化させましょう。
試製造を本気で頑張らないと、生産性が上がらず・原因不明のリスクが残り・気が付いたら忙しくなっています。それ以上に、技術者としての実力が付きません。会社人生の中で10回も経験するわけではないので、しっかり取り組みましょう。
配管の腐食はボルトから始まります。SS400のボルトは錆が速いです。フランジ・ボルトナットのシステムの中で、一番腐食がしやすい場所としてボルトを選び、ボルトをチェックしていくだけで状態監視ができます。高所など手が届かない場所を除き、定期的な交換をしましょう。
真空ラインで粉体を詰まらせないための方法として、フィルター・水スプレー・サイクロンの方法を紹介しました。粉が必ず巻き込まれるという前提で、対策を取りましょう。真空ポンプを複数台置くという選択肢もあります。どれがいいかはユーザーの状況によって変わります。
昇進が遅れるとやる気が無くなると一般的には言われています。主任・課長・部長という分かりやすい例を取っても、年齢による差の方が大きく出ます。若いうちの昇進遅れは後々まで響いてきます。割り切れる人にはお勧めですが、そうではなく意識してしまうのは仕方ないでしょう。
スパイラルダクトは化学プラントでも使用されます。空気を送る目的で使えるのですが、意外と使いにくいです。金額が同程度・耐圧が弱い・設計が不自由という欠点があるので、突発工事に強いというメリットしか私は価値を見いだせていません。積極的に使っても良いですが、長所短所はしっかり把握してから採用しましょう。
設備トラブルの応急補修が終わった後、原因や対策を考えていくときに、メーカーと議論するにはコツが必要です。出す情報が少なかったり、責任を押し付けたりすると、メーカーは逃げていきます。メーカー技術者を捕まえるためにオンライン会議は有効です。メンテナンス関係など未知の情報をお互いに調べていくという前向きな方向で議論すると、協力的になってくれやすいです。
プラント立ち上げ時は計器を信じすぎると罠にはまります。水運転で確認出来ていても、実運転で何かしら問題になります。壊れにくく測定対象が分かりやすい主要計器ですら、観測できるあらゆる情報と整合性を取りましょう。設備を現地で確認することも必要となってきます。
化学プラントの床工事を削減するためには、いくつかのコツがあります。ビスを止めたり、根太で補強したりして、下の階に足場を付けないことが基本的な考え方です。柱を予め出しておいたり、吊り耳を付けたりという、細かな配慮も効果的です。後々のことを考えて、建設時からしっかりしたいですね。
化学プラント工事のコスト削減は土建から考えましょう。床の取外し枚数をターゲットに、設備の取外しのコストを粗く見積する時の考え方を示しました。結果的に上から取り出す方が安いというケースが多いですが、床を基準に考えると比較の軸ができあがるでしょう。
化学プラントの運転中の現場で、お試し的に設備を変える方法を解説しました。サンプリングが必要な場合には、二重バルブと単管を使います。ガスケットのテストは上ノズルにバルブとブラインドフランジを付けます。材質のテストなら、試験片が入れれるような部材を作り、上から挿入しましょう。失敗しても漏れが最小限になるように。
バッチプラントの材料トラブルではまずは酸を疑いましょう。酸性液体の反応が多く、金属を腐食させる原因となります。酸性ガスも透過や凝縮によりトラブルを起こします。アルカリ・スラリーなどの他の原因が目立つので忘れがちですが、王道は酸です。
化学プラントではタバコを吸うことを特定エリア全面で禁止したりします。危険物がどこに溜まっているか分からず、ちょっとした着火源でも危険になるからです。着火源を遮断することが最も確実だから、タバコの火を消しているかどうかは関係なく、とにかく持ち込まないと分かりやすくすることが大切です。
フレキシブルチューブの継手はフランジ・ワンタッチ・ねじ込みの3つが基本です。危険物など漏れを最小化したいときはフランジ、危険物でなく取り外し頻度が高い場合はワンタッチ、振動など折れが気になるときはねじ込みと使い分けています。漏れや作業性に対するリスクをどうとるかで、どの継手を選ぶか変わります。会社や工場によって結構変わると思います。
LOTO管理をプラント内の入槽作業で行うときの注意点をまとめました。電力遮断は基本ですが、鍵の管理をどうするかで各社対応が変わってきます。配管は遮断板で防ぎましょう。窒素は切り離す方が確実です。換気ラインは遮断板で防ぐと駄目です。
化学プラントの機電系エンジニアのキャリアは、工場の生産技術が多いですが、生産企画や製造現場の道もあります。本社の生産技術やエンジニアリング専門の職場に行くこともゼロではありません。研究は新入社員の時限定と思った方が良いでしょう。運に左右されますが、道は一つではありません。その職場で頑張っていると別の道が見えてくるでしょう。
化学プラントの機械系エンジニアとして知っておきたい知識レベルをまとめました。扱う項目はたいてい膨大な種類があります。専門家ではないので、その種類を全部理解する必要はなく、数個など数えられる範囲。その理解をした後に、専門家と議論し、素人に説明していくことで、知識の確立やステップアップができるでしょう。
化学プラントで合理化をゼロベースで考えるコツをまとめました。すでに決まっていると思われるプロセスでも、安い原料・モル比や温度圧力などのプロセス条件・廃棄物のリサイクル・ユーティリティの削減など、着目できる部分は多いです。これらを実験や現場での試製造をしながら、最適解を見つけていきましょう。
大型設備の台数制御化の検討で大事なことをまとめました。能力検証・メンテナンス体制・費用・設置場所の考えが大事です。リスクが下がる方向なので台数制御化はおススメですが、コストがアップするなど意外な可能性があります。検討する要素が多くチャレンジする価値は大いにあるでしょう。
多品種少量生産のバッチ系化学プラントの生産調整は大変です。販売量の予測がしにくく、在庫調整が大変です。生産調整をしようとしたらオペレータや関連工場の影響も考えないといけません。運転トラブルや試製造による余裕を見ておかないといけません。SDMも変動リスクとしてあり得ます。
応力集中について解説します。材料力学で出てくるお話で、機械装置には必須の考え方です。ところが、意外にも機電系エンジニアが応力集中を意識することは少ないです。圧力容器など応力に関する配慮がたくさんある業界にもかかわらず、応力集中という単語を出
応力集中(stress concentration)について解説します。材料力学で出てくるお話で、機械装置には必須の考え方です。ところが、意外にも機電系エンジニアが応力集中を意識することは少ないです。圧力容器など応力に関する配慮がたくさんあ
柱の座屈(Buckling)について解説します。材料力学の基本的な範囲に限定します。柱の設計はプラント建物以外にも架台やサポートなどその範囲は広いです。梁のたわみについてはイメージを持ちやすいですが、座屈はあまりイメージを持ちにくく難しいと
高所作業(Working at height)について解説します。結構身近にある作業ですが、相当危ない作業です。見慣れているがゆえに工場内でも同じ感覚で行ってしまいがち。大きな事故に繋がることもありえます。高所作業と言ってもさまざま。化学プ
中期経営計画への機電系エンジニア(plant engineer)の関わり方について解説します。多く会社で3年~5年のスパンで計画するアレです。会社として正式に公表する計画で、工場よりももっと広い視点での話なので、工場の機電系エンジニアレベル
ジャケット形式(jacket)について解説します。化学プラントで働いていると、ジャケットという単語を多く耳にします。何となく意味は理解できて、今までそれで問題ない構造だから気を配ることが少ないかもしれません。当たり前のように使っているものこ
塩素の性質について解説します。理科で学習したこともあると思いますが、多くの機電系エンジニアは入社したときには完全に忘れています。何となく危険そう・・・。こんな感じの人が多いです。プラント設計などで塩素に関わる場合も多いでしょうが、ポイントや
撹拌機の危険速度について解説します。バッチプラントにあるような撹拌槽であれば、必ずと言っていいほど問題になります。運転方法を大きく左右する重要なことです。詳細の計算はメーカーで行いますが、概要はユーザー側も知っておきましょう。撹拌翼の強度計
撹拌軸強度計算について解説します。撹拌槽のような撹拌機を使う設備では、この計算は必須です。計算をせずに安易に撹拌機を付けてしまった結果、撹拌機が折れるというトラブルは続発しました。ユーザーエンジニアの立場では、メーカーに一任しがちですが、失
酸素について解説します。身近にある当たり前の元素で常識過ぎていますが、化学プラントではそれ以上の意味を持ちます。化学プラントに入社して1年目の技術系のエンジニアなら、ここだけは知っておいた方がいい内容に限定して解説します。化学系出身者なら基
水素について解説します。最近では自動車の燃料電池などで話題になっていて、一般の人でもその名前を知っている人は増えているでしょう。原子番号1番で化学元素の基本みたいなもの。化学プラントでもよく使います。化学の知識はとても深いもので、全部を習得
化学プラントでの反応槽の使い方で特殊な方法を解説します。バッチ運転の場合、反応槽を1つ1つ渡り歩くようにプロセスが進んでいきます。そういう基本の使い方とは、少し違った使い方を2つ紹介します。機電系エンジニアとしては、この使い方が理解できれば
局所排気用のフードについて、化学プラントの場合を解説します。化学プラントでは作業環境を適切に設計するうえで、粉塵やガスの問題に悩まされます。そこで局所排気装置の出番。フードを使った集塵・集気を行います。制御風速の考え方を使って計算しますが、
作業環境について考えます。化学プラントでは大なり小なり現場での作業が発生します。特にバッチプラントは作業の割合が相対的に高め。安定生産をするうえで作業環境を適正にすることはとても大事です。今回は設備面でできる作業環境対策を考えます。作業性と
集塵装置の分類について解説します。粉体を扱うプラントでは集塵装置は必須です。粉体を直接扱う作業員だけでなく、近隣地域や地球環境にも影響を与えかねません。集塵の方法は1つでなく、いろいろあります。代表的な方法を簡単にまとめました。集塵方式の分
プロセスガス分析システムの構造を解説します。分析装置としてパッケージになっていて、ブラックボックス化されている部分です。機械系エンジニアとしては分析装置はちょっと・・・と敬遠する部分ですが、構造は意外とかんたんです。業務の幅を広げるには適切
慣性力集塵について解説します。粉を集めることは、粉体関係のプラントであれば必ずと言っていいほど課題になります。一般的には、電気集塵機などの大型集塵機で決まる最終能力値に話題が行きがちです。もちろん大事なことですが、それらの大型集塵機を適切に
バグフィルタについて解説します。粉体を取り扱う設備ではほぼ必須の集塵設備です。特にバッチ系で粉体を製品とするようなプラントでは必ずついています。フィルタの1つですが大型の設備になるので、設計要素が比較的多いです。概形バグフィルタの概形を解説
毒性ガスに関する設計保全の注意点を解説します。毒性ガスは高圧ガス保安法に定めるもので「危険なもの」です。この意味では毒劇法としての毒物でも大して変わりはありません。人体に即影響を及ぼす特に注意したいラインの配管設計や保全で、注意したいことと
充填塔のフラッディングについて解説します。バッチ系化学プラントでは塔はほとんど見かけません。私が数少ない塔として使っているものは全部充填塔。充填塔の設計や運転に関わる機会は少ないです。その中でもここだけは知っておきたいポイントとしてフラッデ