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tankalife|短歌のある日々、短歌である日々 https://tankalife.net/

日本の伝統詩型である「短歌」。五七五七七の三十一音からなるこの詩型は実に魅力にあふれています。 短歌のある日々は実に豊かで、その魅力を広く発信したいです!

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2021/10/30

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  • 直線・曲線の歌 #6

    丁寧に落ち葉を吸っていく機械が曲線の多いフォルムをしていた鈴木ちはね『予言』 鈴木ちはねの第一歌集『予言』(2020年)に収められた一首です。 落ち葉を片づける場合、量にもよりますが、箒とちりとりでは大変なケースがあります。そのようなとき、

  • 直線・曲線の歌 #5

    水引を指でなぞれば曲線の果てにとつぜん取り残されて櫻井朋子『ねむりたりない』 櫻井朋子の第一歌集『ねむりたりない』(2021年)に収められた一首です。 一連の前後の歌から想像すると、友人の結婚式に関連した歌だと思います。 婚礼関係に使用する

  • 直線・曲線の歌 #4

    使い捨てコンタクトレンズひからびて記憶のカーブをぐんにゃり描く俵万智『チョコレート革命』 俵万智の第三歌集『チョコレート革命』(1997年)に収められた一首です。 主体は、使い捨てコンタクトレンズを普段使用しているのでしょうか。 そのコンタ

  • 直線・曲線の歌 #3

    まっすぐな道を見るとき直線を腸からのどのあたりに感ず雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』 雪舟えまの第二歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』(2018年)に収められた一首です。 不思議な歌だと思います。 「まっすぐな

  • 直線・曲線の歌 #2

    曲線どれもがあざやかになる春先の曲線として妻を見てゐる荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』 荻原裕幸の第六歌集『リリカル・アンドロイド』(2020年)に収められた一首です。 四季の中で「春」と聞いて想像するのは、あたたかさ、やわらかさといった

  • 直線・曲線の歌 #1

    さびしさを知る直線と曲線が交差しながら明けてゆく空松村正直『駅へ』 松村正直の第一歌集『駅へ』(2001年)に収められた一首です。 夜明けの場面かと思います。 この歌における「直線」は地平線や水平線を指しているのでしょう。そして「曲線」は太

  • 人生の歌 #76

    よりどなく生くるといへど日が差せば冬あたたかきひかり身に浴ぶ坂出裕子『日高川水遊』 坂出裕子の第一歌集『日高川水遊』(1998年)に収められた一首です。 "人はひとりでは生きられない"。よくこの言葉を耳にすることがあります。 確かにこの世に

  • 傘の歌 #30

    ひとつぶの雨落つるまへに傘さして去り行くひとのうしろ影あり沢田英史『異客』 沢田英史の第一歌集『異客いかく』(1999年)に収められた一首です。 この歌で詠われている「傘」は日傘ではなく雨傘でしょう。 「ひとつぶの雨落つるまへ」とあるので、

  • 人生の歌 #75

    人生をある朝とつぜん理解するブロッコリーが嫌ひだつたと沢田英史『異客』 沢田英史の第一歌集『異客いかく』(1999年)に収められた一首です。 人生とは何なのか、簡潔に説明できる人は少ないかもしれません。それほど人生というものは奥深く、予期せ

  • 短歌クイズ Q.453

    問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】まるで空気をみるやうにこちらを向いて思索するのは〉 (沢田英史) A. ゆるさうか B. よしたまへ C. なぜだらう D. ありがたう 答えを表示する 解

  • 短歌クイズ Q.452

    問題 - Question 〈この空に数かぎりない星がありその星ごとにまた空がある〉という巻頭歌で始まる、沢田英史の第一歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『異客』 解説 『異客いかく』は1999年(平成11年)に出版され

  • 傘の歌 #29

    傘で電柱を打ちまくっていればそこ一帯はのどかな町です小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』 小坂井大輔の第一歌集『平和園に帰ろうよ』(2019年)に収められた一首です。 子どもが「傘で電柱を打ちまくって」いる場面を思い浮かべました。 学校からの帰り

  • 傘の歌 #28

    なくしそうな傘と電車に揺られおり正直に謝ればよかった中沢直人『極圏の光』 中沢直人の第一歌集『極圏の光』(2009年)に収められた一首です。 雨が降りそうだ、あるいは雨が降っているという状況で傘をもち歩くとき、電車の車内は同じようにみな傘を

  • 傘の歌 #27

    折れた傘が捨てられているごみ箱に僕も捨てたいな折れた傘を鈴木ちはね『予言』 鈴木ちはねの第一歌集『予言』(2020年)に収められた一首です。 傘が折れたとき、そのまましばらく使い続けるのか、あるいはすぐ捨ててしまうのか、どのタイミングで捨て

  • 傘の歌 #26

    花柄の傘を開けば色彩に包まれている いつかやむ雨川本千栄『樹雨降る』 川本千栄の第三歌集『樹雨降る』(2015年)に収められた一首です。 "やまない雨はない"とはよく耳にする言葉ですが、雨は「いつかやむ」ものなのでしょう。 そんな「いつかや

  • 傘の歌 #25

    かかげ持つ傘の角度を変へしとき少し異なる街が見えたり小島ゆかり『獅子座流星群』 小島ゆかりの第四歌集『獅子座流星群』(1998年)に収められた一首です。 普段目にしている街の景色というのは、特に意識しなければ日々それほど変わるものではないの

  • 傘の歌 #24

    空回りする歯車のごと傘は離れて三叉路にとけてゆく田中ましろ『かたすみさがし』 田中ましろの第一歌集『かたすみさがし』(2013年)に収められた一首です。 雨の三叉路を見ているときの歌ですが、ビルなど割と高い位置から雨傘が行き交う様子を見下ろ

  • コーヒーの歌 #17

    地平線焼き切るときの火の匂い 簡易珈琲のふくろをひらく鈴木加成太『うすがみの銀河』 鈴木加成太の第一歌集『うすがみの銀河』(2022年)に収められた一首です。 「簡易珈琲」とは、一回分のコーヒーが飲めるようにパックされた簡易ドリップコーヒー

  • パンの歌 #25

    円盤のような焼きパン一段と高きところに載せたるパン屋安藤美保『水の粒子』 安藤美保の第一歌集『水の粒子』(1992年)に収められた一首です。 パンのかたちは一様ではなく、丸いもの、四角いもの、三角形に近いもの、円錐状のもの、細長いものなどさ

  • 自動販売機の歌 #12

    モノクロに還るゆふやみ残業のデバッグルームに灯る自販機山田航『さよならバグ・チルドレン』 山田航の第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(2012年)に収められた一首です。 「デバッグルーム」とは、主にゲーム開発において、開発者がバグがあるか

  • 傘の歌 #23

    立て置きし傘が玄関に倒れたりおどろくほどの音にあらねど藤島秀憲『すずめ』 藤島秀憲の第二歌集『すずめ』(2013年)に収められた一首です。 日常の本当に些細な出来事を詠った歌で、あまり目立つ歌というわけではありませんが、味わいのある歌だと思

  • 傘の歌 #22

    傘を巻く すなわち傘の身は痩せて異界にひらくひるがおの花服部真里子『遠くの敵や硝子を』 服部真里子の第二歌集『遠くの敵や硝子を』(2018年)に収められた一首です。 「傘」といったとき、まず頭に浮かぶのは、開いた状態の傘でしょうか、それとも

  • パンの歌 #24

    苛立ちをなだめる為の象かたちかなサンドウィッチのフィルムを剝がす堀合昇平『提案前夜』 堀合昇平の第一歌集『提案前夜』(2013年)に収められた一首です。 主体は今苛立っていたのでしょう。仕事のことでしょうか、それとも家庭のことでしょうか、あ

  • メールの歌 #18

    メールにも筆跡がある祖母からのメールはまるで柿の絵てがみ田村穂隆『湖とファルセット』 田村穂隆の第一歌集『湖うみとファルセット』(2022年)に収められた一首です。 絵手紙というと、手書きの味わいのある手紙という印象があります。パソコンで打

  • メールの歌 #17

    「今日きようは」という「今日は」だけが嘘であるメール送りつさびしい夜に花山周子『屋上の人屋上の鳥』 花山周子の第一歌集『屋上の人屋上の鳥』(2007年)に収められた一首です。 相手に自分の近況を知らせた場面でしょうか。 それにしても、なぜ「

  • メールの歌 #16

    言葉の密度を恋ふる 未読メールひらく一瞬目をつむるなり横山未来子『水をひらく手』 横山未来子の第二歌集『水をひらく手』(2003年)に収められた一首です。 親しい人からのメールでしょうか。 メールは開く前は「未読メール」であり、未読状態のま

  • 人生の歌 #74

    春がまだひたすら続く日々でした老婆になった我そこに置く松平盟子『うさはらし』 松平盟子の第六歌集『うさはらし』(1996年)に収められた一首です。 季節は春。春は春でも、その春の特定の一日ではなく、一定の幅をもった「日々」が詠まれています。

  • メールの歌 #15

    文字化けのメール開けば溢れ出る涙の訳を教えてほしい岡本真帆『水上バス浅草行き』 岡本真帆の第一歌集『水上バス浅草行き』(2022年)に収められた一首です。 「文字化け」が起こる原因としては、送信側と受信側の文字コードが異なっているケースが多

  • 将棋の歌 #14

    春の日の「歩」が「と」に変はるさみしさに三十代も後半に入る田村元『昼の月』 田村元の第二歌集『昼の月』(2021年)に収められた一首です。 季節は春でしょう。冬が終わり、だんだんと暖かくなっていく季節に、主体は年齢を重ねていきます。 「三十

  • チョコレートの歌 #16

    ひとりってこうだったっけ夜の道チョコをちいさくちいさく割りぬ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 人との関わりの中で人は生きていくわけですが、人との関わりの度合

  • チョコレートの歌 #16

    ひとりってこうだったっけ夜の道チョコをちいさくちいさく割りぬ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 人との関わりの中で人は生きていくわけですが、人との関わりの度合

  • チョコレートの歌 #15

    銃撃戦がとくに好きってわけじゃない土の匂いのチョコレート嚙む平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』 平岡直子の第一歌集『みじかい髪も長い髪も炎』(2021年)に収められた一首です。 上句の感情と下句の行動の二つのパートから構成される歌ですが、ど

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