手品だと思う体を薄くして満員電車乗り込むときに川島結佳子『感傷ストーブ』 川島結佳子の第一歌集『感傷ストーブ』(2019年)に収められた一首です。 通勤通学に公共交通機関を利用している人は多いでしょう。通勤ラッシュの時間帯、できれば空いてい
日本の伝統詩型である「短歌」。五七五七七の三十一音からなるこの詩型は実に魅力にあふれています。 短歌のある日々は実に豊かで、その魅力を広く発信したいです!
丁寧に落ち葉を吸っていく機械が曲線の多いフォルムをしていた鈴木ちはね『予言』 鈴木ちはねの第一歌集『予言』(2020年)に収められた一首です。 落ち葉を片づける場合、量にもよりますが、箒とちりとりでは大変なケースがあります。そのようなとき、
水引を指でなぞれば曲線の果てにとつぜん取り残されて櫻井朋子『ねむりたりない』 櫻井朋子の第一歌集『ねむりたりない』(2021年)に収められた一首です。 一連の前後の歌から想像すると、友人の結婚式に関連した歌だと思います。 婚礼関係に使用する
使い捨てコンタクトレンズひからびて記憶のカーブをぐんにゃり描く俵万智『チョコレート革命』 俵万智の第三歌集『チョコレート革命』(1997年)に収められた一首です。 主体は、使い捨てコンタクトレンズを普段使用しているのでしょうか。 そのコンタ
まっすぐな道を見るとき直線を腸からのどのあたりに感ず雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』 雪舟えまの第二歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』(2018年)に収められた一首です。 不思議な歌だと思います。 「まっすぐな
曲線どれもがあざやかになる春先の曲線として妻を見てゐる荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』 荻原裕幸の第六歌集『リリカル・アンドロイド』(2020年)に収められた一首です。 四季の中で「春」と聞いて想像するのは、あたたかさ、やわらかさといった
さびしさを知る直線と曲線が交差しながら明けてゆく空松村正直『駅へ』 松村正直の第一歌集『駅へ』(2001年)に収められた一首です。 夜明けの場面かと思います。 この歌における「直線」は地平線や水平線を指しているのでしょう。そして「曲線」は太
よりどなく生くるといへど日が差せば冬あたたかきひかり身に浴ぶ坂出裕子『日高川水遊』 坂出裕子の第一歌集『日高川水遊』(1998年)に収められた一首です。 "人はひとりでは生きられない"。よくこの言葉を耳にすることがあります。 確かにこの世に
ひとつぶの雨落つるまへに傘さして去り行くひとのうしろ影あり沢田英史『異客』 沢田英史の第一歌集『異客いかく』(1999年)に収められた一首です。 この歌で詠われている「傘」は日傘ではなく雨傘でしょう。 「ひとつぶの雨落つるまへ」とあるので、
人生をある朝とつぜん理解するブロッコリーが嫌ひだつたと沢田英史『異客』 沢田英史の第一歌集『異客いかく』(1999年)に収められた一首です。 人生とは何なのか、簡潔に説明できる人は少ないかもしれません。それほど人生というものは奥深く、予期せ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】まるで空気をみるやうにこちらを向いて思索するのは〉 (沢田英史) A. ゆるさうか B. よしたまへ C. なぜだらう D. ありがたう 答えを表示する 解
問題 - Question 〈この空に数かぎりない星がありその星ごとにまた空がある〉という巻頭歌で始まる、沢田英史の第一歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『異客』 解説 『異客いかく』は1999年(平成11年)に出版され
傘で電柱を打ちまくっていればそこ一帯はのどかな町です小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』 小坂井大輔の第一歌集『平和園に帰ろうよ』(2019年)に収められた一首です。 子どもが「傘で電柱を打ちまくって」いる場面を思い浮かべました。 学校からの帰り
なくしそうな傘と電車に揺られおり正直に謝ればよかった中沢直人『極圏の光』 中沢直人の第一歌集『極圏の光』(2009年)に収められた一首です。 雨が降りそうだ、あるいは雨が降っているという状況で傘をもち歩くとき、電車の車内は同じようにみな傘を
折れた傘が捨てられているごみ箱に僕も捨てたいな折れた傘を鈴木ちはね『予言』 鈴木ちはねの第一歌集『予言』(2020年)に収められた一首です。 傘が折れたとき、そのまましばらく使い続けるのか、あるいはすぐ捨ててしまうのか、どのタイミングで捨て
花柄の傘を開けば色彩に包まれている いつかやむ雨川本千栄『樹雨降る』 川本千栄の第三歌集『樹雨降る』(2015年)に収められた一首です。 "やまない雨はない"とはよく耳にする言葉ですが、雨は「いつかやむ」ものなのでしょう。 そんな「いつかや
かかげ持つ傘の角度を変へしとき少し異なる街が見えたり小島ゆかり『獅子座流星群』 小島ゆかりの第四歌集『獅子座流星群』(1998年)に収められた一首です。 普段目にしている街の景色というのは、特に意識しなければ日々それほど変わるものではないの
空回りする歯車のごと傘は離れて三叉路にとけてゆく田中ましろ『かたすみさがし』 田中ましろの第一歌集『かたすみさがし』(2013年)に収められた一首です。 雨の三叉路を見ているときの歌ですが、ビルなど割と高い位置から雨傘が行き交う様子を見下ろ
地平線焼き切るときの火の匂い 簡易珈琲のふくろをひらく鈴木加成太『うすがみの銀河』 鈴木加成太の第一歌集『うすがみの銀河』(2022年)に収められた一首です。 「簡易珈琲」とは、一回分のコーヒーが飲めるようにパックされた簡易ドリップコーヒー
円盤のような焼きパン一段と高きところに載せたるパン屋安藤美保『水の粒子』 安藤美保の第一歌集『水の粒子』(1992年)に収められた一首です。 パンのかたちは一様ではなく、丸いもの、四角いもの、三角形に近いもの、円錐状のもの、細長いものなどさ
モノクロに還るゆふやみ残業のデバッグルームに灯る自販機山田航『さよならバグ・チルドレン』 山田航の第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(2012年)に収められた一首です。 「デバッグルーム」とは、主にゲーム開発において、開発者がバグがあるか
立て置きし傘が玄関に倒れたりおどろくほどの音にあらねど藤島秀憲『すずめ』 藤島秀憲の第二歌集『すずめ』(2013年)に収められた一首です。 日常の本当に些細な出来事を詠った歌で、あまり目立つ歌というわけではありませんが、味わいのある歌だと思
傘を巻く すなわち傘の身は痩せて異界にひらくひるがおの花服部真里子『遠くの敵や硝子を』 服部真里子の第二歌集『遠くの敵や硝子を』(2018年)に収められた一首です。 「傘」といったとき、まず頭に浮かぶのは、開いた状態の傘でしょうか、それとも
苛立ちをなだめる為の象かたちかなサンドウィッチのフィルムを剝がす堀合昇平『提案前夜』 堀合昇平の第一歌集『提案前夜』(2013年)に収められた一首です。 主体は今苛立っていたのでしょう。仕事のことでしょうか、それとも家庭のことでしょうか、あ
メールにも筆跡がある祖母からのメールはまるで柿の絵てがみ田村穂隆『湖とファルセット』 田村穂隆の第一歌集『湖うみとファルセット』(2022年)に収められた一首です。 絵手紙というと、手書きの味わいのある手紙という印象があります。パソコンで打
「今日きようは」という「今日は」だけが嘘であるメール送りつさびしい夜に花山周子『屋上の人屋上の鳥』 花山周子の第一歌集『屋上の人屋上の鳥』(2007年)に収められた一首です。 相手に自分の近況を知らせた場面でしょうか。 それにしても、なぜ「
言葉の密度を恋ふる 未読メールひらく一瞬目をつむるなり横山未来子『水をひらく手』 横山未来子の第二歌集『水をひらく手』(2003年)に収められた一首です。 親しい人からのメールでしょうか。 メールは開く前は「未読メール」であり、未読状態のま
春がまだひたすら続く日々でした老婆になった我そこに置く松平盟子『うさはらし』 松平盟子の第六歌集『うさはらし』(1996年)に収められた一首です。 季節は春。春は春でも、その春の特定の一日ではなく、一定の幅をもった「日々」が詠まれています。
文字化けのメール開けば溢れ出る涙の訳を教えてほしい岡本真帆『水上バス浅草行き』 岡本真帆の第一歌集『水上バス浅草行き』(2022年)に収められた一首です。 「文字化け」が起こる原因としては、送信側と受信側の文字コードが異なっているケースが多
春の日の「歩」が「と」に変はるさみしさに三十代も後半に入る田村元『昼の月』 田村元の第二歌集『昼の月』(2021年)に収められた一首です。 季節は春でしょう。冬が終わり、だんだんと暖かくなっていく季節に、主体は年齢を重ねていきます。 「三十
ひとりってこうだったっけ夜の道チョコをちいさくちいさく割りぬ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 人との関わりの中で人は生きていくわけですが、人との関わりの度合
ひとりってこうだったっけ夜の道チョコをちいさくちいさく割りぬ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 人との関わりの中で人は生きていくわけですが、人との関わりの度合
銃撃戦がとくに好きってわけじゃない土の匂いのチョコレート嚙む平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』 平岡直子の第一歌集『みじかい髪も長い髪も炎』(2021年)に収められた一首です。 上句の感情と下句の行動の二つのパートから構成される歌ですが、ど
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手品だと思う体を薄くして満員電車乗り込むときに川島結佳子『感傷ストーブ』 川島結佳子の第一歌集『感傷ストーブ』(2019年)に収められた一首です。 通勤通学に公共交通機関を利用している人は多いでしょう。通勤ラッシュの時間帯、できれば空いてい
復活祭の卵の形のチョコレート割れば生まれぬ今日の私が香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 「復活祭の卵の形のチョコレート」とは、イースターエッグの形をしたチョコレートの
復活祭の卵の形のチョコレート割れば生まれぬ今日の私が香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 「復活祭の卵の形のチョコレート」とは、イースターエッグの形をしたチョコレートの
緑より朱あけへと実りゆく柿のおもてに錆のいろは浮きそむ大辻隆弘『汀暮抄』 大辻隆弘の第七歌集『汀暮抄』(2012年)に収められた一首です。 柿の実が緑色からきれいな朱色へと移行していく長い時間経過を詠っています。 主体は、柿の実の色の移り変
ポータブル将棋で昼を賭けながら土曜出社に慣れていきなよ小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 最近はスマホでも将棋ゲームができるため、外で実際の将棋盤を囲むという機会は、以前
耳朶みみたぶをさわられているただじっとこの子が眠るまでの生いけ贄にえ山添聖子・山添葵・山添聡介『じゃんけんできめる』 山添聖子・山添葵・山添聡介の第一歌集『じゃんけんできめる』(2022年)に収められた一首です。 母と2人の子の合わせて3人
夕雲のひびき寄るとき垂直にして一切の窓は耐えをり小池光『バルサの翼』 小池光の第一歌集『バルサの翼』(1978年)に収められた一首です。 何かただならぬ予感を湛えているように感じます。 まず朝の雲ではなく夕雲という時点で、何かしら退廃や凋落
かがやける花、花、花、野、黄金の家への道は無数にひとつ早坂類『黄金の虎ゴールデン・タイガー』 早坂類の歌集『黄金の虎ゴールデン・タイガー』(2009年)に収められた一首です。 「黄金の家」を文字通り受け取れば、金色に輝く高価な家のようなイメ
先輩の家で麻雀した朝のだるい四人はロの字にねむる小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 昔は麻雀と聞くとどちらかというと薄暗いイメージをもっていましたが、2018年7月からは
人あまた乗り合ふ夕べのエレヴェーター桝目の中の鬱の字ほどに香川ヒサ『テクネー』 (『香川ヒサ作品集』より) 香川ヒサの第一歌集『テクネー』(1990年)に収められた一首です。 エレベーターの箱の内部は限られた空間であるため、積載可能重量や可
エレベーターの人数が奇数になって空に向かっていく晴れた日の朝フラワーしげる『ビットとデシベル』 フラワーしげるの第一歌集『ビットとデシベル』(2015年)に収められた一首です。 何気ない日常の場面を切り取った歌ですが、何となく不思議な感じの
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】してわずかに世界とずれている奥歯で貝の砂を噛みたり〉 (駒田晶子) A. くしゃみ B. あくび C. げっぷ D. からぜき 答えを表示する 解答 - A
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】してわずかに世界とずれている奥歯で貝の砂を噛みたり〉 (駒田晶子) A. くしゃみ B. あくび C. げっぷ D. からぜき 答えを表示する 解答 - A
ひとりなり。一夏の読点として階段にひいやりと座れば駒田晶子『銀河の水』 駒田晶子の第一歌集『銀河の水』(2008年)に収められた一首です。 「ひとり」を最も感じるときは、どんなときでしょうか。 掲出歌は初句でいきなり「ひとりなり。」と句点で
きみをなす無数の問いに眼をこらす素足にたまごのからふみしめて柳澤美晴『一匙の海』 柳澤美晴の第一歌集『一匙の海』(2011年)に収められた一首です。 「きみをなす無数の問いに眼をこらす」とは、中々意味が取りづらいところはありますが、「きみ」
ほのぐらき水族館に浮かびゐる無数の貌のなかのわが貌小島ゆかり『憂春』 小島ゆかりの第七歌集『憂春』(2005年)に収められた一首です。 普段生活している中で、自分の顔を見つめる時間は一体どれくらいあるでしょうか。 朝起きて洗面台の鏡で見る、
海上にかろき頭痛を運びつつ無数の波の襞を見下ろす大辻隆弘『汀暮抄』 大辻隆弘の第七歌集『汀暮抄』(2012年)に収められた一首です。 船に乗っている場面でしょうか。 かすかに頭痛がするのは、船に乗っているからでしょうか、それとも船とは直接関
ちょっと良いポン酢を買えば良い帰路で春の宵など俯瞰しながら小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 季節は春。休みの日に外出した帰りでしょうか、それとも仕事帰りでしょうか。 陽
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈ほそながい【 ① 】だと渡されるわずかに湿る線香花火〉 (小俵鱚太) A. 栞紐 B. 常備薬 C. 熱帯魚 D. 未来予想図 答えを表示する 解答 - Answer
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】のご褒美としていいだらう大人は毎日電車に乗れる〉 (山木礼子) A. 昇進 B. 深考 C. 早起き D. 長生き 答えを表示する 解答 - Answer
観覧車ひとつずつ倒れ見透しが好くなってゆくある日ぼくらは我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』 我妻俊樹の第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(2023年)に収められた一首です。 「観覧車ひとつずつ倒れ」と始まりますが、現実に観覧
観覧車のどかにまわる空のした係員がいて券を受け取る松村正直『やさしい鮫』 松村正直の第二歌集『やさしい鮫』(2006年)に収められた一首です。 遊園地の観覧車を詠った歌です。 上句の「観覧車のどかにまわる空のした」ですが、観覧車から若干離れ
まるで悪意のごとき等距離 傾いた夕空に観覧車点れり魚村晋太郎『銀耳』 魚村晋太郎の第一歌集『銀耳』(2004年)に収められた一首です。 観覧車のゴンドラの間隔に注目した歌です。 観覧車のゴンドラは円周上に配置されていますが、ゴンドラとゴンド
人生を笑い飛ばして去っていく……わけにもいかず草抜いている大下一真『即今』 大下一真いっしんの第四歌集『即今』(2008年)に収められた一首です。 「人生を笑い飛ばして去っていく」のが主体にとっての理想なのでしょうが、現実はそのようにはいか
深夜ラジオの天気予報を聴きをれば今日はたしかに昨日のつづき小川真理子『母音梯形』 小川真理子の第一歌集『母音梯形トゥラペーズ』(2002年)に収められた一首です。 日付が変わる前後に、深夜ラジオを聞いていた場面でしょう。内容は天気予報です。
問題 - Question 2024年、第67回短歌研究新人賞を「コミカル」30首で受賞した歌人は誰? 答えを表示する 解答 - Answer 工藤吹 解説 2024年で第67回を迎える短歌研究新人賞(短歌研究社主催)。今年の選考委員は、
散らかしたまま書いている人生に誤字も脱字もそのままにある小川佳世子『水が見ていた』 小川佳世子の第一歌集『水が見ていた』(2007年)に収められた一首です。 日記でしょうか、それとも依頼を受けた原稿の下書きなどでしょうか。 「散らかしたまま
迷いたるわれの耳へと風の吹く正しいことを選ぶのではない江戸雪『駒鳥ロビン』 江戸雪の第四歌集『駒鳥ロビン』(2009年)に収められた一首です。 生きているとさまざまな悩みや迷いがあります。 その度にすっと答えが出ればいいのですが、簡単には解
あてもなく歩く二人に観覧車 一度も乗らなかった観覧車岡本真帆『水上バス浅草行き』 岡本真帆の第一歌集『水上バス浅草行き』(2022年)に収められた一首です。 遊園地でしょうか、あるいは大きな観覧車があるハイウェイオアシスや、街中の人気スポッ
頂上で乗って頂上で降りるならいいよふたりきりの観覧車鈴木晴香『心がめあて』 鈴木晴香の第二歌集『心がめあて』(2021年)に収められた一首です。 通常、観覧車は一番低い位置に乗り場が設けられており、そこから乗って、またその一番低い位置で降り
長生きができたらいいな ひまわりの黄は漆黒しつこくにあんがい似てるね早坂類『風の吹く日にベランダにいる』 早坂類の第一歌集『風の吹く日にベランダにいる』(1993年)に収められた一首です。 人は何歳くらい生きれば「長生き」といえるのでしょう
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈座っても立っても春で【 ① 】のような卵焼き巻く〉 (江戸雪) A. 大男の手首 B. 赤鬼の眉毛 C. 怪物の踝くるぶし D. 妖怪の喉のみど 答えを表示する 解答
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日ひとひ我には一生ひとよ栗木京子『水惑星』 栗木京子の第一歌集『水惑星』(1984年)に収められた一首です。 観覧車と恋といえば、この一首といってもいいほどの代表歌です。 まず主体の位置を確認しておきたいと思
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈プリントの花柄模様にうずもれて【 ① 】になりたい真昼〉 (早坂類) A. 綺麗な蝶 B. 静かな露 C. 些細な風 D. 邪悪な虫 答えを表示する 解答 - Ans
白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり高野公彦『汽水の光』 高野公彦の第一歌集『汽水の光』(1976年)に収められた一首です。 時間帯は夜、場所は公園かどこかでしょうか。公園といっても区画整備されたきれいな公園ではなく、「草
勝ち負けを決めないことも負けかもと思う あなたの下着を吊るす岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』 岡崎裕美子の第二歌集『わたくしが樹木であれば』(2017年)に収められた一首です。 "勝つことはいいことだ"、"負けるよりも勝ちなさい"。 そ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈月末の終業時間のオフィスに【 ① 】のような拍手が上がる〉 (ユキノ進) A. 小雨 B. 花火 C. ノイズ D. 寝息 答えを表示する 解答 - Answer
三十分ゴルフの話ばかりして三十分減るおれの人生ユキノ進『冒険者たち』 ユキノ進の第一歌集『冒険者たち』(2018年)に収められた一首です。 人生は有限です。「三十分」を何に使うかは各人の自由ですが、その三十分が自分にとって有意義な時間なのか
おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海青松輝『4』 青松輝あきらの第一歌集『4』(2023年)に収められた一首です。 "あなたはどのように生きていますか? あなたの生き方をオノマトペで30文字以内で表