理由などいつもあとからついてくるなだらかにうねる道のかたへを三島麻亜子『水庭』 三島麻亜子の第一歌集『水庭』(2014年)に収められた一首です。 初句の「理由」とは何に対する理由を指しているのでしょうか。 具体的に何の行動かが書かれていませ
日本の伝統詩型である「短歌」。五七五七七の三十一音からなるこの詩型は実に魅力にあふれています。 短歌のある日々は実に豊かで、その魅力を広く発信したいです!
理由などいつもあとからついてくるなだらかにうねる道のかたへを三島麻亜子『水庭』 三島麻亜子の第一歌集『水庭』(2014年)に収められた一首です。 初句の「理由」とは何に対する理由を指しているのでしょうか。 具体的に何の行動かが書かれていませ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈投げあげし乳歯を空は吸わざれど【 ① 】のようなる雲のひろがり〉 (中津昌子) A. 衣 B. 井戸 C. 壁 D. 川 答えを表示する 解答 - Answer A
時が止まればいい さう思はなくなつてずいぶん歩いてしまつた大森益雄『歌日和』 大森益雄の第三歌集『歌日和』(2013年)に収められた一首です。 生きている今この瞬間が最高に幸せだという思いに満たされていれば、自然と「時が止まればいい」と感じ
透明の傘をひらけばみどりごと我にあかるき雨降りかかる中津昌子『風を残せり』 中津昌子の第一歌集『風を残せり』(1993年)に収められた一首です。 透明の傘は、ビニール傘のことでしょうか。主体は嬰児を胸に抱えている状況で、雨が降ってきたので傘
高層の無数の窓に見下ろされ信号無視の一歩踏みだす中津昌子『風を残せり』 中津昌子の第一歌集『風を残せり』(1993年)に収められた一首です。 「高層の無数の窓」とは、高層ビルの窓を指しているのでしょう。 外壁面が窓に覆われたような構造だと思
それぞれに目的があり乗り継いだ僕たちの無数のJR青松輝『4』 青松輝あきらの第一歌集『4』(2023年)に収められた一首です。 通勤、通学だけでなく、休日の移動においてなど、JRは欠かせない乗り物となっているでしょう。 「僕たちの無数のJR
ハニカムの形のベンチが無数ありどうやって座るのか分からない九螺ささら『ゆめのほとり鳥』 九螺くらささらの第一歌集『ゆめのほとり鳥』(2018年)に収められた一首です。 「ハニカム」とは蜂の巣を意味する言葉ですが、蜂の巣はその穴のひとつひとつ
天神の樹の電飾のあたたかき無数さよならのやうに無数染野太朗『初恋』 染野太朗の第三歌集『初恋』(2023年)に収められた一首です。 「天神」とは福岡市の天神エリアのことでしょう。 季節は冬でしょうか。イルミネーションされた樹が詠われており、
夕立は眼鏡を洗うためにある 楠の枝葉に無数のふるえ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 上句の「夕立は眼鏡を洗うためにある」という断定の力強さを感じます。 夕立
玻璃窓の外には波の無数の目 海浜ホテルのカーテンのむこう松平盟子『うさはらし』 松平盟子の第六歌集『うさはらし』(1996年)に収められた一首です。 主体は海辺のホテルの室内にいるのでしょう。ガラス窓にはカーテンがかかっています。海浜ホテル
生きてゐる間はせめて思ひたい他の生き方あるかもしれぬ香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 この歌は難解な言葉は使われておらず、その意味内容についても素直に受けとれば詠わ
朝戸出の風硬くして今日のわれ昨日のわれを引き継ぎにゆく島田幸典『駅程』 島田幸典の第二歌集『駅程』(2015年)に収められた一首です。 「朝戸出あさとで」とは、朝、戸を開けて外に出ることを意味します。和歌の世界では、一夜を過ごした相手のもと
鉄橋は無数のネジに締められて線路の音は調律される竹内亮『タルト・タタンと炭酸水』 竹内亮の第一歌集『タルト・タタンと炭酸水』(2015年)に収められた一首です。 建築物を構成する要素として「ネジ」は欠かせないものでしょうが、「鉄橋」も「ネジ
聖堂をもとおる蔦のくれないは無数の舌のひらめくごとし島田幸典『駅程』 島田幸典の第二歌集『駅程』(2015年)に収められた一首です。 「もとおる」を漢字で書けば「回る」「廻る」であり、巡りまわるという意味をもつ言葉です。 聖堂の壁の周りには
けふの疲れに軀はしづみざらざらと無数の星に覆はるる夜横山未来子『水をひらく手』 横山未来子の第二歌集『水をひらく手』(2003年)に収められた一首です。 初句二句の「けふの疲れに軀はしづみ」は軀の疲れを詠っているのですが、その表現には丁寧に
あかあかと腕に無数の湿疹のひとつぶひとつぶが痒がりてゐる西村美佐子『猫の舌』 西村美佐子の第三歌集『猫の舌』(2005年)に収められた一首です。 体に湿疹ができると痒くてついつい搔いてしまいますが、この歌は腕にできた「無数の湿疹」を詠んでい
太陽の無数の命生む力無数の命滅ぼす力香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 地球に生きる生き物にとって、太陽はなくてはならない存在です。人間も動物も植物も、太陽なくして育
照らされた無数のほこりしばらくは息をするのを我慢してみる木下龍也『つむじ風、ここにあります』 木下龍也の第一歌集『つむじ風、ここにあります』(2013年)に収められた一首です。 部屋の中にいるとき、窓からの光で、急に「ほこり」が照らし出され
五弁の桜、五つに分かれ散りおれど無数のなかにまぎれてゆきぬ吉川宏志『石蓮花』 吉川宏志の第八歌集『石蓮花』(2019年)に収められた一首です。 桜といえば、木単位、枝単位など多くの花をまとめて見がちではありますが、この歌は、桜の花びらを見つ
この世には子どもも大人もいやしない無数のただの私がいるだけ雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』 雪舟えまの第二歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』(2018年)に収められた一首です。 「子ども」と「大人」を分ける境界
ひらひらと無数のリボンは誰がために揺れてゐるのか扇風機売り場知花くらら『はじまりは、恋』 知花くららの第一歌集『はじまりは、恋』(2019年)に収められた一首です。 家電量販店でしょうか。たくさんの扇風機が並べられ、販売されている売り場の場
それでおまえはどうしたいのだ 海原にひかり無数の切れ込みがある松村正直『紫のひと』 松村正直の第五歌集『紫のひと』(2019年)に収められた一首です。 朝でしょうか、あるいは日中でしょうか。海原に太陽の光が当たって、海原はきらきらと輝いてい
白くひかる無数の小部屋を目に映しエクセルでつくる販売計画ユキノ進『冒険者たち』 ユキノ進の第一歌集『冒険者たち』(2018年)に収められた一首です。 「エクセル」は、マイクロソフト社が提供する表計算ソフトMicrosoft Excelのこと
砂時計のあれは砂ではありません無数の0がこぼれているのよ杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 砂時計という名は、砂を利用した時計であることから名づけられたと思いますが、この歌で
青空に浮かぶ無数のビー玉のひとつひとつに地軸あるべし山田航『さよならバグ・チルドレン』 山田航の第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(2012年)に収められた一首です。 ここで詠われている「ビー玉」は、実際のものとしてのビー玉ではなく、空に
雨の朝どこへも行けるさびしさに傘はちいさく世界を弾く柳澤美晴『一匙の海』 柳澤美晴の第一歌集『一匙の海』(2011年)に収められた一首です。 「雨の朝どこへも行けるさびしさ」という上句の表現に注目しました。 「どこへも行ける」ということは、
雨傘を泥につきさしながら行く何かを君に誓いたき日は江戸雪『駒鳥ロビン』 江戸雪の第四歌集『駒鳥ロビン』(2009年)に収められた一首です。 「君」とは恋人でしょうか。誓いたいと思えるほどの相手であるので、親しい間柄の人なのでしょう。 「何か
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈いまだ遠き希望のごとく店先の春の【 ① 】の名前見てゐつ〉 (横山未来子) A. 子猫 B. 陽射し C. 和菓子 D. 眼鏡 答えを表示する 解答 - Answer
貧しさがデフォルトであるわたしたち笑えと言われるままに笑うよ柳澤美晴『一匙の海』 柳澤美晴の第一歌集『一匙の海』(2011年)に収められた一首です。 歌集の略歴に養護教諭と書かれていますが、掲出歌を含む一連の内容から、この歌は養護教諭として
メール無精を責めるメールをうつときの言語野に雪ああ降りしきる柳澤美晴『一匙の海』 柳澤美晴の第一歌集『一匙の海』(2011年)に収められた一首です。 筆無精、出無精などという言葉がありますが、「メール無精」とはメールを送ることを面倒くさがる
会うためにあるいはもう会わないために橋は静かにカーブしている鈴木晴香『心がめあて』 鈴木晴香の第二歌集『心がめあて』(2021年)に収められた一首です。 「橋は静かにカーブしている」と詠われていますが、この「カーブ」は二通りの採り方があるか
君の名はモモイロフラミンゴぼくの名はメールのしっぽに書いておきます杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 「モモイロフラミンゴ」に呼びかけているような場面でしょうか。 m音を多く
ジュラ紀にも梅雨があったかもしれないこうもり傘の遠いい記憶杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 実際に恐竜がいた時代を直接目にすることもなければ、その時代の実際の映像があるわけ
ホームみて車内みまわし傘もっているのが自分だけとわかった吉岡生夫『草食獣 第八篇』 吉岡生夫の第八歌集『草食獣 第八篇』(2018年)に収められた一首です。 雨が降ると思い傘をもって出かけたけれど、実際は雨は降らず、周りの人は傘をもっていな
少し軽く生きんとおもう餡ぬきの饅頭のような雲浮くかなた杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 自分の人生をどのように捉えて生きるのかは人それぞれかもしれませんが、重たく見つめて生
観覧車は二粒ずつの豆の莢春たかき陽に触れては透けり杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 観覧車のゴンドラひとつひとつを「豆の莢」に喩えた歌ですが、その発想が独特で、遊具としての
自販機のタバコを取りにかがむときあはれそびらのさらすかずかず小笠原和幸『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載) 小笠原和幸の第三歌集『春秋雑記』(2000年)の改稿版『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載
平和へいわとは平和ピンフだ それは「基本」だが平和ピンフでできる役満は無い松木秀『RERA』 松木秀の第二歌集『RERA』(2010年)に収められた一首です。 麻雀の基本的な役「平和ピンフ」と、戦争や紛争がなく穏やかな状態を意味する「平和へ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈畳まれた【 ① 】はたぶん比喩でしょう頑張れないまま死ぬことだとかの〉 (九螺ささら) A. 帽子 B. タオル C. 浮き輪 D. テント 答えを表示する 解答 -
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈明滅をやめたひかりの【 ① 】揺れぬひかりはただの照明〉 (勺禰子) A. 飾らなさ B. 頼りなさ C. 他愛なさ D. 色気なさ 答えを表示する 解答 - Ans
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈疲れとは【 ① 】に似たりあつき湯につかりて今日の二つをはらふ〉 (小笠原和幸) A. 怒り B. 穢れ C. 病ひ D. 借入れ 答えを表示する 解答 - Answ
「わたしそこはこだはつてないから」と言ふときのこだはりをこそ恐怖と思へ勺禰子『月に射されたままのからだで』 勺禰子しゃくねこの第一歌集『月に射されたままのからだで』(2017年)に収められた一首です。 "こだわる"というとき、いい意味で使わ
ガーナチョコひと区画ずつ折りながら桜の下に月の出を待つ笹本碧『ここはたしかに 完全版』 笹本碧の遺歌集『ここはたしかに 完全版』(2020年)に収められた一首です。 「ガーナチョコ」とは、ロッテのガーナミルクチョコレートを指しているでしょう
問題 - Question 2024年度は、坂井修一「鷗外守」と山田富士郎「UFO」のダブル受賞となった、2024年で第60回を迎える短歌賞は何? A. 短歌研究賞 B. 迢空賞 C. 若山牧水賞 D. 現代歌人協会賞 答えを表示す
風景のやうに己れの一生をながめてはならぬとかくは思へど小笠原和幸『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載) 小笠原和幸の第三歌集『春秋雑記』(2000年)の改稿版『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載)(2
竹やぶなれば成人誌などは棄ててあり目に沁みて裸体の下着くれなゐ川本浩美『起伏と遠景』 川本浩美の第一歌集『起伏と遠景』(2013年)に収められた一首です。 「竹やぶ」の緑に対して、「下着くれなゐ」の赤が対照的に映ります。 情報化社会の今、遊
吾のごとき沙よりちさきいきものも空白感は鯨のみこむ渡辺松男『雨る』 渡辺松男の第九歌集『雨ふる』(2016年)に収められた一首です。 ここで登場するのは「沙よりちさきいきもの」と「鯨」です。 「沙よりちさきいきもの」とは何でしょうか。「鯨」
畑道のトマトの膚はだは日を浴びてみどりと赤のまじり合うころ吉川宏志『鳥の見しもの』 吉川宏志の第七歌集『鳥の見しもの』(2016年)に収められた一首です。 畑道はたみちとは、畑の間を通っている道、または畑の傍を通っている道を指す言葉です。
問題 - Question 2024年4月5日から2024年11月24日まで開催されている「パワーワード展」は、青松輝、伊藤紺、上坂あゆ美、岡野大嗣、岡本真帆、木下龍也の6名の歌人が参加しているが、どこの山をテーマにした展示? A. 立山
水飲めばみづのうちよりひと生れてわれとなりにき 水消えにけり川野芽生『Lilith』 川野芽生の第一歌集『Lilith』(2020年)に収められた一首です。 人の体の約60%は水分でできているといわれています。人体と水は親和性が高く、切って
かなしみが或る臨界を過ぎしときひとは笑ふといふ真実は川本浩美『起伏と遠景』 川本浩美の第一歌集『起伏と遠景』(2013年)に収められた一首です。 「かなしみ」を漢字で書くと、悲しみ、哀しみ、愛しみなどさまざまありますが、ここでは特定の漢字を
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】のやうなる白きサンダルに足は翼であればをさめつ〉 (川野芽生) A. 鳥籠 B. 楽園 C. 瑞雲 D. 洞穴 答えを表示する 解答 - Answer A
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈にはか雨そそぐ路傍に傘ささず立ちゐしひとは【 ① 】ならむ〉 (川本浩美) A. オプティミスト B. ペシミスト C. ニヒリスト D. マゾヒスト 答えを表示する
人よりも傘はもろきをきりぎりに気流みだるる空くうに差し出づ川野芽生『Lilith』 川野芽生の第一歌集『Lilith』(2020年)に収められた一首です。 雨が降れば人は傘を差す、その光景は見慣れたものであり、日常生活において、その行為を深
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】となりて待つにあらねど冬を越す手袋に淡きみどりを選ぶ〉 (雨宮雅子) A. 木 B. 絵 C. 火 D. 手 答えを表示する 解答 - Answer A.
われら明日はなに見るならむひたひたと「時」の渚を波打ちつづく雨宮雅子『昼顔の譜』 雨宮雅子の第八歌集『昼顔の譜』(2002年)に収められた一首です。 一般的な時間の捉え方では、昨日、今日、明日というふうに時間が流れていくわけですが、明日何が
窓の外には観覧車まわってもまわってもまた来るのがおれだ虫武一俊『羽虫群』 虫武一俊の第一歌集『羽虫群』(2016年)に収められた一首です。 建物の中から、窓越しに外を眺めている場面でしょうか。視界には、観覧車が回る様子が映っています。 通常
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】言い続け死ぬのならどのひとつとて受け売りじゃなく〉 (谷村はるか) A. 格好いいこと B. 恥ずかしいこと C. 騒がしいこと D. 役立たないこと 答え
満月が「たとえ一分一秒も他人ひとのためには使うな」と言う谷村はるか『ドームの骨の隙間の空に』 谷村はるかの第一歌集『ドームの骨の隙間の空に』(2009年)に収められた一首です。 満月の輝く夜、見るともなく満月を見ていると、まるで満月が語りか
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】のように翳したあのひとが使わなかったガムシロップを〉 (鈴木美紀子) A. 指揮棒 B. 小国旗 C. 水晶 D. 白魚 答えを表示する 解答 - Answ
約束をしないつもりで生きてきたでもあの人とは約束したい九螺ささら『ゆめのほとり鳥』 九螺くらささらの第一歌集『日ゆめのほとり鳥』(2018年)に収められた一首です。 「約束」をするとは、あらかじめ互いに取り決め、将来それを変えないことを誓う
バス停もバスもまぶしい 雨払ふごとく日傘を振つてから乗る石川美南『架空線』 石川美南の第四歌集『架空線』(2018年)に収められた一首です。 日傘を差してバス停までやってきて、日傘を差しながらバスを待っている場面でしょうか。 日傘を差してき
バーバリーもレノマの傘も役立たぬ 私の中に雨が降るとき大田美和『きらい』 大田美和の第一歌集『きらい』(1991年)に収められた一首です。 「バーバリー」はイギリスのファッションブランド、「レノマ」はフランスのファッションブランドです。 こ
ハムサンド乱暴に買い発つことを誰にも告げず特急に乗る岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』 岡崎裕美子の第二歌集『わたくしが樹木であれば』(2017年)に収められた一首です。 「最後の出社」という一連にある歌ですが、会社を辞めて他の地へ去って
いびつなパンを焼き上げながらぼくに聞く火星をめぐる月の名前をユキノ進『冒険者たち』 ユキノ進の第一歌集『冒険者たち』(2018年)に収められた一首です。 「火星をめぐる月」という表現がありますが、これは火星の衛星を指しているのでしょう。火星
思い出に見張られている宵のくち舟のかたちのパンを購あがなう榊原紘『悪友』 榊原紘の第一歌集『悪友』(2020年)に収められた一首です。 パンは本当にさまざまな種類がありますが、そのパンを特徴づけるとき、大きく二つあるように思います。一つは"
観覧車ひとつずつ倒れ見透しが好くなってゆくある日ぼくらは我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』 我妻俊樹の第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(2023年)に収められた一首です。 「観覧車ひとつずつ倒れ」と始まりますが、現実に観覧
観覧車のどかにまわる空のした係員がいて券を受け取る松村正直『やさしい鮫』 松村正直の第二歌集『やさしい鮫』(2006年)に収められた一首です。 遊園地の観覧車を詠った歌です。 上句の「観覧車のどかにまわる空のした」ですが、観覧車から若干離れ
まるで悪意のごとき等距離 傾いた夕空に観覧車点れり魚村晋太郎『銀耳』 魚村晋太郎の第一歌集『銀耳』(2004年)に収められた一首です。 観覧車のゴンドラの間隔に注目した歌です。 観覧車のゴンドラは円周上に配置されていますが、ゴンドラとゴンド
人生を笑い飛ばして去っていく……わけにもいかず草抜いている大下一真『即今』 大下一真いっしんの第四歌集『即今』(2008年)に収められた一首です。 「人生を笑い飛ばして去っていく」のが主体にとっての理想なのでしょうが、現実はそのようにはいか
深夜ラジオの天気予報を聴きをれば今日はたしかに昨日のつづき小川真理子『母音梯形』 小川真理子の第一歌集『母音梯形トゥラペーズ』(2002年)に収められた一首です。 日付が変わる前後に、深夜ラジオを聞いていた場面でしょう。内容は天気予報です。
問題 - Question 2024年、第67回短歌研究新人賞を「コミカル」30首で受賞した歌人は誰? 答えを表示する 解答 - Answer 工藤吹 解説 2024年で第67回を迎える短歌研究新人賞(短歌研究社主催)。今年の選考委員は、
散らかしたまま書いている人生に誤字も脱字もそのままにある小川佳世子『水が見ていた』 小川佳世子の第一歌集『水が見ていた』(2007年)に収められた一首です。 日記でしょうか、それとも依頼を受けた原稿の下書きなどでしょうか。 「散らかしたまま
迷いたるわれの耳へと風の吹く正しいことを選ぶのではない江戸雪『駒鳥ロビン』 江戸雪の第四歌集『駒鳥ロビン』(2009年)に収められた一首です。 生きているとさまざまな悩みや迷いがあります。 その度にすっと答えが出ればいいのですが、簡単には解
あてもなく歩く二人に観覧車 一度も乗らなかった観覧車岡本真帆『水上バス浅草行き』 岡本真帆の第一歌集『水上バス浅草行き』(2022年)に収められた一首です。 遊園地でしょうか、あるいは大きな観覧車があるハイウェイオアシスや、街中の人気スポッ
頂上で乗って頂上で降りるならいいよふたりきりの観覧車鈴木晴香『心がめあて』 鈴木晴香の第二歌集『心がめあて』(2021年)に収められた一首です。 通常、観覧車は一番低い位置に乗り場が設けられており、そこから乗って、またその一番低い位置で降り
長生きができたらいいな ひまわりの黄は漆黒しつこくにあんがい似てるね早坂類『風の吹く日にベランダにいる』 早坂類の第一歌集『風の吹く日にベランダにいる』(1993年)に収められた一首です。 人は何歳くらい生きれば「長生き」といえるのでしょう
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈座っても立っても春で【 ① 】のような卵焼き巻く〉 (江戸雪) A. 大男の手首 B. 赤鬼の眉毛 C. 怪物の踝くるぶし D. 妖怪の喉のみど 答えを表示する 解答
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日ひとひ我には一生ひとよ栗木京子『水惑星』 栗木京子の第一歌集『水惑星』(1984年)に収められた一首です。 観覧車と恋といえば、この一首といってもいいほどの代表歌です。 まず主体の位置を確認しておきたいと思
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈プリントの花柄模様にうずもれて【 ① 】になりたい真昼〉 (早坂類) A. 綺麗な蝶 B. 静かな露 C. 些細な風 D. 邪悪な虫 答えを表示する 解答 - Ans
白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり高野公彦『汽水の光』 高野公彦の第一歌集『汽水の光』(1976年)に収められた一首です。 時間帯は夜、場所は公園かどこかでしょうか。公園といっても区画整備されたきれいな公園ではなく、「草
勝ち負けを決めないことも負けかもと思う あなたの下着を吊るす岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』 岡崎裕美子の第二歌集『わたくしが樹木であれば』(2017年)に収められた一首です。 "勝つことはいいことだ"、"負けるよりも勝ちなさい"。 そ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈月末の終業時間のオフィスに【 ① 】のような拍手が上がる〉 (ユキノ進) A. 小雨 B. 花火 C. ノイズ D. 寝息 答えを表示する 解答 - Answer
三十分ゴルフの話ばかりして三十分減るおれの人生ユキノ進『冒険者たち』 ユキノ進の第一歌集『冒険者たち』(2018年)に収められた一首です。 人生は有限です。「三十分」を何に使うかは各人の自由ですが、その三十分が自分にとって有意義な時間なのか
おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海青松輝『4』 青松輝あきらの第一歌集『4』(2023年)に収められた一首です。 "あなたはどのように生きていますか? あなたの生き方をオノマトペで30文字以内で表
チョコレートはとけるとき悲鳴あげるから警察にだってとどけていい我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』 我妻俊樹の第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(2023年)に収められた一首です。 正直、この歌をどのように読んでいいのか、なか
チョコレートアイスを落とした跡がある頁とばして次の章まで安田茜『結晶質』 安田茜の第一歌集『結晶質』(2023年)に収められた一首です。 本を読んでいる場面でしょう。 この本は、自分の本でしょうか、それとも誰かから借りた本でしょうか、図書館
ストローをせり上がりくるコーヒーの見えざる黒きストローなれば染野太朗『初恋』 染野太朗の第三歌集『初恋』(2023年)に収められた一首です。 ストローを使って飲んでいるところから想像すると、アイスコーヒーでしょうか。 ストローは白ではなく黒
生くるとは慣れぬことがらに出会ふこと熟こなしていくこと羊雲みあぐ秋山佐和子『豊旗雲』 秋山佐和子の第八歌集『豊旗雲』(2020年)に収められた一首です。 生きるということのある定義が示された歌で、この歌では二つが並列されています。 ひとつは
もう若くないと思えど死には若き齢よわいを生きて朝鵙あさもずに遇う吉川宏志『鳥の見しもの』 吉川宏志の第七歌集『鳥の見しもの』(2016年)に収められた一首です。 人はいつまでを若いと思い、いつからを若くないと感じるのでしょうか。 掲出歌は「
ノー・ウンチ、ノー・ライフ、ああ、この先の百年をウンチせよかし、おまへ大松達知『ゆりかごのうた』 大松達知の第四歌集『ゆりかごのうた』(2014年)に収められた一首です。 「おまへ」とは自分の子どものことを指しており、この歌が収められた一連
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈どうしても書く気の出ない夜があり【 ① 】にて原稿を書く〉 (大松達知) A. サングラス B. 片イヤフォン C. 蝶ネクタイ D. 野球帽 答えを表示する 解答
問題 - Question 〈こころ憂き春のカバンはぶんぶんと振り子のやうにわれを歩ます〉という巻頭歌で始まる、大松達知の第四歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『ゆりかごのうた』 解説 『ゆりかごのうた』は2014年(平
死ぬまでにせぬこと出来ぬままのこと考へてゐる箸洗ひつつ近藤かすみ『雲ケ畑まで』 近藤かすみの第一歌集『雲ケ畑まで』(2012年)に収められた一首です。 人生は長いといえば長いでしょうし、短いといえば短いものです。それは人生の捉え方、どの視点
棒切れかなにかのごとき一生も棒切れに長さありてわれ泣く渡辺松男『歩く仏像』 渡辺松男の第三歌集『歩く仏像』(2002年)に収められた一首です。 一生はいろんなものに喩えられます。一生を何に喩えますかという質問を受けた方もいるかもしれませんが
(はじめから間違いだとしてひきつづき間違うとしても)生きなければね野樹かずみ『路程記』 野樹かずみの第一歌集『路程記』(2006年)に収められた一首です。 "なぜ生きているのか"。 人生において、この問いを自分自身に投げかけたくなるのは、う
今日もまた前回までのあらすじを生きてるみたい 雨が止まない鈴木美紀子『風のアンダースタディ』 鈴木美紀子の第一歌集『風のアンダースタディ』(2017年)に収められた一首です。 日々を重ねることは、日々経験を積むことであるでしょうし、新しい何
自販機に〈なまぬるい〉のボタン見つけたらわたしはきっと次の段階ステージ鈴木美紀子『風のアンダースタディ』 鈴木美紀子の第一歌集『風のアンダースタディ』(2017年)に収められた一首です。 通常、自動販売機のボタンは"つめた~い"か"あったか
カップ麵にお湯注ぐとき思うんだこうやってお湯降ってくるでしょ大前粟生『柴犬二匹でサイクロン』 大前おおまえ粟生あおの第一歌集『柴犬二匹でサイクロン』(2018年)に収められた一首です。 カップ麺を詠った歌ですが、この歌が何を伝えようとしてい
「ブログリーダー」を活用して、tankalifeさんをフォローしませんか?
理由などいつもあとからついてくるなだらかにうねる道のかたへを三島麻亜子『水庭』 三島麻亜子の第一歌集『水庭』(2014年)に収められた一首です。 初句の「理由」とは何に対する理由を指しているのでしょうか。 具体的に何の行動かが書かれていませ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈投げあげし乳歯を空は吸わざれど【 ① 】のようなる雲のひろがり〉 (中津昌子) A. 衣 B. 井戸 C. 壁 D. 川 答えを表示する 解答 - Answer A
時が止まればいい さう思はなくなつてずいぶん歩いてしまつた大森益雄『歌日和』 大森益雄の第三歌集『歌日和』(2013年)に収められた一首です。 生きている今この瞬間が最高に幸せだという思いに満たされていれば、自然と「時が止まればいい」と感じ
透明の傘をひらけばみどりごと我にあかるき雨降りかかる中津昌子『風を残せり』 中津昌子の第一歌集『風を残せり』(1993年)に収められた一首です。 透明の傘は、ビニール傘のことでしょうか。主体は嬰児を胸に抱えている状況で、雨が降ってきたので傘
高層の無数の窓に見下ろされ信号無視の一歩踏みだす中津昌子『風を残せり』 中津昌子の第一歌集『風を残せり』(1993年)に収められた一首です。 「高層の無数の窓」とは、高層ビルの窓を指しているのでしょう。 外壁面が窓に覆われたような構造だと思
それぞれに目的があり乗り継いだ僕たちの無数のJR青松輝『4』 青松輝あきらの第一歌集『4』(2023年)に収められた一首です。 通勤、通学だけでなく、休日の移動においてなど、JRは欠かせない乗り物となっているでしょう。 「僕たちの無数のJR
ハニカムの形のベンチが無数ありどうやって座るのか分からない九螺ささら『ゆめのほとり鳥』 九螺くらささらの第一歌集『ゆめのほとり鳥』(2018年)に収められた一首です。 「ハニカム」とは蜂の巣を意味する言葉ですが、蜂の巣はその穴のひとつひとつ
天神の樹の電飾のあたたかき無数さよならのやうに無数染野太朗『初恋』 染野太朗の第三歌集『初恋』(2023年)に収められた一首です。 「天神」とは福岡市の天神エリアのことでしょう。 季節は冬でしょうか。イルミネーションされた樹が詠われており、
夕立は眼鏡を洗うためにある 楠の枝葉に無数のふるえ笠木拓『はるかカーテンコールまで』 笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』(2019年)に収められた一首です。 上句の「夕立は眼鏡を洗うためにある」という断定の力強さを感じます。 夕立
玻璃窓の外には波の無数の目 海浜ホテルのカーテンのむこう松平盟子『うさはらし』 松平盟子の第六歌集『うさはらし』(1996年)に収められた一首です。 主体は海辺のホテルの室内にいるのでしょう。ガラス窓にはカーテンがかかっています。海浜ホテル
生きてゐる間はせめて思ひたい他の生き方あるかもしれぬ香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 この歌は難解な言葉は使われておらず、その意味内容についても素直に受けとれば詠わ
朝戸出の風硬くして今日のわれ昨日のわれを引き継ぎにゆく島田幸典『駅程』 島田幸典の第二歌集『駅程』(2015年)に収められた一首です。 「朝戸出あさとで」とは、朝、戸を開けて外に出ることを意味します。和歌の世界では、一夜を過ごした相手のもと
鉄橋は無数のネジに締められて線路の音は調律される竹内亮『タルト・タタンと炭酸水』 竹内亮の第一歌集『タルト・タタンと炭酸水』(2015年)に収められた一首です。 建築物を構成する要素として「ネジ」は欠かせないものでしょうが、「鉄橋」も「ネジ
聖堂をもとおる蔦のくれないは無数の舌のひらめくごとし島田幸典『駅程』 島田幸典の第二歌集『駅程』(2015年)に収められた一首です。 「もとおる」を漢字で書けば「回る」「廻る」であり、巡りまわるという意味をもつ言葉です。 聖堂の壁の周りには
けふの疲れに軀はしづみざらざらと無数の星に覆はるる夜横山未来子『水をひらく手』 横山未来子の第二歌集『水をひらく手』(2003年)に収められた一首です。 初句二句の「けふの疲れに軀はしづみ」は軀の疲れを詠っているのですが、その表現には丁寧に
あかあかと腕に無数の湿疹のひとつぶひとつぶが痒がりてゐる西村美佐子『猫の舌』 西村美佐子の第三歌集『猫の舌』(2005年)に収められた一首です。 体に湿疹ができると痒くてついつい搔いてしまいますが、この歌は腕にできた「無数の湿疹」を詠んでい
太陽の無数の命生む力無数の命滅ぼす力香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 地球に生きる生き物にとって、太陽はなくてはならない存在です。人間も動物も植物も、太陽なくして育
照らされた無数のほこりしばらくは息をするのを我慢してみる木下龍也『つむじ風、ここにあります』 木下龍也の第一歌集『つむじ風、ここにあります』(2013年)に収められた一首です。 部屋の中にいるとき、窓からの光で、急に「ほこり」が照らし出され
五弁の桜、五つに分かれ散りおれど無数のなかにまぎれてゆきぬ吉川宏志『石蓮花』 吉川宏志の第八歌集『石蓮花』(2019年)に収められた一首です。 桜といえば、木単位、枝単位など多くの花をまとめて見がちではありますが、この歌は、桜の花びらを見つ
この世には子どもも大人もいやしない無数のただの私がいるだけ雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』 雪舟えまの第二歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』(2018年)に収められた一首です。 「子ども」と「大人」を分ける境界
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈こんなにも俺は【 ① 】だといふ事を防犯カメラに見下ろされをり〉 (矢部雅之) A. 独り B. 自由 C. 無価値 D. 静か 答えを表示する 解答 - Answe
問題 - Question 〈名を呼べばふりむく躯呼ばるるとふことそのものの歓びに満ち〉という巻頭歌で始まる、矢部雅之の第一歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『友達ニ出会フノハ良イ事』 解説 『友達ニ出会フノハ良イ事』は
けふよりあすへ疲労はほそき橋として架かる その橋を渡りはじめつ鈴木加成太『うすがみの銀河』 鈴木加成太の第一歌集『うすがみの銀河』(2022年)に収められた一首です。 仕事の疲れ、学業の疲れ、人生に対する疲れなど、生きていればさまざまなこと
雨はふる、降りながら降る 生きながら生きるやりかたを教へてください藪内亮輔『海蛇と珊瑚』 藪内亮輔の第一歌集『海蛇と珊瑚』(2018年)に収められた一首です。 人生とは、いつも進行形であると感じます。常に時間の最先端にいるのであり、"準備万
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈公園のベンチはぬるく【 ① 】のような時間をつぶす〉 (鈴木加成太) A. うたた寝の曇り B. 日盛りの薄荷 C. 軟膏の粘り D. 値下がりの苺 答えを表示する
問題 - Question 〈北窓の部屋はアトリエに好よいと云う 果実の色に昏れるその部屋〉という巻頭歌で始まる、鈴木加成太の第一歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『うすがみの銀河』 解説 『うすがみの銀河』は2022年
ショートケーキを箸もて食し生誕というささやかなエラーを祝う内山晶太『窓、その他』 内山晶太の第一歌集『窓、その他』(2012年)に収められた一首です。 生命の誕生は、数億の精子の中からたったひとつが卵子と出会うことでなされるのであって、「生
僕に見えるこの僕みたいな人生をあなたなら続けられたんですか平出奔『了解』 平出奔の第一歌集『了解』(2022年)に収められた一首です。 この歌は詞書を多用した「了解」という一連にありますが、この一連はSNSでのやりとりを通じての相手との関わ
両親が両脇に居てくれることこんなにも親不孝な幸しあわせ笹本碧『ここはたしかに 完全版』 笹本碧の遺歌集『ここはたしかに 完全版』(2020年)に収められた一首です。 「手をあててみる」という一連にある歌で、自身の手術後の場面を詠っています。
これから短歌を始めたいけど、小学生くらいの子ども向けの短歌の入門書はないかなあ? 短歌の入門書はいろいろありますが、その多くは大人向けに書かれています。そんな状況の中で、子ども向けに書かれた短歌入門書というのはとても貴重だと思います。 今回
「時間」にはこまごま記憶がたたまれてどのひとつにも悔いが添ふなり池田はるみ『亀さんゐない』 池田はるみの第七歌集『亀さんゐない』(2020年)に収められた一首です。 「歳月と時間」という一連の歌ですが、この一連の中で「時間」と「歳月」の語の
あなたはあなたの脳と生きつつ地下鉄ですこし他人の肩にもたれた平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』 平岡直子の第一歌集『みじかい髪も長い髪も炎』(2021年)に収められた一首です。 この歌を読むと、あなたとは、そして自分とは何だろうという問いが
問題 - Question 2023年、第11回現代短歌社賞を「わるく思わないで」300首で受賞した歌人は誰? 答えを表示する 解答 - Answer 井口可奈 解説 2023年で第11回を迎える現代短歌社賞(現代短歌社主催)。まだ歌集を
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈たかだかと呼び出しのこゑ伸びてゆく【 ① 】のやうな体育館に〉 (池田はるみ) A. 畑 B. 脾臓 C. 雲間 D. 牧歌 答えを表示する 解答 - Answer
問題 - Question 〈流線型ヘルメット頭づに乗せてくる自転車部隊のやうなこどもたち〉という巻頭歌で始まる、池田はるみの第七歌集は何? 答えを表示する 解答 - Answer 『亀さんゐない』 解説 『亀さんゐない』は2020年(令
窓枠のかたちの届く距離が日々変化して人生はおもしろい虫武一俊『羽虫群』 虫武一俊の第一歌集『羽虫群』(2016年)に収められた一首です。 「窓枠のかたち」とは、部屋の床や壁に現れる陽の当たった窓の影のことを指しているのでしょう。その影のかた
これから短歌をつくりたいと思っているのだけれど、中学生でもわかる短歌の入門書はないかなあ? 短歌の入門書はいろいろありますが、どの年齢層に向けて書かれているかは本によって異なります。 大人に向けて書かれた本を、まだ漢字を習いたての小学生が読
見てごらんこの青い空まっさきに会いたい人に会いに行くべし馬淵のり子『そっと置くもの』 馬淵のり子の第一歌集『そっと置くもの』(2022年)に収められた一首です。 青い空が広がっている、ただそれだけで心が晴ればれとしてきます。 そんな青空の下
理解されなくてもいいのだ生きている時間はそんなに長くないから川本千栄『樹雨降る』 川本千栄の第三歌集『樹雨降る』(2015年)に収められた一首です。 他者に理解されるかどうかというのは、日々生活する上で割と大きな位置を占める要素かと思います
咲き誇るシクラメン見ゆこの世には主役となれる人生もある佐藤モニカ『夏の領域』 佐藤モニカの第一歌集『夏の領域』(2017年)に収められた一首です。 シクラメンは秋から春にかけて咲く花ですが、この歌では「シクラメン」が「咲き誇る」様子が描かれ