はてなblogに移転の件gooblogが終了しますので、はてなblogに引越しします。引っ越し先の設定が出来次第、連絡をここに表示します。童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページはてなblogに移転の件
日々の恐怖5月30日コンビニ(1)うちのコンビニに、週3回毎朝5時過ぎにやってくる初老のおばさんがいる。週3回全て俺が入ってる日、決まって俺が店内で一人で作業してる時に来る。雨の日でもズブ濡れになりながら来る。毎回水鉄砲、水風船、関連性の無い漫画やレディコミ、お菓子をカゴ一杯に詰めてレジにやってきては、「子供がね、いっぱいいるんよ、いっぱい。」「○○言います私。」「機嫌のええ時はいいんやけどね。また、かんしゃく起こすさけね。」などと、聞いてもいないのに訳の分からない事を一人で喋っている。”あぁ・・・、若年層の認知症かなぁ・・・。”自分の子供が小さい時の事で時間が止まってるんだろう。そんな事を考えて適当に接客していた。「○○円になります。」と言うと、ピタっと話しを止めてキチンと代金は支払うし、店にとって害は...日々の恐怖5月30日コンビニ(1)
日々の恐怖5月26日女の幽霊私のおばが大型ショッピングモールで清掃のパートをしてた時の話です。当時オープンから一年ほど経ってはいたものの建物も設備もまだまだ綺麗で、田舎の割に繁盛していた。しかし、そこに勤める従業員の間で不穏な噂が流れ出した。それは、二階のトイレに女の幽霊が出るというものだった。話としてはありがちだが、記述の通り建物も新しく、元々はただの田畑で曰く付きの土地でもない。おばが初めてその噂を耳にした時は、学校の怪談とか都市伝説くらいの感覚だったらしい。しかし、その噂が出るのと時を同じくして、従業員の怪我や病気が増えていった。とはいえ何百人もの人が働いていれば多少の偶然はあるだろう。だか不思議な事に、怪我や病気になった従業員の大半は二階フロアで働く人ばかりだった。そこのショッピングモールは防犯も...日々の恐怖5月26日女の幽霊
日々の恐怖5月21日じーちゃん前にじーちゃんが亡くなった時の話です。俺ん家とじーちゃん家は隣り町で、ジジババっ子の俺は小さい時は毎週末のように遊びに行って、サザエさん見てみんなで飯食って帰るのが日曜の楽しみだったんだけど、社会人になってからは仕事が忙しいのと住んでるトコも離れちゃって、ここ4、5年は盆暮れ正月くらいしか顔を出さなくなってた。それでもジジババは満面の笑みで迎えてくれたりして、もっと短い間隔で来れたらなぁとか思ってた。んである日の朝、会社行く支度してたら突然ばーちゃんから電話があって、『朝起きたらじーちゃん突然冷たくなって全然動かない』って震えた声で言われて、会社に連絡すんのも忘れて飛んでった。じーちゃん家についたら、俺の両親とばーちゃんと親戚の人が先に来てて、じーちゃんの寝てる布団の周りに座...日々の恐怖5月21日じーちゃん
日々の恐怖 5月18日 心が弱ったとき思い出す、ある人の”じーちゃんの話”
日々の恐怖5月18日心が弱ったとき思い出す、ある人の”じーちゃんの話”うちのじーちゃんは、とある伝説の持ち主である。じーちゃんは何の病気か知らんが、俺がちっさいころに死んだ。そのとき、ハートビートセンサーっていうのか?心拍が止まった時に、”ピーーーーーー!”てなる奴あるじゃん?アレが、”ピーーーーーー!”って鳴って、脈とって医者が、「ご臨終です。」って言ったのよ。その瞬間、じーちゃんが”がばっ!!!!”って上半身はね起きて、ニッカリ笑って、「根性の勝ちや!」って言った。一同、心臓が飛び出るくらいに驚いた。看護婦さんが、点滴のつり下げる台に引っかかってこけてたのを覚えてる。おかげでじいちゃんの死に顔はニッカリ笑顔だった。そのまま上半身だけ起こした姿で、もっかい死んだ。遺書にこうあった。”昔、軍に居た頃に、先...日々の恐怖5月18日心が弱ったとき思い出す、ある人の”じーちゃんの話”
日々の恐怖5月11日コースターの顔あるとき、会社の飲み会である同僚の隣になったことがありました。飲み会は盛り上がり、かなり時間が経ち、寝始める人や帰る人もいる中、お酒が強い私と同僚はほとんど飲み比べのようになっていました。しばらくして、ふと同僚がグラスを載せる紙の丸いコースターに、人の顔を描いていることに気がつきました。”ずいぶん子どもっぽいことをするなァ・・・。”と思った私は、「それ何してるの?」と同僚に訊ねました。すると同僚は、「ああ・・・・。」と返事をして、「酔っていると思って聞いて。」と言いました。「はなから、そのつもりだよ。」と私が答えると、同僚はこんなことを話し始めました。「実はさ、俺むかしから、しょっちゅうのっぺらぼうを見るんだよ。」同僚の地元は温泉街で、家にあるお風呂に入るよりも近所の温泉...日々の恐怖5月11日コースターの顔
日々の恐怖5月2日再会(5)激しく混乱しているのは明らかだった。話をしている最中も奇妙な仕草を取った。奴はバシバシ自分の頭を叩きながら、ごくごくお茶を飲んだりした。突然額の上の部分を押さえて、「また声が聞こえてきた。」などとうめいた。俺に耳を当てて聞いてくれと言うのでその通りにしたが、何も聞こえなかった。だがその間、奴は聞き取れないほどの早口で、時代がかった言葉を唱えたりした。支離滅裂な話に数時間付き合わされたせいで、こちらもひどく消耗してしまった。「俺はお前のことを覚えていない。」奴にそう言われて、かなり安堵したのは確かだ。こちらの手におえる話ではない。係わり合いになるのも嫌だと感じ始めていた。「お前もすぐに俺のことを見失うさ。」一瞬奴の表情が変わった。はっきりと悪意を感じた。「こいつは俺のもんだ。」背...日々の恐怖5月2日再会(5)
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日々の恐怖4月14日ガノンドロフ(2)小学5年の夏休み、部活を終えて帰宅すると、父親にビールのお使いを頼まれたので千円札を握りしめて個人商店へと向かい、6缶パックと500ml2本を買ったあと、チョコバットも買った。おこづかい制ではなかったので、お釣りは貴重な収入源だった。頼み方が横柄だったので、500mlはシェイクして、開けたときにあふれるようにせめてもの復讐をした。家に帰ると父親が電話で誰かと話をしていた。6缶パックを冷蔵庫に入れて、チョコバットを食べてたら電話を終えた父親が、「新聞集金のおばちゃんが行方不明になったらしい。」と言ってきた。聞くと電話の相手は町内会のおっさんで、おばちゃんは昨日から帰っていないらしく、捜索願を出したけど町内会でも捜索をすることになったから参加してくれないか、という内容だっ...日々の恐怖4月14日ガノンドロフ(2)
日々の恐怖4月2日ガノンドロフ(1)父親は定年になるまで、小さな工場の副主任をやっていた。豆腐工場なので出勤するのは夜中9時ごろ、帰ってくるのは午前中だった。さも当たり前のように"豆腐工場なので"と書いたが、たぶん朝にスーパーに並ぶ豆腐のために夜中働く必要があったのではないかと推測している。夜勤生活なので平日の昼間は寝ているが、土日は日中でも俺を含めた3人の子供を遊びに連れていってくれたりして、しんどかっただろうに無理してくれてたんだなと今になって思う。だが当時の父親は文字通りの亭主関白、何かあればげんこつが飛んでくるし、短気でガノンドロフみたいな見た目なので子供の俺には怖かった。俺の実家は離島の小さい町。住所とかに”大字”がつくようなところだった。そういう小さい町だから当時は近所の結びつきとかが強くて(...日々の恐怖4月2日ガノンドロフ(1)
日々の恐怖3月23日ガキの頃の話(11)食事中も、「おっさんの家が、どうのこうの・・・。」とか、「金持ちのおっさんに気に入られた。」「今度おっさんから、バイオリン習う約束した。」とか、訳の分からないことを繰り返し、見かねた父親がMに、「何があったのか全て話せ。」と詰め寄り、観念したMが賽銭泥棒のことも含め全てを話した。「罰当たりなことして!」と当たり前のごとく父は兄弟をぶん殴った。が、それ異常に恐ろしかったのはS・Mの母。Sを全裸に縛り上げ風呂場へ連れて行くと頭から水を何度も浴びせたあと、部屋へ連れ戻すとベッドの柱に全裸状態のSを縛り付けタバコの火を体中に押しつけた。タバコの押しつけはお灸と称し、除霊だと言いしばらく続いた。風邪や蕁麻疹なんかではなく、母親がSを軟禁していたからSは学校へ来られなかったとK...日々の恐怖3月23日ガキの頃の話(11)
日々の恐怖3月13日ガキの頃の話(10)家に戻ったMがすぐに、父親にSがおかしくなったことを言うと、父親は車で飛び出して行き、数分後にSを引きずる形で連れ帰ってきた。「嘘やろ……?」俺は言葉を失った。「俺も最初は嘘やとおもた。俺を怖がらせる為に、SとMが組んでまた作り話しとるんやと思った。しばらくSが休んで、二人でお見舞い行ったやろ?あの時のSのチクったっていう言葉や、Mの様子が気になったからMに、「お前がチクったんか?」って、こっそりあの後聞いた。そしたら、この話されたんや。お前は、知らんやろうけどな、あいつらの母親ヤバイんや。身内やから渋々付き合いしとるけどな、ほんまは俺ら家族はあいつらのオカンとは関わりたくないくらいや。」と、Kが唐突にSとMの母の話を始めた。「何や?話が逸れまくりで理解できん。」と...日々の恐怖3月13日ガキの頃の話(10)
日々の恐怖3月4日ガキの頃の話(9)MはSに連れられて空き家に入ったが何にもなかった。ええもんどころか、湿気た匂いと汚い家具、外人の少女が書かれた絵が壁に掛けられているくらいの何てことない空き家だった。「何もないやん!」と呆れるMに対して、「こっち、来てみ!」と、Sはさらに奥の部屋へとMを引っ張った。そこでMはギョッとした。部屋の中だと言うのに、床に砂利が敷かれていた。「何ここ?気持ち悪い・・・。」と言うMに対してSは、「宝石や!」と言いだした。「宝石・・・・?」頭をかしげるMの両手を器の形にさせると、Sは床の砂利をつかみMの手の中へ、「宝石や。」と流し込んだ。またいつもの悪ふざけと思ったMは、「あほが!こんなとこまで連れてきやがって!」と砂利を投げ捨てた。その途端にSは、「何するんや!」と急に形相をかえ...日々の恐怖3月4日ガキの頃の話(9)
日々の恐怖2月23日ガキの頃の話(8)Sは雨の降る中一人、あの山に出掛けた。さすがに一人で神社へ近づくのは怖かったらしく、しばらく周りを散策しながら当てもなく山道を歩いていた。それらしい家も見つからず、飽きてきて帰宅するために山を降りるはずだった。いつも通りに山を下れば数分で民家へ繋がるような何てこともない山道を、その日は何故か違うルートで下った。このルートも大したことはない。何度か俺たちも通ったことはあるが、単にたどり着くのが自分たちの住む村の反対側だから遠回りという理由で滅多に選ばないルートであるだけ。その別ルートを下ったさきに数件の空き家があることも、俺も含めみんな知っている。ただ、知らなかったのは、その空き家がSの隠れ家として使われていたこと。これは俺もK、Mも誰も知らなかった。その日、中々戻らな...日々の恐怖2月23日ガキの頃の話(8)
日々の恐怖2月11日ガキの頃の話(7)そこでMがとうとう泣きだして、「俺君は関係ない。Kも直接は関係ないけど、僕が話したから知ってる。」とだけ言うと、後は泣いて何も話さなかった。俺とKは関係ないということで、直ぐにその場から追い出すように出された。そのまま、Kと帰宅することになるが複雑な気持ちは拭えなかった。「俺だけ退けもんか?」と誰に言うでもなく呟いたあと、何故か悔しくて涙が流れた。「ごめん。」とKは謝った。「口止めされてたから。」「どうせ、俺だけ退けもんや。お前らは兄弟・従兄弟やからな。」と引くに引けず、俺はKに八つ当たりした。「違う。Sがお前を巻き込むなって言うたんや。俺かってほんまは聞きたくなかった。巻き込まれたくなかった。」とKの本音を聞いて、俺は居たたまれなくなった。「何があったんや?」と問い...日々の恐怖2月11日ガキの頃の話(7)
日々の恐怖1月30日ガキの頃の話(6)しばらく沈黙のやりとりが続いた後、そこはやはりリーダーなわけで、Sが最初に沈黙を破った。「見ただけで、何で俺たちと分かるんや。俺たちの顔まで見たんか?俺ら一人一人の名前も分かるんか?」教師らは誰も口を開かない。立場が逆転したようにSは続ける。「証拠もないのに、呼び出してええんか?悪さって何や?俺らが何したって言うんや?」と、一気にまくしたてたSに、「言うてええんか?」と、Sの担任がSを牽制したが、勢いが止まらなくなったSを誰も止めることは出来なかった。「言わんかい!」と、売り言葉に買い言葉なSをみて、俺はバレた後のことを考え始めた。しかし、どう考えても、それは胡麻化しようがない状態な訳で、俺は親に知られてぶん殴られることを覚悟するしかなかった。そして、俺の担任が俺に言...日々の恐怖1月30日ガキの頃の話(6)
日々の恐怖1月22日ガキの頃の話(5)帰り道の途中、どちらかが言うわけでもなく公園に立ち寄り、俺とKはブランコに腰をかけた。「Mがチクったんやろ?」最初に口を切ったのはKだった。「何でや?自分も一緒に居て、Sにお菓子買って貰って食べた癖に。しかも、Sは兄ちゃんやぞ。」とKはつづけた。「だいたい、誰にチクったんやろ?」そんな話をしながら何も答えもでず、Mは裏切り者ということだけが延々と繰り返された。それからしばらくしてSは学校に登校してきたけど、何となく俺もKもあの日以来、SとMに近寄ることを避けた。放課後に4人で帰ることも遊ぶこともなく、自然と俺・KとS・Mという組み合わせで別々に帰る日が続いた。喧嘩をした訳でもないから、気まずいまま数週間が過ぎた頃、担任から呼び出しをくらった。体育係だった俺とKが、放課...日々の恐怖1月22日ガキの頃の話(5)
日々の恐怖1月13日ガキの頃の話(4)風邪の割には中々登校してこないSを、俺もKも心配して何度もMに、「Sの風邪、大丈夫か?」と尋ねても、「Sは熱と言ってもそんなに高熱じゃないし、咳も出よらん。元気にしとるけど、体にブツブツが出来て、それが引かんから登校出来んだけ。」と聞かされた。医者に行ったけど伝染病の類いでもないし、蕁麻疹と診断され大事をとって休んでるとのことだった。それを聞いて安心した俺とKは、「うつる病気じゃないなら会いに行けるし、今日、一旦家帰った後お見舞いに行く。」とMに伝えた。放課後、見舞いに行くとMから聞かされた通り、Sは元気そうな様子で俺らを迎えてくれた。「悪いな。大したことないんやけど、おかんが外に出してくれんのや!」と、ふて腐れたようにベッドに座りながら、俺が親から手渡された差し入れ...日々の恐怖1月13日ガキの頃の話(4)
日々の恐怖1月4日ガキの頃の話(3)そんな俺らを気にも止めずSは、「あのおっさんが賽銭置きに来よったん辞めたんやろ。あいつ、俺が盗みよるの見たから置きにくるん辞めたんやわ。」Sによると最後の賽銭に有り付いた日、その日は五百円玉と十円玉が数枚。「まぁ、こんなもんか・・・・。」と賽銭をくすねて駄菓子屋に向かうために山を下りようとした時、山の反対から男が登ってくるのが見えた。賽銭泥棒がバレたと思ったけど一向に男は神社に入ってくる気配もなく、ただじっとそこに立ち止まっていただけだった。何故、俺達に今まで黙ってたかと言うと、”誰もおっさんの気配に気付いてないことが怖かった。みんなに確かめて、おっさんが自分にしか見えない存在だとしたら、それを認めるのは怖い。”というようなことを言った。Sの話を聞いて薄ら寒いものを感じ...日々の恐怖1月4日ガキの頃の話(3)
日々の恐怖12月26日ガキの頃の話(2)ただ毎日賽銭にありつけたわけじゃない。最初に書いた通り寂れた神社だ。寧ろ賽銭がある方が謎なくらい。それでも、毎日通えば2週間に1回くらいのペースで数百円の賽銭を見付けることが出来たし、運が良ければ千円札の時もある。ガキの頃の話だから曖昧で、賽銭箱があったかどうかは定かではないが、賽銭はいつも箱には入っていなかったように思う。無造作に置かれていて、簡単に盗めたと記憶している。賽銭箱をほじくったり何か道具を使ったり苦労して盗んだ記憶もない。それも盗みを働いてる罪悪感を薄めた要因のように思う。そんな日が続いてしばらくは遊び場にも困らず美味しい思いをしていたが、急にパッタリと賽銭にありつけなくなった。「今週は外れや。」から、「今週も外れや。」に変わり、「今月はアカンのちゃう...日々の恐怖12月26日ガキの頃の話(2)
日々の恐怖12月17日ガキの頃の話(1)もう40年近く前、ガキの頃の話。田舎の悪ガキだった俺は、大人から立ち寄ることを禁止されていたある場所に、秘密基地と称して学校帰りに遊びに行くのが日課だった。何故、禁止かと言うとそこは町内では知らない人はいないというくらい有名な自殺スポット。小さな山を少し登ると寂れた神社と境内に大きな木があって、その木で首吊り自殺が時々おきるような場所。俺らの親が子供の頃から有名らしいが、頻繁に自殺騒ぎがあるわけではない。忘れた頃に誰かが首を吊るというような数年に一回有るか無いか。ただ、俺の田舎は如何せん閉鎖的な小さな村だから、「〇〇とこの××さん、自殺神社で吊ったらしいで。」と直ぐに噂は広まり、そんなことが何回か繰り返された後、滅多に人が近寄らなくなり、理由は何となく誰も語らないま...日々の恐怖12月17日ガキの頃の話(1)
日々の恐怖12月14日コンビニの災難(3)しかし奇妙なことに、捨てられた時間帯にいたはずの店員や当日いたという客も含め、誰もゴミを持ってきた人間を目撃していないというのである。ゴミ箱に投棄する音などの気配すら無い。監視カメラには入店して捨てて帰るまでバッチリ映っているのに、その間は誰も気付いていないのだ。原因は何なのか心当たりはあるのか聞いてみると、彼は暫く考えた末に、「なくはないんですけどね。」と答えた。「ホラ、ウチの店の裏に神社あるじゃないですか。」壁に遮られて見えない神社の方角を指差す。「神社の駐車場に、あるゴミを投棄していくヤツが増えてるらしくてですね。」「ゴミ箱を店内に移動したから?それで神様に変なゴミを捨てられる呪いをかけられたって?いくらなんでも逆恨みじゃない?」そこはゴミを捨てた人間を呪う...日々の恐怖12月14日コンビニの災難(3)
日々の恐怖12月5日コンビニの災難(2)するとアッサリ犯人は判明した。近所にある幼稚園に勤める年配の男性事務員さんだったそうで、供述によると、”園で管理していた園児の短パンが不要になったため、コンビニに捨てただけ。”という迷惑きわまりない理由だったそうである。「そりゃあまた迷惑な話だなあ。しかし、幼稚園で短パンなんて管理してるものなのかね?」「警察もそこは疑問に思ったらしくてですね、いまも調査中なんだそうですよ。」なかなかに業の深そうな話だったが、語る店員の顔は優れない。どうしたのかと尋ねてみれば、話のオチはそこではないらしく、むしろそれが始まりだったのかもしれないと大きな溜め息を吐く。「なんかですね、その日を境にですね、ウチのゴミ箱に変なのが捨てられるようになってですね……。」ある時の深夜には血が染み込...日々の恐怖12月5日コンビニの災難(2)
日々の恐怖11月23日コンビニの災難(1)取引先のコンビニで店員さんから聞いた、数年前の話です。大抵の場合、今のコンビニはゴミ箱を店内に設置している。これは家庭で出た未分別のゴミを投棄されたり、収集車に回収してもらえなかったゴミ袋をゴミ箱の前に放置していったり、衛生上問題のあるゴミを入れられたり、充分に火を消していないタバコの吸い殻や熱を持った状態の灰皿の中身を捨てられて火事になるのを防ぐ為でもある。そのコンビニも最初はゴミ箱を店の外に置いていたそうだが、レジカウンター周辺の改装を期に店内へと移設した。やはり家庭ゴミの放置等が問題になっていたのと、立地的に店舗のすぐ裏の山に稲荷神社があるということで近所からも”神様が見渡す範囲にゴミが散乱しているのは良くない”と苦情が入っていたのだ。店内に移動したとはいえ...日々の恐怖11月23日コンビニの災難(1)
日々の恐怖11月16日国有鉄道宿舎(3)とりあえず何とかなってるからいいか、と思っていたのも束の間、ある日、夜8時過ぎに電話がかかって来た。障子の向こうから、とうに亡くなったはずの自身の祖母から語りかけがあった、という電話だった。今現在、襖が開かないので外に出られない。どうしよう、というものだった。内容が内容だけに、合鍵を持って今から宿舎に行くことになり、中学生の私も同行することになった。ただでは行けないので、知り合いのお寺でお札と御守りを貰って行くことにして、さっそくお寺に電話すると、「すぐ来なさい。」とのこと。お寺でお経をあげてもらい、お札と御守りを持って父のいる宿舎へと向かった。片道1時間半ほどで着き、玄関を開けた。確かに父のいる寝室だけ電気が点いていたが、すぐに宿舎中の明かりを点け、寝室の襖を開け...日々の恐怖11月16日国有鉄道宿舎(3)
日々の恐怖11月10日国有鉄道宿舎(2)日は山に沈もうとしている。私は、”一見してのどかでいい街だなぁ・・・。転校してこの街に来たら、どんな毎日だったかなぁ・・・。”と考えながら、玄関を出て通りまで歩いて自販機のジュースを買って戻ると、縁側に座った母が驚いて声をかけて来た。「今までお前がトイレから風呂場にかけて掃除をしていたのではないか?下から登って来たから驚いた。今の今まで音がしていた。」という。私は縁側から駆け上がってトイレから風呂場、台所、寝室と見て回ったが、何の姿も無かった。私がさっきトイレから出たら人の気配がしたと母に告げると、とりあえず戸締りをきちんとして暗くならないうちに帰ろうということになった。台所の窓を閉める時、北側の斜面の高いところに墓地が見えた。上の方に墓地があると母に言うと、斜面の...日々の恐怖11月10日国有鉄道宿舎(2)
日々の恐怖11月2日国有鉄道宿舎(1)かつての国有鉄道には宿舎があった。アパートみたいなところから一軒家のようなものまで様々で、家族が住んでいる、管理局のある街とは離れたところへ転勤命令が出た場合、単身で赴任先の街に行く事がしばしばあった。父も、とある街へ首席助役として赴くことになったが、機関区の近くの宿舎ではなく、300mほど離れた小さな山の中腹にある一軒屋、いわゆる高級宿舎に入ることになった。最も、山と言ってもその街の駅前にある繁華街の傍なのだが、山のふもとにある専用の駐車場に車を止め、斜面を歩いて20mも登るかどうかの距離でその宿舎の玄関まで行くことができた。昭和の終わり頃の当時でさえ、その宿舎がかなり古い建物であることが分かった。中学生だった私は、母と共に宿舎の鍵を開けて玄関から中に入り、荷物をク...日々の恐怖11月2日国有鉄道宿舎(1)
日々の恐怖5月11日コースターの顔あるとき、会社の飲み会である同僚の隣になったことがありました。飲み会は盛り上がり、かなり時間が経ち、寝始める人や帰る人もいる中、お酒が強い私と同僚はほとんど飲み比べのようになっていました。しばらくして、ふと同僚がグラスを載せる紙の丸いコースターに、人の顔を描いていることに気がつきました。”ずいぶん子どもっぽいことをするなァ・・・。”と思った私は、「それ何してるの?」と同僚に訊ねました。すると同僚は、「ああ・・・・。」と返事をして、「酔っていると思って聞いて。」と言いました。「はなから、そのつもりだよ。」と私が答えると、同僚はこんなことを話し始めました。「実はさ、俺むかしから、しょっちゅうのっぺらぼうを見るんだよ。」同僚の地元は温泉街で、家にあるお風呂に入るよりも近所の温泉...日々の恐怖5月11日コースターの顔
日々の恐怖5月2日再会(5)激しく混乱しているのは明らかだった。話をしている最中も奇妙な仕草を取った。奴はバシバシ自分の頭を叩きながら、ごくごくお茶を飲んだりした。突然額の上の部分を押さえて、「また声が聞こえてきた。」などとうめいた。俺に耳を当てて聞いてくれと言うのでその通りにしたが、何も聞こえなかった。だがその間、奴は聞き取れないほどの早口で、時代がかった言葉を唱えたりした。支離滅裂な話に数時間付き合わされたせいで、こちらもひどく消耗してしまった。「俺はお前のことを覚えていない。」奴にそう言われて、かなり安堵したのは確かだ。こちらの手におえる話ではない。係わり合いになるのも嫌だと感じ始めていた。「お前もすぐに俺のことを見失うさ。」一瞬奴の表情が変わった。はっきりと悪意を感じた。「こいつは俺のもんだ。」背...日々の恐怖5月2日再会(5)
日々の恐怖4月25日再会(4)その声は、ある時は歌いながら、またある時は怒鳴りながら、しつこく奴に語りかけた。奴はとうとう根負けして、その声に耳を貸した。「会話が成立したんだよ。ここが分裂病と違うところだ。」奴は声の主にその証拠を見せろと言ったらしい。「あの体育教師が事故って死んだだろ。」奴を目の敵にしていた教師が死んだと言うのだが、そんな事実は無かった。「A子から告ってきたよ。」学校でも美人で人気があった女の子が、奴に付き合ってくれと言ってきたそうだが、彼女は他の男とずっと付き合っていた。俺がその事を否定すると、奴は自信ありげに答えた。「新聞の切り抜きもあるし、A子からもらった手紙もあるんだ。」おまえの妄想だと言うと、奴は笑いながらぼろぼろになった学生証を見せた。「最初のうちはうまくいってた。受験勉強な...日々の恐怖4月25日再会(4)
日々の恐怖4月17日再会(3)俺は悲しくなって奴の肩に手をかけた。「俺××だよ。そっちこそ俺のこと忘れたのか?それより、どうしてここにいるんだ?向こうの大学に行ってたんじゃないのか?」奴は何も答えず、自分の頭を手でなでている。「立ち話もなんだ、どっかファミレスでも入るか?」「いや、人がいる所じゃ緊張してしゃべれない。誰もいない静かな場所がいい。」奴はそれだけ言うと、自分の自転車にまたがった。そして行く先も告げず、いきなり立ちこぎしながら走り出した。辿り着いた場所は、倉庫が立ち並ぶ埠頭だった。奴は自転車を降りると、自動販売機でお茶を買った。それから防波堤に腰掛け、ポケットから薬袋を取り出すと、幾つかの錠剤を飲んだ。その間、会話は無かった。俺が隣に座り、二、三話し掛けるが、目を閉じてうつむいている。成す術もな...日々の恐怖4月17日再会(3)
日々の恐怖4月11日再会(2)それから二年の月日がたったある日、俺はバイト先の古本屋で奴に再会した。うだつのあがらない退屈な日々を過ごしていた俺は、時々奴のことを思い出していたのだが、その再会は思いも寄らぬ事だった。奴は深夜閉店間際に現れた。一目でその異様さに気が付いたが、それが奴だと分からなかった。つるつる頭に銀縁めがね、白髪まじりの無精ひげ。がりがりに痩せこけていた。「すいません、もう閉店なんすけど。」俺は立ち読みに耽る奴に声をかけた。顔の肌はアトピーで荒れ、眉毛は無かった。それでもかすかに面影があった。「もしかして○○?」思わずそう訊ねると、奴はあらぬ方をきょろきょろ窺いながら、後ずさりするみたいに店を出て行った。ショックだった。あれが本当にあいつなら、完全に気がふれていると思ったからだ。その夜、複...日々の恐怖4月11日再会(2)
日々の恐怖4月6日再会(1)かなり前の話になる。ある日、俺は中高時代に友人だった男と二年ぶりに再会した。まず、そいつのことを紹介しないと話は始まらない。少し長くなるが、興味のある人は聞いてくれ。そいつと俺が通っていた高校は、まあ平凡な進学校というのか、市内で五番目くらいのレベル、というと想像できるだろうか。そんな高校の落ちこぼれグループに、俺とそいつはいた。中途半端なヤンキーですらない、今思うと恥ずかしいツッパリみたいなものか。くだらない事でいきがる、バカそのものだった。で、そいつは三年になってからがらっと人が変わった。何があったのか知らないが、受験勉強に専念し始めた。学校にいる間は、休み時間もずっと勉強していた。俺らとの付き合いを一切断ち、傍から見ると呆れるくらい一心不乱に勉強した。成績も夏休み前くらい...日々の恐怖4月6日再会(1)
日々の恐怖3月29日鍵ある男性とのおつき合いが始まった頃、彼がアメリカに2週間程出張するというので、当時、仕事もなかった私は、彼の三匹の猫の世話で、彼の家で2週間留守番することにしました。でも、彼の家では前の奥さんが亡くなっていて、(もっとも、亡くなって7年ほどになりますが)亡くなっているとはいえ、私が先妻の立場だったら、嫌なんじゃないかと思っていました。そして、アメリカに行く彼を見送った帰り、彼の家に戻ってほっと一息ついたとき、ふと飾ってある亡くなった奥さんの遺影に、「私がここにいてもいいのかしらん?」と尋ねました。次の日、買い物に行こうと玄関に置いてある鍵をみると、家の鍵だけがなくなっています。車の鍵と一緒にコイル状の金具できっちり付いていたはずなのに見つかりません。家中探しましたが、その日は結局見つ...日々の恐怖3月29日鍵
日々の恐怖3月20日石の家(3)会社に戻るといきなり社長に俺たちは怒られた。コウさんが激怒して会社辞めるって飛び出した。「お前たち何したんだ!」って怒られたけど、俺たちに分かるわけがない。だから社長に、「あの石のある蔵を壊そうとしたらコウさんは怒り出して、いきなり帰ったんでわかりません。」て言ったら、社長は俺たちを突き飛ばすようにダンプに積んだ石の所に行って、「早くこれを運ばんか!」って怒鳴り始めた。本当に訳がわからなかったけれど、社長の言う通りに応接間にその石を社員総出で運んだ。そして社長は、それを応接間のソファーの上に置かせた。それから暫くして、社長はその石にお茶を出したり話しかけたりするようになった。俺たちと社長の息子は気持ち悪いと思ってたけれど、何も言わなかった。1週間くらいしたら、社長が突然、「...日々の恐怖3月20日石の家(3)
日々の恐怖3月14日石の家(2)興味の出た俺は、その家に入って社長たちを探すことにした。門から入ると、母屋と荒れてはいるが広い庭。そしてその庭の片隅には蔵が三つ並んでた。ちょうどそこに社長の息子の姿があったから、俺は蔵の方に歩いて行った。社長と息子がいたのは、三つの蔵のうち真ん中の蔵。社長はその中にいたんだけど、その蔵の中が変わっていた。その真ん中の蔵だけ正方形で、その中央に土俵みたいに円の形で、白い石が埋め込まれてて、そのまた円の中央に、1m真っ角くらいの黒い石の板と、直径1mくらいの白い石の板が向かい合うように立っていて、社長はそれをずっと眺めていた。俺は、”モノリスみて~だなァ~、気色ワリィ~。”としか思わなかった。その日はその家を調査して帰ったが、数日後すぐにその家の解体を請けることが決まった。解...日々の恐怖3月14日石の家(2)
日々の恐怖3月7日石の家(1)昔、解体屋でバイトをしていた。家屋を解体してると、いろんな変わった家もあるし、中から変わったもんも出てくる。特に、山の方の古民家や古民家はアツい。押入れの中に骨がギュウギュウに入ってたり、漆喰っていうか塗り物の壁の中に、長い髪の毛が入ってたり、家の真ん中に入口のない部屋があって、そこに小さい鳥居が立ってたり。結局は、何でもかんでも壊してダンプに乗せて捨てちゃうんだけど。余りにも気味の悪いもんや縁起モンは酒と塩かけて、まあ結局は捨てる。そんな中でもある日、某渓谷のとある古くからの豪邸を壊す仕事を持ちかけられた。そして俺は社長と一緒に運転手として下見に行った。家の中の残置物とかの確認は、見積もりする社長とその息子が見るから、俺は車外でタバコ吸ってジャンプ読んでた。すると田舎に珍し...日々の恐怖3月7日石の家(1)
日々の恐怖2月26日建物を間違えちゃったのかな?不動産会社にいたときの話です。入居して1ヶ月もしない入居者から、『この部屋、以前何かありましたか?』とTEL。俺:「イイエ、特に何もありませんが。」数日後、また同じ入居者から『本当に何もありませんでしたか?』とTEL。一応、先輩社員から確認したが特に何もないので、俺:「調べましたが、特に何もありませんでした。」と返答。またまた数日後、入居者から、『一度きてください、絶対なにかあります。』俺:「では近くに行ったときか、時間ができたら伺います。」でも、どうせ池沼のクレーマーだと放置。またまた、数日後、『あんた来てくれるっていたじゃないか!』ってお怒りモード。少々お怒りなので詳しく話を聞くと、特に浴室、『暖かい風呂に入っていても寒気がする。』とのこと。まぁ、怒らせ...日々の恐怖2月26日建物を間違えちゃったのかな?
日々の恐怖2月22日佐藤さん親父から聞いた話です。親父が大学3~4年の間、男3人で小さくて古い一軒家を借りて住んでいた。といっても、家賃をちゃんと払ってるのは親父と鈴木さんだけ。もう一人の佐藤さんはあまりにも貧乏なので、居候させる代わりに家の掃除、ゴミ出しなどをやってもらうことにしていた。親父と鈴木さんは、佐藤さんの困窮ぶりを助けてやろうということだったようだ。間取りは3LDKで、LDK6畳・6畳・6畳に4畳半。佐藤さんが4畳半。この佐藤さんの4畳半に出た。親父も鈴木さんも何度も見たのが、恨めしそうに正座する白髪の老婆。出るタイミングも朝昼晩関係なし。多い時には一日に三回くらい見る。4畳半の襖が開いている時、何気なく目をやると、中に白髪の老婆が恐ろしい形相で正座している。来客の中にも見た人が5人ほどいたら...日々の恐怖2月22日佐藤さん
日々の恐怖2月11日町内会長23区内私鉄沿線住宅地での話。10年ぐらい前に爺さん地主が死んで、50代の息子夫婦が越してきた。越してきて1年ぐらい経ってから、奥さんの姿が見えなくなり、一人残された旦那の奇行が始まった。・一日中、隣近所に聞こえるような大音量でクラシック音楽(主にベートーベン)を鳴らし続ける。・庭に裸のマネキン人形を運んできて並べる。そして、金色に塗りたくってライトアップ。・昼間は冬でも海パン一丁でベランダに出て、不思議な体操を何時間も踊り続ける。・隣近所に対して罵声を浴びせまくり、洗濯物にホースで放水。うちの家からこの地主の家は良く見える位置にあったんだが、しょっちゅう隣近所からの通報でパトカーが来ていた。そんな日々が3~4年続いて、ある日、迷惑行為がプツリと止んで、息子の姿が見えなくなった...日々の恐怖2月11日町内会長
日々の恐怖2月1日服知人の祖母・Nさんが若い頃体験した話だ。Nさんにはお気に入りの服があった。生成り地に小花が少し刺繍された、可愛らしいデザインのワンピース。Nさんはその日も、お気に入りのワンピースを着て買い物に出かけた。そして帰宅後はすぐに着替え、ワンピースをハンガーに通して鴨居にかける。湿気を飛ばしてからしまう為だ。そうしている内に、外出の疲れからか、ついうたた寝をしてしまったのだそうだ。しばらくして目が覚めたNさんは、ぼんやりとあたりを見回した。すると、鴨居にかけたワンピースが、風もないのに揺れているではないか。不思議に思い目をこらすと、裾から見え隠れする物がある。生成りのワンピースより、もっと白い何か。それは音もなく降りて来た。人の爪先であった。凍りつくNさんをよそに、白い脚はゆっくりと降りて来て...日々の恐怖2月1日服
日々の恐怖1月25日足(2)同じ先輩がやはり小学4年生晩秋の頃に体験した話です。その日は風邪気味で学校を休んでおり、自宅の2階にある自室で布団にくるまっていた。ぼんやりとベッド横の窓から外を眺めていると、家の前にある道に、喪服のような黒い服と帽子をまとった髪の長い女性が、俯いて立っていることに気がついた。何故かその女性のことが気になり、彼女はベランダに出ていった。なぜそのようなことを考えたのか、後になって振り返ってみてもよくわからないという。すると彼女がベランダに出ると同時に、その女性がふっと顔をあげた。その顔は雪のように白かった。比喩ではなく本当に肌が真っ白だったのだ。そしてつぶやいた。そのつぶやきは離れているはずの彼女にもはっきり聞こえたという。「足が欲しい。」気がつくと彼女は部屋で倒れていた。時計を...日々の恐怖1月25日足(2)
日々の恐怖1月21日足(1)大学時代、一つ上の先輩(女性)から聞いた話です。小学4年生の夏頃、学校から帰るときいつもある脇道からでてくる中年の男性がいた。しかも常に彼女がその脇道を通りかかる時に出てきてぼんやりと立っていたという。幼心ながら不気味に思っていた先輩はそのことを母親に相談した所、しばらく車で送り迎えをすることになった。1ヶ月ほど車で送り迎えを行った後、もうそろそろいいだろうと言いことになり再び徒歩での登下校になった。そして実際、それからしばらくは何も無かった。しかし、その男は再び現れた。彼女がいつものように帰り道を歩き例の脇道にさしかかったときだった。ヌッと誰かが脇道から出てきた。あの中年の男だった。そしていつも黙って立っているだけだった男は、彼女の方をみてこう言った。「足が欲しい。」気がつく...日々の恐怖1月21日足(1)
日々の恐怖1月14日輸入雑貨(3)しかし、俺の主張に彼女は難色を示した。「あれが原因とは限らないじゃん。違ってたらもったいないもん。」どうしても捨てるのは嫌だと言う彼女と折衝を重ねた結果、とりあえず何日か俺が預かってみることで話が付いた。俺はネックレスを持ち帰り、彼女がしていたようにベッドの脇に置いて眠ってみたが、特に悪夢は見なかった。だが、彼女の方は効果覿面だった。ネックレスを手元に置かなくなってから、悪夢を見る事がなくなったのだ。明らかな変化に、今度は彼女の方から処分を頼んできた。彼女は俺が鈍感だから影響を受けないのだと茶化したが、「だからって普通に捨てたりしないで、ちゃんとした人にやってもらってね。」と俺の身を案じてくれた。俺は彼女の言葉に従い、神社で禰宜をやっている知人に処分をお願いした。そのネッ...日々の恐怖1月14日輸入雑貨(3)
日々の恐怖1月6日輸入雑貨(2)結果的に上手く騙されたような気がしないでもなかったが、彼女はああいう妙な小技を瞬時に繰り出せるほど器用なタイプではない。あの時の嫌な感じはただの気のせいだと自分に言い聞かせ、「今後、記念日は月一回だけな。それ以上は認めん!」と彼女を小突いた。夕食を摂ろうと入ったレストランで、注文の品が来るまでの暇つぶしに、彼女はさっきのネックレスを取り出し、さっそく首に掛けた。「どう?似合う?」と笑ってみせる彼女は実に嬉しげだったのだが、胸元にかかったそのネックレスをまじまじと見直してから、「あれ・・・・?」と首をかしげた。「なんか思ったより地味。こんなだったっけ?」そのネックレスはバッファローの角を楕円に削った黒と白の大きなビーズの間に、緑と黄色の小さなガラスビーズが交互に挟まれているだ...日々の恐怖1月6日輸入雑貨(2)
日々の恐怖12月31日輸入雑貨(1)今の彼女と付き合い始めたばかりの頃の話です。とある駅前で彼女と待ち合わせをしていたのだが、その日は時間より早く着いてしまった。近くに喫煙所があったのでそこで煙草を吸っていると、すぐ近くで黒人男性が露店の準備をし始めた。並べているのは、カラフルなビーズで作られたネックレスやブレスレット。どれも鮮やかな原色が多用されており、大ぶりなビーズが多く使われた派手なものばかりだ。退屈なので横目で品物を見ていると、その黒人が視線に気付いて声をかけてきた。「オニイサン、見テッテヨ。コレ、アフリカ本物ネ。ケニア、コンゴ、スーダン、イロンナ国ノヨ。安イ安イヨ。」いや俺そんなの付けないし、と断ろうとした時、運悪く彼女が来てしまった。「お待たせ~、あ、カワイイ!」俺の顔もろくに見ないうちから、...日々の恐怖12月31日輸入雑貨(1)
日々の恐怖12月24日病院の夜の巡回前勤めてた病院での話です。夜中に巡回してたら、二人部屋からうなり声がした。二人部屋の一人は入院したてで症状が重く、全然意識のないおじさんA。もう一人も時々弱くうなるだけで、1ヶ月ずっと夢の中にいる寝たきりのおじいちゃんB。”Bさんがうなったのかな?”と思い訪室すると、寝たきりのはずのBさんのベッドが空だった。”えっ?”と思って部屋を見回し、巡らせた目が真後ろの開いたドアをとらえた時、廊下の光を背にして立つガリガリのBさんがいた。点滴抜いて左半身血まみれだ。あごが外れるくらい口を開いて、目は前方斜め上を見ている。”えっ、えっ、なにこれ?”と混乱していたらBさん、「ぅうぅうううおおおーー!」と雄叫びとともに、両手を横に広げて倒れ込んできた。突然のことに私は悲鳴を上げてしりも...日々の恐怖12月24日病院の夜の巡回