僕は上手にしゃべれない/児童文学/感想・レビュー・あらすじなど

僕は上手にしゃべれない/児童文学/感想・レビュー・あらすじなど

たとえば『おはよう』が、僕は言えない。 朝、目が覚めて、部屋から出てキッチンにいるお母さんの後ろ姿を見たとき、言うべき朝の挨拶が頭に浮かぶけれど、僕はそれを言えない。 最初の『お』の音が出てこないんだ。無理に言えば「お、お、お、おはよう』という格好悪い、つっかえた言葉になる。 柏崎悠太は吃音があります。そのため色々なことをあきらめ逃げてきたのでした。 中学入学の初日、自己紹介で恥をかきたくなかった悠太は、仮病をつかってその場から逃げたのでした。 その日の帰りに、放送部の勧誘のチラシを受け取った悠太は、強く心を動かされました。そのチラシには、こう書いてあったのです。 『練習すれば、上手にはっきり…

2024/05/23 18:35