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2020年10月、当時の菅義偉首相は、日本学術会議の新会員候補六人の任命を拒否しました。その具体的理由を語らず、「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」とくり返しました。でも、総合的、俯瞰的観点で判断すれば、その任命拒否は誤りである、と私は思いました。そして、現在、日本の政府や自民党、主要メディアに一番欠けているのが、総合的、俯瞰的な視点で、世界情勢をとらえることだと思います。先日、朝日新聞に「ロシアの戦争観」と題する記事が掲載されました。ウクライナ戦争に関して、現代史家の大木毅氏とエストニア高裁防衛保障センター研究員の保坂三四郎氏に、話を聞いた記事でした(聞き手・中島鉄郎)。私は、その内容のみならず、見出しが、すでに総合的、俯瞰的視点を欠いていると思いました。「服従せぬ相手消し去る世界観」と「...善悪を逆さに見せるアメリカを、総合的、俯瞰的にとらえよ
ウクライナ戦争が始まって以降の日本では、ロシア側の主張や情報が遠ざけられて、ほとんど知ることができなくなっています。そして日本では、ロシア国民は、プーチン大統領の意向に沿うプロパガンダにさらされており、戦争に関する客観的な事実が知らされていないと受け止めている人が多いのではないかと思います。確かに、プーチン大統領が軍に関する「虚偽情報」を広めた者に禁錮刑を科す法案に署名したり、一部の海外メディアやSNSへのアクセスを遮断し、情報統制を強化したのは事実かも知れません。でも、それはロシア国民が、客観的事実に反するプロパガンダを信じ込まされ、逆に、西側諸国の国民が検閲のない報道によって、客観的事実を知らされているということではない、と私は思います。日々、ロシアを中心とする親露的な国からの情報を日本に流している人...アメリカが主導する西側諸国のプロパガンダ