茶話146 / 曼殊沙華
畑からの帰り道、堤防の土手に、赤い花が咲いていた。アライグマと格闘しているうちに、気づかずにいた。そういえば、お彼岸に咲くからヒガンバナなのに、今年は、お彼岸に咲いていなかったなあ……。ヒガンバナの開花温度は20~25度とされている。特に、最低気温が20度前後まで下がってくると、地中の球根から花茎が一気に伸びて花を咲かせる。だのに、10月になって咲くとは……。こんなの始めて!まだ暑いのだ。江戸時代初期、南蛮貿易で沸き立ってい長崎の貿易商の娘が、ポルトガル船の航海士であったイタリア男性と恋に落ちた。やがて、二人の間に姉・お万、妹・お春が生まれる。しかし、寛永16年(1639)に第五次鎖国令が発布され、今後、日本人との混血を禁止するため、長崎に在住していた紅毛人とその家族は日本を追放された。家族はバラバラにさ...茶話146/曼殊沙華
2024/10/03 12:33