ピアノ曲の時代背景や作曲家の人生を綴っています。 https://college.coeteco.jp/s/piano_jotatsu「練習中に抱く疑問や悩みをその場でサポートして解消すること」を目指しています。
ジャン・イベール《 物語 (Histoires) 》とその背後にある人生
ふと、何の前触れもなく浮かぶ情景があります。金の亀を使う女。小さな白いロバ。水晶の籠。ジャン・イベールの《物語(Histoires)》は、そんなイメージの断片を音に変えた、短くて美しい10曲の小品です。 “Histoires”はフランス語で「物語(stories)」や「小話(anecdotes)」を意味する言葉。つまりこの曲集は、「音の短編集」として捉えることができるのです。今回はその中でも、第4曲《おてんば娘》を通して、その魅力を紐解いていきます。 1. 作曲家イベールってどんな人? ジャン・イベール(Jacques Ibert, 1890–1962)は、ユーモアと色彩に
18世紀末から19世紀初頭かけて、ウィーンを中心に発展したウィンナーワルツ(Viennese Waltz)は、軽快で優雅なリズムと華やかな旋律が特徴の舞曲です。この伝統的なスタイルにインスピレーションを受け、アメリカの作曲家ウィリアム・ギロックは、彼自身の独自の解釈でピアノ曲「ウィンナーワルツ」を生み出しました。 この記事では、ギロックの「ウィンナーワルツ」を演奏する際のイメージを広げるために、彼がインスパイアされたと考えられるウィンナーワルツのエッセンスを紐解きながら、その代表的な作曲家や作品を取り上げていきます。 作曲家ギロックの人生と背景 ウィリアム・ギロック(Wil
世界の火祭りとヘミオラの魅力:平吉毅州「真夜中の火祭」リズムと情熱の音楽ストーリー
「真夜中の火祭」は、日本の作曲家である平吉毅州(ひらよし たけくに)が作曲したピアノ曲で、小学生から大人まで幅広い世代に親しまれています。この作品は、速いテンポと複雑なリズムが特徴で、力強さと情熱的な雰囲気を鮮やかに描き出しています。 この記事では、真夜中の火祭りで使われる特徴的なリズムや、「真夜中の火祭」を演奏する際のイメージを広げるために、世界各地の火祭りについてご紹介します。 平吉毅州の人生と音楽 平吉毅州(1936-1998 兵庫県生まれ)は、日本を代表する作曲家の一人です。特に子どものためのピアノ曲や合唱曲で広く知られています。東京藝術大学作曲科で学んだ彼は、現代
糸車が奏でる音楽の物語:エルメンライヒ「つむぎ歌」と、糸車にインスパイアされた名曲たち
アルベルト・エルメンライヒが作曲した「紡ぎ歌(Spinning Song)」は、軽快でリズミカルなメロディが特徴のピアノ曲です。初心者でも演奏しやすく、子どもから大人まで幅広い層に親しまれています。 作曲者のエルメンライヒは、俳優や詩人としても活躍した多才な人物として知られています。この記事では、エルメンライヒの「つむぎ歌」の魅力に加え、他の作曲家による「つむぎ歌」も紹介しながら、その魅力を多角的に掘り下げていきます! アルベルト・エルメンライヒとは? アルベルト・エルメンライヒ(1816年~1905年)は、ドイツのシュヴェリーンという町で生まれ、俳優や詩人、作曲家として幅
ジャン・シベリウスと「樅の木」:フィンランドの自然を描いたピアノ曲の魅力
ジャン・シベリウス(1865–1957)は、フィンランドを代表する作曲家で、その作品には北欧の大自然の風景やフィンランド人の精神が色濃く反映されています。また、フィンランドでは独立運動の象徴的存在としても知られています。 彼が作曲したピアノ曲の中でも特に有名な「樅の木」Op. 75-5は、北欧の自然を思わせる美しい旋律が特徴的です。この穏やかで親しみやすい作品は、演奏を通じて感受性や表現力を自然に育むことができる楽曲として親しまれています。本記事では、この作品の魅力とともに、シベリウスの人生についても詳しく探っていきます。 シベリウスの若年期と音楽の道 シベリウス(1865
C.P.E.バッハの《ソルフェジエット》:バロックから古典派への架け橋と後世へのインパクト
バッハと聞くとヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach、以下略してJ.S.バッハ)が思い浮かぶかもしれませんが、実は彼の次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(Carl Philipp Emanuel Bach、以下略してC.P.E.バッハ)も、当時は父を超えるほどの名声を持っていた作曲家でした。 彼は特に、即興演奏の技術とダイナミックな表現力で名を馳せており、バロック後期から古典派初期への移行期を代表する作曲家として親しまれています。今回は、そんなC.P.E.バッハが後の作曲家たちにどのような影響を与えたのか、そして彼の代表作の一つである《ソル
ブルグミュラーの世界:異国文化の魅力を感じる「アラベスク」が生まれた背景
ヨハン・フリードリッヒ・ブルグミュラー(1806–1874)は、ドイツ出身のピアニスト兼作曲家です。彼は子どもや初心者向けの練習曲集を多数残しており、中でも「25の練習曲」はシンプルでわかりやすい構成と音楽的な美しさを兼ね備えています。この曲集は、ピアノを始めたばかりの人でも楽しめる作品として今も多くの人に愛されています。 今日は、「25の練習曲」のアラベスクに焦点を当て、ブルグミュラーがこの練習曲集を作った背景や、「アラベスク」という曲名の由来について詳しくご紹介します!
バッハが後世に残した贈り物 『平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 プレリュード』 の魅力と秘密
バッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 プレリュード」は、シンプルな和音の進行が生み出す美しさで多くの人々を魅了してきました。この曲は音楽史における重要な位置を占め、初心者から上級者まで幅広いピアノ愛好家に親しまれています。また、後世の作曲家にも大きな影響を与え、現在でも広く愛され続けている名曲です。 また、この「平均律クラヴィーア曲集」は音楽教育における重要な教材として長く使用されており、特にプレリュード第1番は親しみやすい作品として広く知られています。今日は、バッハが後世に残した贈り物ともいえるこのプレリュードの魅力とその秘密について詳しく見ていきましょう。 後
ピアノの基礎を固める名曲! クレメンティ ソナチネ Op.36-1 を楽しもう!
クレメンティのソナチネ Op.36-1は、ピアノ初心者向けの代表的な曲として、ピアノ教室でよく取り上げられる名作です。 明るく軽快なメロディとシンプルな構成が特徴で、子どもたちが楽しみながら演奏の基礎を身につけるのにぴったりです。この曲を学ぶことで、リズム感や指使い、音楽的表現力が向上することも、大きな魅力と言えるでしょう。 作曲者 ムツィオ・クレメンティとは? ムツィオ・クレメンティ Muzio Clementi(1752年〜1832年)は、イタリア出身の作曲家、ピアニスト、教育者、楽譜出版者であり、ピアノ製造にも携わるなど多岐にわたり活躍しました。 特にピアノ教育への貢
ショパン晩年の名曲! マズルカ Op.67-2 故郷への想いが響くリズムと心に染みる美しいハーモニー
ショパンの「マズルカ Op.67-2」は、彼の晩年に完成された作品のひとつで、ポーランドの伝統舞曲「マズルカ」を基にした優雅で感動的な作品です。ショパンは50曲以上のマズルカを作曲しており、これらには彼の愛国心と深い個人的な感情が強く表れています。 音楽を学ぶ子どもたちにとっても、この曲はショパンの感情を感じ取りながら、ピアノの基礎技術を習得できる優れた教材です。技術的な進歩だけでなく、一生の財産となる音楽的基盤も築けるでしょう。 ショパン マズルカop.67-2 演奏のコツと練習方法 [全35分] ご購入後60日間いつでもLINEで質問可能 - ピアノ上達につながる学
ショパンの遺作ポロネーズ:変イ長調 KK IVa-2ってどんな曲?若き天才の足跡を感じよう!
こんにちは!今日は、ショパンの「ポロネーズ 遺作 変イ長調 KK IVa-2」についてご紹介します。 このポロネーズは、ショパンが10代の頃、まだポーランドにいた時に作曲したものですが、彼の生前には発表されず、後に"遺作"として出版されました。若き日のショパンが作った作品が、今も私たちに感動を与えてくれるなんて、とても感慨深いです。 「ショパンの曲は難しそう」と感じるかもしれませんが、このポロネーズは彼が後に作曲した多くのポロネーズと比べて演奏しやすく、初心者から中級者に向けた素晴らしい作品です。 この記事では、ショパンがこの曲を作った背景や作品に込められた意味、そしてピアノ学習
コルベルクの「6つのポロネーズ 第6番」で、 楽しみながらピアノスキルを伸ばそう
ピアノを本気で学んでいるお子様たちにとって、家での練習を効果的かつ楽しく進めるのは、保護者の皆さんにとって大きな課題かもしれません。 今回は、ポーランドの作曲家、オスカル・コルベルクの6つのポロネーズ第6番を使って、ピアノの技術を磨きながら、歴史や音楽の背景も一緒に学ぶ方法をご紹介します。 なぜこの曲が子どもの成長に役立つのか?どうやって楽しく練習に取り組めるのか?そのヒントをお伝えします。 コルベルク 6つのポロネーズ 第6番 演奏のコツと練習方法 [全48分] ご購入後60日間いつでもLINEで質問可能 - ピアノ上達につながる学びの部屋 本講座は、お子さま
「ブログリーダー」を活用して、piano_jotatsuさんをフォローしませんか?