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スマヒリヤ・モロッコ https://pyomn310.hatenablog.com/

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。 昔の記事は、カメルーン駐在、コスタリカ大学院生活などなど。

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2023/04/10

  • ジャズと暴風雨

    数週間前にタンジェに一泊し、UNESCOとハービーハンコック・インスティチュートが主催するジャズコンサートに行った。ハービー・ハンコックやマーカス・ミュラーやメロディ・ガルドーやリチャード・ボナなどの有名アーティストの音楽を堪能し、手が痛くなるまで拍手をし、喉が痛くなるまで歓声を上げ、その夜偶然出会った人達同士で盃を交わした。あの夜にタンジェで出逢った人々のことについて、数時間言葉を交わしただけなのに、その出来事についてうまく言葉にできないでいるのは何故なのだろうか。私は今日それを語りたいと思う。途切れ途切れの記憶になっていても。若干の脚色が避けられないとしても。 忘れてしまう前に、消えてしま…

  • 異国風皐月病

    書きたいことが浮かんでくる。描きたいことが浮かんでくる。 大抵、そういう時ってペンを持っていないから、何を書きたくて描きたかったのか忘れてしまう。これをやろう、あれをやろう。思った1秒後には違うことを考えている。 なるほど人生は忙しい。忙しい。何をするために忙しいんだっけ。回る、回る、目が回る。 猫の手も借りたいくらいに目が回っている。 けれど私は一体なんの上で回っているのだっけ。巡る、巡る、血も陽も生命も巡る。結局一番重要なことを思い出せないまま、1日が終わる。 あれ、これでよかったんだっけ。明日また考えればいいか。 言い聞かせて眠る。眠る。夢の中で回る。巡る。空を飛ぶ夢を見た気がして、目覚…

  • LA VIE EN BLUE

    アートの力は強い。 けれどその力はとても静かで目立たないのかもしれない。まるで地中のマグマのように深い闇の中で静かにその熱を発し続けている。じっくりその静かな蠢きに耳を澄ませないと、 その本来の力というものには気づくことはできない。 職業上、多くのアーティストと出逢う機会がある。 文化やアートにできるだけ常に触れていたい私にとって、そんな邂逅は願ってもみないこと。 出逢うたびに、言葉を交わすたびに、強烈なインスピレーションを受ける。今月は立て続けに魅力的で個性あふれる2人のアーティストについて、綴ってみたいと思う。*モロッコのタンジェで活動する画家、ファッションデザイナー、テーラーのナジュアさ…

  • 10年前の曖昧な記憶と好きな作家の話。

    今週のお題「名作」 大学生の頃、村上春樹の小説が好きで、大学の図書館に並んでいるものは全て読んだ。 そう思っていた。今、『スプートニクの恋人』を読んでいるが、全く読んだ憶えがない。 ミュウやすみれの人格は、一度読んだら忘れないはずだと思うから、やっぱり読まなかったのではなかろうか。まるで自分が全くの他人の記憶を埋め込まれているように感じる。 私の頭の中にはしっかりと、「私は村上春樹の長編小説は全部片っ端から読んだ。」と記憶されているのに。『1Q84』や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はしっかり憶えていた。 登場人物は確固としてその信念を変わらず貫いていたし、不思議な世界観に包まれ…

  • 夜の朝食

    モロッコに来て一年が過ぎた。と言っても、モロッコについて深く観察しているわけでも、歴史や宗教観について勉強しているわけでもないから、見たことや聞いたことをそのまま文章にするくらいしかできない。最近は長い間、ブログを公開せずにいたけれど、この時期になると感じることが多くて、ついつい筆を取りたくなってしまう。 それが、年に一回訪れるイスラームの大イベント、ラマダン月。久しぶりに、感じたことを書いてみる。*ラマダン月はイスラーム独自の暦(こよみ)で計算されるので、毎年日付が変わる。今年は3月12日から始まり、終わりは4月10日か11日になると言われている。 ラマダンの始まりと終わりは、国の「宗教省」…

  • 想像力の広げ心地

    今週のお題「最近読んでるもの」 『オールドテロリスト』村上龍朝晩によく雨が降る。時折冷たい風が吹く。 日は短くなり、退勤時間の空が深みのある蒼に染まる。 名前も知らない木に、薄ピンクの花が、ぽつぽつと咲いている。桜とは違う、異国の花だ。 紅葉はないが、確実に秋めいた空気になっている。***職場の隅の忘れられた一角に、書庫のような場所がある。 そこを見つけた時は、なんだか秘密基地を見つけた小学生のような気持ちになった。学生時代に読んだ小説や、古本屋とかでよく見かけるけど開いたことがないような分厚い本とか、90年台の地球の歩き方「モロッコ」や外交史とか中東情勢とか日本経済の本がずらりと埃をかぶって…

  • 土のついたサツマイモ

    今週のお題「芋」 「モロッコに来て不自由することってありますか?」と知り合いの日本人に尋ねてみたことがある。 10年近くモロッコの旦那さんと、3人のお子さんと暮らすお母さんだ。彼女は2秒ほど考えて、さらりと答えた。 「ラップが剥がれないことぐらいかなあ。」確かにその、薄いプラスチックのフィルムは、その筒からなかなか剥がれない。 少し爪が伸びているときにはなんとかそのくっついた頑固なフィルムの端を摘み出すことができるが、 つまみ出した部分とへばりついた部分で裂けてしまい、脳の隅で小さなイライラが募ってしまうのだ。「すごく、わかるなあ。」と思う。けれど、その答えは、さほど大した悩みもなく、 要する…

  • 「力なき正義」の話。

    特別お題「わたしがブログを書く理由」みんなちょっとの勇気を出してみたり、ちょっとの弱音を吐いてみたりしながら生きてる。 みんな違うから、みんないい。たくさんの情報に混乱する時代、いろんなものが受け止めきれない。私もそう。 でも、心が育ちにくいこの世界で、ちょっとでも自分の本質というか、芯の部分みたいなところを表現できる場所が欲しくて。それを、伝えたいから書く。読んでくれる人がいるから書く。 読んでくれて、ありがとう。無力を知ること私は無力だ。それは、何も知らないまま世界に出て、カメルーンという国の小さな街で「ボランティア」として暮らした時に、何度も、何度も感じた気持ち。 目の前に広がるのは、自…

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