山中瑶子監督「ナミビアの砂漠」ほか(あるいは、「好き」ということ)監督・脚本山中瑶子出演河合優実山中瑶子監督「ナミビアの砂漠」は、たいへんな評判らしい。カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞したことも、その「好評」を後押ししているようだ。河合優実が主演した「あんのこと」、あるいはグー・シャオガン監督、ジアン・チンチン主演「西湖畔に生きる」もそうだが、「好きになれる人物」が登場しない映画、あ、この役者が演じたこの瞬間をまねして演じてみたいと感じさせてくれるシーンがないと、私は、その作品が好きになれない。「好き」ということばは誰でもがつかうが、その定義はむずかしい。私は「好き」というのは、その瞬間に、自分自身が消えてしまうことだと定義している。たとえば「ぼくのお日さま」の主人公は、少女がアイススケートを...山中瑶子監督「ナミビアの砂漠」ほか(あるいは、「好き」ということ)