洞口英夫『一滴の水滴が小鳥になる』
一滴の水滴が小鳥になる洞口英夫思潮社洞口英夫『一滴の水滴が小鳥になる』(思潮社、202407月20日発行)洞口英夫『一滴の水が小鳥になる』はタイトルが魅力的だ。そのタイトルになっている作品。一滴の水滴が小鳥になる私の死んだあとにまるいとうめいな球が出現してその中に小さな私がはいっていてどこへともなくとんでいった一滴の水滴が小鳥になる一滴の水がどうして小鳥になるのか。なんの「説明」もないのが、とてもおもしろい。夢を見た、その夢をそのままことばにした感じ。論理で、見たものを補足しようとしていない。何も補うことができないのだ。補えば、そこから嘘がはじまる。そのままにしている。何もしない。これは、簡単なようで、なかなかむずかしい。この「そのままにしている」というのは、「コスモス」では、こう書かれている。コスモスが...洞口英夫『一滴の水滴が小鳥になる』
2024/07/30 21:22