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  • Estoy Loco por España(番外篇346)Obra, Javier Messia

    Obra,JavierMessiaCuandollegué,elsofáteníarastrosdeunapersonasentadaenélylaluzdeunalámparaestabaencendida,perolahabitaciónestabavacía.Enlapared,rodeadodeunosretratos,habíauncuadroazul.¿Lorecuerdas?¿Puedesdecirmequécuadrohabíaallí?Séquetecuestaencontrarlaspalabrasadecuadasparaexpresartudolor.Peroselopido.Porfavor,sólounaspalabras.Lasvocesseconviertenenpalab...EstoyLocoporEspaña(番外篇346)Obra,JavierMessia

  • 高柳誠『輾転反側する たちへの挽歌のために』(2)

    高柳誠『輾転反側するたちへの挽歌のために』(2)(ふらんす堂、2023年04月16日発行)高柳誠『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』は、もうひとつ「絶対に」書いておかないといけないことがある。これは「絶対に」だから、かならずだれかが書く。だから書かなくてもいいという「選択肢」もあるのだが、そして、私は実はそうしたかったのだが、書いておくことにする。詩集を読み始めるとすぐ「既視感」が襲ってくる。あ、どこかで読んだことがある。文学というものは新しいと同時に古いものだから、それがあるのは当たり前なのだが、そういう「既視感」ではない。「輾転反側する鱏たちへの挽歌のために」というタイトルの詩に繰り返されたあと、「まずは斬首された蛸が用意されるべきであろう」という詩があり、さらに「慟哭に沈潜する深海魚の群れに一錠の...高柳誠『輾転反側するたちへの挽歌のために』(2)

  • Estoy Loco por España(番外篇345)Obra, Jesus del Peso

    Obra,JesusdelPesoNegacióndellirismoAtenciónydisatención.Esto,unapardeparadoja.Oasimetría.Describirconprecisión(conlógicamente......,fueunavezescritoyborrado)unagrietaqueellosescondenesconvertirseenunametáforaabsoluta.Lametáforaimplicaunadireccióncondensada,peronotienesentidointerpretaraquéserefiere.Lagrietacomoestadurezasólonosdicequenohaymediodevueltaatr...EstoyLocoporEspaña(番外篇345)Obra,JesusdelPeso

  • Estoy Loco por España(番外篇345)Obra, Javier Messia

    Obra,JavierMessiaMedaimpresiónlaobradeJavier…..Lasoledadquereflejaelaguaesaúnmássolitariaquelasoledad.Porquenosdiceque,pormuyparecidosqueseamos,nuncadebemossuperponernos.Notoqueslasoledadreflejadaporelagua.Desdeelpuntoenquelatoca,leatrae.Alcaerunguijarrosolitarioalaguaylopodemosver.LaobradeJavierresistelatentacióndeloscírculosconcéntricosysedivideenvarios...EstoyLocoporEspaña(番外篇345)Obra,JavierMessia

  • 荒川洋司「工場の白い山」ほか

    荒川洋司「工場の白い山」ほか(「午前」23、2023年04月25日発行)中井久夫が、どこかで「訳詩というのは、元の詩を暗唱してしまえるくらい記憶するのではなく、少しうろ覚えのところがあるくらいの方が、うまくできる」というようなことを書いていた。詩の鑑賞も、それに似ていると思う。完全に理解してしまうと、そして暗唱できるくらいに覚えてしまうと、つまらないのではないか。記憶まちがい、なんだったかなあと思い出せない部分があるくらいの方がおもしろい。その中井の意見とは少し違うのだが、そして似ているかもしれないとも思うのだが、詩というのは、何かわからないところがある方がおもしろい。特に、初めて読む詩というのは、わからない方がおもしろい。荒川洋司「工場の白い山」を読んでみる。白い山肌はみそれにおさめられた落ち悔いたよう...荒川洋司「工場の白い山」ほか

  • Estoy Loco por España(番外篇344)Obra, Paco Casal

    Obra,PacoCasalGrabadoenplanchadehierrotratadaalácido.38x28mancha28x15,5Esaventanamerecuerda.Detrásdeesaventanahayunespejo.Unavezintentéreflejarmicuerpodesnudoeneseespejoempañadoporladucha.Enelespejo,loscontornosdemicuerpoeranturbios,comoungrabadoimperfecta.Enmisflancosseextendíanvagassombras.Nosehabíacaídoenladucha.Dondeaquldedosehabíamovido,comobuscandoa...EstoyLocoporEspaña(番外篇344)Obra,PacoCasal

  • 平田俊子の視点

    平田俊子の視点(読売新聞、2023年04月23日)2023年04月23日の読売新聞。「こどもの詩」というコーナーに、古井いつきの「私のおなか」という作品。おなかには三つお部屋がある一つ目はおくすりのへや二つ目はおやつのへや三つ目はごはんのへやもぐらさんのおうちみたいにさて、この詩に、いったいどんなことが言えるか。平田俊子は、こう書いている。大人になるとお酒の部屋もできたりします。この感想は、とてもいい。子どもを特別扱いしていない。子どもはおとながお酒を飲むことを知っている。子どもは飲んではいけない、ということも知っている。だから、ね、大人になるといいでしょ?なりたいでしょ、とそっと言っている。このちょっとふざけた励ましは、「一つ目はおくすりのへや」の奥にあることばをくみとっているのだろう。この子どもは、薬...平田俊子の視点

  • Antonio Baños「ME DUELE EL CORAZÓN 」

    AntonioBaños「MEDUELEELCORAZÓN」("Cuandoserompeelsilencio")スペインの詩人の詩は、ロマンチックである。AntonioBañosの詩を読んだ。MEDUELEELCORAZÓNMedueleelcorazóndenoverte.Meduelecuandodespiertodeminostalgia,cuandoescucholaalondracantandoenmissilencios,cuandolosatardeceresdemisdíasfinitossuenanenlalejaníasinsonidoaparente.Medueleelcorazóndenoverte.Meduele,cuandolavelademividaseconsumelen...AntonioBaños「MEDUELEELCORAZÓN」

  • 高柳誠『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』

    輾転反側する鱏たちへの挽歌のために(詩集)高柳誠ふらんす堂高柳誠『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』を開いて、私は、困惑する。行分け詩、いわゆるふつうの詩のスタイルなのだが、各行が長く、ほとんど同じである。同じ長さの行でそろえられた詩もある。標題になっている作品の冒頭。輾転反側する?たちへの挽歌のためにまずは斬首された蛸が用意されるべきであろう慟哭に沈潜する深海魚の群れに一錠の光がさして海溝はおのれの内なる深淵の詭計に耐ええずに狂い咲きのサンゴを沈黙の岸辺に投げつける析出し続ける半島の白亜紀になずむ堆積から喪われた時の骨格がしずかに浮き上がる両側にかしずく白鳥の翼をもつ双生児たちその影に怯える夥しい魚卵の鮮明な痕跡は瀝青の内部に隠された生命進化の遍歴譚に自らのありうべき肖像を加えようと企てる最初の方こそ...高柳誠『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』

  • Antonio Baños Roca「RECUERDAME QUE TE QUIERO」

    AntonioBañosRoca「RECUERDAMEQUETEQUIERO」AntonioBañosRoca「RECUERDAMEQUETEQUIERO」の詩を読んでいたら、不思議なことばにであった。Sinrumbo,navegandoaladerivaenunmardeincertidumbre,lleganlosdíasylasnochesdondemiscabellosblancossoportanelpasodeltiempo.Atrásquedanilusioneslogradas,momentoscompartidos,experienciasadolescentesvividas,promesasporcumplir.Recuerdo,cuandorecuerdo...Elclaroscu...AntonioBañosRoca「RECUERDAMEQUETEQUIERO」

  • Estoy Loco por España(番外篇343)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPabloEncuantoviestaseriededibujosdeJesus,mequedésinpalabras.Sóloqueríaescribiralgo.Pero,¿cómopodríahacerlo?Laprimerapalabraquemevinoalamentefue"inocencia".Perolapalabra"inocencia"yanoestápura.Haycosasquenosepuedenescribirporlapalabra"inicencia".Imaginoalgoasí.Undía,Jesusveasuhijopintando.Elhijoestáimitandoasupadre,Jesus.Peronohayperspectiva...EstoyLocoporEspaña(番外篇343)Obra,JesusCoytoPablo

  • 中島隆志『倉庫の明かり』

    中島隆志『倉庫の明かり』(紫陽社、2023年06月10日発行)中島隆志『倉庫の明かり』は、「弱い強さ」とでもいうような感じを持っている。あることばが強い主張を持っているわけではない。どちらかというと「弱さ」を持っている。ここに書かれていることばだけで生きていくのはむずかしいと感じさせる弱さである。しかし、それは、目を引いてしまう。言い直すと、目を引いてしまう強さを持っている。あ、ここに「弱さ」がある。そして、それは守らなければ消えてしまうという弱さなのだが、そういう感じを呼び起こす強さである。ながながと書いてもしようがない。たとえば詩集のタイトルになっている「倉庫の明かり」。そのなかほど。そんなつもりはなくてもうっかり曲げたり指紋をのこしたり小さな失敗もかさなれば暗くなる失敗を「かさねる」ではなく「かさな...中島隆志『倉庫の明かり』

  • Estoy Loco por España(番外篇342)Obra, Jose Manuel Belmonte Cortes

    Obra,JoseManuelBelmonteCortesSuperfileesmuysimilar.Casiunparecidoperfecto.Unopensó.Eselmismoperfilquevióporúltimavezaqueldía.Perolassimilitudestienensusdiferencias.Aqueldía,susojosmirabanlahabitaciónenelespejodelarmario.Ahorasusojosmiranlasarrugasdelassábanasreflejadasenlaventanaporlanoche.Miranalgodiferente.Ynomiraauno.Mirahaciaotrolado,conscientedequeun...EstoyLocoporEspaña(番外篇342)Obra,JoseManuelBelmonteCortes

  • 谷川俊太郎「かなしみ」ほか

    谷川俊太郎「かなしみ」ほか(朝日カルチャーセンター、2023年04月03日)受講生が持ち寄った著名人の詩を中心に読んだ。花明り東山魁夷花は紺青に暮れた東山を背景に、繚乱と咲き匂っている。この一株のしだれ桜に、京の春の豪華を聚め尽くしたかのように。山の頂が明らむと、月がわずかに覗き出る。丸い大きな月。静かに古代紫の空に浮かび上がり、花はいま月を見上げる。月も花を見る。これを巡り合わせというのだろうか。これをいのちというのだろうか。日本的、古典的、格調高い……東山魁夷自身の絵を、もう一度、ことばで再現したような作品だ。「古代紫」「繚乱」ということばのほかに「聚め尽くした」という少し変わった文字遣いのことばもある。一種の「気取り」かもしれないが、こういうことばのつかい方は、詩にとっては大切なことである。つまり、...谷川俊太郎「かなしみ」ほか

  • 野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」(2)

    野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」(「イリプスⅢ」03、2023年04月10日発行)野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」は、「言語暗喩論」をひと休みして、ある賞めぐるあれこれを書いている。これは、私のように、あまり接触のない人間には、すこぶるおもしろい文章であった。何がおもしろいといって、野沢は「言語暗喩論」の完成に向けでことばを動かしている人間だと思っていたら、ほかのことにも関心があったということがわかったことである。「言語暗喩論」を脇においておいても、まず、書いておきたいことがある。なるほど。しかしまあ、「人事」というのもの、おもしろいものだなあ。「人事」であるから、そこに書かれていることは、別の人から別の「出来事」に見えるかもしれない。「出来事」は、それに直面した人の数だけ存在する...野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」(2)

  • 野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」

    野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」(「イリプスⅢ」03、2023年04月10日発行)野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」は、「言語暗喩論」をひと休みして、ある賞めぐるあれこれを書いている。これは、私のように、あまり接触のない人間には、すこぶるおもしろい文章であった。何がおもしろいといって、野沢は「言語暗喩論」の完成に向けでことばを動かしている人間だと思っていたら、ほかのことにも関心があったということがわかったことである。「言語暗喩論」を脇においておいても、まず、書いておきたいことがある。なるほど。しかしまあ、「人事」というのもの、おもしろいものだなあ。「人事」であるから、そこに書かれていることは、別の人から別の「出来事」に見えるかもしれない。「出来事」は、それに直面した人の数だけ存在する...野沢啓「言語暗喩論のたたかい--時評的に3」

  • Estoy Loco por España(番外篇341)Obra, Jose Javier Velilla Aguilar

    Obra,JoseJavierVelillaAguilarLaspalabras,"Penséquepodríarecuperarte",todaviameesperaron.Quizaslaspalabrashabríanvenidoalamismahoracadadía,comolaluzdelsolponiente.Saberqueestacosainmutableyhabitualpermaneceahímeentristece.Sivengoaquí,puedovertucorazón.Tuspalabras."Penséquepodríarecuperarte".Alrecordarlos,ahoramedoycuentadequeteheperdidoparasiempre.Peroquéd...EstoyLocoporEspaña(番外篇341)Obra,JoseJavierVelillaAguilar

  • Estoy Loco por España(番外篇340)Obra, Lola Santos

    Obra,LolaSantosLaobradeLolatieneunaextrañainaccesibilidad.Quierotocarla,peromedudadequepuedatocarlaono.Antesuobra,meconvertíenunadolescente.Tenía15añosymeescondíaenlasaladeartedelaescuela.Porlanoche,cuandonohabíanadie.SalgosigilosamentedelassombrasydibujodeVenus.Paradibujarsulugarsecreto,lequitólateladelacintura.Elpañosedeslizacontantafacilidadquemesiento...EstoyLocoporEspaña(番外篇340)Obra,LolaSantos

  • Estoy Loco por España(番外篇339)Obra, Lu Gorrizt

    Obra,LuGorriztEsedía,laprimaverasedividióenpájaros,floresyagua.Lospájarossedividieronademásenlamelodíadecorcheasyelviento.Lasfloressedividieronaúnmásensuolorysupelobrillandoalaluz.Elaguasedividióaúnmásenlamañana,eldíaylanoche.Enlasjoyas,elsolylasestrellas.Cuantomásalargabalamanoelniñoymásperseguía,laprimaverasedividiómás,más,más.Seextendíaportodaspartes.E...EstoyLocoporEspaña(番外篇339)Obra,LuGorrizt

  • Estoy Loco por España(番外篇338)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensEnunlibro,estabaescritoenpasadocomoimpecablementebelloeimpecable.Enotro,subellezasedescribiócomoeltañidodeunacampanadebronce.Conmovidoporlatristezadeaquelsonidotransparente,elpoetainterrumpiósupoemasobreladecepción.Hevistolaobraquefueelpuntodepartidadeesegrupodepalabras.Fuera,laquietuddellirioblancoqueempiezaaabrirse.Dentro,lasangreblan...EstoyLocoporEspaña(番外篇338)Obra,JoaquínLlorens

  • 中井久夫『中井久夫集6』(2)

    中井久夫『中井久夫集6』(2)(みすず書房、2018年04月10日発行)中井久夫「訳詩の生理学」は、翻訳するときのことを書いているのだが、「詩を読むときの生理学」として読むことができる。二つの言語、特に二つの詩--原詩とその訳詩--の言葉は、言語の深部構造において出会う(54ページ)わたしは、この文章で、思わず、息をのんだ。このことばは、こう読み直すことができる。だれかの詩を読む。そのとき、二つの言語、つまり詩を書いた人のことばと、詩を読んでいる人のことばが、言語の深部構造において出会う。たしかに私は中井の訳詩を読んだとき、中井のことばと私のことばが出会ったのだと感じた。ほかの人の詩を読み、それに感動するときも、だれかのことばと私のことばが出会っているのだと感じる。「出会う」ということは、その「出会い」に...中井久夫『中井久夫集6』(2)

  • 中井久夫『中井久夫集6』

    中井久夫『中井久夫集6』(みすず書房、2018年04月10日発行)中井久夫は「注」を膨大に書く。『中井久夫集6』の巻頭「一九九六一月神戸」の本文は1ページから8ページ(実質7ページか)までなのに対し、その注は8ページから32ページまでつづいている。3倍以上の注である。注の文字が小さいことを考えると4倍の分量の注になる。私は目が悪いこともあって、注はめったに読まない。必要なことは本文に書いてある、と考えているからである。注とは、いったい何なのか。なぜ、中井は注をつけるのか。そう思って、今回は読んでみた。12ページにこんな一行がある。他方、レジャーに行く人に代わって宿直を頼まれた人もいたわけである。私が注目したのは「他方」ということばである。「代わる」ということばである。中井が書いているのは、阪神大震災が起き...中井久夫『中井久夫集6』

  • ダーレン・アロノフスキー監督「ザ・ホエール」(★★)

    ダーレン・アロノフスキー監督「ザ・ホエール」(★★)(キノシネマ天神、スクリーン2)監督ダーレン・アロノフスキー出演ブレンダン・フレイザー舞台劇が原作。だから「室内」限定という設定は、それはそれでいいのだが、あまりにも「ことば」の説明が多すぎる。ふつうの映画なら映像で見せる部分をことばで見せてしまう。で、そのとき問題なのは。「舞台」は、「ことば」を聞く場所なので、ことばがどれだけ多くてもかまわないし、肉体で表現できないことを「ことば」で表現してもまったくかまわないのだが。映画はねえ。主演の男優のメーキャップが話題になっているが(アカデミー賞も撮ったが)、どうしても観客の意識は「映像」に向かう。映像に集中してしまうから、「ことば」への集中力が落ちる。特に、主人公が200キロを超すまでに太ってしまって、歩行器...ダーレン・アロノフスキー監督「ザ・ホエール」(★★)

  • 中井久夫「これは何という手か」

    中井久夫「これは何という手か」(『中井久夫集5』、みすず書房、2018年01月10日発行)中井久夫「これは何という手か」は、福岡在住の彫刻家、鎌田恵務の彫刻に寄せた作品と、『中井久夫集5』の「解説5」で最相葉月が説明している。中比恵公園に、その彫刻があるという。中井の訳詩が、たとえばカヴァフィスの声を聞き取ったことばなら、この詩は鎌田の彫刻の声を聞き取った声ということになるのか。これは何という手か。原初の岩盤から切り出されたこごしい岩の一片。単純、動かず、ただ存在する手である。ほとんど足かと迷う手。大地から湧いた幼い巨人の手。まだ何も知らず、何にも汚れず、何をも汚さない、働きはじめていない手。糸をつぐむことも、木を削ることも、漬物を漬けることも、上顎についた漬物を取ることも、闇をさぐることも、飼い犬をかい...中井久夫「これは何という手か」

  • Estoy Loco por España(番外篇337)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensLaspalabras"Mevoy,paravolverotravez"hanvuelto.Enunrincóndeaquellahabitación.Aqueldía.Losdosempezamosabailardespuésdeasegurarnosdequenohabíanadie.Elsolponienteentrabaporlaventana.Losdosnostiñemosdelmismocolor.Losdemáscoloresdesaparecieron.Todosevolviótransparente.Sóloquedóuncolor.Nopuedoolvidarlo.Elcolordeaquellapuestadesol.Yderepente,aq...EstoyLocoporEspaña(番外篇337)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇336)Obra, Sergio Estevez

    Obra,SergioEstevez"Naufragioescrito"Todohabrádesaparecido,dejolapalabra.¿Esverdad?Paraaveriguarlo,laotraplabrafueaeselugar.Aquelmar.Estaballoviendo,comoaqueldía.Pormuchalluviaquecaigasobreelmar,elmarselatraga.Todohabrádesaparecido.Laspalabrasdeaqueldíavolvieronaahora.Tododeberíahaberdesaparecido,peroaúnpermanece.Loscolorespermanecen.Elfaro,eldique,elbarco...EstoyLocoporEspaña(番外篇336)Obra,SergioEstevez

  • Estoy Loco por España(番外篇335)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPablol"Elprotocolo"grabado,alláporlos9070x50cm.Lamujerselimpiaconlosdedoslaventanadecristalempañadaporlalluvia.Seveelexterior,quenosepodíaver.Pero,almismotiempo,tambiénsevedesdefuera.Losojosdeestaobra,¿Sonlosojosquehanvistoalgo,oquehansidovistoporalguien?Sedandocuentadequeestáespiandolamujer,elhombresemarcha.Elhombreveclaramenteensumentelos...EstoyLocoporEspaña(番外篇335)Obra,JesusCoytoPablo

  • 最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』(2)

    不死身のつもりの流れ星最果タヒPARCO出版最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』(2)(PARCO出版、2023年02月01日発行)一回目の感想を書いてから時間が経つので、何を書いたか忘れてしまった。同じことを書くかもしれないし、まったく逆のことを書くかもしれない。どちらにしても、それはそのときの私の感想であることに違いない。「高速の詩」は、もっと高速な言葉がほしいな愛している、なんて遅すぎるという刺戟的なことばではじまる。抱きしめるな、口づけするな、頬を寄せるな、恋をするな、ぼくの名を呼ぶな、この否定の命令形もいいなあ。しかし、その詩の最後。彗星でもぼくはきみに命名する権利があるだからきみを、恋人と呼ぼう私は、ここでつまずいた。ことばが「高速」ではなくなっている。ブレーキがかかっている。あるいは、止まって...最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』(2)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(11)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(11)「足音」はネロが、母殺しの「復讐」をされる前の一瞬を描いている。ネロは眠っている。そこに足音が近づいてくる。でも、何の足音?それが、突然、わかる。いよいよ復讐の神の足音なのを。とても「座り」の悪い一行である。直前の行は「小さな神には分かった、あの音が何かを。」で、この「何かを」を受けて「足音なのを」というのだけれど、その意味がわかっても、まだ何か「座りが悪い」感じがする。そして、これが大事なのだが。この「座りの悪さ」が詩である。「座りのいい」論理的な一行にできない。論理的にしてしまうと、「理解」が完全になりすぎる。わかる、けれど、うまくことばにできない。この、もどかしさというか、逆だな。「論理」(理解)を超えて、「事実」があらわれてしまう。「事実」の前では「論理(...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(11)

  • 杉惠美子「カラス」ほか

    杉惠美子「カラス」ほか(朝日カルチャーセンター、2023年03月20日)カラス杉惠美子誰もいないこの場所に不思議な視線がある遥かを見つめ足もとを見つめ狙いを定めて一気に襲う不思議な視線夕日に映えるその光線こそが生命をつなぐ刃となるそこに生まれた渦は大きくそして小さく息づいて次の瞬間を待つ人の隙間を狙う一瞬のベクトルいのちの煌めき人が抵抗できない黒い野心自然と生命「緊張感がある」と講評だった。「黒い野心」がわからないという声もあったが、単純にカラスの黒と思えばいいのだはないか。ただし、カラスに終わらせずに、その先へ発展させていくのも楽しい。この詩には「視線=光線」ということばの連絡があり、それがさらに「煌き」ということはにかわっていく。「刃」ということばを考えると、その「視線=光線」は「刃の煌き(光の反射)...杉惠美子「カラス」ほか

  • 暁方ミセイ『青草と光線』

    青草と光線暁方ミセイ七月堂暁方ミセイ『青草と光線』(七月堂、2023年03月25日発行)詩集に限らないが、何かを読んでいて、不意に立ち止まることばがある。何度も読み直してしまう。暁方ミセイ『青草と光線』の「早春賦」のなかほど、74ページ。シャツの間からさわやかな針葉樹林の香りがする熱され燃え落ちる雪の針の香りがするもし呼んでいいのなら黒く水を吸った小枝を土の上に結びこだまにこの声を一度は渡し風のひとむれのひとつになって透明にまた冷たく雫のように灰色の曇り空のしたを歩くあなたの肩に降りかかる半分は蒸発し半分は滴り落ちるそういうことを思いながらまるで何も話さない私は「もし呼んでもいいのなら」という行にぶつかり、はっとした。暁方の詩は、いたるとこにろ「もし呼んでもいいのなら」が隠れているのだろう。「呼ぶ」という...暁方ミセイ『青草と光線』

  • Estoy Loco por España(番外篇334)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPablolPOSTALESdelaserie"losperfumesdeltiempo"AlcontemplarlaobradeJesus,mevinieronalamentelaspalabras"mardememoria".Entoncesescribíunpoema.*Enlasorillasdelamemoria,desdeelmardelamemoria,habíallegadoalaplayaunapostaldememoria.¿Dondeenelanchomarsehabíanencontradolasmemorias?Unaseriedepaisajesciudadessehabíansuperpuestoyvueltoadesgarrar.Elarcod...EstoyLocoporEspaña(番外篇334)Obra,JesusCoytoPablo

  • Estoy Loco por España(番外篇333)Obra, Paco Casal

    Obra,PacoCasalAtlántico.Acrílico100x100Sumergiéndoseenelmar,LuGorriztveelprofundofondomarino.PeroPacoCasal,adiferenciadeLu,vuelvelamiradahorizontalmenteybuscalaorillaopuesta,quenopuedealcanzar.ParaPacoelmaresungruesomuro.EnelcuadrodePaco,laenormeparedgruesaseelevacomounaseccióntransversal.Lu,quesesumergeverticalmente,puedeflotarverticalmentehaciaarriba,yl...EstoyLocoporEspaña(番外篇333)Obra,PacoCasal

  • Estoy Loco por España(番外篇332)Obra, Lu Gorrizt

    Obra,LuGorriztEstecuadrodeLueligeellugardondeseexpone.Tambiéneligeotrointerior.Delantedelcuadrohayunsofáazul.Yelazulesmuyparecidoalazuldelcuadro.Inclusolacubiertadellibrodelamesaesazul.Además,elmotivogeométricodelsuelotambiénesazul.Elamarillodelamesaesunfuerteacento.Nosóloelcuadro,sinotambiénlahabitaciónesuna"obradearte".Meimaginounapartedelahabitaciónque...EstoyLocoporEspaña(番外篇332)Obra,LuGorrizt

  • 読売新聞を読む(2023年03月23日)

    2023年03月23日の読売新聞(西部版・14版)。読売新聞の記者ではないが、山内昌之・富士通FSC特別顧問が「ウクライナ戦争」に関する「作文」を書いている。読売新聞は、どうしても「台湾有事(中国の台湾侵攻)」を望んでいるらしい。「台湾有事」がないかぎり、日本経済は立て直せない、と思っているらしい。「台湾有事待望論」としか、いいようがない。山内の「作文」は、そういう意向を汲んでの「作文」である。「ウクライナ戦争」というタイトルなのに、最後は「台湾有事」で終わっているのが、その「証拠」といえるだろう。だいたい「ロシアの侵攻」ではなく「ウクライ戦争」というところが、すでに今回の「戦争」が、アメリカがウクライナにけしかけて引き起こした戦争であることを暗示しているのだが(こういうところに読売新聞の「正直」が出てい...読売新聞を読む(2023年03月23日)

  • 中井久夫集4

    中井久夫集4(みすず書房、2017年09月25日発行)中井久夫集4の「統合失調症の陥穽」に次の文章がある。いずれにせよ、血液の選択的供給低下という事態は何らかの中枢神経内の血液分布を制御している機能があることを仮定している。(70ページ)わたしは、はっとして、思わず傍線を引いた。「いずれにせよ」。これが中井の思想を雄弁に語っていると思った。世界の見え方は「複数」ある。「事実」はひとつかもしれないが「真実」は複数である。複数の人間が生きているのだから、それは「複数」になるしかない。中井は、このことを前提として「いずれにせよ」というのである。つまり、「複数」から、そのひとつを選んで生きる。そのとき、その「ひとつ」を選ばせるものは何か。中井の場合、それは何か。だからこの陥穽は相当部分が心理的なものであり、決して...中井久夫集4

  • Estoy Loco por España(番外篇331)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensMedicuentadequenuncalohabíavisto.Esedía,porprimeravez,lovi.Eratransparenteytemblaba.Eratantransparentequesesuponíaqueerainvisible,asíqueesoeratodoloquepodíaver.Enaquelesquina.Enaquieldía.Aúnnosabíacómosellamaba.Cuandoseestremecióunpoco,laslucesdelapuertadelalibreríaseapagaron.Elolordelasfloresdemulmelloseextendió.Laspalabrasdelperiódico...EstoyLocoporEspaña(番外篇331)Obra,JoaquínLlorens

  • 村上春樹「イエスタデイ」

    村上春樹「イエスタデイ」(『女のいない男たち』文春文庫、2022年04月05日、第15刷)私は何度か書いたことがあるが、村上春樹の小説が嫌いだ。ただ、日本語を外国人に教えるには最適のテキストである。同じことを何度も繰り返して説明するからである。(描写ではない。)「わからなくてもつづけて読んで。同じことが別のことばで書いてあるから」と、生徒のとなりにいて、そう言うだけで日本語を教えられる。それ以上、言うことはないと思っていたのだが。いま日本語を教えるテキストにつかっている文庫本に「イエスタデイ」という作品がある。それを読んでいて、121ページまで来た。主人公が、かつてデートした女性と再会し、彼女とのデートのことを話す。話題は、彼女が見た「氷でできた月の夢」である。「その夢のこと、まだ覚えていたのね?」「なぜ...村上春樹「イエスタデイ」

  • Estoy Loco por España(番外篇330)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPablo"ElvendedordeEvangelios"fragmento,Mixta2023"ElvendedordeEvangelios"deJesus.Loscoloressonmuyextraños.Hayvarioscolores,peronosemezclan.Desdeelmomentodelcontacto,cadaunointentacondensarsehaciasupropiocentro.Comounagotadeaguaqueseredondeadebidoalatensiónsuperficial.Hayalgunoscoloresmezclados,peroacabanseparándoseyconvirtiéndoseencoloresind...EstoyLocoporEspaña(番外篇330)Obra,JesusCoytoPablo

  • 君野隆久「冬の地図」ほか

    君野隆久「冬の地図」ほか(「左庭」52、2023年03月15日発行)君野隆久「冬の地図」は、定型詩が乱れたような詩である。ゆきのはだらのなげきはあれどうすらひをふみふゆのひを法外なひかりのつよさのもとにひとどもの恐るおそる歩むさまはさながら地にひそむいかづちを避けるが如く蛇行し、跛行しことばの形を統一しようとする思いと、乱れても書くしかない思いが交錯しているのか。ここにあるのは邪心か、正直か。よくわからない。そういう風に乱れるのがこころかもしれないと思うが、君野がそれを意識しているか無意識なのか、それもよくわからない。そして、そのよくわからないことが、私にはとても気になる。何よりも「はだら」「うすらひ」という柔らかな音と、「法外」「蛇行」「跛行」の硬い音の交錯が気になる。視覚も、聴覚も、何か、統一されるこ...君野隆久「冬の地図」ほか

  • Estoy Loco por España(番外篇329)Obra, Belen Diaz

    Obra,BelenDiazEl3esextrañoymisterioso.El0noesnada;el1estáaislado,perotienefuerza.El2esunaestabilidadqueseenfrentaycoopera.El3estimulaal2ycambiaesaestabilidad.Ahíempiezaelinfinitodesdeel3.LaobradeBelenescósmicaporquelostresanillostriangularessemuevenlibremente.Comoesunaescultura,lostresanillosestánfijos.Sinembargo,parecenmoverse.Heescritoquesemuevenlibreme...EstoyLocoporEspaña(番外篇329)Obra,BelenDiaz

  • Estoy Loco por España(番外篇328)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPabloEnlosdoscuadrosdetrásdeJesúshaylasfotos.Probablementeseanlasdesuspadres.Delantedeestoscuadros,Jesúspareceunniñoqueacabadepintarporprimeravez.Parececomosidijera:"Mira,mira,hepintadouncuadro".Alpintar,Jesúsestávolviendoasuinfancia.Lospadresenelcuadrodicen:"Aesteniñoleencantapintar.Hanacidoparaserpintor".Escomosicontemplaranasombradosques...EstoyLocoporEspaña(番外篇328)Obra,JesusCoytoPablo

  • ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」

    ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」(「ココア共和国」2023年2月号)ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」は、こうはじまる。地球上の人類全員に、つけられるようになった順位。政府から届いた封筒には、『あなたが最下位になりました』。その夜、神様がなくしてしまった、地球を作るレシピを拾う。そこには『ビックバン大さじ1+アダムとイブ』と書いてあって、私は自分の脳内で、大さじ1のビックバンを起こして、そこに小さな地球を作った。空想の世界である。空想の世界だから何が起きてもいい。だいたい空想にストーリーは必要がない。そういう点では、詩、そのものである。だれも過去に何が起きたか気にしない。これから起きることだけを期待して読む。ストーリーに整合性はなくてもいい。整合性がない方がおもし...ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」

  • ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督「コンペティション」(★★★★)

    ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督「コンペティション」(★★★★)(キノシネマ天神、スクリーン1)監督ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン出演ペネロペ・クルス、アントニオ・バンデラス、オスカル・マルティネスこの映画が成功しているいちばんの理由は、リハーサルを超豪華な建物のなかでやっていることだ。映画の撮影ならともかく、リハーサルに、そんな場所をつかう必要がない。でも、これは映画をつくる、リハーサルをするという「映画」なのだから、豪華な舞台の方が見栄えがするし、いかにも「映画」という気持ち(現実ではないという気持ち)になる。というようなことを書いていると、これが映画なのか映画ではないのか、よくわからなくなる。これが、ミソだね。何もかもが嘘なのに、そこに「ほんとう」がある。人間の、かぎりないエゴ...ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督「コンペティション」(★★★★)

  • 中本道代「小さきもの」

    中本道代「小さきもの」(「交野が腹」94、2023年04月01日発行)中本道代「小さきもの」の書き出し。窓の方へ少しだけ開いた窓の方へ立たない手足でもがきながらにじり寄っていく「窓の方へ」を「少しだけ開いた窓の方へ」と言い直したとき、この詩は、ひとつの方向性を持つ。「大きく開いた」ではなく「小さく開いた」は、世界を限定する。そのあとに「立たない手足」「もがく」「にじり寄る」がつづくのは必然である。この必然を、どう裏切るか。草木の息で満ちた大気複雑な土の匂い「満ちる」という動詞と、「大気」のなかにある「大」という文字。これは、一種の補色のようなものである。「少し」からはじまる「弱いもの」の対極にある。しかし、それは「弱さ」を強調されるための、一瞬の、反対概念である。「複雑」と、中本自身が、解説してしまう。こ...中本道代「小さきもの」

  • 中井久夫集3

    中井久夫集3(みすず書房、2017年7月10日発行)を読み返していた。私は「解説」というものを、めったに読まない。人の書いた「解説」は、あくまでそのひとの考えであって、著作者(中井久夫)とは関係がないと思っているからである。この本でも、いままで「解説」を読んだことがなかった。最相葉月が書いている。そのめったに読まない「解説」をなぜ読む気になったのかわからないが、読んで、びっくり。私の名前が出てくるのだ。私は、なぜ中井久夫が、私の感想を組み込んだ『リッツォス詩選集』をつくろうと誘ってくれたのか、さっぱりわからなかった。中井の訳だけの方が売れるだろう。しかし、最相の「解説」を読むと、そうだったのか、と気づかされた。これ以上を書くのは恥ずかしいので、名前が出てくるページだけ、コピーしてアップしておく。ちょっと自...中井久夫集3

  • Estoy Loco por España(番外篇328)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensDóndeycómoseveunaobra,esotendráungranimpactoenlaobra.MientrasmirabalasfotosdelaexposiciónqueJoaquínhabíasubidoenFacebook,escribíunpoema.Esoseguíaexistirenlaesquinadelacalle.Esoapareceráahí,sí,aparecerá.Esoesloquepensé.Ymipensamientoseconvirtióenunpoema.Escribísobreelolordelasfloresdemarmeloparanoolvidarlo.Eraparecidoalolordelasmanos.Yah...EstoyLocoporEspaña(番外篇328)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇327)Obra, Lola Santos

    Obra,LolaSantosCuandomirolaobradeLola,sientounapunzadaligera.Esunasensacióncontradictoriadehabervistoalgoquenodeberíahabervisto,ydequerervermásporquenodeberíahaberlovisto.¿Porquénodeberíahaberlovisto?Porquelamujerestá"indefensa".Ellanocreequenadielaestémirando.Ellanotienetensión.Laimpresióndesuclavícula,ladesusdedosy,sobretodo,ladesuspechossueltos.Lamujer...EstoyLocoporEspaña(番外篇327)Obra,LolaSantos

  • Estoy Loco por España(番外篇326)Obra, Sergio Estevez

    Obra,SergioEstevezAlverlaobradeSergio,divaguéatravésdeunaextrañaperspectiva.Ensusprofundidadesfuiconducido.Cadacoloresrobusto.Larobusteznoestantounarobustezquenuncaseestropeará,sinounarobustezqueharesistidolapruebadeltiempo.Sehadescartadolosuperfluo.Sóloquedalonecesario.Esuncolorquenuncavolveráacambiar.No,todosloscoloressedesvanecen,pocoapoco,conelmovimie...EstoyLocoporEspaña(番外篇326)Obra,SergioEstevez

  • まだ残っていた

    街角にまだ残っていた。そこにあらわれる、きっとあらわれる。そう思っていた。そして、それは詩になった。忘れないように、ライラックの花の匂いのことを書いた。手の匂いに似ていた。そのとき書いたことば、手の匂いに似ていた以外は、もう忘れてしまったが、書いた記憶、なによりも、そこにあらわれる、きっとあらわれると思っていた記憶が、まだ街角に残っていた。小さな本屋は消え、熱いコーヒーを飲んだ店もなくなっていたが、あのときの、ライラックの匂いが残っていた。もう何年も前のことなのに。あの日と同じように、風に揺すられて、広がったり集まったりする匂いが残っていた。そんな詩を、きっといつか書くに違いないと予感した、そんな悲しみ、悲しみのままでが残っていた。それが、いま、あらわれた。まだ残っていた

  • Estoy Loco por España(番外篇325)Obra, Fidel Vidal Pérez

    Obra,FidelVidalPérezLaobradeFidelsiempreestállenadeluz.Esunaluztransparente.Yesunaluztranquila.CuandoFideldibujaunasombra,puedeverclaramentesuquietud.Unaiglesiaenlaluz.¿Laluzesdemañana,demediodíaodelatardecer?Pinsoqueluzdemediodía.Unafuerteluzquecaedirectamentedesdearribaborratodaslasformasycolores.Sólo,momentáneamente,unasombrasobrevivió.Enesemomento,oíe...EstoyLocoporEspaña(番外篇325)Obra,FidelVidalPérez

  • Estoy Loco por España(番外篇324)Obra, Jose Manuel Belmonte Cortes

    Obra,JoseManuelBelmonteCortesEstaobradeBelmonteesextraña.Laobra(mujer)esunamadreyBelmonteesunniño.Estánintentandocogerfrutadeunlugaraltoconunpalo.OquizálamadreestáenseñandoaBelmonteausarunpalo.Laemoción"maternal"expresadaenlaesculturaconvierteaBelmonteenunniño.Belmontecreólaobraconlossentimientosdeunniño,yestosereflejaenlaescultura.このBelmontの作品は奇妙だ。作品(女)は...EstoyLocoporEspaña(番外篇324)Obra,JoseManuelBelmonteCortes

  • Estoy Loco por España(番外篇323)Obra, Angel Jose Lafuente Jimenez

    Obra,AngelJoseLafuenteJimenezLaobradeAngeltieneliberaciónytensión.Hayunabellezacausadaporelmovimientoensuobra.Detrásdelmovimientocircularpreciso,hayfuerzasqueactúanencontradicciónconelmovimientocircular.Laslíneasrectassecruzan.Larelaciónentreellasescomplejaperoparecesimple.Estosedebeaqueenalgúnlugarhayalgoindeterminado.Loindeterminadoesantagónicoalodeterm...EstoyLocoporEspaña(番外篇323)Obra,AngelJoseLafuenteJimenez

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(10)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(10)「単調」とは何か。何が来るか、ほぼ見通し済み。「ほぼ」が不思議だ。「ほぼ」がなければ、どうなるか。たぶん、「単調」ということを書いてみようとは思わない。「ほぼ」がある、何かが少し違う。違うけれど、その違いが「おなじ」ものにのみこまれていく。このときの喪失感のようなものが、「単調」という印象を強くする。おなじことばが繰り返されるこの詩のなかで、この「ほぼ」は繰り返しを拒んでいる。だから、それは、詩のなかでは「単調ではないことば」なのだが、「単調ではないことば」であることによって、逆説的に「単調」の「重力」のようなものを感じさせる。*********************************************************************...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(10)

  • Estoy Loco por España(番外篇322)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPablo"Elbosqueencantado"SeriePictografias.200x100cm.Trasescribirelúltimoversodelpoema,queempezabaconlaspalabras"nombredesconocido",laspalabrasañadieronelnombredeunárbolsinflores,amododenota.Conestainserción,aparecióunacomplejafisuraentrelaspalabras.Laoscuridaddelhermosobosquehechodepalabrasserompió,yelespejotraslaoscuridadempezóareflejardif...EstoyLocoporEspaña(番外篇322)Obra,JesusCoytoPablo

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(9)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(9)「デメトリオス王」は、俳優が芝居の衣を脱ぎ捨てるように、王の衣を脱ぎ捨てて逃げたと言われている。誰もが知っていることを、カヴァフィスは、再び詩にしている。それをどう訳すか。ありきたりの王の振る舞いをみせなかった「ありきたり」がおもしろい。ふつうに会話しているときは無意識につかうが、無意識だからだと思うが、書きことばではなかなかつかわない。具体的な行動は、この一行のあとに書かれるだが、すでに「ありきたり」に「俗」が含まれていて、とてもおもしろい。「うわさ」は、この「俗」のなかを広がってゆき、王を追い越して「事実」になってしまう。中井久夫は、逃げ出した王にではなく、庶民に「チューニング・イン」してことばを書いている。中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(9)

  • 池田順子「たたむ」

    池田順子「たたむ」(「ガーネット」99、2023年03月01日発行)池田順子「たたむ」を読む。夕陽が畳に届くころ母は正座するこの一連目を読んだ瞬間に「膝をたたむ」ということばが、やってきた。「膝をたたむ」という表現は辞書にはないのだが(「広辞苑」にはのっていなかったが)、私は「正座する」ことを「膝をたたむ」と聞いたような気がするのである。いまは正座をすることがないから、そんなことばを忘れていたが、私の田舎では「膝をたたむ」と言ったような、かすかな記憶がある。そして、私は、正座をしている母を思い出したのである。何をしていたのか。池田の詩は、こうつづいていく。弾む光に膝はあかるい空き地のよう小石の囁きが溢れるズボンのポケット夢の匂いのするシーツのしわをのばし憂いはゆびで弾き飛ばす枕のくぼみに明日の約束を仕舞う...池田順子「たたむ」

  • Estoy Loco por España(番外篇321)Obra, Juan Manuel Arruabarrena

    Obra,JuanManuelArruabarrenaNocturnon2ChopinyNocturnon°4Chopinescribióasunovia."Cuandocompongoenmicabeza,haymomentosenlosquelamelodíaseapoderademí.Susonidoestanpequeñoquemedejaensoledad".Aguijoneadoporestacarta,escribíestepoema.Laspalabras,quemehanestadosiguiendoaescondidas,sedetuvieronderepente.Cuandosentíesto,derepente,fuiincapazdemoverme.Yoeraquienguiab...EstoyLocoporEspaña(番外篇321)Obra,JuanManuelArruabarrena

  • Estoy Loco por España(番外篇320)Obra, Paco Casal

    Obra,PacoCasal"Nochesdelunallena"80x80Laluzdelalunacaecomonievecaeyseacumulaenelsuelo.Laluztieneespesor.Esfuerte.Conquistalaoscuridad.Silaluzdelalunafueranieve,lanievequecaesobreelmardesapareceríasinacumularse.PerolaluzdelalunadePaconoesengullidaporelmar.Laluzpareceacumularsedesdeelfondodelmareirrumpirenlasuperficie.Laluznosólocaesobreelmarysobreelsuelo,s...EstoyLocoporEspaña(番外篇320)Obra,PacoCasal

  • Estoy Loco por España(番外篇319)Obra, Jesus Coyto Pablo

    Obra,JesusCoytoPablo¿Dóndehevistoesecolorazul?Losé,peronoquierodecirlo,dijoasílapalabra.Elsolempezabaaponerse,perolaluzaúnnosehabíacoloreado,ylasolasrompientesbrillabandeblanco.Trasellas,elazuldelmar,impolutodeluzuoscuridad.Eseazuleraelcolordelsilencio.Elsonidodelsilencioqueamortiguaelruidodelasolasyelviento.Elsonidodelmarqueamortigualavozquemedijoloqueer...EstoyLocoporEspaña(番外篇319)Obra,JesusCoytoPablo

  • 細田傳造「うん」

    細田傳造「うん」(「ぶーわー」49、2023年03月10日発行)細田傳造「うん」を読む。どこまでがほんとうで、どこからが嘘か、わからない。しかし、嘘にしたって、それを書いているときは、それを書かずにいられないほんとうがあるのである。だから、みんなほんとうと思って読む。詩を書く人間は人をたぶらかしているし、読む人間もだまされてもともとと思って読んでいる。どっちにしたって、人の書いた詩は、自分とは関係がない。それは私の生活ではないのだから、何が書いてあったってかまわない。そのことばのなかで、私は、私の考えたいことを考えるだけである。おやじ友達出来たか慈悲が来たりてきくうんさんにん三人もかよかったなおやじうんさんは海埜と書いてうんのと読むんだ交際のきっかけのくわしいいきさつはおしえないとはじまる。「おやじ(細田...細田傳造「うん」

  • Estoy Loco por España(番外篇318)Obra, Lu Gorrizt

    Obra,LuGorriztElsencilloybellocuadrodeLumeinspiróparaescribirunpoema.Lapalabraescribióunpoemaqueempiezaasí:"Justoantesdeverestecuadro,lapalabraestabaescribiendounpoema".Ycontinúa:"Enelmomentoenquevióelcuadro,algoserompiódentrodelapalabra.Hubounsonidoquenodeberíahaberoído,comocuandoserompeunespejo.Unbrevesilencio.Trasunbrevesonidodesilencioqueparecíadesapa...EstoyLocoporEspaña(番外篇318)Obra,LuGorrizt

  • Estoy Loco por España(番外篇317)Obra, AC Kikirikí

    Obra,ACKikirikíEncuantovilaobradeACKikirikí,aparecióantemíunaseriedeobrasdebesos.Klimt,Picasso,Rodin.......Enmuchoscasos,elhombrepresionaalamujerparaquelebese,yellaaceptaperoseniega.Lanegativaalimentaeldeseodelhombreyhacequeelbesoseaaúnmásapasionado.Enestaescultura,lamujerestáalaizquierda.Seniega,perosusmanossujetanfirmementeasuamante.Suespaldarectaesdeci...EstoyLocoporEspaña(番外篇317)Obra,ACKikirikí

  • 読売新聞を読む(2023年03月08日)

    2023年03月08日の読売新聞(西部版・14版)の一面。↓↓↓「核の傘」日米韓で協議体/米が打診対北抑止力を強化↑↑↑見出しだけ読めば、記事を読まなくても内容がわかる。同時に、疑問も、読んだ瞬間に浮かんでくる。私が見出しから理解した内容は、北朝鮮の脅威に対応するために、日米韓がアメリカの核運用について協議体をもうけるというものだ。北朝鮮のミサイル開発が進んでいる。日本はいつ攻撃されるかわからない。アメリカの「核の傘」に守ってもらわないといけない。韓国も同じだろう。日米、米韓とばらばらに連携するのではなく、日米韓が共同で対応すべきだ。「もっとも」なことに思える。記事にも、こう書いてある。↓↓↓【ワシントン=田島大志】米政府が、日韓両政府に対し核抑止力を巡る新たな協議体の創設を打診したことがわかった。米国の...読売新聞を読む(2023年03月08日)

  • Estoy Loco por España(番外篇316)Obra, Luciano González Diaz

    Obra,LucianoGonzálezDiazEl6demarzoeselDíadelEscultor,yLucianosubiófotosdesutrabajoencursoasulibrodelfestival.Laobratieneunsabordiferenteacuandosevedelaobrasolo."Mírame.Sémontarenmonociclo",élestágritando.SinLucianoasulado,podríaparecerunmonociclistasolitario.Podríaparecerelsímbolodeunapersonaquevivetiemposinciertos.Sinembargo,enestafotonosepercibennilasol...EstoyLocoporEspaña(番外篇316)Obra,LucianoGonzálezDiaz

  • Estoy Loco por España(番外篇315)Obra, Jose Miguel Palacio

    Obra,JoseMiguelPalacioAvecesmemareocuandomirocuadrosrealistas.Cuandomiroalgo,lomirosegúnmeconviene.Porejemplo,estoyesperandounautobús.Loquemiroentonceseselnúmerodedestino,elnombredellugar.Noveolacaradelconductor,niveoelpaisajeurbanoreflejadoenlaventanilladelautobús.Joséestádibujandoloqueyonoveo.Lasuperficiedelcristalpareceplana,peroestádistorsionada.Asíqu...EstoyLocoporEspaña(番外篇315)Obra,JoseMiguelPalacio

  • Estoy Loco por España(番外篇314)Obra, Javier Messia

    Obra,JavierMessia¿Elartereveladeseosocultosuocultalosdeseosqueestánahí?AlverlostrabajosenparejadeJavier,escriounapoema.*Déjameverlo,extendistetumano.Menegué.Notengoquemostrártelo.Eslomismo.Miralo,extendistetumano.Menegué.Aunquenolovea,losé.Eslomismo.Minegativafuearrancadacomounatelablanca.Sieslomismo,notienesqueocultarlo.Extendistetumano.Sieslomismo,nopue...EstoyLocoporEspaña(番外篇314)Obra,JavierMessia

  • 三木清「人生論ノート」から「個性について」

    長い文章。他のエッセイよりも若いときに書いたせいか「気負い」のようなものがあり、とてもむずかしい。18歳のイタリア人は、前回は読み進むことがむずかしく、前半で時間切れになったのだが。今回読み進んだ後半は、前半の「要約」というか、言い直しなので、一気に読み終わってしまった。最初から最後まで通読し、そのあと後半の「精読」という形で進めたのだが、すでに「個性とは個人がつくりだしていくもの」という主張が把握できているので「個性は宇宙の生ける鏡であって、一にして一切なる存在である」という後半の書き出しをつかみ取ると、あとは一気呵成。すべての文章が、この「個性は宇宙の生ける鏡であって、一にして一切なる存在である」の言い直しであると理解した。創造と自由について補足したかったのだが、それをすると私の三木清観の押しつけにな...三木清「人生論ノート」から「個性について」

  • Estoy Loco por España(番外篇313)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensComoenlostrampantojosdeEscher,lasuperficiehorizontaldearribaseencuentraconladeabajoenelespacio.LaesculturadeJoaquíndeformaelespaciodeformamisteriosa.Entonceslamemoriayeltiemposedistorsionan.Escribíestepoemainspiradoporsuobra.Laesquinadelacalledondenosconocimoseslaesquinadelacalledondenosseparamos.¿Cuáleslaverdad?¿Cuáldelosdoscometióuner...EstoyLocoporEspaña(番外篇313)Obra,JoaquínLlorens

  • サム・メンデス監督「エンパイア・オブ・ライト」(★★★★)

    監督サム・メンデス出演オリビア・コールマン、マイケル・ウォード、コリン・ファーススピルバーグの映画がどうも気に入らなくて……。予告編で見た「エンパイア・オブ・ライト」で目を洗い直す感じ……。(「対峙」も予告編の緊迫感がすばらしい。)「エンパイア・オブ・ライト」は「ニュー・シネマ・パラダイス」ではなくて、「オールド・シネマ・パラダイス」という感じだが、映像が、なんといっても英国風で湿度と奥行きがある。そこが好き。屋外の風景だけではなく、室内も、湿気があって、それが色に反映している。私が日本の湿度になれ親しんでいるから、イギリスの色を好むだけなのかもしれないが。「オールド・シネマ・パラダイス」だから、どうしても「純粋」というわけにはいかないのだが、その「純粋じゃない」部分のなかに「純粋」を探し出してしまうとい...サム・メンデス監督「エンパイア・オブ・ライト」(★★★★)

  • スティーブン・スピルバーグ監督「フェイブルマンズ」(★★)

    スティーブン・スピルバーグ監督「フェイブルマンズ」(★★)(中州大洋スクリーン1)監督スティーブン・スピルバーグ出演ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、ガブリエル・ラベル予告編を見たときから不安だったのだが、その不安が的中した。おもしろいのは、映画のなかの映画の部分だけ。肝心のドラマが紙芝居っぽい。スピルバーグの「自伝」らしいが、ここには「自伝」特有の「ためらい」がある。そして、それが映画をつまらなくしている。自伝だから、家族が出てくる。自分の家族を描くというのは、とてもむずかしい。スピルバーグの両親が生きているかどうか私は知らないが、どうしても家族に対する「配慮」が働く。「悪く」描けない。「憎しみ」を描ききれない。で。どういうことが起きるか。映画が「ストーリー」になってしまう。登場する人物が「演じる」...スティーブン・スピルバーグ監督「フェイブルマンズ」(★★)

  • 林嗣夫「わが方丈記・2」、やまもとさいみ「さよならは」

    林嗣夫「わが方丈記・2」、やまもとさいみ「さよならは」(「兆」197、2023年02月10日発行)林嗣夫「わが方丈記・2」の後半。小中学校の不登校が増えているという新聞の記事をみながらの感想のあと、こう書いている。またも新聞の見出しに驚いた「戦後日本の安保転換敵基地攻撃能力保有」!平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して(憲法前文)、とわたしたちは決意したのではなかったかここにきて一つ納得するものがある「敵基地」という毒性の強い共同幻想が少しずつ用意されてきたのだ「敵基地」というよりも、「敵」ということばが、いったいどこから来たか、と私は考えてしまう。中井久夫はエッセイのなかで、戦争中、空襲に恐怖を感じたが、アメリカに敵意は感じなかった、と書いていた。そのことも思い出した。「敵」という「ことば(概念)」は...林嗣夫「わが方丈記・2」、やまもとさいみ「さよならは」

  • 中井久夫集2『家族の表象』

    中井久夫集2『家族の表象』の「精神科医から見た子どもの問題」という文章。その「本筋」からふっと脇にそれる形で、こんなことが書かれている。戦争体験についてである。空襲は台風に近い天然現象であって、恐怖ではあったが、アメリカに対する敵意は実感がなかった。「実感」。これは、とても大切なことではないだろうか。ロシアのウクライナ侵攻から2年、それを利用する形で「台湾有事」がしきりに話題になる。その話題のなかに占める「実感」というものは、どんなものだろうか。私は、さっぱりわからない。ウクライナの人は、ロシアに敵意をどれくらい持っているのか。爆撃の恐怖(死の恐怖)と敵意を比べられるものかどうかわからないが、敵意を持つよりも、恐怖を持つ方が多いのではないだろうか。他人の感覚はわからないが、「台湾有事」が起きたとして、その...中井久夫集2『家族の表象』

  • Estoy Loco por España(番外篇312)Obra, Luciano González Diaz

    Obra,LucianoGonzálezDiazLucianoeshermanogemelodeMiguelGonzálezDiaz,queescribísobresuimpresionesen"310".Hayalgunassimilitudesensusestilos.HeescritosobrelaobradeLucianocasiexactamentelomismoqueantesescribísobreladeMiguel.¿Cuálessonlassimilitudes?Los"movimientosdelamano"utilizadosparacrearlasobrassonprobablementesimilares.Laformaenqueutilizanlasmanosessimila...EstoyLocoporEspaña(番外篇312)Obra,LucianoGonzálezDiaz

  • 橘上『SUPREME has com』

    橘上『SUPREMEhascom』(いぬのせなか座、2023年01月31日発行)橘上『SUPREMEhascom』は、松村翔子、山田亮太と一緒に出版した4冊組の『TEXTBYNOTEXT』の1。それ以上、書くことはない。ことばは、私にとってはいちばん大切なものである。ことばがないと考えることができないからである。そしてことばで考えるということは「文体」を生きるということである。最近、私は、スペインの詩人と知り合い、彼といっしょにスペインの作家の文章を読んでいるのだが、スペイン語であっても、私は日本語を読むときと同じ読み方をしてしまう。いくつかの動詞、いくつかの名詞の呼応のなかから、そのことばのなかで動いている肉体を考える。つまりことばをとおして肉体を重ねる。そのなかで世界をつかむ。ときどき、それがまったく...橘上『SUPREMEhascom』

  • Estoy Loco por España(番外篇312)Obra, Javier Aranguren Ispizua

    Obra,JavierArangurenIspizuaUnasfotosavecesmedesconciertanmucho.LoqueJaviercaptaeslasuperficiedelaguadelapiscina,lasuperficiedelcristaldeledificio.Estassonlassuperficiesdelmundo,peroNOlassuperficies.Nosonloscoloresquereflejaelagua,nilaluzquereflejaelcristal.Sesientecomoalgodeunmundoquehasidodespojadosusuperficie,unmundoenelqueelmundointeriorhaquedadoaldesc...EstoyLocoporEspaña(番外篇312)Obra,JavierArangurenIspizua

  • Estoy Loco por España(番外篇311)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensHermosasensacióndemovimiento.Elcorredorvienedelextremoderechoycorrehaciaelextremoizquierdo.Pareceunaabstraccióndelpoderosomovimientodelcorredor.Lamanoderechaextendidaintentaagarrarlacintademeta.Lacabezasigueestedeseo.Lamanoizquierdaempujaelairehaciaatrás,produciendoempuje.Laluzreflejadaenlasuperficiedelaobra,ladisposicióndelaobrayelequi...EstoyLocoporEspaña(番外篇311)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇310)Obra, Miguel González Díaz

    Obra,MiguelGonzálezDíaz"mujerCoraje"Elpiedelamujer,supesodesplazándosehaciaelpiederechoaldarunpasoadelante.Elequilibrioentreelpiederechoyelizquierdo,latensiónenlamanoizquierdaconlalanzaylarelajaciónenladerecha.Hayunafuertesensacióndemúsculosentrelazadosentodoelcuerpo.Tambiénmedaimpresionafuertequeelpasonosedésobresueloestable,sinosobreunvalleenformadeV.La...EstoyLocoporEspaña(番外篇310)Obra,MiguelGonzálezDíaz

  • Estoy Loco por España(番外篇309)Obra, Carmen Zulueta

    Obra,CarmenZuluetaEscuchomúsicasencilla,muybienformada.Enmúsica,esuncompásdecuatrocuartos,ounapiezamusicalenCmayor.Unapiezacortaquepuedorecordarunavezquelaheescuchado.Labarrasuperior,inclinado,cuandollegueabajo,tendráelmismogrosorquelastresbarrasdebajos.Ycuandoloscuatrobarrasesténalineados,habráunapausa,yluegoapareceránnuevasbarras(cuatrobarras)querepetir...EstoyLocoporEspaña(番外篇309)Obra,CarmenZulueta

  • Estoy Loco por España(番外篇308)Obra, Jesus Coyto Pablo y Xose Gomez Rivada

    Obra,JesusCoytoPabloyXoseGomezRivadaObra,JesusCoytoPabloObra,XoseGomezRivadaObrasdeJesúsyXose.Haysemejanzaydiferencia.Locomúnesquesonpinturasabstractas.Lascapasdecolor.Ylosdesnivelesquequedanenlapantalla.Sinembargo,losdesnivelescomunessonalmismotiempodiferencias.EscribiendosóloapartirdeimpresionesvistasenFacebook,Jesuspintasobreloscoloresyluegolosarranca....EstoyLocoporEspaña(番外篇308)Obra,JesusCoytoPabloyXoseGomezRivada

  • 木谷明「三苫海岸」ほか

    木谷明「三苫海岸」ほか(朝日カルチャーセンター、2023年02月20日)三苫海岸20232.8木谷明お宮の坂のてっぺんに海があり浜は引き潮フグ小さなフグ何故海と行かなかったのか何匹も何匹も白く砂に包まれたフグのこを撫でた引く潮に向かいながら逃げながら飛ぶこともなく泳ぐこともなく鳥は遊び続けているずっと遊んでいるというのに私がまず注目したのが「何故海と行かなかったのか」の「と」である。「へ」ではない。「と」をつかって前後を言い直すと「満ち潮といっしょに浜へきた」「何故引き潮といっしょに沖(海)へ帰らないか」になるだろう。「と」のなかには、満ち潮、引き潮という潮の動き(海の動き)が隠されている。隠されている何かが、いつでも私を刺戟する。何かがあると気づかさせてくれる。もちろん、その隠れている何かがわからないと...木谷明「三苫海岸」ほか

  • 谷川俊太郎「音楽の事実」

    谷川俊太郎「音楽の事実」(「森羅」29、2023年03月09日発行)谷川俊太郎「音楽の事実」を読みながら。その何小節かのピアノが私にもたらした感情は悲しみという一つの名では呼べない初めて聞いた時記憶には残ったがそれは私の奥深くには入って来なかった曲名も作曲者も未知のまま何年かが過ぎたここに出てくるの「私」を、私は「谷川俊太郎」と思って読む。「悲しみというひとつの名では呼べない」という一行、特に、ここで「悲しみ」ということばを選ぶのは「谷川印(谷川語)」のようなものである。ところが。妻に去られた中年の警察官がスコッチのグラス片手にレコードに針を落とした時思いがけずテレビからそれが聞こえてきたその数小節の旋律と和音の動きが突然私にひそむ何かと共鳴したのだろうか琴線に触れるとはこういうことか他人事のように思いな...谷川俊太郎「音楽の事実」

  • Estoy Loco por España(番外篇307)Obra, Angel Castaño o Sol Perez

    Obra,AngelCastañooSolPerezElmundodeSolPerezcaptadoporAngelCastaño.Angelveloqueyonoveo.Élpuedeverloqueyonoveo.Eso,derepente,apareceantemisojosenformadefoto.Angelnosólovelaobra.Vivelaobra.Ensusfotos,laobradeSolPérezviveunasegundavida.LasfotosdeAngelreproducencómonacióyviviólasobrasdeSolPérez.Alserreproducida,larealidadseconvierteenunregistro,viviendounavezm...EstoyLocoporEspaña(番外篇307)Obra,AngelCastañooSolPerez

  • Estoy Loco por España(番外篇306)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensLatristezaapareceinesperadamentedesdeelespaciogris.Despuésdelbailesolitario,¿volveredenuevoalespaciogris?Estaobrameinspiróparaescribirunpoema.¿Losabías?Queinclusolaluztieneunasombra.Quetieneunasombraenelfondodesumente.Lovi,aqueldía,enaquellaplaza.Retiraunpieysegiraensilencio.Laúltimaluzdelcrepúsculoantesdealejarse.Parecíabailarcontraelc...EstoyLocoporEspaña(番外篇306)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇305)Obra, Javier Messia

    Obra,JavierMessiaDóndeycómoseveelcuadro.Estaobratendríaunaspectodiferentesegúnelcolordelfondo.Bajolainfluenciadelfondonegro,imaginélapirámidedepiesobrelasuperficiedellagoporlanoche.Lapirámideiluminadasereflejaalrevésenelagua.Sinembargo,lapirámidesobreelaguanoesdelcolordelapirámidesobreelsuelo.Esazul,comounasombracreadaporlaluzdelasestrellas.Parecehabercaí...EstoyLocoporEspaña(番外篇305)Obra,JavierMessia

  • Estoy Loco por España(番外篇304)Obra, Sergio Estevez

    Obra,SergioEstevezHayobrasquemeatraennadamásverlas.EstaobradeSergioESESO.Estállenadepoderenlastodaspartes.Altocarla,mesenteríacomosipudierarecibirpoderdeella.Estaobranotienecara(cabeza)nibrazos.Esmuyimpresionante.Laausenciadeexpresionesdelicadasenlacaraylasmanos,mesientomásfuertelasexpresionesdelicadasenlascaderas,laespaldaylaspiernas.Elpoderseextiendepor...EstoyLocoporEspaña(番外篇304)Obra,SergioEstevez

  • 池井昌樹「何処か」

    池井昌樹「何処か」(「森羅」29、2023年03月09日発行)池井昌樹「何処か」の全行。このよのどこかモーツァルトのほねがあるあるときそれをかんがえるどんなかなしいこころよりかなしいほねがこのよのどこかきっとあるこころがくらくしずむときどうしようもなくしずむときこのよでもあのよでもないわたくしのこころにもないどこからかほのぼのとまたたきかけるほねがある「ほのぼのと」か……。前に出てくる「くらくしずむとき」の「くらく」に対して言えば、その反対の「明るさ」、うっすらした明かりになるし、「かなしい」「さびしい」を手がかりにして読めば「やわらかな温かさ」になるかもしれない。池井は、それを静かに結びつけている。静かな明るさ、静かな温かさ、かすかな明るさ、かすかな温かさと言ってもいいかもしれない。そうすると、それは、...池井昌樹「何処か」

  • Estoy Loco por España(番外篇303)Obra, Fidel Vidal Pérez

    Obra,FidelVidalPérezElblancodelvestidodeunamujer.Aúnnohayforma.Sólohayluzblanca.Nollegaríaaseruncolortodavía.Merecuerdo.Enplenoverano,encuantosalgodecasaoscura,laluzmeabrumaycierrolosojosinvoluntariamente.Justoantesdecerrarlosojos,veocoloresdispersos,fragmentosdecoloresdestrozadosenmicampodevisión,sinperspectiva.Pocoapoco,abrolosojosyreúnoestosfragmentosd...EstoyLocoporEspaña(番外篇303)Obra,FidelVidalPérez

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(8)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(8)「声」は「死者の声」をテーマにしている。「私を捨てた人」だかけれど、私は思い出す。「ことば」ではなく、「声」を。そしてその「声」には「音調」がある。その「声/音調/音楽」を聞く瞬間を中井久夫は、こう訳している。わが人生の最初の詩から帰ってくる。もちろん訳詩なのだから、そのことばはカヴァフィスが書いたものがもとになっているのだが、この一行は、訳詩の「間接性」を感じさせない。つまり、完全にカヴァフィスになって「声」を発している。それを印象づけるのが「わが人生の最初の詩」。この「わが人生の最初の詩」とは、いつ書いたものか。「私を捨てた人」に出会う前か、「私を捨てた人」に出会ったときか。出会う前にいくつも詩を書いていたとしても、出会ったあとに書いた詩が「わが人生の最初の詩」...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(8)

  • 三木清「人生論ノート」から「旅について」

    今回の文章はかなり長いので、時間内に読了できるかどうか不安だったが、30分以上余ってしまった。作文の指導に30分くらいかけているので、実質1時間で読んだことになるが、これには驚いてしまった。もちろんまだ読めない漢字も多いのだが「解放乃至脱出」の「乃至」を「ないし、と読む。意味はイコール(ひとしい)に近い」と説明すると「いわゆる、または、に似た感じ?」という鋭い指摘。三木清は反対概念を結びつけたり、ひとつのことばを別のことばで説明し直したりしながら、彼の「思想(ことば)のニュアンス」を明確にしていくところに特徴があるが、その運動を的確に追いかけることができる。簡単な例だが、たとえば旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり、平生の習慣的関係から逃れることである。ここには繰り返し(言い直し)がある。その言...三木清「人生論ノート」から「旅について」

  • 小池昌代『くたかけ』(2)

    くたかけ小池昌代鳥影社小池昌代『くたかけ』(2)(鳥影社、2023年01月26日発行)「葡萄の房」は、どう形を変えるのか。「7ダルマさんが転んだ」に、唐突に新宿駅近くの歩道橋で「首吊り自殺」という形であらわれる。この自殺者は、どうなったか。いろいろ描写されたあとの、その最後。消防隊員が梯子をかけ、長く公衆の目に晒された死者に、ようやく青いビニールの覆いをかけた。その下から、どこにでもあるようなカジュアルシューズを履いた、二本の足が垂れて出ていた。この死者は、いったいどうなったのか。当然、道路に降ろされたあと救急車に乗せられたのだろうが、そういう動き、上にあるものは必ず下に降ろされることを、「二本の足が垂れて出ていた」で強調し、小説は、後半へ動き出す。それを加速させるのが、母の変化なのだが。もうひとつ、この...小池昌代『くたかけ』(2)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(7)

    「憧れ」は、死んだ男を見ている。「贅を凝らした廟」に収められた男を。簡潔に、その贅が描写されたあと、それはそっくり--、この口語の一行が、体の奥を揺さぶってくる。ことばを整える(ことばの外観を整える)ひまがない。その「時間のなさ」が、主人公と死んだ男の「距離のなさ」を強調する。最近では、人が死ぬと、だれに対しても「亡くなった」ということばをつかう人が多い。「母が亡くなった」とか。私は「亡くなった」ということばは、「儀礼」というか、「距離を置いたことば」だと思う。つまり、知らない人に対してつかうことばだと思っている。でも、親しい人、肉親なら「距離」を置きたくない。だから、私は「母が死んだ、父が死んだ」と言う。中井久夫を、私は「知っている」と言えるほど知っているわけではないが、非常に影響を受けている。だから、...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(7)

  • Estoy Loco por España(番外篇302)Obra,Julián Vega Lavado

    Obra,JuliánVegaLavadoLassombrasenlosárbolesyenelagua.Perotengounailusión.Laarboledapareceunreflejoenelcielo.Lasnubesdelcieloparecenlasuperficiedelaguamecidaporelviento.Creoquetambiéninfluyeelhechodequelosárbolesdesnudosrompenlasimetríayagrandanelespaciodelladoderecho.Lasolasparecenmoverse.Meolvidodelassombrasenlasuperficiedelaguaymefijoenlas"sombras"delci...EstoyLocoporEspaña(番外篇302)Obra,JuliánVegaLavado

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(6)

    「野蛮人を待つ」。いつの時代か。正字が頽廃している。だからこそ、敵が攻めてくる。それを待っているのだが、やって来ない。「さあ、野蛮人抜きでわしらはどうなる?「野蛮人」だから、そこには蔑視が含まれている。しかし、憧れもある。野蛮な力は、破壊する力である。その野蛮人と対比される「わしら」。「わし」には何か自己卑下の響きがある。そして、それにつながる「ら」にと、十把一絡げの響きがある。「私たちはどうなる?」「我々はどうなる?」では、群衆(市民)の印象が違ってくる。「わしら」が「無力」をくっきりと浮かび上がらせる。それは「帝国」の無力ともつながる。「帝国」が無力なのか、「国民」が無力なのか。両方である。中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(6)

  • 小池昌代『くたかけ』

    くたかけ小池昌代鳥影社小池昌代『くたかけ』(鳥影社、2023年01月26日発行)小池昌代『くたかけ』は、15の章で構成された小説。「1麦と佐知」を読んだだけだが、感想を書いておく。海の方角に面した窓が、一斉にがたがたと激しく鳴った「わっ、地震?」麦が驚き、佐知はとっさに、キッチンに吊り下がっているペンダントライトを確かめた。少しの揺れもなく、静かである。強風のために窓が音を立てたのだが、なんだかわけのわからない「キッチンに吊り下がっているペンダントライト」が、しばらくしてこういう描写のなかによみがえってくる。総じてぶらさがっているモノには、落下の予兆が呼ぶ緊張感があって、その危うさが、空間に独特の美しさを広げる。床と天井とのあいだ、不安定な中空にとどまるものは、葡萄の房にしろ、室内のライトにしろ、佐知にと...小池昌代『くたかけ』

  • 田原「言葉から言葉へ」

    田原「言葉から言葉へ」(「すばる」2023年03月号)田原「言葉から言葉へ」は、谷川俊太郎と高橋睦郎の対談「詩の生まれるところ」のあとに編集されている。対談と、何か関係があるのか、ないのか、よくわからない。対談が田原のことばではじまっているので、「詩のはじまりと、ことばの関係」について考えるというテーマがあったのかもしれない。野沢啓の『言語隠喩論』のことを少し思った。田原は、こう書き始めている。詩はいったいどこからやってきたのだろう。(略)言葉から来ているのは間違いないし、言葉から言葉へと進む行為であるのも間違いない。では、言葉とは何だろう。それは言語から生まれてくるとしか考えられない。「言葉」と「言語」と、「ことば」をあらわす用語がふたつある。それは、どう違うのか。田原は、「言語」を、こう定義している。...田原「言葉から言葉へ」

  • Estoy Loco por España(番外篇301)Obra,Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensEstaobratieneunaextrañainocencia.Escomounniñoqueselevantaygrita"Hola,estoyaquí"aalguienqueestálejos.Estoseconviertenaturalmenteenmovimientosdebaileyrebote.Almismotiempo,tambiénpiensoesto.Estapiezanosecortódeunagranplanchadehierro;sehizocontrozosdeaceroquehabíancaídoalrededordeJpaquín.Comounniñoquehaceunjugueteconrestosdehierro.Sientoesa...EstoyLocoporEspaña(番外篇301)Obra,JoaquínLlorens

  • 三木清「人生論ノート」から「希望について」

    希望を、人生(生きること、いのち)、偶然と必然と関連づけながら、三木清は考えを進めていく。人間存在とはどんなものなのか、考えていく。「哲学」だから、ふつうのことばとは違う、というか、ふつうの「定義」ではないところへ踏み込んで行く。一読したあと、一段落ずつ読んでいくのだが、最初に出てくる「偶然」「必然」のほかに、私たちが日常的につかうことばで「然」を含むことばがある。それは何?私は18歳のイタリア人に聞く。「自然」。その「自然」とは、どんなものだろう。そんなふうに話を向けると、途中に「間」ということばがあった、と三木清が問題にしている「核心」に切り込んで行く。「間」では、「間」にはなかったものが形成されていく。何が書かれているか、一読して、頭に入っている。これは、すごいことだと思う。さらに、希望を、欲望、目...三木清「人生論ノート」から「希望について」

  • Estoy Loco por España(番外篇300)Obra,Jesus del Peso

    Obra,JesusdelPesoCuandoviestaobradejesus,mevinieronalamentelaspalabrasWABIySABI.LadefinicióndeWABIySABIesdifícil.Wabi"estávinculadoa"WABISHIIotriste,sombrío".Sabi"tambiénserelacionacon"SABISHIIosoletario,triste",perolaprimerapalabraquemevienealamentees"SABIoóxido".Cuandolascosassevuelvenviejasysucias,siesdemetal,apareceráóxido.Cuandoveocosasasí,mesientoso...EstoyLocoporEspaña(番外篇300)Obra,JesusdelPeso

  • 最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』

    不死身のつもりの流れ星最果タヒPARCO出版最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』(PARCO出版、2023年02月01日発行)最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』を半分くらいまで読み進んだ。「ぼく」「きみ」あるいは「あなた」、「愛」(恋)ということばが何度も出てくるように思う。「愛」のかわりに、「悲しい」「寂しい」「美しい」かもしれない。数えたわけではない。ふと思ったのだが、たとえば「愛」はどこにあるのか。「ぼく」のなかにあるのか(「ぼく」から生まれてくるのか)、「きみ」のなかにあるのか(「きみ」から生まれてくるのか。きっとちがうだろう。それは「ぼく」と「きみ」のあいだにあって、それがあいだにあるときだけ、「ぼく」が「ぼく」であり「きみ」がきみ」である、というものなのだろう。言い直すと、いま書いたようなものは...最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』

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