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  • 3月が終わる

    2月終わりごろから忙しくなり、3月はフルで働いた。こんなに働いたのは久しぶりだが、おかげでそのほかのことはなにもできなかった。忙しいことは悪いことではないが、なにも考えなくなるのはまずいんじゃないか。それとともに、なにも感じなくなるし。季節の移り変わりすら、忘れてしまっていたほど。今年は梅を見る機会を逃してしまった。4月になったら、落ち着ついて考えることをはじめよう。...

  • 石垣りん詩集

    石垣りん伊藤比呂美=編岩波書店岩波文庫325ページ石垣りんは、1920年高等小学校卒業後、日本興業銀行に事務見習いとして14歳で就職。 半身不随の父、病身の継母、弟たちを背負いながら働き、詩を書いた。 2004年没。 38歳のとき、椎間板ヘルニア手術のために入院。 その夜 女ひとり 働いて四十に近い声をきけば 私を横に寝かせて起こさない 重い病気が恋人のようだ。 どんなにうめこうと 心を痛めるしたしい人もここに...

  • 工藤直子詩集

    工藤直子角川春樹事務所ハルキ文庫233ページ工藤直子という詩人は、茨木のり子著「詩のこころを読む」に収められた「ちびへび」と「てつがくのライオン」で知ったのだが、松本大洋の母親と知ってさらに興味がわいたので、文庫本を一冊買っておいた。それを読んでみた。 子供にも読める平易な言葉でナイーブな詩を書く詩人という印象だったが、それはまちがっていないにしても、若い頃の、朝起きた時の新鮮な感動を思い出させる清...

  • マレーシアを知るための58章

    鳥居 高=編・著明石書店エリア・スタディーズ199376ページこういうシリーズがあったんだ。その国の歴史や地理の概説にとどまらず、政治・行政の仕組み、警察機構、学校制度まできちんと載っているのが嬉しい。こういうのはネットで調べてもいまいちよくわからないものだ。惜しむらくは医療福祉制度の部分が薄い点(高齢化と年金制度の記載はある)。まだ整備が不十分だとしても、日常生活に密接に関わりある分野だから、なんらか...

  • 「人口ゼロ」の資本論~持続不可能になった資本主義

    大西 広講談社講談社+α新書202ページ資本主義的経済においては、労働者の生命の再生産に必要な部分まで搾取の対象としているため、少子化の進行は必然的である。マルクスの経済学・哲学草稿の中に、「賃金を決定する際の、これだけは外せない最低限の基準は、労働期間中の労働者の生活が維持できることと、労働者が家族を扶養でき、労働者という種族が死に絶えないこととに置かれる。通常の賃金は、アダム・スミスによれば、ただ...

  • 檀 一雄夫全集 第7巻(小説 太宰治 他)

    檀 一雄沖積舎349ページネットニュースやYoutubeコメント欄のアブクのような文ばかり読んでいると、感覚がだんだん摩耗してきて頭が緩み切ってしまうようなので、久々に文芸作品の文章に出会って、その濃厚さにうっとりするとともに緊張度の高さに身の引き締まる思いがする。 ●小説 太宰治特に冒頭の「まえがき」は、もっとも親しかった友人の死を契機に、世間的な配慮を排して書ききろうとした覚悟が伝わってきて、これだけ...

  • 1月末

    元旦の金沢の震災と、二日目の羽田空港の炎上事故。とんでもない幕開けになった2024年だが、1月が終わろうとしている。...

  • 2023年の大みそか

    きのうからずっと大掃除。夕方ようやくおわった。あーくたびれた。今年はどんな年だったかな。いいこともあれば悪いこともあったような気がする。つまりいつもとおんなじ年だったということだ。来年はどうだろう。できれば自分と家族にとって、もっといい年であれば嬉しいな。...

  • インドネシアー多民族国家という宿命

    水本達也中央公論社中公新書273ページ 前の本より主張がしっかりしていて読みやすい。インドネシアの人口は2億7千万。インド、中国、アメリカに次ぐ世界4番目の人口大国。300の民族と200から400の言語を持つ多民族国家。1945年に独立。国家統一のための強権的支配と今後の課題を描く。スカルノとスハルトの違いがようやくわかてってきた。...

  • インドネシアー史上最大のイスラームの国

    加藤久典筑摩書房ちくま新書293ページべつにおかしなことは言っておらず、しごく穏当な意見が書かれていると思うのだが、「~だと思う」とか「~ではないだろうか」とか「~かもしれない」といった言い方が目立つので、まだるっこしくてしかたがない。著者の本なんだから、もっとはっきり断定すればいいのにと思う。正確性を重んじるということなのかもしれないけれども、度が過ぎると、平板で退屈な本になってしまうということな...

  • 韓国超ネット社会の闇

    金 敬哲新潮社新潮選書231ページネット利用では韓国が世界の最先端を走っていて、それだけにメリットもデメリットも極端な形で現れる。デメリットでいえば、YoutubeやSNSを使った大統領選挙での暴露合戦とか、有名人に対する誹謗中傷の嵐とか、日本に輪をかけた過激さのようだ。今の状態でもうんざりだが、こういうのは悪しきに流れるので、いずれ日本もそうなるのだろう。...

  • 日本の「中国人」社会

    中島 恵 日経BP 日本経済新聞出版本部 日経プレミアシリーズ 231ページ いまから7年前の2018年に出版された本。2000年以降、日本に住む中国人は急速に増えており、2017年末時点で73万人(台湾・香港を除く)で、在日外国人全体256万人の約4割を占める。(7ページ)かつての残留孤児やその親族といったイメージとha異なり、富裕層の留学生、ホワイトカラー、研究者、エンジニアなどの高度外国人材とその家族だという。本書...

  • 中国人が日本を買う理由

    中島 恵 日経BP 日本経済新聞出版本部 日経プレミアシリーズ 220ページ日本のビルと上海のマンション一室の値段が同じだというから驚きだ。安くて安全な日本に、中国の富裕層が続々と来ているという。もともとかれらは国外に移り住むのにあまり抵抗はないようだ。一方日本人の方は、外に出ないどころか、外を見ようともせず、この国は素晴らしいと自画自賛ばかりしている。...

  • いま中国人は中国をこう見る

    中島 恵日経BP 日本経済新聞出版本部日経プレミアシリーズ233ページまだコロナが厳しかった2022年3月に出版された本。ゼロコロナ政策を徹底する習近平政権下で暮らす中国の人々の、息苦しいような、楽観的なような生の声を聞くことができる。一方、アニメに憧れて日本に留学した10代後半の若者が、「日本のドラマで見ていた通り、昔ながらの生活という感じです。来日して、初めてファックスというものを見ました。……中国では買...

  • 湖底の城(九)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 299ページ 最終巻。 二回目を読んでみて、宮城谷作品の中では一二位を争う面白さではないかという最初の感想は取り下げ。やはり後半になると誰が誰だか分からなくなる。史実上の人物はそんなことはないが、おそらく作者がつくりだしたと思われる商人たちがわかりにくい。でも最後はハッピーエンドでよかった。...

  • 湖底の城(八)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 273ページ 越王勾践によって父闔閭を殺された呉王夫差による越の制圧。勾践は軟禁されたのち、呉に送られ屈辱的な生活を送る。勾践と臣下の臥薪嘗胆。范蠡が中心となり、秘かに再建のときを待つ。 ...

  • 湖底の城(七)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 271ページ 呉王闔閭による越討伐の戦い。呉の伍子胥による楚への復讐劇は終わり、次の復讐の物語が始まる。...

  • 湖底の城(六)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 289ページ 楚の首都を占領し、伍子胥の悲願を達成する。伍子胥編はこの巻で終わり。無実の罪で殺された父と兄の仇を討つために伍子胥は楚を滅ぼしたわけだが、次巻からの呉王不差と越王勾践の臥薪嘗胆話も復讐がテーマだ。つまりこの作品は、楚と呉の間の、そして呉と越の間の、二つの復讐譚の合体版ということになる。...

  • 湖底の城(五)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 270ページ 伍子胥に加えて孫武を得て、呉の国力が充実。新興の国、越を叩いた後、武力と外交で楚攻略を開始する。...

  • 湖底の城(四)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 278ページ 伍子胥と鱄設諸の働きで、闔閭が王座に就く。いってみればクーデターなのだが、中国の王朝の歴史はクーデターの歴史にほかならないのは、著者の三国志を読むとよくわかる。...

  • 湖底の城(三)

    城谷 昌光 講談社 講談社文庫 283ページ 第三巻では、主人公一行が宋、鄭を経て、呉に落ち着くまでが描かれる。前回、登場人物が増えて覚えきれなくなってきたと書いたのだが、とくに商人の関係がややこしい。エピソードを入れてそれぞれの人物を印象づけるとか、なにか工夫が必要なのかも。でないとシナリオを読まされているだけになって、名前が頭に残らない。しかしそうすると伍子胥編がますます長大になって、めざす范蠡...

  • 湖底の城(二)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 275ページ 地図がついていないと不満を述べたが、さしこまれているパンフレットに、当時の地図ばかりか主要登場人物の一覧まで載っていたの。大変失礼しました。第二巻は伍子胥一族に迫る危機と救出作戦を描く。...

  • 湖底の城(一)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 275ページ 湖底の城の2回目。第一巻からしばらくは、伍子胥の兄の伍尚が治める棠(とう)という領地が舞台となるが、ここはいまの南京市にあったらしい。武術大会鼎の部の優勝者である鱄設諸(せんせつしょ)が住む堂という場所も同じ南京市。やはり地図があったほうがいいなあ。...

  • 湖底の城(九)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 299ページいよいよ最終巻。黄金の楯の伏線を最後に回収し、西施との悲恋もうまく収めて落ち着いた余韻を残して終わる。この長編は宮城谷作品の中では一二位を争う面白さではないかとおもう。登場人物が多くて後半になると誰が誰だか分からなくなって消化不良になったので、また最初から読んでみるつもり。...

  • 湖底の城(八)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 273ページ呉越の戦いと越の苦境。宮城谷 昌光伍子胥はほとんど出てこなくて、范蠡が中心。そういえばあの黄金の盾はどうなったのだろう。...

  • 湖底の城(七)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 271ページ主人公は、いつのまにか越の范蠡になったようだ。ここで西施が登場。そうか。この時代の人物だったんだ。...

  • 湖底の城(六)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 289ページ呉による楚の制覇。巻末になって、ようやく呉の不差と越の勾践が現れる。呉越と楚の場所を調べてみた。呉の首都の蘇は、いまの江蘇省蘇州市。越の首都は会稽で、いまの浙江省紹興市楚の首都であった郢(えい)は、三国志の時代の江陵で、湖北省荊州市にあったという。蘇州市と紹興市には仕事の関係でいったことがある。いずれも上海周辺の都市で、両市の間には杭州市がある。杭州市に...

  • 湖底の城(五)

    宮城谷 昌光講談社講談社文庫270ページ孫武が女兵を訓練する有名なエピソードがここで登場。作品のちょうど真ん中あたり。いよいよ呉と楚の決戦へ。...

  • 湖底の城(四)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 278ページ この作品は呉と楚が舞台で、あとになって越も登場するのだが、地図がついていない。文春文庫でも中公文庫でも、他の宮城谷作品では地図が必ずついているのだが、講談社文庫にないというのは予算をけちったせいだろうか。中国の古代の物語ではなじみがない場所だけに、なおさらあったほうがいいと思うのだが。...

  • 湖底の城(三)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 283ページ 著者の作品にはめずらしく、伝記小説風になってきた。それもまた面白い。登場人物が増えてきて名前を覚えられなくなってきた。気にせず読み進める。...

  • 湖底の城(二)

    宮城谷 昌光 講談社 講談社文庫 275ページ 最近読んだ「三国志」や「呉漢」よりも展開がダイナミックなのは、史実が不明確なぶんだけ、想像の羽を自由に伸ばせているからではないだろうか。先の作品では資料に縛られて窮屈な思いをした欝憤を、ここで晴らしているようにすら思える。...

  • 湖底の城(一)

    宮城谷 昌光講談社講談社文庫275ページ呉越同舟の呉と越の物語。呉王夫差と越王勾践の復讐譚となるわけだろうが、この時代この地域ははじめてなので、地名や人名になじみがない。ゆっくり読む進めることにする。...

  • 呉漢(下)

    宮城谷 昌光 中央公論社 中公文庫 357ページ 下巻は、光武帝の第一の将軍として、各地を平定する活躍を描く。光武帝のライバル国を一個一個潰していく戦いだが、陣取りゲームの後半に似て、繰り返し作業みたいになってあまり面白くはない。...

  • 呉漢(上)

    宮城谷 昌光中央公論社中公文庫342ページ呉漢というタイトルから、なんとなく項羽と劉邦の時代の物語かと思っていたら、呉漢というのは人名で、後漢を建国した光武帝の主将であった人物のことだった。上巻は、極貧の農家の次男として雇れで働く日々から、時代の動乱の中で大将軍に任じられるまで。...

  • 劉邦(四)

    宮城谷 昌光 文芸春秋 文春文庫 330ページ 劉邦に対する見方が変わった点は、巻末の「連載を終えて」に記してある。そして、項羽に対する見方も変わったのだと思う。ここに描かれている項羽は、武人としては最強だが、小児的な殺戮者で三国志の董卓よりも始末が悪い。ただ、虞美人との別れと最後の死はやはり印象的だ。...

  • 劉邦(三)

    宮城谷 昌光 文芸春秋 文春文庫 314ページ項羽との交流。鴻門の会の前夜まで。三国志の場合は、出てくる地名はだいたい場所の見当がつくが(ゲームのおかげ)、楚漢戦争の場合はわからない。地図を見ながらじっくり読めばいいのだが、めんどくさいのでとばして読んでいる。...

  • 劉邦(二)

    宮城谷 昌光 文芸春秋 文春文庫 319ページ二巻目。張良を幕下に加える最後の方で項羽がちょっとだけ登場。...

  • 劉邦(一)

    宮城谷 昌光文芸春秋文春文庫281ページ最初の頃の作品では、作者は劉邦をかなり嫌っているようだった。その後本作品を書いているので、この人物に対する見方が変わったのだろう。数年前に読んだことのある作品だが、その点が興味深く、再読してみることにした。...

  • 三国志 第十二巻

    宮城谷昌光 文藝春秋 文春文庫 462ページ 宮城谷昌光の三国志の2回目を読了。ストイックな三国志だが、また読んでみたくなる滋味あふれる作品。ただし一巻目の前半は、さすがに地味すぎてとっつきにくい。読んでいて、11で止めていたコーエーの三国志をまたやりたくなり、12、13、14のパワーアップキット付を買ってしまったのはわれながら愚かだと思った...

  • 三国志 第十一巻

    宮城谷昌光 文藝春秋 文春文庫 412ページ この物語の最初の数巻では、皇帝とその周辺の政治的暗闘が延々と描かれていたが、黄巾の乱からはじまって曹操、劉備、孫策・孫堅・孫権らがあちこちで戦闘を繰り広げていた時代が終わり、それぞれの国が一応の安定を見せてくると、話の中心はまたそこに戻ってくる。物語的には地味になるけれども、実際その時代に生きている立場からすれば、まだその方が害は少なかったはずである。な...

  • 三国志 第十巻

    宮城谷昌光 文藝春秋 文春文庫 405ページ どの三国志でも、曹操、劉備が亡くなったあとは諸葛亮が主人公となる。本書では、司馬懿にもそれと同等かそれ以上の筆が割かれている。歴史的には魏の方が王朝系譜の主流なので、正史を踏まえた本作品では当然そうなるだろう。そして諸葛亮が亡くなっても物語はつづく。...

  • 物語 タイの歴史 ~微笑みの国の真実~

    柿崎一郎中央公論社中公新書310ページ同じ著者による「一冊でわかるタイ史」は、3月のタイ出張中に読み終えた。わかりやすいタイの歴史の入門書で好著。本書はもっと詳しい内容で、帰国後に読んでみてこれも有益だった。この5月14日にタイの下院総選挙があるが、軍事クーデターの流れをくむプラユット首相の現政権とタクシン元大統派との政治闘争の歴史的背景を理解するうえでも、この2冊は役に立つ。...

  • 三国志 第九巻

    宮城谷昌光 文藝春秋 文春文庫 399ページ 曹操の傑人ぶりを見たあとでは、曹丕の矮小さがめだってしまう。劉備の破天荒さに比べると、生真面目な諸葛亮では英雄的事業はまず無理と思える。孫権は年老いてますます老獪没信義に。総じて人物が小物化し魅力が感じられなくなってきた。時代がある程度落ち着いたせいだろう。...

  • 三国志 第八巻

    宮城谷昌光 文藝春秋 文春文庫 397ページ 関羽の死。曹操の死。張飛と劉備の死。ここからは曹丕と諸葛亮と孫権の時代。...

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