当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
いつも言うことですが、私の25年前のお客様は、その住まいが高性能であるかどうかなどという事はほとんど意識されずにその住まいを建てられました。今のような理解がある社会ではありませんでしたし、むしろ「気密はしてはならない」とか、「断熱は九州で
私が住まい創りのご依頼を受けて、プランをさせていただくとき、住まい手に申し上げるのは、「漠然としたイメージでそれぞれが矛盾しあっていても良いので、とにかく思ったことを列挙してほしい」とお願いします。それを整理して構築するのはプロであるこち
もう30年以上も住まい創りというものを生業としていますが、駆け出しの若い頃とは随分自分の身の回りのことが変わりました。若い頃の自分はクライアントが全て目上の方達だったこともあり、ただただニーズがとこにあるかということを読み取ることに必死で
【すまいづくり報告】OGYCALモデル棟グランドオープン 2
昨日から始まった佐賀県小城市で展開している高性能地域密着型注文分譲プロジェクトOGYCALのモデル棟のグランドオープンは、本日二日目の開催です。福岡はあいにくの雨ですが、予報は午後から回復傾向と出ていますので、お近くの方、これから住まいづ
佐賀県小城市で展開しておりました高性能地域密着型注文分譲プロジェクトOGYCALのモデル棟のグランドオープンが本日と明日の二日間現地にて行われています。これから4区画、この地に展開されていく住宅事例がリアルに体験していただける機会です。お
さて、面温度について書いてきました。皆さんは、そのメカニズムを知らないままでも、日々その影響を身体で感じながら過ごしています。超高性能なエアコンでも補えないくらい、温度の感じ方に影響を与えています。ほう射という熱の伝わり方が、空気そのもの
コロナ以降、非接触の体温計が巷に大量に出回っていますが、あれは非接触の表面温度計です。我々は、コロナ禍になるずっと前から手元に置いていて、床・壁・天井の表面の温度をよく計測していました。試しにお手持ちのそれで、床とか壁とか天井とかを計測し
日本の誇る家電技術のエアコンは、実は大変な能力の機械です。とてつもない勢いで想定の温度の空気を作り出すことができます。家一軒分の空気くらい比較的容易に整えられる能力を持っています。では、なぜ効かないの? となるのですが、これは効かない器、
皆さんが寒暖計の数値を見て「あれっ?」と思う瞬間があるとしたら、この面温度の影響が多分に考えられます。気温は案外高いのに、なんとなく寒さを感じてしまっている、逆にエアコンでかなり温度を下げているのにいつまでも暑さが残っている。これは皆さん
皆さんが日常的に見る温度というものは、室内外に置かれている寒暖計の示す数値だと思います。気象予報でも本日の最高気温などという表現で出ているものはこれですね。室内も、温度計を見て「ちょっと冷えるけど何度ある?」なんてやっているわけです。一方
でなければならないけれど、であれば良いわけではないという話。5
コロナ禍になり、暮らしを見つめ直し、皆さんの住まいへの期待値は、確実に店頭に並ぶ商品をチョイスして「買う」時代から、時間をかけて地の利を生かし、自分のライフスタイルに合ったフィット感のある住まい創りを求めているのだと思います。その住まいは
でなければならないけれど、であれば良いわけではないという話。4
ものの流行というものは一過性です。その一過性に乗じて色々なことがうねりを起こして拡大し、流行はさらに肥大化します。ただ、結局はそういう視点ですから潮目が変われば潮が引くように大部分がなくなるのが常で、逆に言えばその大半が意図的に作られたも
でなければならないけれど、であれば良いわけではないという話。3
住まいが高性能であることは、これからの住まいづくりには欠かせない重要な要素の一つであると考えます。ただ、それだけで皆さんの幸福な暮らしが担保できるわけでもありません。ここまでずっと、高性能を啓蒙拡大に進めるべくお話をしてきた私だからこそ、
でなければならないけれど、であれば良いわけではないという話。2
住まいの性能にこだわるあまり、名だたるビルダーの性能の話を聴きまくり、やがてはネット上に浮遊するさまざまな情報をかき集めて、少し情報過多に陥って、高性能住宅を建てることそのものが目的になってしまっている方を最近よく見かけます。そのこと自体
でなければならないけれど、であれば良いわけではないという話。1
この1、2年私たちを取り巻く環境は一変しました。新型コロナの影響でおうちにいる時間も増えて、住まいづくりに求められるものも大きく変わったと言うことができます。それに加えて地震、台風、水害などの自然災害の多発と、唐突な政府の2050年カーボ
「買うものでなく創る」というキャッチはさまざまな企業が使っていますが、現実的にはかつての量産体制のままの汎用多売のプランだったりすれば、おいおいと突っ込みたくなります。すでに大量生産大量消費の時代は終わろうとしています。これからのすまいは
「汎用性」というお話をしていると、必ず言われるのが汎用性がないと次の代に住み継がれないのではないかとか、転売が効かないなどと言うことを言われる方もいます。しかし万人向けということは、言い換えれば満足度はどこまで行っても7割止まりで、それ以
このコロナになって、皆さんがこぞって高性能住宅をはじめとする住まい作りへの「こだわり」に目覚め始めたのは、これまでの消費を前提の業界が大量に作り出すものに欠けている、「何か」を渇望しているが故の衝動なのではないかと思ったりします。高性能と
例えば、衣服の世界で、私が一番おしゃれを感じるのは、その方の身体にその服のサイズがピタッと合っているかということではないかと思ったりします。フィット感のある服をさりげなく着こなしている方は、コケ脅しのファッションセンスよりも深いものを感じ
よく、「汎用性」という言葉を見聞きします。いわゆる番人向けという照準だと思うのですが、誰にとっても一応に役に立つ狙いどころという意味においては、この汎用性は非常に大切な物差しで、大量生産されるほとんどのものがこの汎用性を追求してみなさんに
住まいは買うものではなく、本来住まい手自ら創っていくものという発想をすれば、自ずと私たちの仕事も変わってきます。私は、伴走者だという表現をたまにしますが、私を伴走者に選んでくださった住まい手と並んで走るスタンスを常に持ち続けたいといつも思
今年も、この日がやってきました。もう10 年と言われても駆け抜けてきたので実感がありません。今もあの時の生々しい残像が目に焼き付いて、このコラムでも毎年あの時のことを書いています。私の3.11は、10年前、丁度その前日に起工式を終えた「福
多分、私は「家」というできあいの品物を作っているのではなくて、コンセプトや住まいづくりの仲間集め、創られていくプロセスまで含めて、「時間」というものに対峙しているのだとよく思います。住まい手の皆さんとも、できたものを買ったり売ったりする関
きっと所定の性能数値データとコスパを考えれば、これからどんどん後進のビルダーやハウスメーカーも追随してニアリーなものを作り出し攻めてくるとは思いますが、出来上がるものは完全に別物だという自負はありますから、本当はその部分をよくよくご説明し
人間が日々そこで暮らすという、生々しい時間といつも対峙している私たちの生業を、30年以上もやっていると、その仕事の責務の重さに押しつぶされそうに感じることもあるのですが、逆にそれをなしえた時の喜びもまたひとしおで、その機微の繰り返しに一喜
また変なこと言い出したぞと思われるかもしれませんね(笑)。私は普段から、何か書き物をするときにはできるだけ自分が創り出すものを「住まい」と呼称して書くようにしています。人が住む空間のことを表す言葉には、色々ほかにもあるのですが、「家」と言
この国の住まいが、もっともっと性能をアップしなければならないのは自明のことです。ようやく国や業界も一般の皆さんの意識に遅れること甚だしいのですが、昨年の唐突な首相のカーボンゼロ宣言に触発されてか、はたまたまた一つ商機が見つかったと思ったの
「便利」が極めて受動的な日常になってしまって、何かを能動的に思考する事をためらい、どんどん内に籠ることが多くなりつつあった昨今のこの国の社会が、このコロナ禍によって一気に周辺環境との関係性の寸断を加速させ、いよいよ孤独というものを浮き彫り
いわゆる戦後の80年あまり、ここまで駆け抜けてきたこの国はずっと「便利」な社会を追求してきました。大量生産、大量消費のベースからなる極めて便利な消費社会です。数百メートルごとにあるコンビニエンスストア(まさに便利)に行けば、全国つづ浦々全
このような社会状況になって、私たちは一生の中でどれくらいの人がこれからも自分自身の住まいを建てるチャンスに遭遇するのだろうかと考える時があります。おかげさまで弊社はこの一年も大変忙しく活動させていただいていますが、そのことだけでこれまで同
近年このコラムではほとんど住まいの熱性能のことを取り上げていますが、桜の蕾も少しずつ膨らみ、春の気配がしてきましたので少し趣きを変えて書いてみたいと思います。 一年前に始まった、人類史上「種」の存続を脅かすような大変な問題になっているコロ
さて、この国の住まいが高性能化へ加速し始めている今、今だからこそあえて少し別の視点で書いてみました。人口減少と超高齢化社会にこの国のあり方はとうにかつての高度成長期とは全く別物の様相をしているというのに、戦後の住宅難を支えた企画量産の体制
私の中で、この価値観をひと言で表す明快な決め台詞があるわけではありませんが、住まいづくりはもっと、これからじっくり企画されて、その人なりの暮らしの心情とか、個性的なライフスタイルを微に入り細に入り反映したそれはあくまで想像が容易なスクラッ
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当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
築13年の中古物件と聞けば、連想される世界があると思いますが、福岡パッシブハウスの場合はそのイメージにはほぼ該当しないということができると思います。私も何度かお客様をお連れしていますが、「え、新築ですか?」と言われるほど、建築当初の状態を
13年前に、パッシブハウスジャパン(以下PHJと記載)の森代表理事と共同設計で取り組んだのが、福岡市内に立つ国内3棟目の認定パッシブハウス「福岡パッシブハウス」です。実は、この福岡パッシブハウスが現在売却に出ていて、この木曜日まで
人が、自分の住処に求めるものはなんだろうと考える時、やはりどこに居るよりも心身ともに安らぐ場所であるということが第一に思い浮かぶものではないかなと思います。「心身ともに」と書きましたが、まさに心と身体の両面からの安心というものが要でないか
これまでの私の仕事の主たるところは、まさにお客様の住宅の新築の分野でした。ただ、ここまで社会全体がコスト高になってくると、万人に向けてその方法のみで対応が可能とは言いにくくなってきました。そもそも、いわば、「高性能のための高性能(スペック
どれが正しく、どれが間違っているということではないにしても、バラバラに発信されている各々の得意分野の方達が、独自に多種多様に放っている情報は、無秩序に拾っていくと、いわば食べ合わせが悪いことが起きてしまうことがあります。お客様の中でもネッ
現在のスタイルが始まった頃は、おそらく30年くらい前ですがここ福岡で弊社は稀有な存在だと言えたかもしれません。九州で「断熱・気密」という言葉を多用しただけで、不思議がられる時代でした。むしろ知らないもの怖さであらぬ攻撃すら受けたほどでした
思案していく中で、現状の社会でも建てるべき住まいはあると私も認識しています。ただ、そのために質を落とすことや、法外な資金繰りで築後の暮らしを蔑ろに企画を進めていくわけにはいきません。日々詰将棋のように一手一手を打っていきますが、社会全体の
「建築YA髭のCOLUMN」はまさに、建築YAである私が、35年余り一貫して取り組んでた建築屋としての自らの表現方法のひとつです。一貫して言えることは、愛すべき住まい手たちであるクライアントの皆さんが、長き人生の大半を過ごす「住まい」の創
正直に吐露すれば、「書けなかった」という方が正確かもしれません、十数年の間、毎日来る日も来る日もコラムを続けてきたこの場で、語ることがなんとなくできなくなってきたのです。決定的なことが何かあったということではありませんが、この数年、さまざ
台風10号が過ぎて、少し厳しさが緩みましたが、近年の夏は、宅内の温度の過酷さが宅内熱中症を産み出しているこの国の住まい事情があります。奇しくも昨晩のNHKのクローズアップ現代では、この国の住宅性能によって起こってしまう夏の問題が取り上げら
何だか例年言っていますが、「今年は特に暑い」という言葉が日に日にまして飛び交っている感覚があります。私たちが教育で教え込まれた日本の気候は、「表情豊かで四季があり、湿潤で人間が暮らすには最適な温暖な気候...」というような人に優しい環境を
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史
その上、最近は在宅勤務やオンライン授業などで、自宅滞在時間も大幅に伸びたからなのか、住まいの室内環境に関しての意識が高まるとともに、さらにはエネルギーコストの爆上がりも後押しして、住まいそのものの性能も大きく取り上げられるようになりました
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資