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建築YA髭のCOLUMN http://archstudioten.jugem.jp/

福岡を中心に住まいづくりをする建築YA髭が、建築デザイン・時事・歴史・音楽・旅などを語ります。

建築YA髭
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2006/05/30

1件〜100件

  • 一棟の住まいの重さ 5

     地球環境的に見ても、これからのこの国の有り様を想像しても、この80年延々と続けてきた土建業のスクラップアンドビルドの繰り返しをこれ以上して良いはずはありません。これから建てられるあらゆる一棟一棟が、大変重要だと考えます。そう考えれば、しが

  • 長崎原爆の日 忘れてはいけない事。

     今日は長崎原爆の日ですね。メディアが年々あまり大きく取り上げないことに疑問を感じています。このところのきな臭い空気感の中だからこそ、日本人として絶対に忘れてはならない6日と本日9日。すでに当時の被爆者の方はご高齢でなかなか生の証言をお聞か

  • 一棟の住まいの重さ 4

     世の中で「経済」というお題目が価値観の最優先ワードになってしまって久しいのですが、住まいづくりにおいてもその影響下でそこから始まる価値観の住まいづくりが大多数である現状は否めないのです。ですが、「住まい」をなんのために建てるかという命題に

  • 一棟の住まいの重さ 3

     制度や規制というものは、いつの時代もベースの基本的な部分を縛るだけで、それで全てがOKということになる基準ではありません。広く普及できるベースですから、未来に向けてどこまで通用する性能かということは別問題ですから、視野を広く俯瞰する必要が

  • 一棟の住まいの重さ 2

      人気のエリアの土地の価格が下がらないという現象は何なのかと自分なりに考えるのですが、需要と供給のバランスにおいて、需要が固くあるから下がらないわけで、疲弊している社会の中で誰がその土地を買っているのかといえば、やはり大きく資本

  • 一棟の住まいの重さ 1

     コロナで社会が一変し、ウクライナでの戦争もこれほど長期化ししてしまうことで私たちの身の回りのあらゆることが大きな歪みを抱えたまま難しい航行を強いられていることは、誰の感覚でも共通していることではないかと思います。その上にこの国は、20年も

  • 住まいにほしい、あったかいもの 5

     ある程度高性能化(むしろ適正な性能への前進) が進めば、ブームのような今の気運はなんとなく収まり、また別の真新しいキャッチーな言葉に翻弄されて、別のブームへと移行していくのが業界の常ですから、熱のようにうなされる時期が過ぎればまた以前のよ

  • 住まいにほしい、あったかいもの 4

     住まいは誰にとっても安らぎの場所だと思います。兎角乱れている現代社会の荒波にストレスマックスの皆さんが、心身ともに解放されて落ち着ける場所でありたいといつも思います。そのために、室温度がストレスない性能であることは必要な前提条件として住ま

  • 住まいにほしい、あったかいもの 3

     コロナ以降、ある意味私たちはよく立ち止まり、さまざまに考えることが多くなりました。コロナはどう考えても人類にとって良いことではありませんが、そんな中でも社会が一度立ち止まり、考えることを忘れてしまった状態をあらためて見直すきっかけになって

  • 住まいにほしい、あったかいもの 2

     どんなに変えたいと思っても、なかなか変わらない業態に時々苛立ちすら覚えますが、そもそもこの国の住まいづくりの仕組みがどういうプロセスを経て生まれて来たものなのかはしっかりと考えていくべきことなのだと思います。第一に、現在のこの業態の生産体

  • 住まいにほしい、あったかいもの 1

     この国の場合、ほとんどの戸建住宅は「住宅産業」と言われる、さまざまな微妙に異なる立場で住まいづくりをしている業態が渾然一体となって、年間何千何万と言う全体の新築棟数を担っているのが実情です。良し悪しは別として、全体の数としては圧倒的に大手

  • 高性能住宅が目指す普通のくらし 5

     これから、なんちゃって高性能に惑わされないためにも、高性能とはあくまでベースだと言うお話をしました。少なくとも、お打ち合わせの中で、「これくらいでいい」「これ以上はいらない」と言うような表現をするプロがいたとしたら、その方のお話は少し眉に

  • 高性能住宅が目指す普通のくらし 4

     穿った見方をすれば、言葉が形骸化していけば、今後は「大したことない高性能」とか、「言うほどでもない…」とか、「実は粗悪な…」というようなものがカオスのように現れてくると言うことです。25年ほど前に、一時的に高気

  • 高性能住宅が目指す普通のくらし 3

     いつもよく言うことですが、しばしば言葉というものは軽々しく消費され、元からあった深い意味も、だんだん希薄になって、時間が過ぎればその後、形骸化していってしまう傾向は否めません。「高性能住宅」という言葉が連呼されるたびにその範疇は広がり、さ

  • 高性能住宅が目指す普通のくらし 2

     前回の項で「快適」とはノンストレスであるということを書きました。要は室内の温度を快適領域に温存する性能であり、なおかつそのために消費するエネルギーも極限まで下げられた住宅を「高性能住宅」と定義することについてはあまり反論は出ないと思います

  • 高性能住宅が目指す普通のくらし 1

     世の中に流布する住まいの情報は、今、エコ・省エネ・高性能という言葉が多用され、そういう言葉を見ない広告を見ないほどに消費者ニーズにそったマーケティング戦略が花盛りです。もちろん、皆さんが関心を寄せている分野がどんなものでも加熱するのは時代

  • 私的に見る住まいと公的に見る住まい 5

     諸外国が火力や原発よりも、再生可能エネルギーの方が安価な時代に入っているというのに、未だこの国のエネルギー事情は、20世紀ままだというのは信じられないことですが、要は既得権益を頑なに守ろうという勢力が衰えないシステムが元凶だと言わざるを得

  • 私的に見る住まいと公的に見る住まい 4

     さて、内と外という意味では、個性的な間取りやデザインという以外にも、内には断然、快適を担保した省エネ性能という事もあると思います。快適性とは、前回のお話でもそのことをお話ししてきましたように、すなわち日々ノンストレスであるという事です。良

  • 私的に見る住まいと公的に見る住まい 3

     住まいというものは住まい手の「巣」である以上、内部に関してはもっともっと住まい手のためだけにカスタマイズした個性的なもので良いというのが私の思いです。でなければフィット感に希薄さが残ります。むしろそうあらねばならないとさえ思います。お仕着

  • 私的に見る住まいと公的に見る住まい 2

     日本の住まい事情からすると、この公私の、言い換えれば内外の考え方が少し逆転してしまっているのではないかなと思うほどに違和感を感じてしまうことがあります。内部空間は、もっともっと個性的で良いはずですし、他と一律になる必要性はないのですが、み

  • 私的に見る住まいと公的に見る住まい 1

     住まいとは、極めてプライベートなものだと言うのが、常に私が言っていることです。ごくごく私的な空間は。個性的であるべきだし、無二のものであって当然だとずっと語ってきています。その考え方にブレはなく、やはり住まいとは、住まい手固有のものであっ

  • 快適という呪文の先の未来 5

     快適という言葉がお題目のように使われすぎて、住宅分野では何が何だかわからない状態ですが、本来住まいづくりの世界においては、そもそもの仕様が高性能で、冷暖房で無理やり沢山のエネルギーを使わなくても、基本が整っている空間にのみ成立するものが本

  • 快適という呪文の先の未来 4

     一口に「快適」と言っても、言葉を使われる方の認識や、表現がまちまちですので、受け取る側の感覚に沿わないこともありますから、注意が必要です。こと、住まいに関しては一時的な刺激となる快適には、時間を過ぎると裏返し不快になってしまうという副作用

  • 快適という呪文の先の未来 3

     快感として感じるものも、いわゆる刺激ですから、少し時間が経てばそれはストレスとして感じます。冷房が効いた部屋に入った瞬間には爽快感という快感を得られるのですが、低すぎる室温は体の熱をどんどん奪い、そのうち足元が冷えるという不快感につながり

  • 快適という呪文の先の未来 2

     前回の稿では「省エネ」の前に、大前提として果たして日本の住まいは「快適」か?というお話をしました。では「快適」とはどんな状態かというお話なのですが、まぁ反対の「不快」は理解できると思います。要するに、なんとなく気持ちが悪くてストレスなわけ

  • 快適という呪文の先の未来 1

     「何も足さない、何も引かない」というのは、確か1995年のウイスキーの広告のコビーでした。過不足なく混ざり気がないシンプルなことが一番美味しいんだという意味合いだと思いますが、何事もそうで、本来のものとは至ってシンプルなものだと思ったりし

  • 快適を実感するための省エネ…。 5

     さて、この項の最後です。先の国会の中で、2025年の省エネ基準義務化のことが決まりましたから、これからますます日本の住まいは省エネ一辺倒で大騒ぎになること間違いなしです。ただ、この見方について、注意深く考えなければならないのは、どこをベー

  • 快適を実感するための省エネ…。 4

     我慢を前提とした基準を払拭するために、本当の快適性をまずは徹底して満たすことから始めなければなりません。言葉面だけを捉えて、とかくそういうことを贅沢だとか過剰だとかいうから先に進まないのです。実は何も、満足を満たすということは冬の室温を極

  • 快適を実感するための省エネ…。 3

     おそらくは、ここでずっと書いて来ているように、これからは高性能、省エネという言葉がさらに蔓延して、いよいよカオスな状況になってくると思います。みなさんが住まいを考えるとき、これらの言葉はあまり意味をなさないものになってしまうかもしれません

  • 快適を実感するための省エネ…。 2

     省エネという言葉は、聞き心地が良いですし、誰も非難しようのない緊急の課題ですから、ついつい何だかわからないままに使ってしまいがちな言葉ですが、言葉というものはあまり使い慣れすぎると劣化して消費されるようなところもありますから、注意が必要で

  • 快適を実感するための省エネ…。 1

     今回の選挙で、この国はいよいよ「何も変えたくないという事なかれ主義」の蔓延によって、身動きが取れずに、本当にこのまま倒れていくのではないかという不安が大きくなりました。投票日二日前に起きた元総理の銃撃事件によって、まるでその人の全てが免罪

  • 建てない勇気。建てる覚悟。 5

     さて、この稿の最後です。大上段に「建てない勇気」と書きましたが、その前には、「誤魔化しに安直な住まいを」と書いた方が良かったかも知れません。国力も弱まり、もうそんなにスクラップアンドビルドを繰り返す余力も残っていないのに、今更、すぐにまた

  • 建てない勇気。建てる覚悟。 4

     これまでのように、レールに乗ったように左右を見回して、周りと同じような感覚で住まいづくりをすることが、社会情勢からなかなか難しい時代に入っていくのではないか。そういう意味合いを込めて、「建てない勇気」と書きましたが、私たち人間は生きている

  • 【昨日を踏まえての明日の投票】この国はどこまで壊れるのか…。

     昨日、あってはならない事が起きてしまった。元総理の遊説中の銃撃事件、搬送先で命を落とされてしまった。 民主主義において絶対にあってはならない暴力による言論封殺。容疑者の犯行の背景など闇に葬られる事なく徹底して解明されていかなければならない

  • 建てない勇気。建てる覚悟。 3

     タイトルに「建てない勇気」と書きましたが、皆さんが住まいを建てなければ、生業が成り立たない私が今回こんなタイトルでお話をしているのですから、事態が深刻であることはお分かりいただけると思います。ただ、絶望的かといえば、私は必ずしもそうとは思

  • 建てない勇気。建てる覚悟。 2

     この国自体の状況が、必ずしも良くない「今」をどう捉えるべきかを考えています。一番問題なのは、20年も個人の収入としての賃金が変わらず、非正規雇用などが増え、「自由な社会」というイメージとは裏腹に不安定になり、あらゆる社会保障が希薄になって

  • 建てない勇気。建てる覚悟。 1

     さて、今週末は参議院選挙ですね。この選挙が終われば基本的には3年間国政選挙はない可能性が高いので、政府は必然的に現体制が盤石になり、やりたい放題の3年間なってしまう重要な選挙なんですが、この無風状態というか、あまり騒がない世間というものは

  • 酷暑の予感 2022 5

     例年とのデータを比較すれば、今年は2週間も梅雨が早く終わり、降るべくして降る雨がまだ降らないままに梅雨が明けたということができると思います。本来なら福岡は追い山の7月15日前くらいまでは、かなり雨天の確率が高いのですが、降りません。今回の

  • 酷暑の予感 2022 4

     猛暑が、酷暑という表現に変わり、毎年観測史上初という言葉が連呼される中で、今年も不穏な天候が続きます。今朝から九州は台風4号の上陸で、終日雨の予報だと思います。温度は少し和らぐかもしれませんが、ゆっくりの進路で今回のように梅雨時にあまり降

  • 酷暑の予感 2022 3

      「観測史上最高の…」などという文言が再三色々な場面で目立つようになりましたが、その度に予測不能な気候の大変化が常にリアルタイムで起こっているということなのではないでしょうか。前述の経験値から、例年の折れ線グラフか

  • 酷暑の予感 2022 2

     私は若い頃、一時的に建築設計の仕事場を離れて山中の土木現場で助監督の仕事をしていたことがあります。自ら身体と精神を鍛え直したいと志願して一年弱の短い期間でしたが、一日中重たい測量機械を担いで山中を歩き回る仕事をしていました。土木現場は建築

  • 夏越しの茅の輪くぐり・岩戸びらき神事

     今年の夏はどうなってしまうのだろうと思うくらい暑いですね、「暑気払い」 という言葉がありますが、どれだけ払っても追いつかないくらい今年は暑いです。昔の人も暑さには警戒を怠らなかったようで、この季節になると6月末から私が毎月一日に参拝してい

  • 酷暑の予感 2022 1

     ここ数日の福岡は、いきなりの梅雨明けから一気に夏本番の様相で、午前中から温度上昇が急激で、午後からはじっとしていてもじんわり汗かせにじむほどの暑さを繰り返しています。例年であれば、7月1日から始まる博多の風物詩、博多祇園山笠のフィナーレ、

  • 時代が求めている住まい 5

     リアルな空間を創造することを生業としている者の一人として、加速度的なデジタルコンテンツの普及で、存在感が徐々に希薄になりつつあるこの「リアル」の質を、再構築しながら向上を図り、ひとたび「我が家」に舞い戻れば、大気汚染や電磁波と同じようにカ

  • 時代が求めている住まい 4

     近頃の世相で一番恐ろしく感じるのは、一見何もかも自由で溢れかえっているように思えるデジタル情報社会が、果たして本当にそうかという部分でもあります。大前提を覆すようなことを言ってしまいますが、 SNSなどの情報は、その人の検索履歴などの能動

  • 時代が求めている住まい 3

     考えてみれば、情報が溢れて自由だという当初の想像は、現実の方が遥かに加速度的に進んでいて、もう私たちはその環境を手中に収めているといえると思います。というかそのかつて見たこともない大海に知らず知らずのうちに押し出されて、これまで家族や、小

  • 時代が求めている住まい 2

     インターネットというものが、自由を象徴する輝かしい未来だとまだ希望に満ち溢れていた頃、情報メディアはより拡大膨張し、自由度が増すものだと誰にも信じられていました。国民のほとんどが情報端末を握りしめて毎日を過ごし、リアルな視野よりもそのちっ

  • 時代が求めている住まい 1

     いよいよこの国は参議院選挙に突入しました。投票日の7月10日まで、一人一人が自分の頭でしっかりと見極めなければなりません。本当はこれから3年間選挙がなく無風状態が続くので、大変重要な選挙なのですが、既成メディアは意図してか、その重要性をそ

  • 線をひく...。5

       以来30年余り、九州福岡の地での異端児のような孤独な住まいづくりが始まり、今に至っています。北海須に通い詰めてできたお仲間は、手放しで私の仕事に協力をしてくださり、そのご縁は今も薄れることなく私のベースとして続いて

  • 線をひく...。4

     これからどんどん巨大な建築を創り続けていくのだろうと、自他ともに思っていたところに、北海道のお仲間の話で、彼の地ではもう気密・断熱した高性能住宅の設計が始まっているという。私は本来、京都では社寺の純木造の仕事をしていたので木造が大好きだっ

  • 線をひく...。3

     当てがあるわけでもなくただ、独りよがりに独立しましたから、すぐに仕事があるわけでもありませんでした。机の固定電話の前にじっと座り、来る日も来る日もぼっとしている日々が続きました。やはり前述の元ボスに、ずいぶん仕事を振っていただき助かりまし

  • 線をひく...。2

     私が独立開業したのは、実に今から34年前26歳の時でした。その時の自身の人生設計では実は一年遅れでした。前の年にバブルの名残のような巨大プロジェクトのコンペに参加していて、武者修行のアルバイトのような加わり方から始まって、いつしかボスの片

  • 線をひく...。1

     今でこそ、設計という私たちの仕事のツールはほとんどパソコンの中であり、マウスを使ったCAD(キャド)図を描くことが当たり前ですが、私がこの仕事を始めた40年前は、まだ全て手描きで、大きな製図台に固定された紙に定規と鉛筆で一本の線を描くこと

  • これから次第ダァ...省エネ法改正 5

     冒頭でも書きましたように、私は2020年の基準義務化に向けて、当時、随分皆さんにものを言い、結局肩透かしをくらい、今度の改正に関しては本当にほとんど何もこれまでずっと語らずにきました。いまだ全貌が明らかにされているわけではないので、正直ど

  • これから次第ダァ...省エネ法改正 4

     それでも根強く業界自体の中にも反対意見があったと言うことは伺っていますが、こう言うことに消極的な意見があること自体、こう言う法律を作らなければならない理由で、業界全体が高みを目指して、住まい手の暮らし、環境エネルギー問題を解決するべく志を

  • これから次第ダァ...省エネ法改正 3

     よく私は引用しますが、建築基準法の冒頭は「この法律は国民の生命を守る最低限の…」という書き出しに始まります。最低限のと本当にそう書いてあるのです。だから、とは言ってもなんですが、建築基準法に書かれている基準を遵守したところで

  • これから次第ダァ...省エネ法改正 2

     細かな運用などに関しては、2025年までに練られていくし、私たちのように実務者には説明会や講習が矢継ぎ早に続いていくことでしょぅが、いわゆる「底」作りですから、悪く考えればこれまでも性能向上を訴えながらより良いものをと、そんな底レベルより

  • これから次第ダァ...省エネ法改正 1

     この13日に、悲願だった改正建物省エネ法が国会で成立されました。2020年には適合義務が始まると散々お話ししてきた私は、完全に肩透かしをくらい、そのあと脱力感でこのお話はあまりしていないのですが、お顔見知りのさまざまなお仲間の努力もあって

  • ほんものの審美眼 5

     高性能住宅はわずかここ数年前に発明されたものでも、特段、新たな技術というわけでもありません。確かに、さまざまな部分で検証が進み、進化はしていますが、もう何十年も根本的な原理はあまり変わらないように思います。メディアは革新的な新基軸のように

  • ほんものの審美眼 4

     厭世観と冒頭で書きましたが、正確に言えば、全てに時流に乗って迎合しようとは思わない気持ちが強くなったと言う方が近いのかもしれません。ほんものを求め追求するお仲間はたくさんいらっしゃいますし、そう言う方たちと連携して、良いモノづくりをするこ

  • ほんものの審美眼 3

     私たちの取り組む高性能住宅の分野でも、昨今の高性能ブームを反映してか、ちょっと気の利いた住宅の広告にはもう、ほとんど「高性能」を謳っているのだからどれが本物なのか、そうでないのかなどということは、ほとんどわからない状態になっています。まし

  • ほんものの審美眼 2

     この数年のコロナ禍以降の世界は、情報伝達という分野をデジタル化してネット上で拡大させる大きな流転喚起となりました。ともすると、リアルな世界を一旦置いておいて、全てその仮想世界の中で済ませてしまおうとさえしているかのようです。この広がりは無

  • ほんものの審美眼 1

     国力が弱まり、経済も左まい、この先どうなるという不安ばかりの昨今ですが、今この場ばかりを眺めていても仕方ありません。少し長い時間スパンで俯瞰すれば、まあ80年も政変も戦争も起きなかった時代を送った私たちの存在の方が稀有であって、歴史をなぞ

  • 折り合いの付け方  5

     ではどう折り合いをつけていくか、優先順位としては一般的には真っ先に一番妥協が入ってしまう性能に関しては私は揺るがしません。その上で例えば予算が厳しければ規模を考える。狭さは間取りの妙や視線の解放で演出する。またパターンとして最初に予算バラ

  • 折り合いの付け方  4

     さて、長年こんな仕事をしているともうかなりの数に及ぶご家族に肉薄して、それぞれのご家族のための住まいを創造してきていると、それが圧倒的な「特殊解」であり、汎用性や時流とはまた一線を画した特殊なものであるという確信があります。それはいわゆる

  • 折り合いの付け方  3

     何もかもを結果から逆算してしまえば、さまざまな条件下で満たされないことの方が目立ってしまうかもしれません。ただ、個性的な住まいとは万人向けの汎用性とは全く違うレイヤーで、一個人、あるいはそのご家族のことを満足させる可能性を含む特殊解ですか

  • 折り合いの付け方  2

     私たちは、結果から言えば皆さんの住まいを作っていますが、本来の住まいというものは私たちが作り出した表皮の部分、つまり外側の部分で囲まれた、その中で繰り広げられる暮らしそのものであって、その形のないものを豊かにするための器を私たちはいつも作

  • 折り合いの付け方  1

     昔から、「折り合い」という言葉が好きです。物事は、なんでも結果ありきで画一的なものでは決してなく、ケースバイケース、その時々の事象に対して、ベストではなくベターを紡ぎ出していくことの大切さをこの歳になると強く感じます。とかく真面目な日本人

  • 優しさのかけら  5

     さて、この項の最後です。少し私の日常の出来事を切り取ってみても、ずいぶん歪みが生じている社会の一端がうかがえるほどに、一般庶民にはなかなか暮らしにくい世の中になってきたような気がしています。貧すれば鈍すの言葉ではありませんが、重税感と経済

  • 優しさのかけら  4

     ついついボヤキばかりになってしまいますが、その絵業マンと攻防が終わってすぐの話です。今度は事務所にご近所のガソリンスタンドから封書が届いている。いつも使っているスタンドではないので、なんだろうと思って開封すると、そこには私が月末に支払った

  • 優しさのかけら  3

     さて、その営業マンは本当に私の感情も物言いも全く意に解さない風で、時に私の言葉を遮り、今時間がないのですか?であればかけなおしますが…を繰り返します。おそらく、気が弱い方でああれば完全に向こうのペースに乗り、あたかも非の打ち

  • 優しさのかけら  2

     先進国と空いばりしながら、食べるものに困っているという現状を、民間のこども食堂などのボランタリーな組織が支えている現実は、まさに国が機能していない証拠ではないでしょうか。偉そうに言っても、国が未来ある子供の生命線である食を補償できていない

  • 優しさのかけら  1

     月が変わり6月となりました。5月の末は自動車税や固定資産税などの税金ラッシュで、年度末から諸々支払い続けて、末日に最後の出費も多く重税感をあらためて感じながら過ごしました。この国の税金はあまねく国民に平等に科されて、本当に国民のために還元

  • ベクトルを変えるためのごまめの歯軋り 5

     例えば、一人一人の動きは微々たるものであっても、少しずつでも変えていくことこそが変化の始まりだと思います。お金の回し方をなるべく地方で循環させる努力は、実行経済の活発化につながります。大手ショッピングモールよりもコンビニチェーンよりも個人

  • ベクトルを変えるためのごまめの歯軋り 4

     例えば、昔の田舎の住まいづくりは、専門業ばかりではなくて、地域の住人達が腕に覚えのある棟梁の指揮のもと、農閑期などを使って若い新婚の夫婦のために住宅を皆で建てたものだと言います。もやいという制度ですが、まさに地域の木材をはじめとする天然資

  • ベクトルを変えるためのごまめの歯軋り 3

     住まい創りにおいても、世情不安や厳しい条件の悪化を嘆いてばかりもいられません。このところの建材価格高騰や品不足は深刻で、すでに住まい手に価格添加している部分も大きく、深刻になってきています。原油高と流通の混濁、世界的な電子部品の生産性低下

  • ベクトルを変えるためのごまめの歯軋り 2

     私は常から、徐々に全体主義に傾倒する傾向のあるこのところのこの国の状況に対して、「一個人」という最小単位であるけれど、何より重く大切なものが蔑ろにされていく方向に一番の危惧の念を抱いている者の一人です。良い悪いではなく、全体主義的な観点は

  • ベクトルを変えるためのごまめの歯軋り 1

     実に。経済経済と大騒ぎしながら、20年賃金が上がっていないということがこの頃周知の事実として色々な場面で語られています。この表現は、すこし周りを見渡してもなんとなく合点がいって、表面だけは先進国のふりをし続けてきたわが国も、これまではデフ

  • デジ社会の粗さと置いてきぼりの心 5

     コミュニケーションツールとしてのデジタルとアナログ、情報ソースとしてのデジタルとアナログ、ともにほとんどのものがデジタルに変わっていく中で、実は非常にクリアなはずのものが、抽象的な言い方ですが目が粗く、文章でいう行間とか、音楽でいう間とい

  • デジ社会の粗さと置いてきぼりの心 4

      YOUTUBEで垂れ流される15分のソースが、全ての叡智を網羅しているかのような錯覚に陥るのも、今のデジタル社会が故かもしれません。単なるお手軽情報的なものが、真理のように扱われている状況にはちょっと違和感を覚えます。発信者は、大学の先

  • デジ社会の粗さと置いてきぼりの心 3

     先日、お仲間とお話ししていて、デジデータに終始する現代社会の歪みはどこからくるのか、何となく刺々しい荒んだ感覚をどうして感じてしまうのか、それをどう払拭していけば良いのかというお話をしていて面白かったのですが、朧げながら、ヒントのようなも

  • デジ社会の粗さと置いてきぼりの心 2

     デジタルデータというのは、あらゆる情報を0と1の並列に置き換えて記録するもので、現在は、あらゆる分野でほとんどがそういうものに置き換わった世の中になっているようです。音源データもCDやメモリーに記録されているものがこれにあたります。一方ア

  • デジ社会の粗さと置いてきぼりの心 1

     仕事が趣味などというと、お客さまに申し訳ない気がしてしまいますが、もう35年も他人様の住まいを考え創り出すことを生業として、自身の暮らしの時間のほとんどをそれに当てて生きている感がある私のことを、周りの人はよくそう形容します。疲れませんか

  • 省エネ性能義務化が見えてきた 5

     さて、閣議決定された法案は国会で議論されてやがて施行に至ります。そのとばぐちには達した省エネ性能義務化の動きが、これから大きくうねって始まるのだと思いますが、まずは既得権益への配慮とか、国内だけを見たご都合主義にならないように、本当の意味

  • 省エネ性能義務化が見えてきた 4

     この国にも、いわゆる省エネ基準というものはこれまでにもあって、新省エネとか次世代という言葉でその基準は語られてきたのですが、世界的にはいち早く省エネに取り組んでいる欧州などのレベルに比べると箸にも棒にもかからないレベルで、今回ようやくその

  • 省エネ性能義務化が見えてきた 3

     前述の基礎断熱の合法化の一件に始まった私の住まいづくりから考えれば、誤解を恐れずにお話しすれば、法律は後から追随してくるものなのです。先行する私たちは完全にマイノリティーですから、マイノリティーが先走ってやっていることの中でどうもそちらの

  • 省エネ性能義務化が見えてきた 2

     常に規制というのは諸事情によって後付けで後付けでやってきます。今回の省エネ性能義務化に関しても賛否両論あり、消極論が業界自体にも根強く凝っていることも事実かもしれません。拙い私の住まい創り屋としての数十年の間にも、大きな改正が何度かありま

  • 省エネ性能義務化が見えてきた 1

     一転俄に閣議決定されて、省エネ関連の性能基準義務化の動きがここ数年で加速しそうです。住宅業界ではその話題で持ちきりで、今後その制度の内容や運用で大改革が進められていくのだと思います。総じて良いことで、この国の住まいが全くの野放し状態から、

  • 乱世のくらし...。5

     この数十年、耳障りの良い「グローバル化」という言葉であらゆる価値観が十把一絡げになって、一個人というものが軽々しく扱われるようになって世の中はなんだか空虚な時代になりました。そこへ来てのコロナ、戦争は、一層に全体主義への傾倒を加速させるエ

  • 乱世のくらし...。4

     良い意味で、日本人は総じてお行儀が良いし、列を乱さず順番に並んだり、公共施設を汚さずに使ったりという評価は本当だと思います。ただ、逆に言えば体制に流されやすいとか、同調圧力に弱いとか、表裏一体ですがそれがウイークポイントになりかねないこと

  • 乱世のくらし...。3

     例えば、どんな郡部の田舎道にも、500mおきくらいにコンビニがあって、一通りのものは置いてあって、その便利なことは私の子供時代からしてもとても変わりました。このコンビニも東京中心の全国区の統一ロゴです。私もその「便利」を享受している一人で

  • 乱世のくらし...。2

     言い方は悪いですが、この国は今、負のルーティンの真っ只中にあるような気がしてなりません。かつて技術立国で資源がなくても世界に名を馳せることができた時代は、護送船団方式と言って国を挙げて一体になって技術輸出を後押しして国力を上げてきました。

  • 乱世のくらし...。1

     解決策が見出せないままウクライナとロシアの戦争の状況が日々刻々と報道されて、コロナもおさまらない。これまでの輸出入のバランスは大きく乱されて流通もさまざまなところで不具合を生じています。近年の環境悪化とエネルギー問題を俯瞰すれば、戦争など

  • 言の葉再考。 5

     GW前に突然声が出なくなって(今は回復しています)、口から発する言葉というものの大切さを噛み締めて、改めて身の回りを考えてみました。コロナ以降、一層の依存拡大をしたSNSも、要は遠い船と船の間で交わす手旗信号のようなもので、双眼鏡を覗きな

  • 言の葉再考。 4

     スマホの画面は、針の穴のような小さな窓で、無限に広がる、しかもかなりノイズを含んだ荒野のような世界が見えていて、現代人はその中に何かを求めて必死で窓を覗いているように感じます。意思疎通もその世界を介するから、かなりぶっきらぼうになっている

  • 言の葉再考。 3

     逆に、「お互いすぐ隣にいるのにスマホの画面のSNSで会話する若者」などという笑い話を時々目にしますが、考えると恐ろしいもので、みすみすその荒削りな方法の方をチョイスしてしまい、その方が面倒がなくて良いと想うのなら、いよいよ人と人とのコミュ

  • 言の葉再考。 2

     古くからこの国では言霊(ことたま)という言葉があって、発せられた言葉の一つ一つには魂(たましい)が宿るというほどに、その一音一音の言葉は大変大切に扱われてきた歴史があります。何もカルトめいたことを言おうとしているのではなくて、文字ではなく

  • 言の葉再考 1

     卒じながら、私のゴールデンウィークは、声を失った一週間だった。原因はよくわからないが、突然ある晩から出なくなり、予定されていたお打ち合わせなど散々なもので、関係者の皆さんには大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。今は大分戻り、意思疎通は普

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  • 丁寧なとき...。 4

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