『アリス・クリードの失踪』
『アリス・クリードの失踪』(09)(2011.5.19.京橋テアトル試写室)冒頭の約10分間、セリフも音楽も一切なく、整然と部屋を改装する2人の男、ヴィック(エディ・マーサン)とダニー(マーティン・コムストン)の姿が延々と映される。ところが、ただそれだけの描写なのに、きっちりと計算された構図とテンポの良さで見る者を引き込む。一体これから何が起きるのかとゾクゾクしてくる。実は2人の目的は、アリス・クリード(ジェマ・アータートン)という名の女を誘拐することで、部屋の改装は彼女を監禁するための準備だったのだ。そして2人はアリスの誘拐に成功するが…。登場人物はこの3人のみ。アリスが監禁された部屋と2人の男がいる隣の部屋だけでストーリーが展開する一種の密室心理劇なのだが、ストーリーが二転三転し、3人の立場もくるくる...『アリス・クリードの失踪』
2023/01/22 10:26