今流行りの(?)「カウンセラーっぽくないカウンセラーが悩める現代人の心に寄り添って何故か解決しちゃう系短編集」か…と、一話目でうんざりして読むの止めようかと思ったけど、四話目で印象が少し変わった。この本を読むまでもなく人生は辛いものだし、現...
Kindle unlimitedで無料だったので何年ぶりかの再読。やっぱり凄い小説だ。小説なんて無駄があってなんぼだと思っているのだが、この小説は無駄がない。にもかかわらず面白いという、不思議。天才女子大生&天才助教授vs天才工学博士の熱い...
面白かったけど、重いしんどい気持ち悪いの波状攻撃でメンタルやられた…。ラスト無理やりハッピーエンドっぽく終わらせた感ある、と私は感じた。まだ「向日葵の~」の方が腑に落ちる。凶悪事件が起こるとよく弁護側が俎上に載せる、容疑者の精神状態と責任能...
犯罪者予備軍たちの駆け込み寺と呼ばれるNPO法人には今日もまた物騒な相談が持ち込まれる。一見普通の相談員が、その殺人計画は未遂におわる或いは逮捕される危険性が高い、ととても論理的に諭してくれる。まあそれで諦めるようならそもそも相談しに来ない...
お久しぶりです、すごいご長寿な伊良部先生。(生きてたら何歳なんだ?)相変わらずぶっ飛んでて面白かった。やっぱりこうでなきゃ!リアルでこんな医者に出くわしたら無言で回れ右して帰るけど、端から観てる分には面白いことこの上なし。ガッチガチに凝り固...
面白かった。でも、前情報(松本清張賞とか選考委員への挑戦状だ!とか。)が勝手に私のハードルを上げてしまったせいか、前のめりで一気読みするほどではなかった。各章それぞれが別のジャンル(ミステリ、SF…)の小説としてちゃんと一粒ずつ輝いているの...
Xで見てなんとなく借りたら、見た目も中身も鈍器だった。戦争ものは普段避けているのでちょっと読むのしんどいところもあったけど、軽やかな文章につられて読み切ってしまった。フランス革命の時代を強かに生きた「おちび」のお話。蝋人形というと怖い物のよ...
ある資産家の高齢女性が惨殺され、金銭目的の線で捜査が進められる。しかし、飼っていたはずの犬が見つからず──犯人を追う中で変化していく人間模様。果たして悪人は本当に悪人で、善人は善人なのか?白黒つけてしまうことの危うさ。時折挟まれる犬目線の独...
今回もまんまとしてやられたり!「あなたは探偵の推理を推理することができますか?」という読者への挑戦状的倒叙ミステリなのは前作と同じ(でも私には無理だー(x_x)解決編突入前に分かる人は本当にすごいと思う。)なのだが、段々と「城塚翡翠とはどう...
喫茶ドードーはおひとり様専用の隠れ家的カフェ。店主の「そろり」がその時節に合ったメニューを用意して、心が疲れた人の来店を待っている。主にコロナ禍の、普通の人々が悩み、前を向く、そんな短編集。ていねいな生活、ジェンダー格差、国民総幸福量…流行...
ネットで集団自殺の為に集まった4人が山奥で赤ん坊と遭遇、その赤ん坊を犯罪組織から守るべく繰り広げられるスリル満点の逃走劇。SNSを使った息詰まる心理戦が今っぽい。なんの繋がりもなかった4人を繋いだのはただ無力な赤ん坊で、そこに「人間の価値は...
この作者さんはやっぱり男性バディものを書くとずば抜けて生き生きしてんなあ、とニヤニヤせざるを得ない作品でした。(別にBLではないしやらしい意味ではなく、多田便利軒から入った読者としては(お、本領発揮してんな!)と嬉し懐かし、な気分になるとい...
ネタバレなしでレビューしたかったけど無理でしたスミマセン。不可能・不可解専門の探偵コンビと、絶対零度の女警部補と、犯罪コンサル。かつて同じゼミの仲間だった四人の因縁の全貌が、遂に明らかにされる!(…という重めな最終話を除けば、いつもどおり軽...
「ラブカは静かに弓を持つ」が良かったので他の作品も読んでみようと手に取った。ラブカとはまた違ったしんどさが心がずっしりきた。金銭的には恵まれている宮田佳乃、母子家庭で育ってきた奥沢叶の2人の少女を軸に描かれる高校生活。ライバルの一言では現せ...
またもやシリーズ一作目を読まずに二作目を読むミスを犯してしまった…。もしかしなくても警察小説読むの初めてかも。タイトルから勝手に数学に拒否反応起こしちゃうかも、と思いきや全然そんなことはなかった。むしろ警察内部の組織がややこしすぎて(警察庁...
読み始めて、(ん…?何かのスピンオフか?)と思ったら案の定…^_^;。裏表紙袖の「誰もがそうであるように、泉ちゃんは泉ちゃん。この子を見守ってくださいますように。」という言葉が何故かグッときた。泉ちゃんも、その親も友だちもカレシも上司も、全...
この作品で初めて道尾秀介作品に出会った人、(わ、わけわからん…)って見捨てるのはちょっと待って欲しい。他に(向日葵の咲かない夏とかカラスの親指とか)面白い作品がいっぱいあるから、とりあえずこの本は置いておいて、他のを読むべし。道尾秀介先生の...
縁切り寺に店を構える離婚専門弁護士・紬(ネーミングセンスよ)を中心に繰り広げられる人間模様。自分が女だから言う訳じゃないけど、世の中こんなヤバい男ばっかりじゃないよ!(…ね?…自信なくなってきたわ…。)亮介みたいなモラ夫とあと二年は我慢して...
何気にエッセイでは初めましての作家さん。読んでいて気持ちがいいくらい良く食べる。スイーツはしごなんて自分には胃の容量的にもう絶対にできない。(昔はいくらでも入ったのにな。年とると胃がちぢむ血筋というか体質の人、若いうちに好きなもの好きなだけ...
ほんタメ!で推されまくっていたのをようやく読んだ。これは確かに好みが分かれる作品。誰にでもオススメはできない^_^;普通の(普通って何?と言われると困るんやけど。)ミステリ小説だと思って読むと「違う。」って思う人の方が多そう。幼い子ども特有...
子どもの頃「天才」ともてはやされた人間たちをAIでリサイクルするというなんともえげつない(←ほめてる)作品。Chat GPTは人間を超える作品を書けるのか?に対する一つの「答え」として書いたのかな。帯にはAI×青春小説とあったが私はどちらか...
不可解(why)担当・氷雨、不可能(how)担当・倒理コンビに明るい家事バイト・薬子ちゃんが加われば、賑やかな探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」の完成。そこに氷のような警部補・穿地やその腰巾着アヒル口・小坪、胡散臭い仕事仲介人・神保…...
調香師・朔とその家事手伝いを始めた一香。天才過ぎるが故に理解されない朔の悲しい過去と一香のトラウマが徐々に浮き彫りになっていく。古い洋館、秘密を香りに変えて欲しい依頼者たち…。うーん、好きだ!しかし満員電車の匂いを思い出して気持ち悪くなって...
続編を先に読んでしまっていたが、まあ時系列としてはこっちを先に読んでおいた方が分かりやすいかな。だが続編と違って見取り図が一切無い為、頭の中でクラブ棟と校舎のここがこうなっていて…みたいなことにエネルギーを使わねばならない。真実を追い求める...
「人を見た目で判断してはいけない」とか嘘っぱちを吹き込まれて育つけれども、就活に限らず、見た目で判断されることは多い。にも関わらずそれを「人となり」だの「総合的に判断」だの耳障りの良い言葉で取り繕うことに最早意味などないのでは?ということを...
自由研究と言うと小中学生を連想してしまうがこの本では大学入試の為の論文に近い。イギリスの小さな町が舞台なのだけど、普通の高校で違法なクスリの売買ってイギリスでは割とよくあることなのか?日本との文化の差(高校生が普通に自分の車持ってたり、ジョ...
伊坂幸太郎が選んだ、小説を読みたいけど何を読んだらいいか分からない人向け短編アンソロジー。オーシャンラズベリー篇よりは軽めが多い印象。その分(なんじゃこりゃ)が多い印象(笑)。伊坂幸太郎ファンとしては(ほうほう、伊坂幸太郎はこういう本の成分...
いきなりネタばれしてしまって申し訳ないが、私の中で、犯人が双子あるいは多重人格というのは禁じ手である。萎える。(序盤で示唆されている場合を除く。)そういう意味ではこの作品は禁じ手もいいとこなのだが、それを上回る面白さだったので、貶す気になれ...
雑誌やアンソロジーに掲載されたお話が再収録された短編集。「BL」と「神さまはそない優しない」(これ、関西弁になじみのない人にはちょっと読みづらいかも)が好み。一穂さんの書く文章を読んでいると、(あの時の私の言葉にできなかった気持ちはこういう...
子育てに悩む奈津子。不妊と夫の浮気に悩む紗英。距離の近すぎる女二人の友人関係(いわゆる共依存?)を描いた作品なのかな、でも何か所々で違和感を感じるな…と思いながら読み進めたら後半でひっくり返された!ラストの救いの無さもこれぞ芦沢央という感じ...
別の生き物になりたい。そう思ってジム通いを始めたOLがある日スカウトを受け、ボディ・ビル大会への出場を目指す──という、粗筋だけ書いてしまうとなんとも陳腐な芥川賞候補作。同僚の「女性は大変ですね」という科白と、ボディ・ビルの世界が「クラシッ...
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