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  • デュリュフレ:レクイエム…100年後に聴かれている作曲家 音楽考察

    今回は、第二次大戦後に初演されたレクイエムを作曲した デュリュフレ を聴いてみます。疲れたときは、静かな音楽に身をゆだねると、心地いいものです。 聴いている演奏は、ミシェル・コルボ指揮 コロンヌ管弦楽団・合唱団によるデュリュフレの「レクイエム」と「グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット」ですが、ライナーノーツを読むまでは、デュリュフレを、バッハ以前の作曲家と思っていました。 2回、3回と聴きこむとやはり、バッハ以前の宗教曲のようです。「怒りの日」(レクイエムに出てくるパラフレーズ《ディエス・イレ》)もありません。 デュリュフレのレクイエムは、どことなくフォーレのレクイエムとにているなあ、とい…

  • ハイドン :ピアノ・ソナタ 第49番 明快、実直な古典音楽

    今回は、古典派の作曲家ハイドンの鍵盤音楽を取り上げます。 交響曲、弦楽四重奏曲分野での器楽形式を完成させた ヨーゼフ・ハイドン。 同じ古典派でも、モーツァルトやベートーベンのピアノ曲は、頻繁に演奏で取り上げられ、録音も多く出ています。一方、ヨーゼフ ハイドンのピアノ・ソナタは、全集も限られ、1枚のCDで、有名な4ソナタ程が入っている盤が多いです。 ハイドンの77年の生涯において、多くのクラヴィーア(鍵盤)・ソナタを残しました。 その数は、52曲とも54曲?また62曲とも言われています。 その曲数が定まらない理由は、今から、200年も前のことでもあることに加え 1. ハイドン自身、自らの作品を厳…

  • メンデルスゾーン:交響曲 スコットランド 冒頭10小節の神秘的な雰囲気

    今回は、メンデルスゾーンが、1842年に完成させた交響曲を紹介します。 所有するCDは、部屋の棚に並べていますが、私の年のせいか、CD縦面のタイトル文字が、ぼやけ、さがすのに苦労しています。ルーペを使わないと文字が見えません。 自然と目と手が届きやすい棚から引っ張り出して聴いていましたが、今日は奥のほうの棚から名曲を見つけました。 交響曲第3番「スコットランド」です。改めて聴くとなんて美しい曲だと心にしみました。 私は、この曲の冒頭10小節についての、メンデルスゾーンが放つ霊感にあふれた曲調が、とても気に入っています。 曲の話は、メンデルスゾーン20歳の時、1829年のロンドンのフィルハーモニ…

  • シェーンベルク:グレの歌 12音技法変遷前の傑作

    シェーンベルクの音楽を、CDで、初めて聴いたのは、ポリーニによるピアノ曲集で、クラシック音楽を聴き初めた時期でもあり、とても理解することが難しく、世の中にはこういう音楽もあるのかというのが、正直な感想でした。 長い年月、シェーンベルクの作品に触れることは、無かったのですが、ここ最近、リッカルド・シャイー指揮 ベルリン放送交響楽団による演奏CDを、ふと聴いたところ、まず、曲冒頭の序曲に惹かれました。いったん、良い曲かな、と思い、聴きこむうちに、実に魅力が濃縮された作品であると気付き、シェーンベルクという作曲家を知る大きな転機となりました。 アーノルト・シェーンベルク(1874-1951)は初期に…

  • バルトーク:管弦楽のための協奏曲 貧困と病から力を振り絞り作曲

    第2次世界大戦時、しかもバルトークの故郷 ハンガリーはナチに占領という大変な時期に、アメリカへ亡命することになった59歳のバルトーク。 コロンビア大学で、民謡の研究で生計をかろうじてたてるという、貧困の真っただ中にいました。 貧困の中、バルトークは、白血病にも罹患し、不幸のどん底に陥ったともいえます。 そうした中でも、友人には恵まれていて、指揮者フリッツ・ライナー、またヴァイオリニスト ヨーゼフ・シゲティは、なんとかバルトークの生活を救い出そうと陰ながら援助をしたのです。 この音楽家二人が、とった行動は、アメリカの作曲者協会に、バルトークの治療費を持ってもらうよう働きかけました。 またボストン…

  • ドビュッシー:ボードレールの5つの詩から 歌曲「噴水」管弦楽版とピアノ版で聴く

    ドビュッシーは、パリ音楽院に在学していた10代から、歌曲を作曲していたと言います。今回、聴いていて、心地よいと思った歌曲は、ボードレールにより1887~1889年に書かれた詩集「悪の華」から、採られた「ボードレールの5篇の詩」のなかにある、「噴水」です。内容は、愛の楽しみと悲しみを、表現した歌です。 ここ最近、フランス歌曲を中心に聴いています。プーランク、ラベルを聴きましたが、特に、ラベル作曲の歌曲全般は、20世紀におけるやや、前衛的な曲調が多く、ここ最近の少し疲れぎみの私の気分になじみませんでした。 その点、ドビュッシーの歌曲は、いろいろな歌曲を聴いたのですが、(急に音が飛ぶようなこともなく…

  • ブーレーズ作曲:主のない槌・・思いのほか聴きやすく(20世紀考察)

    ピエール・ブーレーズとの出会いは、ブーレーズが、指揮するクリーブランド管弦楽団、ストラヴィンスキー、「ペトルーシュカ」と「春の祭典」でした。現代作曲家ということは、知っていましたが、明晰な頭脳を持つ作曲家というイメージでもって、ストラヴィンスキーのCDを聴いたときは、意外にまろやかな音楽を奏でていて、私にとり、ストラヴィンスキーの初めてのCDということもあり、今でも大切に聴いているCDの一つです。 作曲家という観点では、20世紀の現代作曲家に、すぎないだろうという判断で、作品を聴く機会はありませんでした。 最近、ユニバーサル・ミュージックから、「クラシック百貨店、フレンチクロニクル」という企画…

  • ホルスト:惑星 ハイティンク 指揮者のイメージ ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

    初めてハイティンクの聴いたのは、ウィーンフィルを指揮するブルックナー第4番「ロマンティック」であった。ブルックナーを聴いたことも初めてで、ハイティンクという指揮者を聴いたのも初めてでの、先入観なしの感想は、特に、ロマンティックの導入部分を聴いて、「暗く重い音を出す音楽家だな」でした。 ドイツ後期ロマン派の「重厚」さが頭の知識としてあっても、そのCDを初めて聴いたときは、暗い森から聞こえてくる音色だなと感じました。 今日は、イギリス音楽が聴きたいと思い、帰宅してくつろぎの時間に、取り出した作曲家は、ホルスト、「惑星」。 ライナーノーツを一読すると、「1980年代前半は、退屈な演奏をする指揮者のよ…

  • クラシック音楽を聴くきっかけになった1枚 バッハ インベンションとシンフォニア

    高校生の時、なけなしの小遣いで、購入したカナダの古楽奏者、ケネス・ギルバートのインベンションとシンフォニア。 ここ最近、25年ぶりに、ピアノを再び弾きたい、思うようになり、原点であったCDを取り出して聴いてみると、チェンバロによる演奏なのですが、曲のテンポ、演奏の運び方、一番しっくりきました。 やはり、曲の刷り込みではないですが、最初に何度も聴いた曲は、耳になじんでいるというか、くっきり聴こえます。若い時の感性で、何度も聴いたからでしょうか。 特に、インベンション第一番、思い出すのも懐かしい、右手だけまず練習して、次いで、左手だけ、弾けたら両手で合わす。 当時住んでいた街で、ピアノの先生の前で…

  • マーラー 大地の歌 :第9交響曲の後の曲として聴く

    長くCDを聴いてきましたが、初めて聴いた時の衝撃が一番大きかったのは、マーラーの第9交響曲です。 20歳頃、アルバイトで貯めたお金で少しづつ、1曲づつ聴いて、CDを集めること、またその時間は、本当に楽しかったです。未知の世界の曲を1曲聴くごとに、音楽の世界が開けたような気がしていました。 しばらくすると、また知らない曲が聴きたくなり、次々と世界が開けるような冒険をしているような気分でした。 なかでも、マーラーの交響曲は、第1番の巨人から聴いて、まさに、かけていた眼鏡がぶっとびそうになり、時間をかけて、次は、(レコード芸術にもオススメ記載があり、標題付きであったことから手にとりやすかった。)第4…

  • ベルリーオーズ 幻想交響曲 初めて聴いたCD演奏は刷り込みかどうか?

    ミュンシュ パリ管弦楽団 ベルリオーズ 幻想交響曲 有名な曲だけに、多くの指揮者、オーケストラが録音しています。 私はクラシック音楽を聴き始めた高校生の時に、3枚目に、クラシック音楽に詳しい親友から借りたCDでした。 帰宅してCDプレイヤーにかけた時の興奮を未だ覚えています。それまで、どんな音楽でも聴いたことのない、自由さ、おどろおどろしさ、音のつらなり、音楽の構成に驚嘆しました。そのCDは、その楽曲の中でも、名盤中の名盤であったのです。 初めに聴いたCD演奏はその時の感動が頭に残ります。私は、その後、様々な演奏CD、演奏会へも行きましたが、このCDの演奏が一番だと思っています。CDという媒体…

  • マーラー:交響曲 第6番 「悲劇的」第3楽章 クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ

    テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ マーラー 交響曲第6番 イ短調「悲劇的」 私、グスタフ・マーラーの曲がとても好きで、長年、聴き続けてきました。ただ、ここ最近は、この第6番 交響曲の第3楽章を単独で、聴くという風変わりな聴き方をしています。 第3楽章には、第1ヴァイオリンが奏でる旋律に、第1楽章の第1主題の一部が出てきます。やがて主部は、フルートからイングリッシュ・ホルンへと旋律が引き継がれます。 牧歌的平安に満たされた中に、不安や陰りが、散りばめられた曲調で、私は、この流れていく音楽の中に、いつ果てるともしれない微妙な均衡が、たまらなく魅力的に聞こえます。まろやかで美しく、「悲…

  • ドメニコーニ作曲:コユンババ クラシックギター曲

    ドメニコーニ 「コユンババ」猪居 亜美さんのCD 私は、クラシックのギター曲は、作曲者と曲名が、何故か、一致しないのですが、唯一印象に残っている曲の紹介です。 作曲者 カルロ・ドメニコーニは、イタリアのギタリスト 兼作曲家で、コユンババは、1985年に作られた曲です。全体は、タイトルのない4曲から構成されている13分位の曲なのですが、なんとも、哀愁を帯びたメロディなのです。 ドメニコーニは、夫人の母国であるトルコに住んだことがあり、その土地の民俗音楽から、取り入れ、作曲しました。 【題名について】 「コユンババ」というのも、不思議な題名です。由来は、作曲者の夫人のトルコの美しい湖のある村の名前…

  • トローバ 作曲 組曲:スペインの城 クラシックギター曲

    大曲や交響曲を聴くことに、やや疲れたとき、楽器一つで音楽を奏でる、ギター作品が聴きたくなる時があります。家のクラシックギターを置いているCD棚をふと見たときに、まず、「スペインの城」という曲が目にとまり、いろいろな演奏で聴いていました。今日は、その感想を書きます。 1891年生まれのモレーノ・トローバが、この組曲、スペインの城を作曲したのは、1960年代で、後年、70歳代の作品です。 スペインの各地にある城や、土地を題材にした小品が全部で14曲並んだ曲集ですが、巨匠 セビゴアの演奏は、そのうち8曲にとどまっています。残されたドイツ・グラモフォン版でも8曲の録音です。 セビゴアの演奏は、 1.ト…

  • メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 シュナイダーハンの演奏

    ドイツ・グラモフォン125周年記念と銘された名盤100タイトルが、4月と5月に発売され、中でも、4月は、アナログ録音期の名曲・名盤が発売され、数枚購入しました。中でも、聴きごたえのあった1枚について書きます。 ヴォルフガング・シュナイダーハンのヴァイオリン独奏、指揮 フェレンツ・フリッチャイ、ベルリン放送交響楽団による演奏です。 そもそも、ヴァイオリン協奏曲の名曲は、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーらの、あまた作品がありますが、私にとって、その中でもメンデルスゾーンは、その中でも、特に気に入っている作品です。 なぜなら、作品に、古典派の流れを受け継いだ均整さに、ロマン的な親しみがあ…

  • ドリーブ: 花の二重唱 ジャスミンとバラの厚く群れ咲くアーチ(歌劇「ラクメ」から)

    最近は、写真を撮る練習をするため、カメラ(FUJIFILM X100F)は、いつも持ち歩いています。散歩の途中に、美しい花が咲いていました。 今回は、花で浮かぶ曲を紹介します。 音楽を聴く楽しみは、新しい曲との出会いです。この1年の間で、聴いた瞬間、私が1番に、魅了された曲は、ドリーブ作曲の 歌劇ラクメからの「ジャスミンとバラの二重唱」です。 1883年に初演された歌劇「ラクメ」の物語の舞台は、イギリス統治下のインドで、内容は、バラモン教の高僧の娘 ラクメ と、英国士官ジェラルドとの許されない悲恋が描かれています。第1幕で、寺院の庭に現れたラクメ(ソプラノ)が、待女のマリカ(メゾ・ソプラノ)を…

  • 4月9日 甲子園球場 阪神 VS ヤクルトを観に行きました

    4月9日 甲子園球場 甲子園球場は、兵庫県 西宮市にあり、大阪 梅田-神戸 三宮間を走行する阪神電車の「甲子園」が最寄駅です。 昨日4月9日は、天気も良く、春のうららかな気候で、阪神 対 ヤクルトを見に行きました。 私は、野球を見るのが好きで、阪神タイガースファンです。ファンクラブにも入っています。晴天のため、グラウンドの芝の緑も映え、空も青く、開放感がありました。広々とした球場を見わたせる上段の席から観戦しました。 阪神 対 ヤクルト、3回戦は、午後2時のプレイボールで、試合は始まりました。 阪神の先発投手は、才木浩人投手で、伸びのある直球と、変化球で、一回に相手チームから三者連続三振を奪っ…

  • 4月2日 奈良 吉野の桜(下千本から眺める)を見に行きました

    奈良県 吉野の桜 前回、記事を書いてから、音楽は聴いていましたが、上手く記事が書けるだろうかという不安が、頭によぎり、しばらく、離れていました。 さて、今年の桜はどこへ見に行こうかと3月初旬から考えていました。 そこで、奈良 吉野の桜を見に行くことにしました。 日は、4月2日(日曜日)と、事前に決め、当日晴れるだろうかと、気象庁の2週間天気予報を毎日のように、眺めていました。 当日は、天気も良く、吉野の区域の低い 下千本という場所から、向こうに見える中千本、上千本の山々を眺めました。 午前の早い時間に、着き、多くの花見客とともに、きれいな桜を楽しみました。 一本の木を歩道から見るのでも美しいの…

  • アルカン:ピアノ曲 波打ち際の狂女の歌 25の前奏曲より

    ここ数日、眠りが浅いのだと思いますが、毎晩 午前1時、2時に目が覚め、家事や、音を立てないように、掃除をしています。 昨日の夜は、午前2時頃に目が覚め、回していた洗濯物を干し、次いで、たまっていた段ボールをひもでくくり、出勤時の荷物の準備(水筒2本、ハンカチ等)、そして、ボールペン字の書き取り練習(お気に入りの歌集のペン字による手本の写し、一日、一首ずつ書いて覚えています。)を、4時半までしていたら、疲れて、また眠くなり、再び眠りにつきました。 睡眠がやや不足していて、眠気でウトウト過ごした一日でした。少し暖かったこともあります。 業務も十分には、はかどらず、帰宅してから1時間半、夕寝?をして…

  • ポーランドの作曲家:グレツキの交響曲第3番 悲歌のシンフォニー

    高校を卒業した1993年 私が高校を卒業して、小遣いを貯め、吟味に吟味を重ねて、CDを購入していた時です。大学生の いとこのお兄さんと久しぶりに会い、進学のお祝いだから、何か欲しいもの買ってあげると言われ、このCDを選びました。 購入を決めた理由 CD店舗に足しげく通っていた私は、店舗で流れてくる、聴いたことのないほどの重々しい歩みのメロディと、第3楽章で歌われる何かしら、痛々しいながらも、心に刺さるほどの美しいメロディに魅了されていたからです。 集めていたクラシック音楽CDは、まだ、バッハ、ベートーヴェン、ショパンくらいの中、初めて現代音楽の分野の音楽を手に入れ、何度も聴きました。 世間でも…

  • 新境地:シフが、クラヴィコードで弾く バッハ

    クラヴィコードと私の出会い クラヴィコード という楽器を初めて聴いたのは、今から32年前の私が高校生の時、兵庫県 神戸の小さなサロンで、鈴木雅明氏の演奏による、バッハの「2声のインヴェンション と 3声のシンフォニア」でした。高校の同級生と聴きました。 初めて聴くクラヴィコードは、思っていたより小型の楽器でした。出る音は、とても繊細で、おどろきました。指の上下のタッチだけでなく、指の微妙な動きも、鍵盤から、音を発生させる場所へと、直接つながっていて、反映されるからです。 演奏会後、氏と話す機会があり、楽器も少し触らせていただきましたが、「一音を出すのが、難しい楽器だなあ」という感想をもちました…

  • チョ・ソンジン(pf):ヘンデル と ブラームスを弾く

    ヘンデルと聞いてまず思いつくのは、管弦楽曲「水上の音楽」、「王宮の花火の音楽」、ほかにも、「第12番までの合奏協奏曲集」、歌劇の「リナルド」、そしてなんといっても、バッハの宗教曲に比肩すると私は、見ている「メサイヤ」といったオラトリオです。 今回、聴くのは、2015年のショパン国際コンクールの優勝者、チョ・ソンジン演奏によるヘンデルの鍵盤楽器のための組曲集(第2番、第8番、第5番・・・調子の良い鍛冶屋が入った曲)と、ブラームス作曲の「ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガ」です。 少し前の話ですが、チョ・ソンジンのピアノと、バリトンのゲルネとによる歌曲集、(ワーグナー、プフィッツナー、R.シ…

  • 11年前、街の商店街での買い物、ベートーヴェン:英雄

    from:consolationsさん 2012年04月25日 04時24分38秒 ic 11年前、大阪市に、住んでいました。引越し先のその地域で、町を2時間ほど散歩した時のことです。すると、昔ながらの商店街があり、たこ焼き屋、洋品店のある一角に、カセットテープもおいているCD屋さんを見つけました。 クラシック音楽のコーナー棚があり、のぞいてみると、今まで、見たことのないCDが多くありました。すでに廃盤のCDもあり、ただ背帯の部分は、経年で太陽やけして黄ばんでいますが、思わず大人買いしてしまいました。 店の老夫婦も一度にこれだけ売れることもないのか、レジを打つ際、てまどり、2回打ち直して、印肉…

  • 古典派音楽とロマン派音楽の時代の架け橋

    「べートーヴェン と ベルリオーズ 交響曲 」・ベートーベンの交響曲第9番の初演は、1824年 5月7日 ウィーン一方・ベルリオーズ「幻想交響曲」の初演は、1830年12月5日 パリ音楽院を比較すると、古典派、ロマン派といった流れも、ある天才の登場により劇的に変遷するのがわかるような気がします。歴史の中での、ほんの6年違いで、すごい変動の起こった時代だと思います。 ベートーベンの交響曲第9番→古典様式に則しながらも、歓喜に寄せてで、自由な意思(ロマン派への橋渡し)をとげた。 一方、ベルリオーズの「幻想交響曲」は、交響曲の中でも、ロマン派の極致。 いま、ベートーヴェンの交響曲第1番の動画を聴いて…

  • ニキータ・マガロフ(pf) スクリャービン エチュード全集

    今では、ネットを通して、CDを購入したり、また音楽を聴く時代の趨勢ですが、在庫が豊富な店舗型CDショップが、近くにあった時は、まさに「買い物にいく」の楽しみがありました。事前に、レコード芸術を読んで、今日はこれを購入すると、決めて買いに行くケースも多かったですし、棚に並ぶCDとの出会いが買い物の醍醐味でした。 ふと手に取り、私にとり、最高峰の愛聴版となったCDがこれです。[VALOIS]というレーベルから出ている1992年の録音です。 ① 最初の作品「エチュード OP.2の1」から、スクリャービンの世界に惹きこまれます。 和音の中から、メロディを歌わせる練習曲です。スクリャービン14歳の時の作…

  • ピアノ曲 ノクターンの創始者 ジョン・フィールド

    ショパンの音楽で、よく聴くのは、バラードと、ノクターン集です。今回は、そのノクターンについて書きます。 叙情的な小曲に「ノクターン、夜想曲」のタイトルを最初に用いたのはジョン・フィールドです。その手法を取り入れ、ショパンもノクターンを作曲しました。 1782年アイルランド、ダブリン生まれのジョン・フィールド。クレメンティに認められ、弟子になり、12歳でロンドンデビューしました。演奏スタイルは、若いときから、夢のようなロマンティックな表現を得意としたそうです。それにより、19世紀前半に最も人気が高いピアニスト、ピアノ作品の作曲家のひとりとなったのです。 フィールドの作曲した夜想曲は20曲です。リ…

  • 改めて自己紹介します。よろしくお願いします

    自己紹介します。 好きな作曲家:バッハ、シューマン。 習っていた楽器:ピアノ、クラシックギター 邦楽:玉置浩二さん、秦基博さん。家族が好きで聴いています。 趣味:将棋。居飛車党。得意戦法は急戦矢倉。将棋ウォーズ3級。 ペット:キンクマハムスター、かわいいです。よろしくお願いします。

  • フランソワのベートーヴェン ピアノソナタ

    ゆるゆるのべートーヴェン ピアノソナタ(月光・熱情 非愴)と評判だったCDがあり、ライナーノーツでも、そのように書かれており、びっくりしました。 この演奏は、独特なもので…という書き出しの記載にはじまり、フランソワの人物評も酒好きで、酩酊してコンサートに臨むこともあった逸話も載っています。 演奏を聴いて、べートーヴェンのソナタはこう弾かねばならないと、無意識に皆が縛られていると、思いました。バックハウス、ギレリス、ブレンデル、ケンプ、ポリーニ、どれを聴いても高い精神性と、強靭なタッチ、説得力があります。グールドは、全曲のうちいくつかは、高い評価を受けていますし、まあ納得もいきます。 では、この…

  • カッチーニ作曲、アヴェマリア・・・神々しい調べ

    30年ほど前、NHKのラジオ番組を聴いて、知らない曲を聴き、ノートに作曲者、曲名、感想をつけていました。それが私のクラシック音楽愛好の始まりでした。そこで気にいった曲を少しずつ買っていた次第です。 当時のCD、1枚2,500円が、学生であった私には高く、吟味して購入する必要があったのです。そのラジオ曲から流れる曲を、聞いた瞬間から、とりこになり、急いで、CDショップに買いに行った曲が、カッチーニのアヴェマリアです。 イタリアの作曲家のカッチーニ(1545〜1618)「アヴェマリア」は、一回聞くと、引き込まれます。階段をゆっくり登るような伴奏を背景に、神々しい調べで歌がうたわれます。 購入CDは…

  • レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア、たおやかな調べ

    レスピーギの音楽は、「ローマ3部作」のように、その日の気分で、やはり、重厚で重たいなあ 熱いなあと思うときはあります。 そういう時は、あまたある管弦楽曲の中で、優雅な曲を紹介します。レスピーギ作曲 「リュートのための古風な舞曲とアリア」です。サンタ=チェチーリア音楽院に通うことを日課としてしたレスピーギ。目的は、古い作品の研究でした。ある日イタリア音楽学者 キレゾッティという人が編纂した16世紀から18世紀のフランス・イタリアのリュート曲集を見つけます。 その図書館で埃をかぶっていた楽譜は、名曲の宝箱で、原曲のメロディ、旋律にレスピーギならではの近代オーケストレーションを行いました。古典の復古…

  • トスティの歌曲 松本美和子さん(ソプラノ)

    19世紀のイタリアでは、オペラが最高の盛り上がりを見せていた時期です。オペラを作ってこそ、作曲者として認められる時代でした。 そうした世間の風潮に流されず、ひたすら、わが道をいくで、活躍したのが、歌曲作曲家フランチェスコ・パオロ・トスティです。ローマを根拠地として、作曲活動を行なった人です。 私が、この作曲家に興味を持った理由は、若い時分、音大生の友人が声楽科の友人を紹介してくれるというので、その方が、当時、レッスンで、トスティに取り組んでいると聞き、話が盛り上がるよう、予習するためでした。1枚だけCDを買い、今でも時々聴いています。 彼がナポリの音楽院で学び始めたのは、才能を認められた11歳…

  • J.S.バッハ=ブゾーニ編曲 シャコンヌ 聴き比べ

    前の記事に続いて、編曲版です。 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 二短調 よりシャコンヌをブゾーニが編曲した版は、ピアノ楽器の性能を、最大限に発揮し、活用した編曲だと思います。 今から、25年ほど前、ドイツの楽譜出版社であるブライトコプフ・ウント・ヘルテル社のピアノ楽譜を買い、今、久しぶりに、CDを聴きながら、楽譜をたどっています。 (大阪のササヤ書店で購入しました。 表紙うらに、タグが未だ付いていて、1,360円と書かれています。当時は、円高。1ドル90円くらいだったでしょうか。あいまいな記憶ですみません。) (1) まず、シューラ・チェルカスキーの演奏で聴きます(ニンバスレー…

  • グラナドス:12のスペイン舞曲 第2番オリエンタル ピアノ原曲 と ギター編曲で聴く

    近代スペイン民族主義学派を確立した エンリケ・グラナドス。 この作曲家のピアノ作品「12のスペイン舞曲」のなかでも 第2番の、「オリエンタル」は、哀愁をまとった曲風で、夢見心地の世界にいざなってくれます。標題の、オリエンタルは、中近東の周辺を指すようです。 先日、なんとなく棚から、CDを手に取り、聴いていたら、あまりの憂いある、かつ落ち着いた調べに、思わず作品と、曲名を確認しました。 fontec レーベルから出ている 益田正洋 氏によるギター編曲版による演奏でした。 続いて、もともとは、ピアノ曲なので、ピアノの棚を、あるかどうか探したところ、ピアノ曲も持っていました。 熊本マリ さん演奏の「…

  • 中古レコード屋めぐりで出会った バリトン歌手のアリア集

    今から、12~13年前、中古CD・レコード屋へ行くのがすごく楽しみでした。 すでに廃盤になっている掘り出し物や、ふと目に留まったCDが、これを逃すともう聴くことは出来ないという思いにかられ、思わず買っていました。 新譜ではめぐりあえない演奏に会う機会が、ぐっと増えていた気がします。 つい先日、住んでいる街を散歩していて、大通りの普段気づかない場所に、中古CD屋を見つけ、入りました。店主は一人で、洋楽、邦楽、ジャズなど、まだ買い取ったばかりで、うず高く積まれたCDもありました。 クラシック音楽の棚を一通り、見たところ、知らないバリトン歌手のCDが目に留まりました。店主が一人いて、何も買わずに店を…

  • シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 様々な演奏で聴く

    ピアノ協奏曲は、聴いていて心地よい曲が多いです。その中でもロマン派の名曲があります。シューマンのピアノ協奏曲イ短調。1841年に完成させた「ピアノと管弦楽曲のための幻想曲」を第1楽章に用いて、4年後に2楽章を追加創作し、3楽章のコンチェルトを完成させました。 第1楽章オーボエのやわらかいメロディで、始まり、ピアノが、オーケストラの伴奏にとけこみながらも、ロマンあふれる曲を奏でます。クラシック音楽というジャンルをこの際、はずして、音楽一般の中でとらえたとしても、これほど聴き手の心を魅了する音楽はないと思います。第2楽章 「間奏曲」緩除楽章。おおらかな調べです。第3楽章 リズミカルな舞曲調の曲です…

  • ヒンデミット:前庭に最後のライラックが咲くとき

    「愛する人々へのレクイエム」という標題がついています。音楽は、前奏曲と11の楽章から構成されています。 ロバート・ショウ指揮、アトランタ交響楽団と合唱団によるCDを聴いての感想です。 この演奏を指揮しているロバート・ショウが、ヒンデミットに委嘱し、創作された作品です。 ヒンデミットは、第二次大戦終戦直前に亡くなった第32代 大統領フランクリン・D・ルーズベルトの追悼と第二次大戦の犠牲者への追悼をこめて作曲しました。 テキストは、詩人ホイットマンのリンカーンを偲んだ長編詩「前庭に最後のライラックが咲くとき」をテキストにしたレクイエムです。テキストは、英語ですが、ドイツの合唱音楽の伝統に立った作品…

  • クラシック音楽鑑賞のブログを始めました

    16歳の時に友人に借りた1枚のCDを聴いたことがきっかけで、クラシック音楽の魅力に、はまりました。これまで、聴いてきた演奏(コンサート、レコード・CD)について、感想を記していきたく思っています。どうか、よろしくお願いします。

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