音楽評論家 長谷川京介のブログです。ソニー・ミュージック退職後は、雑誌「音楽の友」や「ショパン」「ぶらあぼ」に、コンサート評や記事を書くとともに、 フリーの音楽プロデューサーとしても活動しています
エッシェンバッハ指揮N響 オール・シューマン・プログラム(4月24日・サントリーホール)
4月20日NHKホールで聴いたブルックナー「交響曲第7番」では辛口のレヴューを書いたエッシェンバッハN響の演奏だが、今日のオール・シューマン・プログラムは、そ…
エッシェンバッハ指揮N響 ブルックナー「交響曲第7番」(4月20日・NHKホール)
風格のある堂々とした演奏。全体にテンポはゆったりとしている。コンサートマスターは川崎洋介。N響の弦はしなやかで、トレモロは渾身の力を込める。ホルンとトランペッ…
アンデルジェフスキ(指揮&ピアノ)紀尾井ホール室内管弦楽団 (4月19日・紀尾井ホール)
アンデルジェフスキの弾き振りによる紀尾井ホール室内管弦楽団デビューは2021年9月の第128回定期演奏会。モーツァルトのピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414…
オラモが東響を完全に掌握! 初共演にして目の覚めるような名演を披露(4月20日サントリーホール)
昨晩のサカリ・オラモ指揮東京交響楽団のコンサートのレヴューを「毎日クラシックナビ」速リポに書きました。東響は初共演にしてオラモと恋に落ちたと思います。 この…
「音楽の友」5月号が発売されました。私は、「開館20周年ミューザ川崎シンフォニーホールの歩み」(カラー12p-13p)ホールの歴史と将来の方向性、フェスタサマ…
ヴァイグレ読響《エレクトラ》 (4月18日・東京文化会館大ホール)
昨日のムーティ《アイーダ》の超名演に続き、今夜はヴァイグレ読響の《エレクトラ》に心底圧倒された。 歌手陣全員とオーケストラがここまで高水準のオペラ公演が実現し…
ムーティ指揮ヴェルディ「歌劇《アイーダ》」東京春祭(4月17日・東京文化会館 大ホール)
リッカルド・ムーティの神業のような指揮のもと、歌手、合唱、オーケストラが完全に一体となる破格の超名演。ムーティの意思が出演者全員に完璧に行き渡っており、まるで…
オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾ・ソプラノ) 東京春祭 (4月15日・東京文化会館小ホール)
オッカ・フォン・デア・ダメラウは一昨日のブルックナー「ミサ曲第3番」では声が出ておらず心配したが、今日のリサイタルでは問題なく、杞憂に終わってよかった。潤いの…
ヤノフスキN響 シューベルト&ブラームス (4月14日・NHKホール)
シューベルト「交響曲第4番《悲劇的》」でのN響は12型。コンサートマスターは東京・春・音楽祭の「トリスタンとイゾルデ」と同じくドレスデン・フィル第1コンサート…
ブルックナー《ミサ曲第3番》 生誕200年に寄せて 東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.11
(4月13日・東京文化会館 大ホール)ワーグナー:ジークフリート牧歌 都響は8型。コンサートマスターは山本友重。ローター・ケーニヒスの指揮は誠実、実直。頂点に…
下野竜也 日本フィル ブルックナー「交響曲第3番」(第2稿)(4月12日・サントリーホール)
(4月12日・サントリーホール)下野竜也日本フィルのシューベルト「交響曲第3番」は、リズミカルで流れもよく、がっしりとしている。コンサートマスターは木野雅之、…
《ラ・ボエーム》東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.5(演奏会形式)
(4月11日・東京文化会館大ホール)歌手陣が声を全開。これぞイタリアオペラ。ロドルフォのステファン・ポップ(テノール)は力余って怒鳴るように過剰だが、これくら…
ルネ・パーぺ(バス)&カミッロ・ラディゲ(4月10日・東京文化会館小ホール)
東京春祭歌曲シリーズvol.38バスのルネ・パーぺはやわらかく深々として威厳のある声。世界中から引っ張りだこの理由がわかる。舞台に登場したときからオーラを放ち…
ワーグナー『ニーベルングの指環』ガラ・コンサート ヤノフスキ指揮N響 東京・春・音楽祭
(4月7日 [日] ・東京文化会館 大ホール)《ニーベルングの指環》の4つの楽劇の名場面を一度に味わう贅沢なコンサート。ヤノフスキN響は《トリスタンとイゾルデ…
ディオティマ弦楽四重奏団 シェーンベルク弦楽四重奏曲全曲演奏会 生誕150年に寄せて
(東京藝術大学奏楽堂・4月6日 [土] 14:00開演、20時終演)3回の休憩を入れて6時間は苦行のようなコンサートだと思ったが、シェーンベルクの独創的で超越…
カンブルラン 読響 金川真弓 マルティヌー、バルトーク、メシアン(4月5日・サントリーホール)
読響第637回定期演奏会カンブルランが振ると、読響の音は彼が常任だったころに戻る。カラフルな音、しっかりとしたアウフタクトから入り、深く音楽をつかむと、今度は…
大野和士指揮都響 藤村実穂子(メゾ・ソプラノ) (2月3日・サントリーホール)
【定期演奏会1000回記念シリーズ①】【ブルックナー生誕200年記念/アルマ・マーラー没後60年記念】指揮/大野和士メゾソプラノ/藤村実穂子曲 目アルマ・マー…
マエストロの逝去を悼み、ミュージック・ペン・クラブ・ジャパンに所属する会員がクラシック、ポピュラー、オーディオのジャンルを越えて追悼の文を寄せました。私も投稿…
ドラマティックな名演!聖金曜日の《マタイ受難曲》鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン
(3月30日・東京オペラシティコンサートホール)昨日はキリストがはりつけの刑に処せられたとされる聖金曜日。バッハ・コレギウム・ジャパン恒例のJ.S.バッハ《マ…
東京・春・音楽祭《トリスタンとイゾルデ》ヤノフスキN響他(3月27日・東京文化会館)
東京・春・音楽祭のワーグナー《トリスタンとイゾルデ》はヤノフスキとN響が主役だった。長年春祭でN響を聴いているが、今日はその中でも最高の出来だったのでは。メト…
真夏のオーケストラの祭典「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2024」全ラインナップ発表!
真夏のオーケストラの祭典「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2024」 17日間・19公演の全ラインナップを発表! 2024年7月27日(土)~8月12…
名古屋フィルハーモニー交響楽団 東京特別公演(3月25日・東京オペラシティ)
川瀬賢太郎が8年にわたる神奈川フィル常任指揮者時代1番思い出に残っているコンサートはレスピーギのローマ三部作だという。川瀬の勝負曲と言うべきか。色彩と躍動、若…
ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」(3月20日・新国立劇場)
新国2010/2011シーズンに上演された大野和士指揮の「トリスタンとイゾルデ」(2011年1月4日鑑賞)はこう書いて絶賛していた。『東京フィルから充実し切っ…
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXX モーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」
(3月23日・東京文化会館大ホール)素晴らしく充実した公演。歌手陣が粒ぞろい。アリアはもちろん、重唱が美しいハーモニーを形作る。 指揮のディエゴ・マテウスのテ…
ミンコフスキの「運命」「田園」オーケストラ・アンサンブル金沢 第40回東京定期公演
(3月18日・サントリーホール)オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)は10-8-5-4-3の対向配置。コントラバスはウィーン・フィルのように正面に並ぶ。コ…
ジャコ指揮読響 メルニコフ(p) ベートーヴェン《皇帝》 ブラームス「交響曲第4番」
(3月17日・東京芸術劇場)今後ウィーン響の首席客演指揮者、デンマーク王立歌劇場とケルン放送響の首席指揮者への就任が決まっている注目の新鋭マリー・ジャコ(19…
上岡敏之 新日本フィル アンヌ・ケフェレック(3月16日・すみだトリフォニーホール)
ハ長調の作品2曲、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」、シューベルト「交響曲第8番《グレイト》で構成された今日のプログラムは、上岡敏之と新日本フィルのシューベ…
オメル・メイール・ヴェルバー ウィーン交響楽団 ベートーヴェン交響曲第8番&第7番
(3月14日・サントリーホール)ヴェルバーの印象を一言で言えば「踊る指揮者」。腰をひねり、ダンスのように身体を動かし両手を振り回す。リズムは常に躍動し、テンポ…
バッティストーニ 東京フィル オルフ《カルミナ・ブラーナ》」(3月15日・サントリーホール)
バッティストーニ指揮東京フィルの《カルミナ・ブラーナ》は、緩急がはなはだしく、急の楽曲では聴き手は速さについていけないような(東京フィルはよくついていった)、…
マリー・ジャコ指揮 読響 小曽根真(ピアノ) (3月12日・サントリーホール)
マリー・ジャコは今最も旬の指揮者の一人。1990年パリ生まれ、今年34歳。トロンボーンを学んだあと、オーストリア国立ウィーン音楽・演劇大学、ドイツのワイマー…
The Real Chopin × 18世紀オーケストラ ~フランス・ブリュッヘンの想い出に~
(3月11日・東京オペラシティ)コンサートでの使用ピアノはタカギクラヴィア所有の1843年製プレイエル。 ユリアンナ・アヴデーエワの弾くショパン:ピアノ協奏曲…
広上淳一 神奈川フィル スメタナ《わが祖国》(3月9日・横浜みなとみらいホール)
広上淳一の《わが祖国》ならきっと素晴らしい演奏になるだろうと思って行ったが、その予想が見事に当たった。引き締まって切れが良く、胸のすくような名演だった。神奈川…
高関健 東京シティ・フィル マーラー「交響曲第5番」ほか(3月8日・東京オペラシティ)
シベリウス:交響詩「タピオラ」 作品112高関健はプレトークで、「この曲はシベリウス最後のオーケストラ曲だが、構想で終わった交響曲第8番の第1楽章になったかも…
つい先ほど午後9時にソニー・ミュージックジャパン・インターナショナルからのメールで知った。かつてソニー・ミュージックでソニークラシカルのマーケティングを担当し…
森内 剛指揮 読響 福間洸太朗(ピアノ)都民芸術フェスティバル(3月5日・東京芸術劇場)
森内 剛 ©Barbara Aumüller 福間洸太朗 ©Shuga Chiba今日初めて聴いた森内 剛は素晴らしい指揮者だ。1979年生ま…
しらかわホールの閉鎖を伝える名古屋のCBC(中部日本放送)制作のニュースがTBS NEWS DIGにアップされました。最後のコンサートとなった阪田知樹さんの演…
ピエール・ブリューズ 東京交響楽団 MINAMI(吉田南) 名曲全集(第195回)@ミューザ川崎
(3月2日・ミューザ川崎シンフォニーホール)ミューザ川崎へ来たのは今年初めて。東京交響楽団が新国立劇場の《エウゲニー・オネーギン》でピットに入るなど、ミューザ…
1994年、名古屋の中心部に開場したクラシック専用ホール「三井住友海上しらかわホール」(約700名収容)が、経営状況や維持管理費の問題のため30年という歴史に…
2024都民芸術フェスティバル 日本フィル 石﨑真弥奈(指揮) 秋山紗穂(ピアノ)
(2月27日・東京芸術劇場) 石﨑真弥奈は2017年ニーノ・ロータ国際指揮者コンクールで優勝(ニーノ・ロータ賞)および聴衆賞。2012年第16回東京国際指揮者…
シューマン室内楽マラソンコンサート 国際音楽祭NIPPON2024(2月23日東京オペラシティ)
豪華な出演者によるシューマンの室内楽を一挙に聴く贅沢なコンサート。フェスティバルならではの初組み合わせもあり、リハーサル時間が限られているとは言え出演者のレベ…
チョン・ミョンフン指揮東京フィル《田園》《春の祭典》(2月22日・サントリーホール)
何と温かく人間的なベートーヴェン「交響曲第6番《田園》」だったことか! 第3楽章「田舎の人々による愉快な集い」から第4楽章「雷、嵐」、第5楽章「牧歌、嵐の後の…
インバル都響 マーラー:交響曲第10番(デリック・クック補筆版) (2月22日・東京芸術劇場)
【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版) 2014年7月…
神奈川フィル東京公演マーラー「交響曲第7番《夜の歌》」沼尻竜典(指揮)ニュウニュウ(ピアノ)
(2月16日・東京オペラシティ)グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調Op.16ニュウニュウのピアノはペダルを踏みこみ、多少の音の濁りはかまわず豪快に弾いていく。沼尻竜…
前田朋子ヴァイオリン・リサイタル(2月17日・横浜みなとみらい小ホール)
2月23日にブラームス「ヴァイオリン・ソナタ全曲」CDをグラモーラレーベルから発売する前田朋子のCD発売記念リサイタル。日本での販売はナクソスが担当する。ちな…
「音楽の友」3月号 特集・初演200年記念「聴いて・知って・歌って・味わう《第九》のこころ」
「音楽の友」3月号が発売されました。特集は初演200年記念、「聴いて・知って・歌って・味わう《第九》のこころ」。昨年末の《第九》レポート、作品解説や歴史、また…
アウグスティン・ハーデリヒ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル(2月18日・紀尾井ホール)
2月15日パブロ・エラス・カサドN響とのプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第2番」の新鮮で深い解釈で驚かせたアウグスティン・ハーデリヒの無伴奏リサイタル。 超…
インバル指揮都響 ショスタコーヴィチ&バーンスタイン《カディッシュ》
(2月17日・サントリーホール)昨日2月16日に88歳の誕生日を迎えたインバル。年齢を全く感じさせないエネルギッシュな演奏は驚異的だ。その内容も凄い。ショスタ…
パブロ・エラス・カサド指揮 N響 アウグスティン・ハーデリヒ(ヴァイオリン)
(2月15日・サントリーホール)新時代を告げる指揮者パブロ・エラス・カサドとヴァイオリニストのアウグスティン・ハーデリヒが登場。N響は持てる力をフルに発揮。全…
山田和樹 シモーネ・ラムスマ 読響 (2月13日・サントリーホール)
山田和樹の魅力は採れたてのオレンジを絞ったようなフレッシュさにある。そのことを小澤征爾さんの追悼コンサートになった2月9日の武満徹「ノヴェンバー・ステップス」…
ジェラール・プーレ 川島余里 サロン・ヨリネット第9回コンサート
世界的ヴァイオリニストで偉大な教育者ジェラール・プーレと、彼と長くデュオを組む川島余里のサロン・コンサート。収益はすべて能登半島地震災害支援に寄付される。会場…
クァルテット・インテグラ ハイドン、ゾーン、ベートーヴェン(2月8日・白寿ホール)
クァルテット・インテグラは第71回ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第2位&聴衆賞受賞。バルトーク国際コンクール弦楽四重奏部門第1位など、今最も勢いの…
小澤征爾氏追悼となった武満徹「ノヴェンバー・ステップス」とベートーヴェン「交響曲第2番」
昨日サントリーホールでの読響公演で、小澤征爾さんの訃報を山田和樹さんの口から聞き、大きな喪失感がありました。しかもそのあと、演奏された曲が、小澤さんがニューヨ…
山田和樹 読響 上野耕平(サクソフォン) グラズノフ ハイドン カプースチン ラヴェル
(2月3日・東京芸術劇場)3月末で6年間務めた読響首席客演指揮者を退任する山田和樹。2月は古典派から現代音楽まで実に幅広いレパートリーからなる3種類のプログラ…
井上道義 N響 ショスタコーヴィチ「交響曲第13番《バビ・ヤール》」他(2月3日・NHKホール)
今年末で引退する井上道義の最後のN響定期登場。定期以外では、6/29サントリーホール、6/30フェスティバルホールで、服部百音とショスタコーヴィチのヴァイオリ…
比類なき名演 バーメルト札響、ボストリッジ&アレグリーニ ブリテンとブルックナー
ブリテン「セレナード~テノール、ホルンと弦楽のための」は、イアン・ボストリッジのホールの隅々まで響き渡る威厳に満ちた声と、遠くの世界から呼びかけるように響くア…
カーチュン・ウォン指揮日本フィル 児玉麻里・児玉 桃(ピアノ)
(1月26日・サントリーホール)コンサートのテーマは「アジアと西洋音楽の出逢い」。チナリー・ウン:グランド・スパイラル[日本初演]1942年カンボジアに生まれ…
ミハイル・プレトニョフ 東京フィル マルティン・ガルシア・ガルシア(ピアノ)
(1月23日・サントリーホール)シベリウス「組曲《カレリア》」は、ほの暗い響き、陰影の深さ、そしてひんやりとした空気感が醸し出される。第1曲「間奏曲」の遠くか…
ソヒエフ指揮N響 郷古廉(ヴァイオリン) 村上淳一郎(ヴィオラ)(1月24日・サントリーホール)
コンサートマスターは2018年からトゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団でCo-soliste*を務めている藤江扶紀。同オケの音楽監督を務めていたソヒエフとは良…
尾高忠明 大阪フィル 東京定期演奏会 武満徹&ブルックナー(1月22日・サントリーホール)
武満徹「オーケストラのための《波の盆》」は、N響札響との録音もあり、作品を熟知している尾高忠明の心のこもった指揮が武満の温かな作品を情感豊かに描いて感動を呼ん…
カーチュン・ウォン 日本フィル 上原彩子(ピアノ) (1月21日・サントリーホール)
カーチュン・ウォン日本フィル首席指揮者就任記念公演のマーラー「交響曲第3番」が「音楽の友コンサートベストテン2023」の第7位、「毎日クラシックナビが選ぶ20…
現代音楽のコンサートとは思えない聴衆の多さ。90%以上客席は埋まっていたのではないだろうか。ジョン・アダムズの人気なのか、ミニマル・ミュージックのファンが駆け…
毎日クラシックナビが選ぶ2023年開催公演ベスト10が発表となりました。私も今回から選者の一人となり、投票いたしました。 第1位から第10位までの結果は下記サ…
前代未聞の《ドイツ・レクイエム》 鈴木雅明 バッハ・コレギウム・ジャパン
(1月19日・東京オペラシティ)全曲の頂点、第6曲『死よ、お前の棘はどこにある、地獄よ、お前の勝利はどこにある』では、強烈な合唱と鋭い響きの管弦楽が一体となり…
「音楽の友」2月号恒例 コンサート・ベストテン2023が発表されました!
「音楽の友」2月号恒例のコンサート・ベストテン2023が発表されました。第1位はジョナサン・ノット東京都交響楽団の《エレクトラ》。すでに東京交響楽団のホームペ…
天才中の天才!ダニエル・ロザコヴィッチ!ヴァイグレ&読響とのベートーヴェンヴァイオリン協奏曲
天才中の天才!ダニエル・ロザコヴィッチ!今まで聴いた中で最も高貴なベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」。クライスラー、ハイフェッツ、フランチェスカッティ、ミル…
トゥガン・ソヒエフ NHK交響楽団 (1月13日・NHKホール)
やはりソヒエフは凄い。N響がここまで本気で演奏する姿をひさしぶりに見た。 特に素晴らしかったのは前半のビゼー(シチェドリン編)「バレエ音楽《カルメン組曲》」。…
沖澤 のどか 黒木雪音 東京シティ・フィルシティ・フィル (1月13日・東京オペラシティ)
沖澤のどかが東京シティ・フィルに初登場。ステージに出てくるときから自信に満ちた表情。リハーサルも楽員から大好評だったようで、指揮者とオーケストラが信頼で結ばれ…
国際音楽祭NIPPON2024 諏訪内晶子 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲全曲演奏会2日目
(1月12日・東京オペラシティ)オール・モーツァルト・プログラム。主役は諏訪内晶子だが、個人的にはまず、サッシャ・ゲッツェル指揮国際音楽祭NIPPONフェステ…
小林研一郎 プラハ交響楽団 スメタナ《わが祖国》(1月11日・サントリーホール)
プラハ交響楽団の持つ響きはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団以上に東欧らしく聞こえる。プラハに行ったのは21年前の11月。どんよりとした曇り空、カレル橋からみた…
完売公演。藤田真央がブラームスに挑戦。「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」は安定した演奏。スケールが大きく、音もしっかりとした芯と骨格があり、ブラームス…
ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤー・コンサート2024 (1月9日・サントリーホール)
ウィーン・リング・アンサンブル32回目の来日ツアー。メンバーは下記のとおり。ベテランと若手で構成される。ライナー・キュッヒル (ヴァイオリン) Rainer …
第21回東京音楽コンクール 優勝者コンサート(1月8日・東京文化会館 大ホール)
このコンクールは東京文化会館、読売新聞、花王(株)、東京都の4者が共催。新人演奏家の発掘、育成・支援を目的としている。過去の優勝者の中には2005年北村朋幹(…
ニューイヤーコンサート2024 原田慶太楼 都響 前田妃奈 東京文化会館《響の森》Vol.53
(1月3日水曜日15時・東京文化会館大ホール) 今年最初のコンサート。業界関係者も多数出席、新年の挨拶を交わした。指揮は原田慶太楼。管弦楽は東京都交響楽団、コ…
アラン・ギルバート 都響 ベートーヴェン《第九》 (12月26日・サントリーホール)
近年聴いた《第九》の中でも出色。ギルバートの強いメッセージを感じる。都響は14型対向配置。コンサートマスターは矢部達哉。 第1楽章再現部(展開部最後)のクライ…
汐澤安彦 上智大学管弦楽団 ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」他
(12月25日・すみだトリフォニーホール)汐澤安彦(しおざわやすひこ)の強烈な演奏に驚いたのは11月1日パシフィックフィルハーモニア東京を指揮したコンサート。…
愛知室内オーケストラ特別演奏会2023 山下一史(指揮) ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
(12月22日・紀尾井ホール)シューマン:マンフレッド序曲Op.115コンサートマスターは元読響の小森谷巧。愛知室内オーケストラは7-6-6-4-3の編成。人…
園田隆一郎 神奈川フィル《第九》(12月23日・横浜みなとみらいホール)
園田隆一郎は白寿ホール「トラジック・トリロジー」シリーズでの見事なピアノと歌手陣のリードぶりを知っていたが、オーケストラを指揮するのは今回初めて聴く。神奈川フ…
白尾彰 フルート・リサイタル・シリーズ 第5回 フルート四重奏の夕べ
(12月19日・東京文化会館小ホール)モーツァルトのフルート四重奏曲全曲と、オーボエ四重奏曲をフルート編曲版ではなく、原曲のヘ長調で演奏。現役時代を凌駕するよ…
青木尚佳(紀尾井レジデント・シリーズ 第1回)~ミュンヘン・フィル コンサートマスター就任記念
(12月21日・紀尾井ホール)青木尚佳を初めて聴いたのは8年前の2015年4月のこと。同年7月の浜離宮朝日ホールでのリサイタルですでに大家への道を着実に歩み始…
「音楽の友」2024年1月号本日発売! 特集記事「名門オーケストラ来日ラッシュ」
「音楽の友」2024年1月号が発売されました。今年は10月から11月にかけて世界の一流オーケストラ、ソリストの来日ラッシュが続きました。その特集記事が15pか…
大野和士指揮都響 ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)(12月7日・東京文化会館)
都響は16型。コンサートマスターは矢部達哉。レーガー:ベックリンによる4つの音詩 op.128第1曲「ヴァイオリンを弾く隠者弦に繊細さが出てとても良かった。同…
偉大な演奏!ルイージ指揮N響 マーラー「一千人の交響曲」(12月17日・NHKホール)
ファビオ・ルイージがきっちりとまとめ上げた密度の濃いマーラー「一千人の交響曲」。ソリストが粒ぞろい。NHK児童合唱団が大健闘。新国立劇場合唱団は120名強。引…
熱狂と興奮の極致!ユベール・スダーン 東京交響楽団(12月16日・サントリーホール)
シューマンの交響曲第1番「春」をマーラーが編曲した版と、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番をシェーンベルクが編曲した版を並べた企画。事務局長の辻󠄀さんいわく『4…
ゲルハルト・オピッツ ピアノ・リサイタル(12月15日・東京オペラシティ)
11月のノット東響とのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番」がまろやかで温かく、感銘を受けたオピッツ。リサイタルはシューベルトとリストというロマン派の作品で構成…
カーチュン・ウォン 日本フィル 池上英樹(マリンバ) 外山雄三・伊福部昭・ショスタコーヴィチ
(12月9日・サントリーホール)『カーチュン・ウォンは天才的パティシエ』。これは日本フィルの首席トランペット、オッタビアーノ・クリストーフォリがウォンをパティ…
TRAGIC TRILOGYⅢ プッチーニ「蝶々夫人」(12月8日・白寿ホール)
白寿ホールが主催する「TRAGIC TRILOGY」(トラジック・トリロジー)、「悲劇三部作」の最終回。2021年第1回はヴェルディ『椿姫』、2022年第2回…
記憶に残る名演!アリス・沙良・オットとルイージN響のリスト「ピアノ協奏曲第1番」
(12月6日・サントリーホール)これまで聴いたアリス・紗良・オットの演奏の中でも今日は傑出していた。2012年10月のマゼールN響とのグリーグ「ピアノ協奏曲」…
シルヴァン・カンブルラン指揮読響 ピエール=ロラン・エマール(ピアノ)
(12月5日・サントリーホール)読響桂冠指揮者シルヴァン・カンブルランがひさしぶりに登場、ヤナーチェク、リゲティ、ルトスワフスキという得意の近現代音楽を指揮し…
究極のゴルトベルク ヴィキングル・オラフソン+清水靖晃&サキソフォネッツ
(12月3日・すみだトリフォニーホール)2部構成で、14時からヴィキングル・オラフソンの「ゴルトベルク変奏曲」、30分の休憩後、清水靖晃&サキソフォネッツが「…
大友直人 都響 上野耕平(サクソフォン) 福本茉莉(オルガン) (12月2日サントリーホール)
サン=サーンス:交響詩《オンファールの糸車》op.31都響の第1ヴァイオリン群が最後の繊細な高音をしっかりとした音程で弾いた。コンサートマスターは山本友重。大…
ルイージ N響 ベルリオーズ《幻想交響曲》(12月1日・NHKホール)
NHKホールの前の遊歩道は、今日12月1日から毎年恒例の「青の洞窟」のイルミネーションが点灯し、クリスマスマーケットも開かれ、人波でごったがえしていた。近くの…
高関健 東京シティ・フィル プッチーニ「歌劇《トスカ》」(演奏会形式)
(11月30日・東京オペラシティコンサートホール)2020年3月に予定された公演。コロナ禍で延期となり、3年を経てついに実現した。歌手陣も当時予定されたメンバ…
自由が丘クラシック音楽祭2023 in 原宿 水谷晃(vn) 山本裕康(vc) 松本望(p)
(11月26日 hall60 (<ホール ソワサント>)ミューザ川崎シンフォニーホールの設計にも携わった建築家、小林洋子と林秀樹は音楽サロン「ACTサロンen…
平石章人(NHK交響楽団指揮研究員)、湯川紘惠(同)N響定期演奏会デビュー!
(11月25日・NHKホール)ウラディーミル・フェドセーエフが、体調不良のため医師のアドバイスに従い、来日中止となり、代役としてN響指揮研究員の二人が分担して…
アンドリス・ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(11月22日・サントリーホール
ブルックナー「交響曲第9番」は、今まで聴いた同曲の最高峰の演奏だった。ここまで高く堂々とそびえたつようなブルックナーを聴いたことがない。ライプツィヒ・ゲヴァン…
キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(11月21日・ミューザ川崎)
ヴィルトゥオーゾが集まったすべてに余裕のあるオーケストラ。それが今日のベルリン・フィルの印象だった。モーツァルト「交響曲第29番」は、35年前カラヤンの最後の…
バッティストーニ指揮東京フィル 佐藤晴真(チェロ) 没後130年 チャイコフスキー・プログラム
(11月10日・サントリーホール)バッティストーニ指揮による没後130年チャイコフスキー・プログラム。「ロココの主題による変奏曲」以外は全てシェイクスピアの作…
スピノジ指揮新日本フィル HIMARI (11月10日・すみだトリフォニーホール)
ウィーン・フィル、ベルリン・フィルなど世界中のオーケストラから招聘され、自ら主宰するアンサンブル・マテウスとのヴィヴァルディの演奏でル・モンドから絶賛されたフ…
井上道義 読響 マーラー「交響曲第2番《復活》」 (11月18日・東京芸術劇場)
体調不良で夏に2か月の入院を余儀なくされ、退院後の10月末群響とのショスタコーヴィチ「交響曲第4番」で名演を披露(残念ながら聴けず)した井上道義は、体調は以前…
サラステ指揮N響のシベリウス、クーシストのストラヴィンスキー(11月15日・サントリーホール)
久しぶりにシベリウスらしい音を聴いた。ユッカ・ペッカ・サラステN響による交響詩《タピオラ》、交響曲第1番は、冒頭から北欧の音に惹きこまれた。フィンランドの森や…
「ブログリーダー」を活用して、ベイさんをフォローしませんか?