chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ライズを待ち続けて https://sinbliz.hatenadiary.com

渓流釣りのエッセイ フライフィッシング での経験、感じたことを書き綴ります 舞台は主に東北

shin
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2021/08/03

  • キサス・キサス・アニサキス

    コロナパンデミックも終息を迎えつつあるのか、次なる変異株感染までの谷間なのかは分からないけど、患者数は減少してこの春は全体的に警戒心が緩んできている。去年までの春とどこが違うかというと、飲み会をする機会が増えてきた。 3月になって川は解禁を迎え、どこに行こうかなと思案していると、昔の職場仲間から飲み会のお誘いがあった。いそいそというかわざわざ(・・・・)電車で1時間以上もかけて港町まで出向いてきた。お目当ては、旧交を温めるというよりも、むしろ新鮮な魚介類であった。家飲みで調達するには魚介類の種類にも限界がある。小さな居酒屋に4人揃うと、期待通りに、膳には、アイナメ、まぐろ、カツオ、ヤリイカの切…

    地域タグ:仙台市

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 8/8

    さてずいぶんと寄り道してしまったな。なんの話をしていたんだったか忘れちまったな。笑笑。そうそう、気象データを見てタカシと釣りに出かける話だったな。その年は期待していたほどではなかったがな、イワナは釣れた。面白かったのはな、タカシはブリーチのエルクヘアカディスしか使わないんだよ。あの時白いイワナを釣ったフライさ。季節、天候、魚の食性に合せてフライを変えるというフライフィッシングのセオリーには全くもって反しているんだが、それでも釣果を上げているのだから、面白いものだな。上体を前後にゆったりと振ってな、きれいな軌道でラインを飛ばしていた。 そんで最後に付け加えるがな、この川のもう一つの魅力はイワナが…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 7/8

    その後しばらくしてからな、ワシは何年かぶりにタカシとこの川に行ったことがあった。しばらく釣り上がって一息ついていると、ワシらの後から来た二人組と会ったんだよ。彼らはワシらの足跡を辿るように釣り上り、そこで追いついたという具合だな。皆も経験あると思うが、こんな風に川で出合った釣り師同士のやりとりというのは、ちとむずかしくてな。どうしても釣る場所が競合することになるからな、お互いに敵意が向きがちだろう。でもな、その二人はな、落ち着いたものでな、ワシらよりも年配で出で立ちからして老練な感じがした。お互いにな、軽く挨拶してから釣りの話になったよ。かれらはこの川に何年も通っていると言うのだ。そしてなあ、…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 6/8

    実はタカシがその大きなイワナを釣った閉じた沢があるところは、この川のイワナ釣り場のほんの入り口でしかないんだよ。本流の奥は深くてな、山道から杣道を経て川原に降りてからも川は延々と続いていた。地図で見ると、源流はいつかの支流に分かれていて、やがてピークに至る稜線に遮られて途絶えている。そこまで行ったら,どんな釣りができるのだろうか、とな、仕事をしていてもな、何をしてもふと考えているようになってな。白昼夢に取り憑かれるとはこんな風になることをいうのかな。恋と似ているな。笑笑。 それでな。ある夏にな、非常食を携帯してな、装備もそれなりにしてな、タカシと遡行したこともあるんだよ。ひたすら歩いてな、途中…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 5/8

    そいつはな、ただサイズがでかいだけではなく、体色が白いイワナだった。アルビノとは違う。色が薄かったんだね。暗い谷だと思っていたんだが、実は河床には花崗岩が砕けた白い砂が堆積していたんだよ。そこに居ついていたから、環境に合わせてそんな色になったのだろうな。タカシは魚の大きさもさることながら、見たこともない魚体の気配にな、やったという喜びよりは、戸惑ってしまったらしい。とりあえず、デイパックの奥に持っていた家庭ごみ用のビニール袋に水を入れて、片手に携えて沢から出てきた。透明なビニール袋は川の水でたわわに膨らんでな、イワナを拡大したからなおさら大きく見えたよ。魚もよく観察できた。斑点が大きくてきれい…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 4/8

    それはさらに古い話でな、さっきの話からさらに30年ばかりも遡る。昭和の時代のことだよ。当時、フライフィッシングを覚えたばかりのワシは,すぐに夢中になって、あっちこっちの川へ足繁くでかけるようになった。そして楽しさを誰彼となく語り聞かせていた。仲間が欲しかったんだろうな。しかし、意外に周囲の反応は鈍かった。まだそれほどフライフィッシングが世の中に知られてはいない時代だったしな、一緒にやってみようと言ってくれる相手は少なかったんだよ。それにフライフィッシングは初めてすぐに釣果が上がるわけでもないだろう。タックルや装備など揃えるにも結構の金がかかるしな、そんな中で、タカシだけが、興味を持ってくれたん…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 3/8

    前の年にそんないい思いをしたものでな、次の年もまたチャンスを狙っていたのだ。ところが、その年の6月の上旬は雨が続いてしまっていてな、中旬になると今度は気温が上がらなかった。天候につられてこちらの動きも鈍く、なんだかその気にならなかった。そういうこともある。そんな気乗りのしないときは控えるものとワシは思っている。心の声というかな、それはないがしろにしない方がいいのだよ。そんなわけで、何回か延期された上での釣行だったからその年に初めてその川に入った時期は少し遅かったな。当日、ワシは、早起きをして家を出発し、途中で待ち合わせしたタカシの車に乗り換えて、早朝の道路を西に向かった。最後の人家から川をひた…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 2/8

    その前の年はな、冬の間の雪が少なかった。そして春になってから急に気温が上がったんだ。だから、これは雪代水が落ちるのは早いだろうと予測したわけだ。そして、タカシに連絡して、いつもよりも一か月以上も早く一緒にその川へ行ったのだよ。タカシというのはワシの弟子さ。 それで、実際川に着いてみるとな、川の本流に流れ込む谷筋には残雪があったがな、もう雪代水の大半は流れ去って、水位は平水まで下がっていた。水は清らかなで、穏やか流れの中を釣り上がることができた。しかもな、他にだれも来ていなかったからな、川を二人で独占した気分だった。気持ちよかったね。 ところが、そうは物事うまくいくことばかりでない。釣りを始めた…

  • 釣り爺様の昔語り カーティスクリーク 1

    1 今日はこれから皆にある川の話をしようと思う。食べながら呑みながらでも聞いていっておくれ。 30年も前の話になるがな。その頃には毎年の気候の変わりぶりが激しくなっていてなあ、冬の間に降り積もる雪の量も年によって違ってくることが多くなってきておった。春になってから、気温も急に上がって夏のような陽気になることもあった。そうなると、とたんに雪解けが進むのだよ。皆も知っての通り、雪解けの水は雪代水といってな、冬から春にかけて雪が解け始めると、一斉に川に水が流れ込む。その間はまったく釣りにはならん。なぜかというと、水が多すぎるし、その上濁ってしまっている。なによりもあぶねえのさ。川に飲み込まれそうにな…

  • サクラマスの渚 2

    「魚が見えるの?」 川を渡った女が、マコトたちのすぐそばまで近づいてきていた。男は口をつぐんでしまった。マコトは戸惑いながら逆に 「何かを探していたんですか。」 と問い返した。白いクロップドパンツを履いた女は、見てと言って、マコトまで歩み寄り、手に持った赤色のバケツをマコトの前に差し出した。バケツの中には、角がとれた石が数十個入っていた。ブラウン、グレイや、オーカー色に染まったもの。細かいゴマ模様、地層模様が入っていたりと、様々な種類の石がそこにはあった。 「きれいな石ですね。」 「そうでしょう。」 麦わらのつば広帽の下から女の笑顔が覗いた。女はガラガラとバケツをかき回して、一つ取り上げ、開い…

  • サクラマスの渚 1

    1 目の前には初夏の日差しを浴びた海原が広がっていた。沖からは浜辺に向かって緩やかな風が吹いており、砂浜にさざ波を打ち寄せていた。そして波間には時折大きな波しぶきが跳ね上がった。浜辺の背後はすぐに切り立った崖になっていて、表面の地層を露わにして聳え立っていた。断崖は、緩やかな湾曲線を描きながら、海岸線に沿って南北両方向に伸びていた。そして北の方の突端付近には明るいオレンジ色をした建物の屋根が霞んでいた。まぶしいほどの日差しは、マリンレジャーにはうってつけだったが、平日の午前中のためなのか、それともこれと言った観光地でもないためか、この渚には人の気配は少なく、一組のカップルと、それとは別に大きな…

ブログリーダー」を活用して、shinさんをフォローしませんか?

ハンドル名
shinさん
ブログタイトル
ライズを待ち続けて
フォロー
ライズを待ち続けて

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用