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  • ハンマーの振いどころを見極めることと、ハンマーを持つこと

    英語のことわざ 「If all you have is a hammer, Everything looks like a nail」 (ハンマーしか持っていなければ、全てが釘に見える) は様々なニュアンスを含意している至言だと思っています。 このことわざからはいくつもの教訓を導くことが可能です。 ◆特定の手段・方法・思考・知識しか持っていなければ、それに固執して問題の本質を見失うことがある。 ◆持っている手段に合わせて問題を解決しようとするのではなく、問題に合わせて手段を変えなければいけない。 ◆問題解決を図る際には、今から取ろうとしている手段が適切かどうかを精査する必要がある。 ◆各種の問…

  • OJTとホワイトカラーの相性:OJTは万能ではない

    OJT(On-the-Job Training:職場内教育、現任教育)に関しては色々と思うところも言いたいこともあるため、当ブログでは度々取り上げてきています。 ◆組織の成長と衰退~ノウハウ(know-how)よりもノウホワイ(know-why)が重要 ◆OJTは仕事の質を漸進的に劣化させていく ◆新人には早期に社内規程を熟読させたほうがいい:OJTにおける座学の必要性 ◆OJTは現代の日本には適していないのではないか 研修をすべき教育部署が職務を放棄して現場に丸投げするような、そんなOJTの名に値しないものはもちろん論外ではありますが、そもそも論としてOJTはホワイトカラーに適用していいもの…

  • だからグローバルな人材じゃないというに

    会社は私のことを誤解しているんじゃなかろうか。 「ちょっと行ってきて」 海外現地法人のスタッフから呼ばれたらしく、来月中に数日ほど東南アジア出張に行くことが急遽決まりました。 呼ばれたらしく、とフワフワした表現なのは、組織の上のほうで流れるようにサッと話が決まったので私が現地に行っていつどこで何をするのか未だに把握していないためです。意思決定システムと情報伝達ネットワークが壊れているような気がします。 それはさておき、まあ数日程度の海外出張は別に構わないですし、そこまで苦でもありません。海外に出るのは好きですし、読書好きの出不精なので業務命令でのお出かけ機会は渡りに船です。 また、弊社ではグロ…

  • MPaオーダーの圧縮空気はホントに危険だから注意してほしい

    エアコンプレッサーの圧縮空気をいたずらで吹き付けて他者を殺傷する事故のニュースを時々見かけます。日本でも稀に起きていますし、胸糞の悪い嫌な話ですが「Air compressor kill」でニュースを検索すれば、人のお尻にいたずらで圧縮空気を流して殺傷してしまった事例が世界中で生じていることが分かるでしょう。 一技術屋の個人的な感覚としては血迷っているとしか思えません。 思えませんが、たしかにある程度の知見が無ければ危険性が分かり難いのかもしれません。 今回は日常的に圧縮空気を取り扱っている機械技術屋の私が、圧縮空気のことをどう思っているのかについての感想を述べていきます。 圧縮空気は便利なも…

  • 手に入れたものではなく、手に入れる能力が将来への自信となる

    昨今は毎日のように「AIによって減る仕事」といったニュースが流れてきます。 もちろん日に日に発展しているAIに各種の危機感を持つ人がいることは自然です。産業革命における機械化やパーソナルコンピュータの発展時にも恐らく同様の論調は存在していたでしょう。新技術による社会構造の変革はいつの時代でもラッダイト運動を生じる普遍的な動機足り得ます。 ネガティブ情報を流すのがニュースとはいえ ただ、このような状況で個人的に見たいニュースがあまり流れてこないことに不満を持っています。 それは「AIによって増える仕事」です。 そのようなニュースがまったく無いわけではありませんが、少なくともトップニュースとして上…

  • 仕事の腕を磨かないのはなぜ?

    私はタイピングが速いです。以前に職場の若手・中堅で測定してみたところ、上から二番目でした。 ちなみに一番は事務方の女性でしたが、ちょっと異次元の速度だったので勝てる自信がありません。努力の壁を感じました。あの域に到達するまでどれだけ訓練を積んだのか想像もできません。 速さの自慢をしたいわけでも煽りたいわけでもなく率直な疑問なのですが、タイピングの遅いデスクワーカーは何を考えているのでしょう? ・・・うーん、率直な表現過ぎる。 腕を磨かないのは何故? 現代のデスクワーカーにとってコンピュータは不可欠なものであり、そのコンピュータへの入力装置であるキーボードの操作に熟達しているか否かは仕事の速度に…

  • 流されるままであるか、流れに逆らうか:選択をすることの価値

    世間や他者に流されたくないと考える人は多いでしょう。 もちろん世間や他者の濁流に反発するのは大変であり、ただ流されることを好む人もいます。 そのどちらが偉いという話ではありませんが、流されるままの状態は自らの意志が外部へ影響を与えていない状態、意志の非存在だと言えます。 そして自身の意志が存在していない環境、自らの意志による理が実現されてない状況において人は理不尽を感じるものです。理不尽は苦痛を生み出す根源の一つであり、だからこそ流されるままであることは楽なように見えて、実際は苦しみを生むものに他なりません。 それを避けるためには自らの意志を持ち、世間の濁流に流されるままとはならない必要があり…

  • 久しぶりにMinecraftで遊んでいるだけの日記

    私的な都合で物凄くメンタルが疲労しているのを感じるため、気分転換がてら、ゲーム『Minecraft』を久しぶりにやっています。およそ10年ぶりですので、本当に久しぶりです。 なにやら道具の両手持ちができるようになっていたり知らないブロックが山ほど増えていたり地下が深くなっていたりネザーの様相がさっぱり変わっていたりと、とても新鮮な気持ちで楽しんでいます。世界で最も売れたゲームの名は伊達じゃない面白さです。 「ダイヤ装備が揃ったからひとまずネザーを覗きに行こう」と軽い気持ちで行ったところ、出ましたところは過去の知識には無い謎の赤いキノコの森、とりあえずいくつかの道具を試して採取を試みていると多方…

  • 真面目であることと、責任感があることの違い

    この駄ブログでは人の性質の一つである『真面目さ』について幾度か言及してきています。 基本的には次のようなスタンスです。 真面目であることは真摯さや誠実さ、親切心といった美徳を出力することがあるため素晴らしいことである。 しかし真面目に悪事を働く人間もいるため、真面目そのものは美徳とは限らない。 真面目であること自体を誉めそやすのではなく、真面目さから出力された各種の美徳や行動内容を褒めるべきである。 最近、真面目さについてもう少し異なる言語化ができたため、また『真面目さ』について述べていきます。 妹に同意 先日、うちの妹が「お姉ちゃんは絶対に上司にしたくない」と述べていたと聞きました。まったく…

  • 先端の人権概念でも衝突することはあるんだなと:男女平等とジェンダーフリー

    ブログやYoutubeなどでアクセス数を考慮するのであればホットな話題を取り扱ったほうがいいですが、ホットな話題は美味しい反面、下手に触れるとやけどをするので、個人的には少し時間が経って冷めてから食べるほうが好みです。 私は猫舌なので。 そんなわけで、少し冷めた話題を取り扱います。 炎上するのは分かるけど 先日行われた内閣改造における対する記者会見で、女性閣僚が5人と過去最多に並ぶ人数であったことへの質問に対して首相が「飽くまでも適材適所」と前置きしつつも女性比率を意識した上で選んでいること、そして「女性としての、女性ならではの」活躍を期待していると述べたことがSNS等の一部で炎上していました…

  • ベテランの最も優れた技能は『時間の勘所』を掴む能力

    ベテランは退役軍人を意味する言葉でしたが、現代ではそこから派生して経験豊富な人やその道の熟練者を指す言葉になっています。 若手や中堅はベテランから様々なものを見習うことができます。今回はその中でも特に見習うべき能力について考えてみましょう。 より高く、より遠くへ 競争の世界であるビジネスにおいて重要なのは『より高くより遠く』へ到達することであり、先人たちとまったく同じ苦労をすることではありません。先人と同じ努力をして同じ道を切り開くことは、厳しい言い方をすれば”車輪の再発明”に過ぎないと言えます。 例えば個人が物凄い努力をして一からiPhoneを開発したとしても、その努力が今更ビジネスの世界で…

  • 手段が目的を変容することへの懸念

    物事を変革する場合に対して、当ブログでは時々、いえ、度々と言える頻度で「抵抗勢力を作るな」「対立意見と争うな」「攻撃をするな、協調を取れ」と述べてきています。 ざっとですが言及している記事を確認してみたところ、そこそこの数です。 敵を減らすのではなく味方を増やすほうが合理的 生活向上の機会が無ければ人は努力しない 改革の進め方〜革新と保守の衝突を避けるには 人の愛着を否定するのはリスクが大きい 楽観と悲観を分かつもの:危機感の違いと誤解 物事の変革に関して:「人にデスクを片付けさせる」を例として 集団の合意形成における作法:過激派と穏健派の役割 ”悪いところだけ”を丁寧に刈り取ることが必要 過…

  • 「分からないからできません」「教わっていないからやれません」の有効範囲

    「分からないからできません」 「教わっていないからやれません」 これらは世間一般、様々な場所で聞くことができる言い分です。 まあ、言い分としては理解しやすい内容です。分からないことをサッとできる人はいませんし、教わっていないことまでパパっとやれる人はいません。それは普通のことです。 クリエイティビティの有無 ただ、この言い分が通るかどうかは状況によります。 例えば学生やアルバイト、ルーチンワークを主軸とする事務職などであればこの言い分は筋が通る話です。到達すべき"型"が決まっており、その”型"通りに実行することが求められている人々である以上、その”型”が適切に教育をされていなければやりようがあ…

  • 権威主義国家の動機を推論しても意味が無い

    中国の経済に怪しい噂が増えつつある昨今、台湾有事や中国国内の経済問題を代表として、首脳部の考えや意向を推論するようなニュース記事が増えてきていると感じます。「このように考えているだろう」「こう思っているはずだ」そういった類のものです。 個人的に、これらの推論はあまり意味があるものとは思えません。少なくとも権威主義国家に対してそのような推論を行うことは、場合によっては政策や判断のミスを招きかねないとすら考えています。無益ではなく、下手をすれば有害です。 意思決定システムの違い 民主主義とは何か。 それは様々な学説や定義が存在しているため一概に述べられるものではありませんが、基本的には人々が権利を…

  • インボイス制度の導入に合わせて生活必需品の税率を下げておけば抵抗感が減ったのでは?

    門外漢の戯言です。 論争でちょっと気になった点 いよいよ10月からインボイス制度が始まりますが、概ね落ち着いてきたものの今なお賛否の論争は続いていると感じます。 私は税と向き合う生き方・仕事をしていないためそこまで真剣に論争をフォローしていたわけではありませんが、インボイス制度の導入は税制におけるとても大きな変革であり、得をする人も損をする人も居る以上賛否両論が巻き起こるのはやむを得ないことだと思います。 さておき、論争を眺めていて少し不思議に感じたのですが、珍しく海外出羽守が少ないように思えました。 消費税設立時に参照した欧州のVAT(付加価値税)ではインボイス制度が根幹にあり、イギリスやフ…

  • 社会運動は危機感によって駆動される:危機感の取り扱い方法

    何に対して恐怖を抱き、危機感を感じるかは人それぞれです。 恐怖は遺伝的要素、すなわちセロトニントランスポーター遺伝子の型の影響が強く、たとえ同じ情報を得ていたとしてもその情報に対する恐怖の感度は人それぞれ異なります。 この感度差は優劣や善悪で判別するものではありません。遺伝の差、つまりはただの個性の差です。 決め付けは認知バイアスに他ならない 恐怖心や危機感に関していくつか例示してみましょう。 例えば気候変動問題、人類が絶滅するのではないかと著しい恐怖を感じる人もいれば、そこまでの恐怖を感じていない人もいます。 例えば戦争、台湾有事など日本が戦争当事国となる事象が生じることを恐れる人もいれば、…

  • 技術屋として生きていくためには勉強が必須だと思っているが

    いつものようにネットの情報を漁っていたところ、次のようなニュアンスのコメントを見かけました。 「自主的に勉強しなくたってエンジニアを続けていくことはできる」 前後の流れから、このエンジニアはITエンジニアを指しています。 これは機械の技術屋からするとなんとなく得心がいかない意見です。 今回は専門職の自主的な勉強に関する戯言を述べていきます。 椅子取りゲーム まず前提として、社会人が自主的に勉強すべきどうかは契約に依存するものだと私は考えています。 時間を基準に契約をしているのであれば勉強は必須ではありませんし、能力を基準に契約をしているのであれば能力を維持向上するために勉強が必要になります。成…

  • 「勉強不足で恐縮ですが」と言われましても

    言いがかりに近いなにか。 定型句ではありますが 「勉強不足で恐縮ですがご教示願います」 「不勉強で申し訳ありませんが教えていただけないでしょうか」 これらはビジネス定型句の一種で、何かしらの教えを乞う際に自らの無知を恥じる気持ちを提示してへりくだる、かしこまった表現です。 あるいは、別の用例もあります。 「勉強不足で恐縮ですが、これはこのような意味で宜しいでしょうか?」 「不勉強で申し訳ありませんが、このような考え方もあるのではないでしょうか?」 このように、自らが誤っている可能性を示唆する前置き、謙遜として用いることもあります。 これらは定型句であり、目くじらを立てるようなものではありません…

  • テキストコミュニケーションの限界と奥行き

    数日仕事を休んでから職場に行くと机の上もメールボックスも凄いことになっているので、逆にテンションが上がります。仕事が多い方がやる気になるのは良いことなのか悪いことなのかは一概に言えませんが、少なくとも燃え尽き症候群になりやすそうな性質ですので気を付ける必要がありそうです。 そんな中、届いていたメールからの思索。 会議に呼ばれない関係者 あるプロジェクトにおいて、プロジェクトを主幹している部署に対してちゃんと責任を持ったアクションを取るように連絡を送ったのが数か月前。ようやくメールの回答が来ていました。 「関係部署一同で打ち合わせをして経緯などの確認を行った結果、対応はそちらの部署で実行すること…

  • 続けていると変わっていくこともある

    たまの日記要素。 数日ほど寝込んで影響で、未だに脳があまり働いていません。その間はニュースやSNS・ブログも読んでおらず、インプットされる情報が少ないために浦島太郎になったような気分です。数日分の情報を追って入手するのはなかなかに重いため、一息で無理して収集せず、ゆっくり戻していくことにしましょう。 人間のアウトプット量はインプット量に比例するものです。比例定数は人それぞれ能力と経験によって異なっていますが、まず比例関係にあることは間違いないでしょう。 私は比例定数がそこまで高くないため、日頃も1000~2000文字程度のブログを毎日更新するために毎日10倍以上の文章を読んでいます。そこでイン…

  • お金の話を無視してはいけない

    社会問題や議論において、常に留意されるべきこと。 お金は大切 お金の話を露骨にすることはあまり上品ではないとする社会常識があるかと思います。 もちろん過度にお金に傾倒すると汚職や拝金主義の温床となりますので、お金を中心に物事を考える必要はありません。 ただ、それらを忌避し過ぎて「お金の話をすることは下品だ」とまで行き過ぎてしまい、お金の話を無視してしまうことはとてもリスクがある思考だと考えています。 お金を中心に考える必要はありませんが、お金のことを留意しておくことはとても重要です。 まず、物事を維持したり変化させるためには必ずお金が掛かります。必要物資の購入や消費に限らず、人を動かすためにも…

  • 「体調管理も仕事のうち」は概ね真実

    色々と時間が無く記事の在庫が切れているので、もの凄く珍しい寝起きのフリーライティングを始めます。 それっぽく言っているだけで、ただ朝起きて寝ぼけた頭で記事を書くだけのことです。 記事の在庫が切れているのも頭がボケているのも数日ほど体調を崩して寝込んでいたことが概ねの原因ではありますが、体調管理は社会人の基本ということで、つまりは自業自得です。 先日、土日に記事を書いていないと言っておいて、ひと月も立たないうちに休日の朝から記事を書いています。調子に乗った因果応報かもしれません。 ここしばらく、当ブログは完全週休二日制です。記事は毎日投稿していますが、記事自体は毎日書いているわけではなくお休みを…

  • ブログを継続する上では健康も大切

    ブログに関する雑談。 恐れるべきは・・・ ブログ運営を継続できなくなる理由はネタ切れやモチベーション低下など人それぞれ様々あるでしょう。 この駄ブログは完全なまでのフリースタイルでどのような記事でも思い付くまま自由に作成しているためネタ切れの心配はしておらず、収益化も端から手を出していない程度に雑な運営をしておりモチベーションにも依存していないため、ネタ切れやモチベーション低下による更新停止はまず考えにくくあります。 もちろん人生何があるか分かりませんので事故や事件で物理的に継続できなくことはあり得るでしょうが、今のところ外的要因以外でブログ更新ができなくなるような事態には概ね至らないです。 …

  • 『継続は力なり』の理屈を検討する

    当たり前のことを言語化していく。 反復練習の効用はサチる 前動続行という言葉があります。これは軍事の用語ですが、従来通りの行動を繰り返すことを意味します。 同じ行動を繰り返す行為、反復練習はナレッジベースで都度都度思考を介していた行動を無意識的に反射で行えるスキルベースへと発展させることができるため、動作の速度と精度を高める効果が見込めます。 例えば兵隊さんが同じ動作をひたすら訓練するのはいざという時に反射的に必要な行動を行えるよう身体に叩き込むためですし、学生が練習問題を何度も解くのは学んだ内容を身に付けるためです。脳の構造上、反復練習は学びを心身に取り込むため不可欠なものだと言えます。 し…

  • 自己開示が苦手だという自己開示

    ふざけた話をしなければいけない、そんな欲求が日増しに高まっている。 娯楽に対する姿勢 自ら評するのもアレだが、如何せん私は根が真面目な人間である。 しかしながらユーモアの価値を軽んじているわけではない。むしろ人生には適度なユーモアが不可欠だとまで信仰している。 娯楽の価値は決して侮るべきではないだろう。エピクロス主義的な偏狭に過ぎる意見ではあるが、人類が文明の最中で築き上げてきた倫理・宗教・哲学の欲するところは幸福の追求であり、すなわち苦痛を取り除くことに他ならない。そして人々を慰め楽しませるための娯楽は苦痛とは真逆の快に属するものであり、よってそれを追求することは極めて文化的で人間的な営みで…

  • 声を荒らげる技術屋は信用できない

    たまには物凄い偏見を語ってみましょう。 個人的な見解として、声を荒らげる人は大抵の場合で仕事ができないと思っています。少なくとも技術屋で声を荒らげる人の仕事の能力は一切信用していません。 そんな個人的偏見を述べていきます。 暴力が何故禁止されているか 人が声を荒らげる理由は簡単で、我意を通すためです。 人が他者に対して自らの意を通す方法には様々なやり方や技術があります。恐怖喚起アピールやフット・イン・ザ・ドアなど、心理学や営業界隈で用いられている用語は聞いたことがあるでしょう。 声を荒らげることもその内の一つです。技術によって他者の心理的抵抗を回避・低減するのではなく、恫喝によって他者の心理的…

  • 穏やかなディベートは良い練習になる

    日本人は討論(ディベート)が苦手と言われています。 学術的な数値データは存じませんが、確かに日本では欧米と比較して文化的に討論を避ける傾向があると考えられており、教育でも討論をあまり重視していないことは事実かと思います。 コンテクスト(背景・文脈)の違い これらは歴史と文化の側面からある程度説明がつきます。 地理の制約で移住の機会や人的交流が少なく、異国文化に接する機会もあまり無かった地域では、同質的な価値基準の人々が集団で定住していることから異なる意見を持った他人の存在自体がイレギュラーなものです。対して移住の機会が多く人的交流が盛んな地域では、異なる文化圏の人々と接する機会が多かったことか…

  • 社会問題への意見表明において「丁寧さ」を侮ってはいけない

    どのような社会でも、少なくとも民主的かつ自由主義の集団であれば全員が一丸となって同一の意見を持つことはまず考えられず、必ず集団内での意見対立は生じます。紋切型の雑な切り口を援用すれば、例えばアメリカでは伝統的価値観を重視するコンサバと先進的なリベラルの分断、フランスでは本質的には経済格差ではあるものの移民とナショナリストの分断などです。 同様に、日本で言えば「日本は凄い!全然問題ない!」とする楽観と「日本は駄目だ!もう未来は無い!」とする悲観で社会的な分断が生じているとする意見を見かけます。 もちろん社会をデジタル的に二分する論は簡略になり過ぎていて実態を適切に表しませんが、物事を単純な概念モ…

  • 不運と不幸は違う

    心理療法の一つに集団精神療法があります。 専門ではないので詳述は避けますが、集団精神療法とはうつ病や不安症、統合失調症など精神的に不調な人々で集団となり、他愛のない話をしたり、あえて積極的にポジティブな話をしたり、それぞれが抱える問題について話し合ったりすることで精神的な問題の解消を図るセラピーです。効果自体はファシリテーターの能力次第となりますが、薬や手技を用いず安価で、同時の複数人への治療が可能であり、社会的に隔絶しがちな方々の社会性を維持することができるなどの利点があります。 他者に自らの不安を話す行為は、上手くすれば自らの不安を言語によって外部化して切り離すことが期待できるものです。モ…

  • 主義主張としての中道

    当ブログで度々述べてきていますが、私は極端よりも中道を好みます。世間における一部の人は中道の姿勢を好まないことがあることを知りつつも、意図的かつ積極的に中道を目指している次第です。 今回は中道の姿勢がどのようなものか、個人的な中道の取り扱いではなくもう少し全体としての中道を説明してみます。 中道はどっちつかずの真ん中ではない 中道に対する特に多い批判は「どっちもどっち」「どっちつかず」「妥協的」といった意見です。 これは中道に対する双方の誤解によって生じていると考えます。双方というのは批判側も、批判される側もです。 中道とは妥協や中立を求める思想ではありません。誤解を恐れずに断言すれば、客観や…

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