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小説の走り出し https://profile.ameba.jp/ameba/tcadc3/

個人的な小説を紹介しています。

初めまして、世界的COVID-19の大流行により、自宅に引きこもる時間が増えました。そんな時間を少しでも前向きに過ごせるよう、小説を書いてみようと思いました。もし、目を通していただける方がいらっしゃれば、幸いです。

Nick2021
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2021/01/06

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  • バルブ 13話

    13 騒ぎが始まるまで  この日クラブでは、近頃テレビのバラエティ番組で活躍されている俳句の先生が招かれ、彼女の半生についての講演と句会が催された。会では辛…

  • セ・ラヴィ

    私はラヴィの声を聴きました。それが彼のものだとすぐにわかりました。でも、それは喜びのうちに絶望をも私にもたらしたのです。なぜって、魂が枕元に立つのはその人が…

  • バルブ 12話

    12 ペリジー・アポジー  車のヘッドライトが暗闇に沈んだ山道を照らし出す。繰り返されるカーブに意識を集中しながら金子さんはアポ爺の要を得ない不思議な話を聞い…

  • うわごと

    小刻みに震えていた父親の痙攣が収まった。もはや回復のためではない。本人の体力が弱っている証拠だ。いよいよかもしれない。 息子がピーナッツ工場にいる母親を呼びに…

  • バルブ 11話

     11 ルトンドゥティタン  鉛色の球体に手を触れると無機的な金属の冷たさが伝わってきた。それは双子の兄の頭とはまるきり違う物体だったが、手で撫でまわしている…

  •   虚空を仰いで思わず見惚れた 雄々しく旋回して飛ぶ一羽の鳥 鷹か鷲か、肉食の猛禽よ 暮時の赤く燃える空に ゆったりと舞うその姿は 古き神話の王に相応しい し…

  • バルブ 10話

    10 おせっちゃんと金子さんと量子化されたアポ爺  唐突に深い眠りがやってきた。二時間ほど眠っていたのだろうか。再び目を覚ますと七時を過ぎていた。ひやりとす…

  • クレプシュ・ゴルダンの罠

    言葉がまだ単純な音節の区切りで発せられていた時代に、端的に言えば太陽が月を追うのか、月が太陽を追うのかの議論から始め、その…

  • バルブ 9話

    9 おせっちゃんとKと忘れられたバルブ  故郷の村の話を書きながら、私は夢のなかでみた出来事を語っているようでもあった。しかし、それらが事実起こったにせよ、起…

  • 地中海の贈り物

     聞こえるのはギターの音色だけ。トミー・ビーバー。トミー・ビーバーはギターを弾く。ぼくは、それに詩をつけて歌ってやるんだ。 唯一の愛、真実の愛、偽りの愛、どれ…

  • バルブ 8話

    8 Fと桃の果実のフシギの物語  村長はFから慇懃に差し出された一枚の公文書らしき紙を受け取ると、折りたたまれた紙を勢いよく開き、つぶさにそこに書かれていた文…

  • キャベツの詩

      キャベツは走った頭を保護するための髪や頭蓋がなかったすぐさまつぎの攻撃によって頭部が粉々にふっとんだ 気品溢れるキャベツで埋め尽くされている青々とこわばっ…

  • 夏の終わり

         「吾郎君、明日ちゃんと役所に行って手続きをしてきてちょうだいよ。ねえ、聞いているの」 「はあ、億劫だな、本当に億劫だよ。何が何だかさっぱりなんだ。ね…

  • バルブ 7話

    7 おせっちゃんのブログと不在のバルブ  古い過去の記憶を辿っていた私は、パソコンのキーボードから手を放し、腱鞘炎気味になっているその右手を軽く揉んだ。九十を…

  • 内定辞退のお手紙

        拝啓秋冷の候、貴社ますますご清栄のことお喜び申し上げます。  この度はまことに勝手ながら先般、頂いた内定に関して辞退の旨を申し添え致します。今回このよ…

  • バルブ 6話

    6 おせっちゃんとKと現れないバルブ  Kは放埓な若者であったが唯一、槍投げの名人として村の人々から認められていた。鍛え抜かれた体躯に槍を担ぎ上げる姿は、ギリ…

  • 石像

    石像  ムッシュー・クラバートは大西洋に突き出た岬の町で石像を売っていた。彼の店は崖の上にあった。店といっても屋根も看板もない。石像が無造作に転がっているだけ…

  • バルブ 5話

    5 太陽を百周する人間  気の早い鶏が黎明の刻を告げるのを聞いて、夢から覚めました。夢の不思議な余韻に浸りながら、暖房のスイッチを入れ、部屋の明かりを付け、湯…

  • 幸福な日曜日

    予てより目を掛けていた女と一晩を共にした翌朝に、まだベッドで眠っている女を残して、わたしは部屋のバルコニーに出た。すでに太陽は十分な高さから大西洋を照らして…

  • バルブ 4話

    4 夢とおせっちゃんとバルブ(仮)  古い記憶と結びついた奇妙な夢をみていました。 わたしとおせっちゃんが桃の木の下で休んでいると村のこどもたちを引き連れた…

  • 砂袋

    南京袋を担いだ老人がやってきて隣のベンチに腰を下ろした。  袋には砂が入っているんだぞ。老人は独り言をいった。  これは、特別な砂だ。偉大な指導者の骨を混ぜ…

  • バルブ 3話

    3 バルブを開放した老人(仮)  森の中を力強くざっくざっくと小走りに移動していく九十九年生きた老人の姿は異様であったかもしれません。ひんやり湿っていく股間に…

  • バルブ

    2 思い通りにならないバルブ(仮)   バルブはまったく動く気配がありませんでした。バルブがその窪んだ部分を握られ、捩じられることを哀願するように訴えかけてく…

  • バルブ

    1 バルブ開放まで  その日の午後も羊毛のジャケットを羽織って散歩にでかけました。そのジャケットは故人となった友人がこの世を去る前に人生の跡片付けと称して、色…

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