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雨霞 あめがすみさんのプロフィール

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ブログタイトル
雨霞 あめがすみ
ブログURL
https://amegasumi.hatenablog.com/
ブログ紹介文
そろそろ人生黄昏ですので、過去に書き溜めた様々なジャンルの小説や散文を公開します。
更新頻度(1年)

10回 / 53日(平均1.3回/週)

ブログ村参加:2020/06/15

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雨霞 あめがすみ

雨霞 あめがすみさんの新着記事

1件〜30件

  • 鉛色の出来事 本編 十

    結局私は大風邪をひいて寝込んでしまった。 落っことしたサバの泥を母が苦労して取って、帰宅した父の食事の用意もそこそこに、私は一度潜り込んだ布団から這い出て、母に付き添われて医者へ行った。 なにかあると近所の子供は大方そこに行くことになっているような病院があって、診察時間をやや過ぎていたが、元々子供専門病院でもあったので受け入れてもらえた。 ドクター・ペッパーのような薬をもらったような記憶があるが、どんな治療をされたか、もうはっきりと覚えていない。きっと、どこへ行っても似たようなものだったろう。

  • 鉛色の出来事 本編 九

    私は教諭に一礼して教室を出た。教諭はまだ座ったままでいた。残務整理があったのだろう。 その方が良かった。教諭と一緒に廊下を歩くなんてまっぴらだった。 廊下か、もしかしたらその辺に中森が居るかも知れないと思ったが、居なかった。さっきは気のせいだったか。ずいぶん時間が経っているので、無理せず帰ってくれて良かったと思った。 とぼとぼと正門を出て歩き出した時、おい、と声をかける者があった。中森だった。 「待っててくれたんかやっぱり」 中森は、もし虹教諭に見つかったらまずいと思ってすぐに隠れたのだと言う。下手すると自分が男性教諭を呼んできたように思われかねないと思ったという。 扉の後ろに見かけたのは気の…

  • 鉛色の出来事 本編 八

    ようやく席に戻されたとき、授業終了のベルが鳴った。 終了の挨拶をした後、数人の掃除当番だけが残って、掃除を始めた。 私は当番ではなかったが、教諭は私にも掃除を手伝うように命じた。 教諭は何故か職員室に戻らずに机に座ったままだった。 息をするのが嫌に苦しかった。掃除が終わったら、また嫌な苦しい時間が待っている。 それを思うと、余計に息苦しい。過呼吸というものを当時知らなかったが、あるいは、そんなものだったかも知れない。 一旦教諭から離れたかった私は、ゴミを集積所まで運ぶことを申し出た。 たまたま当番だった中森が一緒に着いてくれた。 中森は割と仲の良い友達だった。プラモ仲間だったのだ。授業が終われ…

  • 鉛色の出来事 本編 七

    虹教諭は問うた。表情を変えずに、普通の声よりも低く抑えて、それがむしろ前段階を楽しんでいるような嫌らしさが、私には感じられた。 「素振りとは、どんな素振りですか」 「どんなって…」 戸惑っていると、教諭は焦れた。顔にも険しさが漂った。 私はうつむきながらもチロチロとその嫌を窺った。 「しょうがありませんね、先生は期待していたのですよ、勇気を持って自らの誤りが認められることを」 皆はシーンとしていた。私はじっと立っている他なかった。 「じゃ、ちょっと前に出てきなさい。ここでそのときの素振りを皆の前でやってみなさい」 予想はしていた。多分そうなるだろうと。 私はここで初めて長谷の方を見遣った。長谷…

  • 鉛色の出来事 本編 六

    毎週水曜日の午後、週に一時間だけ設けられている道徳の授業があった。 私は知らぬが、一部の人たちがどのような理由か廃止論を叫んだことがあるようだが、授業は今も存続しているのだろうか。 簡単に言えば正しい行いとか努力とか、日常の出来事対する考え方などの類を生徒と教諭が一緒に考えると、そんなことだったような気がする。 気がする----というのは、精々そんな程度の認識でしかなかったからだ。授業はどれも退屈だったが、道徳の授業は他の授業よりは気が楽だった。私にしてみれば、ただぼんやりしていれば済んでいく程度の授業だった。 しかし、その日の授業は違った。思いもかけないことが展開したのだ。 教諭の発言は、唐…

  • 鉛色の出来事 本編 五

    正門前には学校指定の文具屋があって、登校時にはわざわざ店の前にテーブルを置いて商売をしていた。毎朝子供たちでいっぱいだった。 しかし私は、ここでは買うことはあまりなかった。どちらかといえば、道路の向かいの、もうひとつあった小さな文具屋で買っていた。 昔からそういう性格だった。 お婆さんと、その娘なのか嫁なのかは知れないが、小さな家の玄関を利用してつましい店を二人でやっていた。 僅かなものを買っても手製のくじを引かせてくれて、外れがなかった。いつも買った物よりも多いくらいの景品をくれて、こちらが申し訳ない程だった。 そんな工夫までしていたのに、私以外がここで買うのを目撃したことがない。 文具屋は…

  • 鉛色の出来事 本編 四

    虹教諭が、何故私に反感を持つようになっていたのか、歩きつつ、ぼんやりとそんなことを考えた。 小学校四年生は、先生がああだと言えばそれに逆らえないガキタレでしかない。悪ガキでさえなかった私に、外部から学校に苦情を持ち込まれたこともない。 そんな子供に反感などあろうはずがないのだ。 反感でないとすれば、私自身に意地悪をしかけたくなるような要素でもあったのだろうか。それとも単純な理解不能な相性なのか。

  • 鉛色の出来事 本編 三

    久しぶりに訪れた大阪は、街そのものが圧縮されたような、押し詰められた箱庭のような感じを受けた。 オフィス街や新しく開発された街並みは別として、古いまま残っている住宅街は、狭い道路を挟んで肩を寄せ合って並んでいるような、やや大袈裟に言えばプラモデルのジオラマのような感じさえ受ける。 子供だった私から見れば、街は相対的に大きかったのだが、東京に比べると大阪というところは何かこう、濃いのだなと、そんな気がするのだった。 もっとも、成人してからも数年は大阪住まいだったし、今さらそんな感触を抱くのも変なのだが、高校生以後は郊外の団地に越してしまったし、この街に住んでいた当時はその密度を意識することなはな…

  • 鉛色の出来事 本編 二

    長谷をはっきりと認識したのはいつだったろうか。 そうだ、あの時…。 長谷まり子。はっきりとしないが、四年生になった時のクラス替えで多分いっしょになった。 長い間洗ったこともなさそうな汚れた服を毎日着続け、目ばかり大きくてキョトンとして、可愛いとはお世辞にも言えぬ顔立ちで、多分風呂にも滅多に入らず、毎朝顔も洗わず歯さえ磨いていない雰囲気で登校してきていた。 本音では、誰もが彼女の隣に座るのを嫌がっていただろう。身なりが身なりだし、笑うことがほとんどなかった。いやむしろ、喜怒哀楽そのものがないのだ。 成績は恐らくびりっけつの方だったろう。 どこに住んでいるのかも知れず、どんな家庭環境かも知れず、ク…

  • 鉛色の出来事 本編 一

    キチっとまとめていませんが、ちょっと腱鞘炎気味なので、本編を少しずつ公開して行きます。 お読みください。 鉛色の出来事 本編 一 ある日ひょっこりと、小学校の同窓会の案内が舞い込んだ。住所など教えた記憶はないが、たまに連絡を取っているのがひとりふたりは居るので、多分その辺から辿ったのだろう。 卒業三十周年の見出しがあって、その後に簡単な挨拶と参加を即す文面が続いていた。 大阪を離れて長い。楽しいことなどほとんどなかったし、大阪に多少の懐かしさはあっても愛着はなかった。増して子供の頃は、自身できぬこともあって、毎日が重苦しかった。 参加する理由など見当たらなかった。 それでも一通の葉書は、日頃は…

  • 鉛色の出来事 梗概

    始めたばかりで、はてなの感触がまだもう少しというところです。しかし記事は書けますので、ボチボチ行こうと思います。 これは長編の一部として書いたものですが、短編としても構成できますので、これを関する梗概を取り合えず最初に公開します。 鉛色の出来事 梗概 小学校の同窓会の知らせがあった。子供の頃に良い思い出などまったくない。行く理由もないが、何故かふとそのつもりになった。不愉快な思い出は、それ故にむしろ私を引き寄せるのものがあった。 久しぶりに訪れた小学校の校庭は、建物は概ね建て替わっているが、古い体育館とソテツのある植え込みはそのままだった。石組で囲われて大きなソテツが植わっていて、それは今も同…

  • ブログ開設のご挨拶

    始めまして。 恐る恐るブログをはじめました。 過去に、別段小説家を目指すでもなく思いついたことや小説めいたものを書いていました。どこへの発表も考えませんでしたが、そろそろ人生も黄昏であり、ネット上のどこかに、誰読むことを期待するでなく、書庫のような形で公開しようと思いました。 書いているものは小説めいていても、それは細かくストーリーを設定したものでもなく、単に楽しみとして書いていたものです。従って辻褄の合わない部分も出てくるかと思いますが、充分にそれを承知で公開します。 勿論、勝手に立ち消えたりします。多分…。 自分にストレスをかけないことを条件に作業しますので、部分的にでも、もし楽しめるよう…

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