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雨霞 あめがすみ https://amegasumi.hatenablog.com/

そろそろ人生黄昏ですので、過去に書き溜めた様々なジャンルの小説や散文を公開します。

雨霞 あめがすみ
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2020/06/15

雨霞 あめがすみさんの人気ランキング

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  • 水色の日傘--54

    水色の日傘--54

    「ぼんはもう二年生か」 ちょっとの間中空を睨んで何か考えていた工場長が無関係な話でもするように訊いた。 「そうです」 「やったら大丈夫かな」 「なにがです」 工場長はしばらく考えながらタコ焼きを呑み込んでからおもむろに語り始めた。 「実はな、わしはあのかき氷のお母さん知ってるんや」 「え、ほんまですか」 「見覚えあるなとあの時も思うたけどな」 工場長が語るには、どうやらママさんは私が一時住んでいた安アパートに夫婦で住んでいたらしい。 「あの辺に割と大きな広場を抱えたアパートがあってな、元は軍関係の何かの部品作ってる工場やったと聞いてるけど、そこを戦後アパートに改造したんや。屋根が工場やった当時…

  • 水色の日傘--53

    水色の日傘--53

    私はママさんのことが気になったから、もしかしてまた来ていないだろうかと、その後も篠田と公園を訪れたが姿を見ることは遂になかった。そのまま夏が終わった。 こんなことがあったのに篠田とも以後特に親密になることもなく極普通の付き合いになった。元々クラスが違っていたしそれまでは言葉を交わしたこともろくになかったから、それは普通の成り行きだったろう。 この夏を最後に、私の小学生時代の夏の記憶はほぼなくなっている。多分、平凡な日常になってパッとしない日々を過ごしたのだろう。特別記憶に残るようなこともなかったのだと思われる。 中学生になると、もうこの夏の記憶は普段の頭になかった。中学校では私が通った学校とも…

  • 水色の日傘--52

    水色の日傘--52

    興行的に大成功だった。その時だけできっと三日分くらいの売り上げがあったのではないだろうか。それを思うと嬉しかった。明日はまた会えるのだ。私は、多分篠田もそうに違いないが、ママさんに生意気にも無邪気な恋心を抱いていたのだった。齢と言っても、多分まだ二十歳代だった。スラッとした細面で、今でははっきりしないが、髪を後ろで束ねていた。少なくとも同年齢当時の私のお袋よりは遥かに美人だった。 篠田とは昼一時過ぎに待ち合わせていた。私は明日の情景を勝手に思い受かべて眠った。ワクワクしてなかなか寝付けなかった。どこに住んでいるのかも知れない。きっと昼食を摂ってから出て来るのだろう。他の公園を回ったりしているの…

  • 水色の日傘--51

    水色の日傘--51

    氷を最後までガリガリやって、結局払いはドンブリ勘定になった。事実上余分に食った奴も居たが、それはもう問わない。主将である萩野と浅丘が「はい集金集金」と言って一人ずつ集めた。悟君と田中君のグループはそっちで払った。十円玉を持たないで出てきた奴も居たが適当に個人間で調整した。 「いやあ、きょうはようけ売れて嬉しいわ、ほんまにありがとうね」 ママさんは子供の頭を撫でながらニコニコしていた。 悟君が弾むように言った。 「楽しかったできょうは、田中と君ちゃんが思いがけんとこで出てきたし」 余計なお世話だと田中君は言い、君ちゃんは空を向いていた。 ママさんはそろそろ帰り支度を始めた。もうちょっと見ててねと…

  • 水色の日傘--50

    水色の日傘--50

    来たきたと皆でママさんを迎えた。ママさん戻ってきたよと篠田が子供に語り掛けて一緒にママさんの元に歩み寄った。子供はママさんのスカートをしっかり掴んでちょっと泣き出しそうにしていたが、篠田がそれをしきりになだめていた。 「やっぱりママさんとちょっとでも離れてると寂しいんやな」 篠田はそう言ってママさんの様子を窺った。小学生ばかりと言っても大勢だし中学生も混じっている。それ程の心配はしていなかったろうが、子供の頭を何度か撫でて安心の表情だった。 「ちょっと人数減ったんか」 そのように見えたので篠田に尋ねたら、試合も終わったしで、ママさんを待っている間に女子どものかなりは帰ったらしい。ちょっと残念だ…

  • 水色の日傘--49

    水色の日傘--49

    ハアハアと走りながら萩野は私に訊いた。 「あっちの市場、いっちゃん行きやすいのはどの道や」 公園の前のバス停から二つ目の停留所の前に市場がある。自分たちは普段利用しない市場だが、何度かは訪れたことがある。 「どうでも行けるがな。どこ回っても似たようなもんや」 「ほな、どう回るんや」 町内を升目に仕切って道路が走っているからどこを行っても距離は同じだ。しかし道の採りようによってはママさんと入れ違えになる可能性もあった。 「乳母車を押してるんやからいきなりバス通りには出やへんやろ」 「ええ推理や、それくらい頭働かせたらお前の成績ももうちょっと上がるんや」 「よけいなお世話や」 走りながら嫌なことを…

  • 水色の日傘--48

    水色の日傘--48

    篠田が弾んで言った。 「ママさん良かったね、氷なくなってしもたけどそれだけ売れたんやもんね」 私は思わず言った。 「あほ、ここからが商売やないけ」 「そやな、予想外の売れ行きやけど、どないしょ」 私は全員を見渡した。女子たちの何人かは、それだったら私たちはもういいとグループになって帰る者も居た。しかし男子が全員残っているしそれに関係する女子たちも残っていた。中学生の田中君と君ちゃんが居るし悟君と水口も居る。まだ結構な人数だ。 ママさんが問いかけるように言った。 「ごめんね、でもみんな食べてくれるんやったら今から氷買ってくるけど、どうないしょう」 篠田が素っ頓狂な声をあげた。 「え、今から買いに…

  • 水色の日傘--47

    水色の日傘--47

    皆ゾロゾロとかき氷の売り場の周りに集まってきた。私は篠田の近くに歩み寄りママさんにコックリと頭を下げた。ママさんは、きょうもやはり大人しい女の子に寄り添うように植え込みの縁に座っていた。 「聞いてるよ、二人で色々やってくれたんやね、ようけ集まってくれておおきに」 私は篠田の顔を横目でちろっと見た。言わぬでも良いのにママさんに手柄話をしたようだ。篠田はえっへっへと頭を掻いた。 女子たちの中にはとっくに食べている者や既に食べ終わった者も居る気配だった。 私は篠田に小声で訊いた。 「いくつ売れたんや」 「五つくらいやな」 しかし氷はまだたっぷりある。これが溶けぬうちに売ってしまわねば。 篠田はここと…

  • 水色の日傘--46

    水色の日傘--46

    子供のジャンケンでいちいち先を読む者は居ない。あっても少数だろう。最初に何を出すかくらいは決めるものだが後は条件反射のようなものだ。二人がタイミングを揃えてパッと出したら二人ともパーだった。不思議なものだが、何故か最初はパーを出すことが多いのだった。 あいこで…ショッと出したら偶然か読んだの二人ともグーだった。全員がもう一度掛け声をあげた。あいこで…ショッと、今度は橋田がパー。馬場はまたもグーだった。 私は大きな声で宣した。 「パーの勝ち!四組の橋田君の勝ちです」 馬場は思わず崩れ落ち、橋田は両手を挙げて「やったー!」と叫んだ。 四組女子たちから一斉に歓声があがった。三組女子たちからは一旦はた…

  • ちょっとだけお知らせ

    ちょっとだけお知らせ

    思いつくままのまとまりのない駄文を書いてきましたが、短編だけにして置くつもりでしたがいつの間にかダラダラとした長辺になってしまって現在に至っております。 しかし更新は続けるつもりで、一カ月に一度もない極少の更新でしたが遅れ遅れでも頑張っていました。 ところが最近になってちょっとしたアクシデントに見舞われまして、以後は更に更新が滞ると思います。アクシデントは、今のところはまだ全体が見通せない状態でして、落ち着くまでにはそれなりに時間がかかりそうです。 止めてしまう訳ではありません。少なくとも現在進行中のものだけは最後まで続けたいと思っています。 時々立ち寄って頂いている方には申し訳ありません。m…

  • 水色の日傘--45

    水色の日傘--45

    走ってきた吉田とキャッチャーの萩野がもつれ合って転んだ。転んでも萩野はしっかりボールを保持していた。際どいが、私には萩野のタッチが一瞬早いように感じた。 「アウト!アウトアウト!!」 右拳を二度三度突き上げて私はアウトを宣した。ここで躊躇すると信頼をなくすのだ。ワーッと四組女子たちから声援が巻き起こった。 「えーっ!嘘やーん」 吉田が起き上がりつつ、叫んで抗議した。三組のメンバーも一斉に駆け寄ってきた。主将の浅丘も詰め寄ってきた。打った高田も二塁に達していたが様子を見に戻ってきた。 浅丘は私の顔を睨んだ。「俺には殆ど同時に見えたで、お前にはっきりわかったんか」 萩野がニヤニヤして起き上がりつつ…

  • 水色の日傘--44

    水色の日傘--44

    打球はセンター方向に高く上がった。体格のある長谷川の自力だろうか。大根切りにしては不思議な打球の上がり方だ。しかも大きい。センターの森が懸命に追った。吉田はためらい走りで飛んでいく打球を目で追った。 突然浅丘が叫んだ。 「抜けるぞ、走れ!」 吉田は指示を信頼して走った。しかし意外にも打球が高く上がり過ぎていた。深いところまで走った森が捕れそうな気配を見せた。 浅丘がまた叫んだ。 「あかん、戻れ!」 「そんな…殺生な」 吉田は息を吐きながら慌ててファーストへ戻った。森からの返球を一旦福永が受けて振り向いたが吉田は無事にファーストに戻っていた。ツーアウトランナー一塁。 「惜しい、もうちょっとやった…

  • 水色の日傘--43

    水色の日傘--43

    橋田は一球目外に投げた。はっきりとわかるボール球で、徳田はまったく動く気配なく見送った。 「おいおい、歩かせるつもりやないやろな」 徳田はチロッと萩野に視線を送った。萩野は返球しながらも徳田を刺激するように言う。 「さあな、お前に馬鹿にされた橋田や。勝負せんわけないやろと思うで」 徳田はちょっとムッとした。今になってそのことは気になっている。調子に乗って余計なことを言ったかも知れない。しかし敢えて言われるとむかつくのだった。 二球目、橋田はわざとフワリとした球をインコースに投げた。殆ど徳田に当たりそうだったが球が緩いので揉め事にはならない。徳田は馬鹿にしたように余裕を見せて避けた。ボールツー。…

  • 水色の日傘--42

    水色の日傘--42

    コースは真ん中だがやや低め。高さは吉田のつもりとはちょっと違った。しかし出かかったなにかみたいな話で、もう止まらない。普通なら見送るだろう球を、吉田は腰を屈めるようにして短く持ったバットを鋭くぶっ叩くような感じで振った。 パコン!と音がして球は橋田をめがけて飛んだ。低い弾道で一瞬橋田には見えなかった。その僅か手前で一旦バウンドした球は橋田の左肩ををめがけて飛んできた。 うわっ!と叫んで橋田が咄嗟に突き出したグラブに当たった球は弾んでファースト側に転がった。 「走れぇ!」 三組全員が叫んだ。ファールグランドまで転がった球を井筒が追いかける間、吉田は尻に火が着いたように走った。 よろけた橋田が体制…

  • 水色の日傘 41

    水色の日傘 41

    振り返ると、差した日傘の水色の陰のなかでママさんは穏やかな笑顔を浮かべていた。商売道具を乗せた乳母車を片手で押して、子供がスカートの裾をしっかり握っている。そのすぐ横に篠田がまるで兄貴のような顔をして一緒に歩いてくるではないか。 ぬぬ!っという気持ちに一瞬なるのだった。その険しさとママさんを見る嬉しさとが微妙に混じった複雑な表情だったに違いない。 私はそばに駆け寄ってママさんにちょこっと首を傾げて挨拶をした。 「おおきに、待っててくれたん」 ママさんの涼しい声がした。 「はい、もうすぐ試合終わります。そしたら皆でかき氷食べます」 私の声は弾んでいた。この時のためにすべてのことを企んだのだ。そし…

  • 水色の日傘--40

    水色の日傘--40

    「おう篠田、ママさんきたか。それにしてもゆっくりやな」 「贅沢言うたらあかん。子供連れてんねやで、そないスタスタ歩けるかいや」 「それもそや」 私は相槌を打った。 「それにな、氷がどんどん溶けて、一旦買いに行かはったんや」 「成る程、そんなこっちゃったんか。けど、お陰でちょうどええとこや、最終回やがな」 「どっち勝ってるんや」 どうでも良いけれど一応訊いて置こうという感じで目つきだけは真剣なのだった。 「うちが勝ってるで、ありえんこっちゃろ」 私がそう答えても篠田は頷くだけであまり関心はない。何があっても七回で終わりだが、下手に同点、或いは逆転などになって四組の攻撃があるよりもこのまま終わった…

  • 水色の日傘--39

    水色の日傘--39

    徳田は、ややためらいを含みつつ語り掛けてきた浅丘の目を見た。 「きょうはええ試合やで」 わざわざ寄ってきて何の話かと思いつつも徳田は頷く。「そやな…」 「こんなええ試合は滅多にないで」 「俺もそう思う。四組も前とは大違いや。こんなに点取りよるとはな。けどそれがどないしてん」 「それやがな、きょうみたいな試合はもう勝ち負けやない。記念もんやな」 徳田は訝る。「なに言うてんねんお前」 「いや、そやからな、こんな試合は全員参加で終わりたいもんやがな」 「全員参加…」 「吉田が補欠のままやがな、この前の試合もそうやった。きょうはあいつにも出てもらおうやないか」 徳田はチラッと吉田の方を見た。吉田は地べ…

  • 水色の日傘--38

    水色の日傘--38

    「浜田!」 プレーをかけようとした時突然後ろから呼ばれた。 「お、篠田」 走ってきたのだろう、篠田は息弾ませて言った。 「ママさんくるで」 ひとつ手柄を立てたような得意顔をしている。 「おおそうか、良かった。今どこに居てはんねん」 「こっちへ向かってる。もうそろそろ見えるはずや」 私は女子たちの集まりを見た。ほとんどがそのまま観戦している。全部とは言わぬでも半分でも買えばかなりの売り上げになるはずだ。計算は鈍いが一人五円としても何人居るのか。 篠田は言った。 「俺な、ママさん来はったら女子に言い含めるで。宣伝やがな。氷喰いとうなるように仕向けるんや」 私は頷いた。 「もちろんや、頑張ってくれ。…

  • 水色の日傘--37

    水色の日傘--37

    呼ばれた萩野が駆け寄って問うた。 「なんやどないした」 いつものように井筒は小声で答える。 「うちに補欠はなかったんかな」 「そうや、前に岸下がおらんかったから浜田が入ってたんや。浜田はあの通り今日は主審や」 「ああそうやった、それやったらええんや」 「なんや、どないしてん」 「補欠があったら代走で出てもらおうかと思うて」 「代走…」 「あのな、今日は滅多にないええ試合やと思うねん。もしかしたらええ思い出になるかも知れん。そやから、みんな出られた方がええと思うねん」 「ああなるほど。折角出てきとるんやからな」 「そやけど、何か切っ掛けがないと交代も変やろし」 「手、痛むんか」 「全然…」 「そ…

  • 水色の日傘--36

    水色の日傘--36

    五回裏の四組の攻撃は五番の黒田からだった。黒田は当たり外れが多くて楽しめる人物だったが野球に於いてもそうだった。先程はまぐれのホームランをかっ飛ばして一躍本日の有名人になったが、そんな時でも打席にはあまり真剣に立っているように見えない。いつも眉を波打たせて--しょうもないわほんまに--とも読める顔をしているのでそこを先生に叱られたこともあったが今は皆が性格を理解している。 そんな黒田だから意外にまた打つぞとそれなりに期待され、さすがの黒田も良い気分なったのか打つ気がみなぎっているようだった。ところが大振りが目立って球に当たらない。来る球皆振って三球三振に終わった。

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